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(短編集)
チルドレン
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チルドレンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.37pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全205件 101~120 6/11ページ
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「短編小説のふりをした長編小説です。」 伊坂幸太郎さんはその形態の小説が一番似合う小説家だと感じます。 我が儘というよりは、突き抜けた特徴のある陣内くんを巡る5つのストーリー。時間軸にそった形でストーリーを用意していないので一瞬戸惑うのですが、読み終えてみると計算された作品やなぁと思ってしまったり。 「そんなめちゃくちゃや!」と言いそうになりながら、ついつい頷いてしまう陣内くんの言葉に、ウチも影響を受けたんかな。 いや、人に影響を及ぼす登場人物ってなかなか出会えないですよ。 俺たちは奇跡を起こすんだ 自分自身の仕事に、自然とこういう言葉が吐ける人になりたいなと思います。 | ||||
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活字離れとかいろいろ言われていますが、本を読まない人にもコレはオススメ! 大学時代に知り合った仲間が巻き込まれる、日常だけどちょっと非日常な日々。 ●登場人物が個性的で魅力的。でも、身近にいそう。 ●短編だが、どれも秀作。よく考えられている。リアリティにあふれている。 ●テンポが良く笑えるので、どんどん引きこまれる。 ●読み終わると、なんだか暖かい気持ちになれる。 ●読んでいるんだけれど、実際見ているようなカンジ。 | ||||
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短編かと思っていたのですが すべてに登場してくる人物もいて 短編のような長編になっていました。 登場人物の一人一人が 個性的で、ストーリーもユーモアに あふれており、笑いながら楽しく読ませてもらいました。 今作前に執筆された著作の 出来事も出てきたりして、コミカルさを増してくれていました。 いきなり、今作を読むよりも、 今作前に出版された本を読んだあとのほうが、より楽しめると思います(笑顔) | ||||
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誰もが何かしら「理不尽だと思うが、どう対処すれば良いのか分からないこと」を抱えている。例えば相手にとっては善意でもこちらは辛いこと。例えば立場上仕方のない事をしているだけでも、見ていて情けない人に思われてしまうこと。そんな消化不良を起こしそうなことを、主人公である陣内は軽々と飛び越えてしまいます。 乗り越えるのではなく、迂回するわけでもなく、時には(本人なりに)全力で、時には当たり前の事のように。彼は最後まで(良い意味で)全く変わりませんでした。とても温かくて優しい小説です。 | ||||
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5編のストーリーで、過去と現在を2往復。そのような書き方であぶりだされるのが、陣内のぶれない人間性。自らの父親へのわだかまりにケリをつける過程が、過去と現在を往来しながら明らかにされる流れがいい。 各編の語り手となる登場人物のキャラ立ても好感度大。とくに永瀬がいい。盲目を障害ではなくひとつの特性と捉え、それをうまく補いながら自然なコミュニケーションをとっているところが、心地よくさえある。 川の中に立つように周囲の状況を捉え、声の温度で人の感情を量る。 こんな無心の境地にたどり着けると、人生、豊かになりそうだ。 | ||||
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「それだ。俺たちの仕事はそれだよ。俺たちは奇跡を起こすんだ。」 「ところで、あんたたちの仕事では、奇跡は起こせるのか?」 家裁調査官である陣内の、破天荒でたわいもない日常の物語。 「そもそも、大人が恰好良ければ、子供はぐれねえんだよ。」 そう言う陣内は、とても恰好良い。 個人的に、伊坂さんの作品の登場人物の中でもかなりお気に入りです。 陣内の何気ない言葉に何度も考えさせられる。 この作者の良いところである、社会的メッセージと会話のリズムのバランスも最高。 何気ない会話の中にメッセージが詰まっている。 個人的には、このようなスタンスの作品がこの作者には合っていると思う。 たわいもない現実を、発想と見る角度を少し変えてミステリーに仕立て上げている。 一応この本はミステリーに分類されるわけですか。 読後感も大変さわやか。 かなりおすすめです。 この作品は文庫になっています。 チルドレン (講談社文庫) | ||||
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はじめて読んだ伊坂作品がこの本だった。銀行強盗の現場に居合わせた、やや間抜けな人質たちの話から始まり、思わず引き込まれた。最初は陣内というウルサイ男の存在が、気にさわっていたが、しだいに枠にはまらない奇天烈な奴なんだ、と納得させられてくる。 そして全盲の永瀬のかっこよさ! いきなり自分も視覚のきかない世界へ引きこまれ、世の中を視覚以外の感覚で認識しているような気分にさせられた。そういう視座の転換を、この作家はさりげなく見事にやってのける。また、家裁での少年処遇を実体験として少しは知っているので、表題作「チルドレン」「チルドレンU」は、いい意味で裏切られつつ読み進められた。犯罪少年、虞犯少年は本物を見抜く能力にたけている。なぜなら、彼らは自分のしていることが嘘であることに、うすうす気づいているからだ。だから、破天荒でも陣内は「本物」だから、ウケるのだと思う。 五作のつながり方も面白かった。噂にたがわず、伊坂さんの世界は芳醇だ、と気づかされた一冊。 | ||||
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長旅のお供に買い4時間くらいで読み切れました。 そもそも買おうと思った理由が今流行りの伊坂幸太郎さんの作品であることと、裏表紙の「五つの物語が、ひとつになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。」(裏表紙抜粋)という部分。 へぇーと期待して読みましたが奇跡は起きてないですね(笑)まぁリンクはしていますが・・・。 でも一つ一つは面白いし読みやすいです。 元は一つ一つが別々に雑誌に掲載されていたみたいなので、雑誌で別々に読んだほうが、話がリンクしている感動みたいなものは味わえるのかも知れません。 ちなみに私はチルドレン2がほろっとくる感じで好きです。 裏表紙のレビューで★を減らすのは作者に申し訳ないけど、奇跡を期待してたのでちょっとがっかり。 | ||||
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陣内という変わり者が出くわす事件、彼が起こす奇跡が5つの短編で構成される。 芥川龍之介の「侏儒の言葉」、トイレの落書き集、ジャズ、パンクロック、盲導犬(相当な犬好きだ)…、小道具も相変わらず伊坂氏らしい。 事件の組立にも唸ってしまう。 行員がぐるになった銀行強盗、狂言の誘拐事件、女子高校生のあわよくば恐喝…。 脇を固める登場人物も魅力的だ。 端正な全盲の青年、屈託ないその恋人、陣内に振り回されっぱなしの友人、同僚。 しかし陣内という男、すごい男だ。 世の中の常識は彼には通じない。法律だって気にしちゃいないだろう。銀行強盗のどさくさに紛れてカウンターの金をくすねたり、人に喧嘩を吹っかけたり、なぐりつけたり。 こういう男だから、奇跡が起こせるのだ。自分中心に世界が回っていると思っている人間だからこそ。 回りを気にし、空気を読むのに汲々としている現代人よ。奇跡は起きるのを待つもんじゃない。起こすものなんだ。 続編を乞う! | ||||
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この方の小説は初めて読みましたが思っていたより面白くてさくさく読めました。実はもうひとつ並行して読んでいた小説が重かったので試しに購入したのにこちらの方を先に読み終えてしまいました。とにかく陣内さんが格好いいです。いい加減な振りしてるかと思うとまじめになったりして掴みどころがないところがとても魅力的な人でした。面白いとは聞いていたけどこんなに面白いとは思わなかったです。 | ||||
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伊坂幸太郎の本は、私にとっては当たりはずれがあるのですが、 これは安心して読めて面白かったです。 近くにいたら、絶対うっとうしいであろうおしゃべりの陣内、 しかし傍観している読者としてはとても面白い! 大事件ではない、小さな事件の中を、 陣内がさらに小さくまぜっかえしていく様に、 鴨居や武藤と同じようにあきれたりイライラしたり。 最後まで読んで、くすっと笑いが出るような、楽しい一冊でした。 | ||||
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4人の視点から見た陣内物語! 登場した途端は、「なんだ、この男っ?!」って思いましたが、読み進んでいくにつれて、 快感になっていくんです! お友達にいたら、迷惑することもあるだろうなと思いつつ、同時にこんな人が お友達にいたらいいなとも思いました。 ところで、回りがどう思おうと(どんなに迷惑しようと)自分がやりたいと思う事は やっちゃうところとか、ギターが巧いこと、傍若無人でありながら人の心にどこか 温かさを残すところが、島田荘司の御手洗潔に似ていると思ったので、陣内が好きな人は 御手洗も好きだし、逆も真なりと思ったのですが、これは私だけでしょうか?!(笑) 人間的には、目の見えない永瀬が素敵でした! そして、一番印象に残ったシーンは、彼がどこぞのおばさんに5000円を勝手に寄付された 時のエピソードです! あのシーンの陣内の普通ぶりは見事でした。そして、永瀬はさぞや嬉しかっただろうと 思いました。 図書館で借りた本でしたが、これは買います!「死神の精度」以上に気に入りました。 | ||||
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伊坂幸太郎は御伽噺と小説の中間の作家だと思う。だから現実を舞台にしていても、どこが現実味がないのだけれど、そこがとても魅力的だったりする。 伊坂はいつも結末で素敵な肩透かしを仕掛けてくるし、その仕掛けのネタはしっかりと話にちりばめてある。とてもフェアな作家だ。このチルドレンも例外じゃない。 この作品と他の伊坂作品の違いをいくつかあげる。まず、比較的文章がなめらかですっきりしている。伊坂作品の文章の中で、この作品が一、二番目に好きだ。次に、主人公のキャラが一番立っている。とにかく主人公の陣内が話をひっかきまわす。話によって陣内の印象が変わっていくのが見事だ。そして、話が淡々としている。ナルシスティックさや、説教めいた感じ、ひねった感じがしない。それでいて、読後感はちょっとハッピーだ。 話の内容については、他の方がレビューされた通りだ。要するに陣内が主役の連作短編としか言いようがない。 伊坂ファンならずとも、重たくない御伽噺が好きな人にオススメしたい。 | ||||
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魅力ある人物や、他作品とリンク、5つの関係した短編というスタイルなど、 読者を惹きつけるポイントを多く含みながら、 物語がぶれることなく、まっすぐ。 伊坂 幸太郎という作家の実力を感じます。 読み終えた後、 陣内に会いたくなってしまいました。 こんな奴が友達にいてほしい、 そう願った人も多いんじゃないかな。 | ||||
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5話の短編から成っているが、実はそれの一つひとつが時間を前後しながらの連作となっているという構成。 伊坂作品らしく、基本的には読み味は、ほのぼのライト、構成もご都合主義(まあ、これが奇跡と呼ぶものなのだろうが)や、途中でネタがばれることもあるが、実にキャラ立ちのいい(=愛すべき人物の登場する)小説を書く人という感じがした。 今回は、「えぇ〜(汗)」って行動ばかりするバンドマン陣内であり、盲目の永瀬であった。 主役クラスの年齢が、少年〜青年であり、さわやかな読後感である。 かる〜い読書をしたいなというときにお勧め。 実は、伊坂作品は、作品同士でもリンクが張ってあり、それも楽しみの一つとのこと。きっと、著者のご自宅には登場自分たちの巨大なリンク表が張ってあるに違いない。 | ||||
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私にとっては、アヒルと鴨のコインロッカーに引き続き、2冊目の伊坂幸太郎作品です。 アヒル〜では、キャラクターがそれほど作り込まれておらず、台詞の羅列で感情の動きがほとんど描かれていなかったので、あまり引き込まれるような面白さは感じられませんでした。 それに比べて、本作品は、語り手の感情の描きに加え、最重要キャラともいえる陣内の個性が際だっており、その言動の不可解さや、ユニークな発想がとても魅力的でした。 短編集ということもあり、ミステリー自体はさして大がかりなものでもなければ、ある程度先が読めてしまうものが多かったですが、ミステリー以外の部分(陣内をはじめとする主要人物のキャラクター)で楽しめる要素が十分にあったことが、この作品への印象を良いものにしていると感じました。 少し薄情でクールだけれど客観的な視点による公平感を持ち合わせた鴨居と、非常識で独善的で傍迷惑だけれどちょっと熱い陣内と、穏やかで冷静で知性的な永瀬。 この3人が織りなすストーリーを、もっと読んでみたかったな・・・と思わせる、面白い一冊でした。 | ||||
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直情的だがシニカルで、比較的単純だが迷路もあって、何よりも結果的に憎めない不思議なキャラクターを、その周囲の人々の視点から描いた短編集です。 と、書いてしまうと面白くなさそうですが、そのキャラクターと謎の解け方がうまく配合されていて、快い読後感を与えてくれます。 著者の長編ではいろいろな伏線が複雑に絡み合っていますが、この短編集は細切れに読んでもOKです。 | ||||
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初出は小説現代2002年4月号〜2004年3月号、単行本は2004年5月リリース。伊坂幸太郎の得意とする短編の顔をした長編とも言える短編集である。伊坂幸太郎らしく色々な小説的手法を最近は試していてる感触があるが、その試作の中の一つとも言えそうだ。 相変わらずストーリー展開と会話の中に伊坂幸太郎節が感じられて、いいのだが、本作で一番感心したのは芥川龍之介の『侏儒の言葉』の伊坂幸太郎の捉え方だった。伊坂は本作の中心人物陣内にこの作品について語らせるのだが、『侏儒の言葉』のフレーズひとつひとつの反骨精神が伊坂幸太郎の文学に近いものをぼくは感じた。芥川の文学というのは実際はこんな風に、アクが強く、反骨精神溢れるものだというのに、現在の『芥川賞』を贈られる連中は揃いも揃ってこんなに芥川龍之介の文学とかけ離れている連中が受賞しているのか、と思う。 反骨精神溢れる伊坂ワールドこそ、本来の芥川の文学にとても近いものではないだろうか。だから多くの人に支持され、読まれているのだ、と思う。 | ||||
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陣内と言う破天荒な男に纏わる話を五つ収めた短編集。伊坂氏の作品を読むと、伊坂氏が人間の善意とか夢を持つ事の大切さを信じている事が分かり、爽やかで心暖まる思いがするが、そんな本領を遺憾なく発揮した傑作。陣内は唯我独尊、傲岸不遜、口八丁手八丁、無責任、馬耳東風を絵に描いたような男。そんな陣内の学生時代の話が三つ、社会人になり、家裁調査官(!)になってからの話が二つ、非時系列的に語られる。各編で陣内は必ずしも主役ではないのだが、とにかく周りをかき乱す。各編には各々仕掛けがあって、それも楽しめるが、各編のエピソードが重層的に重なって、全体として陣内と言う男の半生を、そして人生の意義を描いている点が素晴らしい。特に、一番重要なエピソードが最終作の結末でユーモア交じりで明かされる構成は巧みだと思った。更に、陣内が繊細な心使いで「奇跡」を起こす話も感動的である。また、銀行強盗事件で陣内と知り合い、二編で語り手となる盲目の青年永瀬の造詣も巧み。永瀬の静謐感と陣内の喧騒感とのバランスが絶妙だし、盲導犬ベスの描写も印象に残る。 読後感が非常に良く、上述の通り心暖まるものを感じた。伊坂氏の作品の中でも、爽やかさと生きて行く上での希望を与えると言う点で一、二を争うのではないか。善意と希望溢れる傑作短編集。 | ||||
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伊坂作品の中で、これほどほのぼのとした雰囲気のものは他にないのでは。 破天荒だが魅力的な男・陣内を主人公とした5つの連続短編集。 人の言うことには決して耳を貸さず、我が道を突き進む。 だけどそんな陣内の言動は、何か、周囲に不思議な影響を与えてしまう。 連続短編と言っても陣内の大学生の頃の話と、それから10数年後、家庭裁判所の調査官に就いてからの話、という風に "現在"と"昔"、物語は二つの空間を行き来し、最後に全てがひとつの線で繋がっていく・・という構成。 それぞれの語り手は陣内の周囲にいる人物。 第三者の目で見た彼の"不思議さ"がちょっとファニーにも描かれていて、 だけどそれぞれの語り手がとてもあたたかく彼を見守っている姿が思い浮かび、それが微笑ましく、心があたたまる。 「そもそも、大人が恰好良ければ、子供はぐれねえんだよ」 これは、表題作「チルドレン・2」での陣内の台詞。 少年犯罪や家庭問題で裁判所へやってくる子供や親子の心を、その独自のやり方でしっかり掴んでいく陣内。 彼の調査官としての生き様、考え方、台詞、どれもとても魅力的。 スパイスではなく癒しの1冊なので、心を休めたいときに手にとってみてほしい。 | ||||
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