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タイムカプセル浪漫紀行
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タイムカプセル浪漫紀行の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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良いです。 わたしはこの作品とても好きです。 確かに「雨の日のアイリス」と比べれば見劣りするかもしれません。しかしそれは「母の作った肉じゃがよりも、シェフ特製カレーの方が美味しい」みたいな話だと思います。 特製カレーはおいしいでしょう。インパクトがあり、高級で、癖がなく、味の整い方も尋常ではないと思います。 しかし、母の肉じゃがだって旨いのです。インパクトや高級感こそ特製カレーに劣りますが、優しい味と母の愛情という点では他の追随を許しません。 そして、この2つ、材料はさほど変わらなかったり。 つまりですね、過小評価だといいたいわけです。 既読の方も未読の方も、一度よく読んでみてください。構成がしっかりしていることがわかるはずです。 (以下、多少ネタバレ注意です。なるべく本編には触れないように気をつけますが……) 物語の始まりでは、 ・本編の伏線(タイムカプセルとヒロインの話)の仕込み ・主人公の置かれた状況と問題の説明 ・問題の顕在化 がなされ、そこからヒロイン登場→本編開始(タイムカプセルを探す)となります。 この時点で非常に丁寧な物語運びがなされていることが分かります。上から読めばするっと理解できるようになっていむす。また、感情移入しやすく、タイムカプセルに少し謎を感じるようにもなっています。 次にタイムカプセルを探しに行きます。 ここも、 1.手がかりを元にタイムカプセルを探す 2.道中、主人公の心の問題を解いていく 3.次の手がかりを見つける ……ざっくりですが、こんな形の流れを3回ほど繰り返す構成になっています。 非常に綺麗です。慣れていないと話ごとに全く別のやり方を選択してしまって、まとまりがなくなってしまうところですが、この話はほとんどこの構成から外れることがありませんでした。とても読みやすいと思います。 また、この繰り返しの間に幕間のように、ヒロインとの会話シーンが入るのも良いです。これはラストへ向かうための準備になっています。 そして、トラブルが起き、一気にラストへ向かいます(勿体ないので詳細は省きます)。 ちゃんと今まで用意していたこと(伏線、ヒロインとの会話シーン、……など)がすべて活かされていました。 特に、「このラストシーンだけ力をいれている」という点が……なんといえか「ニクいな」と思いました。 イラストでもそうですが、全てに力を入れてしまうと、上手い人でない限り空回りしてしまいます。どこをみればいいかわからなくなってしまったり、メリハリがなくなってしまったりします。 なので、「1番効果的になる部分だけ力を入れる」というのがセオリーです。(自分では勝手にそう思っています)。効率という面でも、この手法は効果的です。 そういう点が、上手い、というより、「巧いな」と。「戦術的というより、戦略的だな」と。「戦い方そのものが上手いな」、と思いました。わたしはこういう玄人っぽい書きぶりは非常に好きです。 最後に、ラストがサクッとしたハッピーエンドなところも、やはり玄人っぽいです。(ここはまあ、このくらいで。スポイラーになってはいけないので)。 さて、わたしは「構成」という点に絞ってここまでレビューしましたが、これだけでも一読の価値はあるのではないでしょうか。 特になにか物を書く方であれば、読まないのは損だとすら言えます。 まとめると、「細かいことはいいから読もう!」です。 以上です。 | ||||
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亡くなってしまった幼い少女との奇跡の再開。そして、かつて約束したタイムカプセルを探すたびへ…人生のどん底にいた主人公は、死んだはずの彼女にとまどいながらも、大切なものを思い出していく…。この設定に心惹かれる方には全力でお勧めしたい作品です。 意外と低いレビューがされていてビックリです。どうしても「雨の日のアイリス」と比べてしまうのでしょうが、「アイリス」はそうそう出てくるようなものではない大傑作です。毎回あの水準が保たれるわけがありません。「アイリス」に比べれば小品ではありますが、この作品も他のメディアワークス文庫作品と比べれば間違いなく素晴らしい傑作と呼んで良い作品です。 「タイムカプセル浪漫紀行」は、亡くなってしまった「明日香」のキャラ造形が素晴らしく、主人公「英ちゃん」との関係も抜群に微笑ましい。二人とともに不思議な旅を出来る…この本を読んでいる間、ずっと楽しく、切なくも愛しい時間を過ごすことができました。笑いどころも多く、テンポがよく、夢中で作品世界に浸りました。 そして、あまりにも切ない「タイムカプセル」の中身…あれと明日香という少女の真っ直ぐな想いが胸に焼きついて離れません。 クライマックスからラストシーンまでは確かに表現がよくあるものだったり、最大の謎の根拠がイマイチだったり、もうひとひねり欲しい感じですが、それでも☆5つであることはゆるぎない素晴らしい作品です。 | ||||
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ライトノベル業界でいちばん優しくて切なくて心に光を灯す短編として名高い「雨の日のアイリス」の松山さんの初メディアワークス文庫レーベルの本です。 読もう。 ストーリーはベタ。でも、きっと、この話が自分の胸に届くのを待ってる人が、ぜったいにいる。そう思えるお話。 読もう。 | ||||
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