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細い線



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細い線の評価: 3.50/5点 レビュー 6件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(5pt)

日常に潜む陥穽と恐怖

原題 The Thin Line(1951年刊行)
手に汗握るサスペンスとか、巻措く能わずなどという類の面白さではなく、真綿で締め付けられるような焦燥感が読み手を掴んで離さない、日常に潜む陥穽を描いて本当に怖い小説だ。特に結婚している人間には殊更。
題名の表す通り、ふとした弾みで一線を踏み外し、殺人者となった男の心理と運命を克明に描写し、時代や場所を超え秀れて普遍的な物語。それ故、成瀬巳喜男の『女の中にいる他人』(1966年)を始めとして再三映像化されているのだろう。特に冷ややかな恐怖が余韻深い結末は秀逸。
細い線〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:細い線〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150726523
No.3:
(4pt)

決心したよ、マーガレット。自首するよ。

作者のアタイヤEdward Selim Atiyahは、レバノンに生まれイギリスのオックスフォードに留学し、スーダンの大学で歴史を教え、スーダン政府の役人をつとめたこともある。自伝や歴史に関する本もあるが、ミステリで知られているのは本書だけだ。

1951年に発表されると、ニューヨーク・タイムズの書評紙に1951年から52年にかけてのベスト15として選ばれ、江戸川乱歩はそれを受けてジョセフィン・テイ『時の娘』と同じくらい独創的なサスペンス、と賞賛している。

筋は簡単で、犯人も最初からわかっている。不倫関係にある既婚女性を殺してしまった男が、まったく疑いを受けていないのに最初は妻に、次に友人で被害者の夫に罪を告白し、最後には警察に出頭しないではいられなくなってしまう。その殺人者の心理過程がうまく描かれているだけではない。この物語の結末は流れからすれば自然だが、それでも静かなショックを与える。

この作品を翻案し、成瀬巳喜男が監督した『女の中にいる他人』という映画があると知り、観てみたいと思いました。
細い線 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:細い線 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U1UC
No.2:
(4pt)

悲劇的ストーリーだけど救われる

傍目にこれとわかる強烈な動機も感じさせずに、なんとなく情婦を殺してしまった男。捜査の手が伸びてくる可能性もまずない。しかし、男はもともとは善人であり、必死に心の平穏を得ようとする葛藤が全編を通して描かれる。現実性を欠いた夢のような状況のもとで犯した殺人という、自分でも信じられない罪を背負った男にとって、平穏とは何なのか?
 他方、夫のおかしな言動から徐々に不審を抱き始めた妻が、家族を守るために最後に見せる現実的な解決は、悲劇的ではあるけれど、奇妙にほっとする現実生活への回帰に思えた。
 心に残る作品。
細い線 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:細い線 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U1UC
No.1:
(4pt)

この様なストーリーは好きです最高ですね

TVドラマの「女の中の二つの顔」で見ました。
余貴美子
村上弘明
岸田今日子
杉本彩

罠が仕掛けられたサスペンスは一見善人と思われる人物が意外に悪人であったり、
これはそれを越える悪人が出てきます。
「推定無罪」や「パーフェクト・ストレンジャー」のラストに似ています。
細い線 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:細い線 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U1UC

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