インヴィジブル・シティ
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2014年に出版された本書で数々の最優秀新人賞に輝いたアメリカの新進女流ミステリー作家ダールの期待のデビュー作です。最初に本書のカバーは「不可視の都市」という原題を忠実に表現していて非常にわかり易くて意図が十分に理解出来るのですが、でも何となく温かみがなく薄情けで無機質なSFの世界みたいな冷たい雰囲気が漂っていて、私的にはどうにも好きになれませんね。まあコージー・ミステリーではないですしお気持ちはよくわかるのですが、とは言えもし既に出版されている本書の続編が紹介されるとしたらその時にはぜひともリベンジして欲しいですね。 ブルックリンのスクラップ置き場で女性の遺体が見つかったとの報を受けて現場に駆けつけた駆け出し記者レベッカは正統派ユダヤ教徒の黒衣の男達にあっさりと遺体が引き渡され運び去られる光景を見て愕然とする。事件がこのまま闇に葬られるのではと危惧した彼女は真相を探ろうと努めるが、やがてそれが容易ではない事を思い知らされるのだった。 本書が高い評価を受けた理由はテーマの社会性と意外な犯人の趣向でまず多くのミステリー・ファンを鮮やかに欺いて見せたその完成度の高さにあるのでしょうね。まずミステリーとしては背景事情から見て犯人は歴然としていて後は証拠が明らかになるのを待つだけの単純な犯罪だと思わせておいて、最後の最後に驚愕のどんでん返しでまさかの真犯人が正体を表わすという(予想していたのとは全く違う犯行動機の手掛かりもきっちりと事前に示されていた事に気づかされます)まるで本格ミステリーのお手本の様な一昔前の探偵小説を読んだ時の興奮を思い出させる巧妙なテクニックに完全に虚を突かれてもう真剣に脱帽しましたね。そしてその犯罪の背景には単なる欲得感情や怨恨感情ではない複雑な人間のおりなす哀しい性が存在していて誠に痛ましい悲劇的な問題について深く考えさせられましたね。次に社会的問題については、アメリカ人ではありませんからこのフィクションがどの程度の真実味があるのかは判然とせず、また殺人事件という重犯罪なのに警察が関係者に対して手心を加える展開は幾ら何でも信じ難く誇張されているのだろうとは思いますが、でもこういう風になりかねないと思わせる雰囲気が多少ともあるのだとすればそれは不幸な事で公正に正されるべきで、その背景には遠い昔からの悲しい事情があり心情的には理解できるとは言え、異民族が歩み寄り互いの立場を尊重して根深い人間不信から脱却した上で排他性を捨て去って欲しいと思いますよね。思えば本書のヒロイン、レベッカがユダヤ人であるからこそまだ壁が開く余地が出来た事を思うと気が重いですが、でも本書が広く読まれる事で変化が訪れる可能性に賭けて未来に希望を持ちたいですね。さてヒロインのレベッカは推理能力の面ではとても名探偵とは言えないアマチュアですが、でもその粘り強く諦めない執念で事件にくらいつく姿勢は誰にも負けない素晴らしいプロ根性で、取材に当たっての人々に接する態度や自分の仕事に誇りを持って真摯に取り組む姿勢を含めて好感度抜群で今後の活躍に期待が持てますし、私が何よりも感心したのは幼い時に彼女を捨てて出て行った母に対して怨みを持たずに心情を理解しようと努めて来た性格の強く真っ直ぐな所ですね。また本書のラストに起きるハッピーなサプライズは彼女の謙虚さに対するご褒美だったのだと思えますね。最後にこれは余談ですが、本書を読んだ後にTVの歌番組で今話題のお笑い芸人「はなわ」さんの歌「お義父さん」を聴きまして、性別は違いますが偶然にも本書と似たシチュエーションの物語に素直に感動を覚えた事を付記しますね。 | ||||
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もう少し、ユダヤ人社会の内部のことがわかるかと思ったが・・・。 下世話な期待をした私が悪かった・・・。 小説としては可も無く不可もなく普通に読めました。 | ||||
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う~ん、ストーリーとしてはあまり楽しめませんでした。 主人公の仕事の仕方は空回り気味ですし、ちょっとネタバレで恐縮ですが、 重役に呼び出されて叱責を受ける場で初めて重要な報告ができました。 社会を揺るがすようなネタならもっと早くから組織的に動けよ、と突っ込んで しまいました。 それでも尚且つ単独行動。犯人がもう少し隙の無い人物なら終わってましたね。 アメリカのユダヤ社会については、事実がどうかは分かりませんが、こんなに抑圧的 なのを初めて知りました。 たくさん賞を受賞していますが、もしかすると本作のような題材はややタブーとなって おり、その点が勇気ある問題提起として評価されたのかな・・・ | ||||
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文章が端的で、テンポがあり新人とは思えないー記者が犯人を追う展開だがそこにユダヤ人の世界観、疎外感が痛い程感じる。次回作が期待できる作品 | ||||
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「シェイマス賞、マカヴィティ賞、バリー賞最優秀新人賞受賞!」と紹介にあるように、アメリカでミステリ賞の新人賞を三冠制覇した作品。 ミステリの賞はけっこうたくさんあるので、最大メジャーのエドガー賞以外は、そのランク付けがわかりにくいのですが、それでも3つも受賞するのは、かなりの高評価と思っていいでしょう。 本作は、その高評価もうなずける、なかなかの出来ばえ。 健気に頑張る女性主人公のお話だけでなく、現代のアメリカにまだこんな社会が残っているのか、いやこれこそがアメリカの現実なのかと、思い知らされた気がしました。 昨今のアメリカ社会の分断にも通じる、アメリカの現実を知る意味でも、一読をおススメしたい作品です。 もちろん、ミステリ小説としても上質なのは言うまでもありません。 | ||||
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