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ぼんくら



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ぼんくらの評価: 4.36/5点 レビュー 113件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.36pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全97件 41~60 3/5ページ
No.57:
(5pt)

江戸を舞台にした時代小説

幼少期に時代物のドラマが大好きだったので、『岡っ引き』や『十手』、『八丁堀』などの言葉に懐かしさを感じます。

このような時代小説としては平岩弓枝や藤沢周平の作品を数多く読んでいます。

この『ぼんくら』は人に薦められて読み出しました。

面白くて、面白くて、続編も読みたい(^O^☆♪

一人一人の人物像がしっから描かれていて、とても親しみやすい(*^^*)
が、ちょっとミステリアスな人物もいて、そういうところにも心惹かれます!
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)より
4062747510
No.56:
(4pt)

同心平四郎と美形の弓之助 叔父・甥コンビ誕生!

さかのぼると縁続きの提灯屋の地所を俵問屋湊屋を一代で築き上げた総右衛門が買いとり長屋を建てた事から始まる。長屋を建てる際井戸から鉄瓶が二つ出てきたことから鉄瓶長屋と呼ばれるようになり、久兵衛の差配のもと煮売屋のお徳をはじめとし十八世帯が十年余りをつつがなく暮らしていたある日の明け方、路地を急ぐ乱れた足音に目を覚ましたお徳が差配人の久兵衛の家に向かうと長患いの父親を兄妹で面倒を見ている八百屋のお露が浴衣の袖口を血でべっとりと濡らし「殺し屋が兄さんを殺した」と・・・。その殺し屋は自分を狙ったものだから皆に迷惑を掛けられぬと久兵衛は夜逃げし、親の借金から逃れる為お律が家を出、壺信心が流行り挙句信心していた三家族が居なくなりと櫛の歯が抜けるように次々に店子が出て行ってしまう。新しく差配人になった佐吉は頭を抱えるばかり。そんな折お露の兄が殺された件から何か納得のいかない与力同心の井筒平四郎は日頃からお役目にそれほど熱心ではないにもかかわらずこの長屋の謎が増していくことに岡っ引きの政五郎や生き人形のような美形の甥っ子、弓之助らと謎の解明に乗り出す。やがて湊屋総右衛門にたどり着き、そこには佐吉の母の出奔から始まる湊屋の秘密が・・・。
ぼんくらAmazon書評・レビュー:ぼんくらより
4062100886
No.55:
(4pt)

その構成の妙に感心

前半の短篇5本で主な登場人物や舞台設定をし、長篇「長い影」に入って謎の導出と展開が進むという構成の妙にまずは感心しました。登場人物の造型や内面描写の細やかさなど、さすがはやはり宮部みゆきであった。

一点指摘するとすれば、本作で描かれた江戸はどの時代の江戸なのか。時代により「江戸」の相貌も異なると思うので、そうした時代相を上手く活用すれば、より立体的あるいはより社会派的なストーリーテリングも可能であったように思う。(逆に、抽象化され純化ないし理想化された江戸像の下であったからこそ、このような物語が成立し胸を打つのではないかとも云えるが・・・)いずれにせよ、本作を読んで宮部さんの他の江戸物にも手を拡げたくなりました。
ぼんくらAmazon書評・レビュー:ぼんくらより
4062100886
No.54:
(4pt)

宮部みゆき、手練れの江戸物

下巻に入って物語がやや中弛みになったように思え、読むペースが若干落ちましたが、後半ぐっと盛り返して一気読みでした。登場人物の造型や内面描写の細やかさなど、さすがはやはり宮部みゆきであった。

「「というよりも旦那、わたしどもの暮らしている世間は狭いんでございますよう」 そしてたいがいのことは、その狭い世間のなかで用が足りるのだ−という。そうでなければ町方役人とその中間を代々務めてゆく意味がないという。含蓄のある言葉なので、平四郎は思わず小平次の顔を見直した」(130頁)。
「そうだ、どうして浮かれているんだろう。葵って名前の、佐吉のおっかさんに、もうすぐ会えるだろうから。それからすべてをどう片づけるか、湊屋総右衛門と談判しなくちゃならねえから。そりゃ浮かれるわな。浮かれなきゃ、やってられねえわな」(205頁)。

それにしても、ここで描かれた江戸はどの時代の江戸なのか。逆に、抽象化され純化ないし理想化された江戸像の下であるからこそこのような物語が成立し胸を打つのではないか、ふとそんなことを思った評者であった。
ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)より
4062747529
No.53:
(5pt)

人情噺と構成の妙

下巻をこれから読むところですので詳述は避けますが、前半の短篇5本で主な登場人物や舞台設定をし、長篇「長い影」に入って謎の導出と展開が進むという構成の妙にまずは感心しました。広い意味での情味や余韻という点では、山本周五郎や藤沢周平には及ばずという気もしますが、相変わらずのストーリー・テリングの冴えは流石ですね。下巻が楽しみです。
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)より
4062747510
No.52:
(5pt)

はまってしまいました!

時代劇の世界に入り込んでいます。宮部みゆきと山本周五郎にはまっています。
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)より
4062747510
No.51:
(5pt)

はまっています!

とても面白かったです。山本周五郎と宮部みゆきにはまっています。
ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)より
4062747529
No.50:
(4pt)

人情ものでは終わらないミステリー小説

最初読んでるうちに、ああ、ありがちな江戸の長屋を舞台にした人情ものかと思い込むのも
つかの間、あれよあれよという間にミステリーの渦の中に引き込まれていくといった具合だ。
ストーリーの巧妙さ、テンポの良い展開、キャラの巧さなど、引き込まれ、あっという間に
読了した。宮部さんの時代物は今回が初めてだが、もともと時代物が好きなので、今後も
著者の他の時代物も読みたいと思った。
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)より
4062747510
No.49:
(4pt)

おじさんとおばさんが頑張るお話

上巻の途中までは重たい雰囲気が根底にあって、面白いんだけどうーん結末が楽しい話じゃないんじゃないのかな、みんな幸せにならないのかな、と不安にさせられました。が、読み続けて行くとだんだんギアが入ってきます。上巻ではまだローギアですが、下巻に入ると一気に調子が上がり「おー、おもしろくなってきた」とスピード感が上がって安心しました。
「からっとして皆幸せ」という話ではなく、「じっくり、じわり、人生をかみしめる」ような話ではないかと。
おじさん・おばさんたちが主役の話で、目線が「あの若者がんばってるねー」「あの少年はいい子だねー」という感じですが、実はお利口?な若者たちに助けられまくるという、面白い設定です。
宮部作品の江戸物の中では話の中心人物の平均年齢が高いほうなんじゃないかと。
おでこさん、弓之助、なかなかお茶目で可愛いですが、私のお気に入りキャラクターはおくめ。可愛いおばさんです。
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)より
4062747510
No.48:
(5pt)

おもしろい!

宮部みゆきファンという訳でも無いし、時代劇風が好きな訳でも無いけど、最高に楽しませてもらいました。
「おまえさん」を最初に読んで気に入ったので遡る形で読んでいます。江戸の街に住んでいたたくさんの人たちの個性と人物像が生き生きと浮かび上がること。まるで、その時代にワープしたかのように、たっぷり楽しませてもらった。
江戸の町人物語としても十分な出来だが、体裁は、刑事物。刑事物としての謎解きの部分も、素晴らしい仕上がりで、本当に感心してしまった。このシリーズ、ずっと読み続けたい。
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)より
4062747510
No.47:
(5pt)

このシリーズ、お気に入りです

宮部みゆきファンという訳でも無いし、時代劇風が好きな訳でも無いけど、最高に楽しませてもらいました。
「おまえさん」を最初に読んで気に入ったので遡る形で読んでいます。江戸の街に住んでいたたくさんの人たちの個性と人物像が生き生きと浮かび上がること。まるで、その時代にワープしたかのように、たっぷり楽しませてもらった。
江戸の町人物語としても十分な出来だが、体裁は、刑事物。刑事物としての謎解きの部分も、素晴らしい仕上がりで、本当に感心してしまった。このシリーズ、ずっと読み続けたい。
ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)より
4062747529
No.46:
(5pt)

日暮らしに続く…。

子供のいない平四郎夫婦に彼の妻の子供つまり甥の弓乃助が
上巻途中から養子話に浮上して登場します。
妻姉妹も美人と評判なのですが弓乃助はそれをしのぐ美少年なのです。
正式に養子になってはいませんが特に下巻は大活躍!
性格的には律儀でとても知性的。
本人曰く自分にポーッとしない娘さんは他の誰かに恋をしているのだと
いうことだそうです…。

鉄瓶長屋の若い差配人・佐吉、事件の発端・お露一家、
一見、気が強いが本当は情にもろい未亡人のお徳、
妾をしていたおくめ、そして謎の失踪をした佐吉の母・葵…etc。
様々な人物が交わり失踪した葵の行方は殺人と断定するのですが…。
本書では葵と鉄瓶長屋の一連の事件はまだ未解決。
やはり日暮らしに続くのでしょう。

最後に妾をしていたおくめが性病でどんどん弱っていき
あんなに汚らわしいと嫌っていたお徳が最期を看取り
旦那とおくめの位牌を並べている様はなんとも切なかったです。
おくめさん、もっと長生きしてほしかったなぁ…、
かわいそうになりました。
ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)より
4062747529
No.45:
(4pt)

"お茶づけ”みたいにサラサラいける!


江戸時代は好きだけど時代小説はイマイチ苦手。
宮部さんの時代モノもちょこっと読んだがちと渋すぎ・・・
う〜ん、アタシは時代小説向かないかしらと思ってたときに買ったのがこれ。


まず「重くない」。あちこち笑える!
登場人物みんな楽しい! 弓之助かわいい!

・・・ってな感じでとにかくサラサラ読める。
そして読み進んでいくと、
ストーリー全体が巧妙に計算されてることに気づきます。

物語の表面にある事件は一見”地味な出来事”ばっかり。
こんなチマチマした展開で話が持つんか〜い?と思いきや、
読んでるうちに少しずつパズルのピースがつながって、
物語の全貌が見えてくる、という仕掛け。
ラストで全部ハッキリするんだけど、それがまた気持ちいい!
・・・まあ、わかりやすい「勧善懲悪」な結末じゃなく、
いかにも宮部さんらしい、
人間くさい結末なんだけどね。それもまたよし。
どこかほろ苦いけど、でもあったかい気持ちになれます。


時代小説苦手な人でも絶対イケる! 
でも、「時代小説」以前に江戸時代にそもそも興味ないという人は、
やっぱりやめたほうがいいかな。残念だけど。





ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)より
4062747510
No.44:
(4pt)

人情ミステリ−

宮部さんの、お話は面白いです。時代物に子供を使うというところは、憎いですね。夫々の章が、組み合わさって登場人物が絡み合っていくところは流石です。
でも、何か物足りない感じがするのです・・
湊屋の夫婦を、もっと描いて欲しかったと思います。
一代で大きな身代を築き上げた「湊屋」は、きっと人物が大きく複雑な
興味深い人間だと思います。
平四郎が、どこまで迫れるのか・・をテ−マにするともっと面白い話に
なったと思います。
時代物に子供を使うのは、憎い演出ですが、その子供に安易に解決を求めているようで、ちょっと鼻白む思いがします。
子供を使わなくても、政五郎や小平次を使えばリアルに問題解決への
道筋が開けると思います。
宮部さんの「大人の人物像」の時代物は、人情ミステリ−小説になると思います。。
ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)より
4062747529
No.43:
(5pt)

初の時代ものでしたが・・・

宮部みゆきの「火車」を読み終えて、もう一作宮部作品を読んでみようと思い、この「ぼんくら」を選んでみました。
時代ものは初めてで、自分に合わなくても頑張って上巻だけでも読みきろう!などと考えていたのですが、あれよあれよという
間に上巻を読みきり、貪るように上下巻を読み終えました。
内容もさることながら、それぞれのキャラクターも感情移入しやすく、江戸の情景も目の前に浮かんでくるように描かれています。
時代小説は面白かった!いままでの食わず嫌いに後悔しています。
今は続編?の「日暮らし」を読んでおります。まだ途中ですがやっぱり面白いですよ〜♪
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)より
4062747510
No.42:
(5pt)

キャラがいい!

宮部みゆきの時代小説の中で一番好きな作品。
ぐいぐいひきこまれるストーリーもさることながら、
登場人物の誰もが魅力満点です。
どっぷり「ぼんくら」ワールドに浸って、江戸の町にタイムトリップできます。
ほんとに大好き!
ぼんくらAmazon書評・レビュー:ぼんくらより
4062100886
No.41:
(5pt)

宮部みゆきの時代小説の傑作です

長屋からひとりずつ人が消えていく。店子を襲った殺し屋、差配人の出奔、謎の新興宗教騒ぎ。江戸下町の長屋で連続する事件の裏の陰謀に、同心・井筒平四郎と超美形少年・弓之助が挑む。奉行所きっての怠けもの同心・井筒平四郎。超美形少年の弓之助。神出鬼没の隠密同心・黒豆。回向院の茂七の手下・政五郎。驚異の人間テレコ・おでこ。若き差配人・佐吉など個性豊かな登場人物が勢ぞろいです。個性豊かな登場人物と人物描写の巧みさ、時代考証の確かさ、そして推理小説のような展開。飽きさせません。まさに宮部みゆきの時代小説の傑作です。
名もなき毒 (カッパ・ノベルス)
宮部みゆきの魅力 (museo)
ぼんくらAmazon書評・レビュー:ぼんくらより
4062100886
No.40:
(5pt)

ほのぼの〜 登場人物の魅力たっっぷり。

登場人物の魅力が溢れんばかりの作品。複雑なことが好きでない、適当に生きているが、人間味溢れる平次郎に、勝気でしっかり物で、他人をほっておけない煮物屋のお徳さん。義理がたく、何でも一生懸命な差配人の佐吉。春を売る仕事をしてちゃきちゃき物だが、根はとてもいい人なおくめさん。頭が良くてなんとなく生意気な烏の官九郎。平次郎のお付で、「うへえ」が口癖の小平次。親に捨てられて、少し頭が鈍いが、佐吉のもとで一生懸命生活している長助。みんなとっても魅力的で大好きになりました。
 でも特にお気に入りなのが、会話を文に書くように暗記できる、おでこのひろ〜い子どものおでこ!それと、おでことは対象的に誰もが振り返るほどの文句の付けようのない美形のこどもの弓之助!この二人が出てくるたびに、心がポカポカします。おでこは、教科書を丸暗記するように話を覚えるので、その話の記憶を頭の中から引き出すときに、白目になったり、途中で話を遮られると、また始めから巻き戻してはなさなくちゃいけないところとか、すごく可愛いです。返事が「あい」って所も可愛い。弓之助は子どもなのに頭がとっても良くて大人と対等に話ができるのに、おねしょ癖が直らずえんえん泣いたり、話の途中で足を痺らせてころ〜んと転げたり、たまに見せる子どもの部分がとっても可愛いです!
 
 湊屋総右衛門がどういう人物で何を考えて長屋から店子を追い出したいのか、結末が気になり、下巻は結構一気に読み終えました。鉄瓶長屋から店子を追い出そうとした黒幕の湊屋は結局何のお咎めも受けず、なんだかまだ真相ははっきりしないような感じでした。総右衛門が全く反省していないところは腹が立ちました。でも平次郎がいつもの調子で、このお話をまとめてくれた感じで、後読感が悪いとかは全然感じなかったです。佐吉さん、どうか幸せになって〜!私はこの作品大好きです。読んでいない人は是非読んでみて欲しいです。
ぼんくらAmazon書評・レビュー:ぼんくらより
4062100886
No.39:
(4pt)

読み応えがありました

500ページをこえる時代小説でしたが、先が気になり一気に読みました。
宮部みゆきの人物描写の巧みさと時代考証の確かさ、そして推理小説仕立ての展開が飽きさせませんでした。おっとりとした同心・井筒平四郎の存在が作品全体に漂うゆったり感を醸し出していますし、長屋を取り仕切っている煮売屋のお徳が狂言回し的な存在で、最初から最後まで大切な役割を果たしました。後半に登場する12歳の平四郎の甥っ子・弓之助の天才ぶりや政五郎親分のところにいる奇才おでこの超人的能力もまた小説に深みをもたらしました。烏の官九郎が伝書鳩かわりに活躍するなど小説の醍醐味を味わいました。
深川北町の鉄瓶長屋の描写も映像を見るように鮮やかに描写してあります。藤堂和泉守屋敷の裏ですから、江戸の古地図と照らせ合わせば場所がはっきりと見えてくるでしょう。
また江戸時代の町人の自治組織の町年寄、名主の下にいる差配人の存在がこの小説のキーになっています。連帯責任制ゆえ、店子の問題に口をだすわけですが、前の差配人久兵衛、新しい差配人佐吉の存在も最後まで重要でした。
大商人の湊屋総右衛門が一方のキーパーソンですが、伝聞描写やエピソードだけでなかなか実際に登場しないのも、にくい演出でした。
本作は小説現代で18回掲載されたあと、加筆訂正されていますので、連作の形をとった長編小説という珍しい形式なのも理解できます。最終章の「幽霊」のみ書き下ろしです。確かに多くの出来事をまとめるのにふさわしい登場人物でしたし、鉄瓶長屋の謂われがでてきて、なるほどそうしめるか、という展開は作者のストーリー・テラーとしての巧さを感じました。
ぼんくらAmazon書評・レビュー:ぼんくらより
4062100886
No.38:
(5pt)

文句なく引き込まれるお話

最初は短編集のような構成でいながら、段々と謎が謎を読んできます。
途中江戸時代にいるのを忘れるほど、どっぷりワールドに浸れます。
主人公はいい加減さも持つけど、人として大事な部分はきちんと持っていて、
その人から見る様々な登場人物が、よくも悪くも巧みに描かれています。
私は特殊技能を持つ二人の子供が気に入りました。
宮部さんの本を読んでいると、はっとする程印象的な言葉に必ずぶち当たります。
えぐい程きめ細かい心理考察と、でも、最後に人間への温かさを忘れない眼差しが、
著者の本を読みたくなる所以ですね。
他の時代物ともリンクする人物の登場にニヤリとしました。
お勧めです!
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)より
4062747510

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