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下山事件 暗殺者たちの夏
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下山事件 暗殺者たちの夏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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良人は自分が犯した罪に目を閉じることができない。 だからきっとその罪を表に出したいという願いを叶えるべく 子孫に働きかけた。 真実であるからこそ読む者の心を動かす。 わたしという庶民が一人、 真実を知るだけでそれを他の誰に伝えるでもない。 それに意味はあるのかという思いもよぎったが たった一人でもその心が震えたなら、 その振動はこの世界に影響を及ぼすはずだ。 たぶん想像以上に・・・・ | ||||
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感動しました | ||||
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「下山事件最後の証言」が最後だと思ったら本書を図書館で発見した。 今回は、小説仕立てで事実が不明な点も埋められているので理解しやすい。魑魅魍魎が日本社会だけでなくGHQ内部にも跋扈していて、戦後の混乱期のダイナミックさがよくわかる。度胸があって目端の利く奴の強欲さと生命力の強さが楽しめる。 蛇足だが、ISOとかコンプライアンスは人間を小さくするよね。 | ||||
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ノンフィクションの初版ハードカバーは、著者にサインを頂きました。 文庫本が出版された時、ハードカバー版には書かれていない内容が追加されていて、、追加情報だけでも購入したかいがありました。。 ハードカバーは重いので、寝ながらもう一度読むのに丁度よい、程度の軽い気持ちで購入したのですが。。 それ以上の内容は、あったとしても書けないだろうと思っていたのですが、、いつの間にかノンフィクションではないフィクション版が出版されていたので購入。。 なるほど、面白い!! 著者は忘れましたが、戦後日本のノンフィクションとしては、不良外人が書いた、東京アンダーグラウンドという本も面白かったです。六本木のピザ屋を経営していた人の本です。当時のアメ車がどんなだったか、よくわかります。 フィクション版だけでなく、ノンフィクション版と合わせて読む事をおすすめします。 できれば、出版された順番で3種類。。 これらの本を出版されるのは、、とても勇気のいる事だったと思います。 | ||||
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今年読んだ本の中で最も興奮して読めたもの。フィクションと謳っているが著者のもうひとつのノンフィクションの下山事件関連の著作を読んだ上で読むとすっきりする。もちろんこの本には創作も入っているものの話の大筋では著者だけがつかめたファクトも存分に織り込まれている。下山事件を理解する上で、そして戦後の日本の成り立ちを理解する上で読んでおくべき本だと思う。素晴らしい「小説」です。平成にこれだけの情報を織り交ぜて事件を再現する筆力には感服しました。 | ||||
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下山事件平成三部作を通読した後に残っていたモヤモヤ感を、数年振りに晴らしてくれる作品です。 | ||||
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著者は、すでに『下山事件 最後の証言』(祥伝社、2005年刊)において、自らが収集した新たな情報を含めて、戦後日本の方向付けを決めたほどのこの重大事件の見取り図を描いた。ジグソーパズルに例えれば、いくつかの穴はあるものの、誰がなぜどのようにしてこの事件を起こしたかの基本骨格が浮かび上がった。本書は、残されたいくつかの穴をフィクションというピースで埋め、全体像の精度を高めたものである。一見矛盾する多くの目撃証言などの裏に、事件を操った組織の動きを当てはめることで、前著以上に説得力が高まった。もちろん、本書はあくまでフィクションであるので一つの仮説と受け取るべきであり、事件の更なる解明の必要性は今後も続く。 戦後間もない1949年(昭和24年)7月5日、国鉄総裁下山定則が出勤途中に失踪し、翌7月6日未明に常磐線の線路上に死体となって発見された。日本を震撼させたこの下山事件については従来から、自殺説対他殺説、GHQ主謀説対共産党主謀説、戦前の特務機関人脈暗躍説(731部隊を含む)、その他諸説が入り乱れてきた。本書の著者の祖父・柴田宏は、かつて特務機関員であり、戦中から陸軍関連の軍需会社「亜細亜産業」の幹部社員だった。戦後復員してからその亜細亜産業の総帥・矢板玄に誘われ、再び幹部として活躍する。前著『下山事件 最後の証言』で既に明らかにしたように、本書では下山殺害の首謀者は亜細亜産業グループという見立てに基づき、全五章(再会、謀略、事件、捜査、迷宮)が展開される。下山総裁以外は実名が多少変えられた名前が用いられているが、『下山事件 最後の証言』を読んでいれば、主要人物やビル名は容易に推察できる。 下山事件に関連した人・金・物・情報などがすべて亜細亜産業絡みであることが、本書の随所から確認できる。戦時中に国内や国外で強制的に回収された貴金属(少なくともかなりの部分)が亜細亜産業に保管され、拠点であるライカビルの一室には金の延べ棒が隠されていたという。この金を目当てに、保守・共産を問わず政治家、GHQ関係者、旧軍関係者(特に旧工作員)、情報屋などを含む魑魅魍魎がこのビルに出入りしていた。また、旧軍関連の利権で得た資金により、亜細亜産業は多くの子会社・工場を北区などに有し、中国での謀略に暗躍した鉄道専門家や731部隊関係者にも人脈を持っていた。これらがすべて下山総裁謀殺のために駆り出される。 本書は、下山総裁が国鉄電化のための資金(「M資金」)導入に反対したり、国鉄内の不透明な資金の動きを告発する構えを見せていたことから、亜細亜産業に巣食う一味にとって自らの利権を奪うものとして脅威と見なされ、謀殺されたとする。前著では下山総裁謀殺につながりうる様々な要因が錯綜していたが、本書では、この亜細亜産業絡みの要因に絞られて物語が展開される。この他、事件捜査を混乱させるための様々な謀略・目撃証言も旧軍の謀略専門家の仕業とされ、従来のおおくの「謎」への謎解きがちりばめられている。 下山事件は、一部の暗黒勢力が、アメリカの権力を巧妙に利用して利権を確保するとともに、日本の政治家や官僚、それにつながる財界や右翼がおこぼれを与えられる、という今も続く日本の戦後レジームの原型とも言える事件である。本書および前著『下山事件 最後の証言』は、この下山事件の解明に重要な一石を投じたといえる。この事件の更なる究明がまたれる。 | ||||
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昭和24年夏に起きた所謂国鉄3大事件の最初に惹起したのがこの下山事件である。 続く三鷹事件、松川事件では、「犯人」が逮捕、起訴され、死刑判決を含む重罪が課せられたが、後に最高裁で全員が無罪となり、この下山事件を含めて真相は未だに明らかになっていない。 これら3事件に関する刊行物は実に多く、特に下山事件に関しては、既刊物が突出している感がなくもない。 ノンフィクションでは書けないことも、小説だからこそ書けることもあると著者自身が言うように、事件全体の細部にわたるディテールは、創作が入るからこそ描写が可能だったに違いない。ただ、その創作も、奇想天外な、根拠も薄弱な創作なら、その魅力も半減したものだろうが、著者自身の綿密な取材に基づく、事実の裏付けが確かと思われる創作故にこそ、迫真に迫る描写となったのだろう。 その中で、下山総裁が殺害される場所が、千葉県勝浦の漁港の一角という設定は、自分の知る限り、これまでの文献では出てこない場所であり、著者が、どのような根拠に基づいて、この場所を殺害の現場としたのか、もう少し詳しい説明がほしいところであった。 文中には、旧731部隊の残党の暗躍も見え隠れする。 また、GHQ内部の熾烈な権力闘争と、その下に群がる日本の利権集団の暗闘も描写されているが、事件のどの部分に、どのような組織がどの程度関与したのか、掘り下げ方に、物足りなさを感じざるを得ないのは残念だった。 事件から66年という歳月が過ぎ、何故、また下山事件なのかという素朴な疑問も、本書の書かれた特殊な時代背景を抜きにしては説明できない。 GHQ施政下の戦後の日本の混沌とした時代に起きたこれらの怪事件は、まだ、その全貌が解明されざる戦後史の闇の中で、新たな歴史探求という知的興味を呼び起こすに足る魔力のようなものが事件全体を覆いつくしているからであろう。 そして、真相に迫りつつあるように見えて、迫り切れないもどかしさが、これら未解決事件にあるからである。 フィクションを交えているとはいえ、下山事件に新たなスポットを当てた読み応えのあるミステリーであった。 | ||||
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面白かった! ノンフィクションである前作「下山事件 最後の証言」も面白かったですが、 本作は小説という表現をとることで、 著者は証言では埋められなかった事件のピースを描きました。 前作以上に事件の背景が語られていて、下山事件の全体像が見えます。 戦後の混乱期。 民主化と緊縮財政を進めるGHQ傘下の行政組織GS。 反共を旨とし、日本の旧体制を維持しようとする同じくGHQ傘下の諜報部門G2。 この2局の主導権争い。 G2配下に組織される旧日本軍に由来する日本人諜報グループ。 国鉄発足に伴う大規模な人員整理。 国鉄電化を主軸とする日本の電源開発。 その背後に蠢く利権集団。 さらにM資金。 こんな時代背景に加え、 国鉄のダークな姿も興味深いです。 戦後発足した国鉄は旧満鉄関係者の受け皿であって、 戦前、戦中にダーティーな仕事をした人間がその周辺も含めて多数巣食う一方、 労働運動の中心として日本の共産主義の一大基盤でもある、 左右の過激な人物の跋扈するとても難しい組織だったのです。 下村国鉄初代総裁はこんな混乱の渦中で命を失います。 犯行グループの謀略の全容も驚き。 国鉄にまつわる利権が侵される事態に牙を剥いたわけです。 後半は事件後の様子が描かれます。 自殺か他殺かで、捜査一課と捜査二課が、東大と慶応大の法医学教室が対立します。 最近ノンフィクションノベルをたてつづけて二作読みましたが、 どちらも面白かったです。 ちなみにもう1冊は「殺人鬼ゾディアック」。 | ||||
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とてもリアリティーのある小説で歴史の真実ではないかと思いました。当時の歴史的背景から見ると全てが合致するのではないかと感じました。 また、戦後三代フレームアップと言われた「松川事件」「三鷹事件」「下山事件」はこの小説の「真実」に共通するものではないかと思います。 その意味でこの小説は大きな価値をもった小説だと言えます。犯人の中に筆者の親戚筋の人がいてその証言をも元にしていることに説得力があります。 | ||||
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著者の柴田氏は、「自分の祖父が下山事件の実行犯だったのではないか」と考えている という立場の人で、なので取材対象も祖父のかつての知人や上司であるという点で 他の研究者と異なっている。 この本は完全な小説という形をとっているので、より思い切った推測ができている。 とても詳しいので、下山事件の本を初めて読むのなら、事件の経過を簡記した本を 先に読んでいるといい。 | ||||
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フィクションではあるが、作者の創造力に脱帽です。祖父という血縁に導かれ、またエネルギッシュな取材やその裏付けによって構築された作品だけあって説得力のある作品でした。 | ||||
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下山国鉄総裁が、行方不明となった、日の深夜 わずか1,2時間後に轢死体が発見された、その現場付近で、およそ日本人とは考えられないいくつかの大きな人影が目撃され、またそこにジープの車両の跡と思われる何本かのタイヤのあとがあったと、と言うことだった。 ある本にはそう書いてある。この謎についてもこの小説を読めば大胆な推理があり、矛盾がない。 最初に引用した本は、被告、著者は佐藤一である。 | ||||
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