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生まれる森
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生まれる森の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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~友達に借りて、初めて島本さんの作品をよんだんだけど、個人的にはかなり好き。 いろんな作家さんの本を読むけど、なかなかこれっていう作家さんには出会わない。 だけど、彼女の本は結構つぼです。 内容としては、つめが甘いなと感じる部分は確かにあるんだけど、言葉の使い方、表現力、それは評価できると思う。 読んだ後に不思議な爽快感がある。 ~~ ほかの作品はまだ、読んでないのでなんとも言えないけど、これからに期待。~ | ||||
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彼女の文章の、よけいなことを省いたシンプルさが好き。 だけど、すごく的を得た書き方をする。 そして、なぜかせつなくなるような、そんな情景を描いている。 押し付けがましくなくて、それでいて胸に残る描き方をする彼女の文章には、とても好感を持てた。 淡々とした日常を描く小説は退屈だったり飽きてしまったりすることが多いけど、この小説はそんなことがまったくなかった。 それはやっぱり書く力があるからなのかなぁ。 恋愛にトラウマを持った女の子の話だけど、「つらい」「苦しい」といった感情を、押し付けないから嫌味がなかった。 ただ残念だったのは、書くべき細部が、書かれていないということ。 だから、どうしても最後に疑問が残ってしまった。 そこがすごく惜しいと思ったけど、それをのぞけばすごくよかったです。 痛い、っていうのがすごくよく伝わってきた。 この人の目線、鋭い。 鋭い観察力の持ち主かもしれない。 | ||||
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島本さんの作品をはじめて読みました。はじめからおわりまで、全体を流れる独特の雰囲気が壊れることなく続き、読後、ふわんとしたものが心の中に残りました。心の揺れがとてもうまく表現されており、「青いな」と笑いながらも、少しキューンとなりました。言葉の選び方、並べ方も結構気に入りました。 | ||||
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偶然ですが、「蹴りたい背中」を読んだあと、この作品を読みました。 あ、去年、「リトル・バイ・リトル」で芥川賞候補になった人だ、とあとで気づきました。ほんの2年ほどで、島谷さんの成長(女性として、作家として)をとても感じました。 なんて品のある、美しい文章を書く人だろう! これで21才?恐るべし、です。内容も、私には物語とリアルの中間くらいの距離で、最後まで一気に引きつけられました。 「蹴りたい・・・」より、こちらの作品の方が、私は心に残りました。雪生さんの「幸せにしたいと思うことは、おそらく相手にとっても救いになる。けど、幸せに出来るはずだと確信するのは、僕は傲慢だと思う」という一節が好きです。その雪生さんを、この物語の中で、主人公に対するただの救い主にしないで、「一見物腰が柔らかいけど、面倒なところがあって難儀だよ、やめたら?」と、妹のキクちゃんに言わせるところはもっと好きです。やっかいな心を抱える人間のそばに、「死にたくなったら、どんな時間でも駆けつけて止めるから。見捨てたりしないから」といってくれる人間が寄り添う暖かさ。「自分が書きたい」小説家であると共に、「小説に愛されている」島本さんを感じました。次回作も楽しみです。 | ||||
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惜しくもまた芥川賞を逃しましたが、私はずうっと応援しています。『シルエット』『リトル・バイ・リトル』から今度の作品へと、一貫して、島本さんの作品には柔らかな明るさがありますね。現代の若者を描きながら、他の人とはちょっと違うのは、表面的なファッションや流行りものが、あんまり出てこないからでしょうか。『生まれる森』は、堕胎という重い体験を、さらりと脇に除けてしまっているのが少々気になりますが、初めて人を本気で愛してしまったという自覚が、主人公の野田をじりじりと成長させているのがよくわかって、ほほえましいです。いくら愛しても、相手がこちらをみてくれない時、そこには、計り知れない距離ができ、孤独が身を苛みます。その孤独を野田はよくみつめ、おずおずと手をさしのべてくれたキクちゃんや雪生さんに、少しずつ応えていきます。彼らにもたれ掛からず、そうっと手を繋ぐといった感じが、とてもいいです。失恋によって、自分を知るという苦しい作業をきつい言葉を用いずに、よく表現していると思います。 | ||||
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読み終わったあとに残るいくつかの疑問は、先のレビュアーの方が書いてくれているので省きます。ずっとずっと応援してきました。『シルエット』『リトル・バイ・リトル』から比べると、島本さん、成長しましたね。いつもゆるやかに、柔らかくほほえんでいるような、静かな明るさは、今度の作品にも流れています。芥川賞の候補に、二度までも上がったのに惜しくも逃したのは、いつもインパクトのある作品が横に並ぶから。中絶という重い体験を、さらりと脇にのけて、書きたかったのは大人へのとば口でつまずいた恋・・・失恋の痛手。本当に人を愛したと自覚できた恋愛を失った時、そうそう簡単に立ち直れるものではない。初々しい痛みを、私も思い返しています。その人が大人になっていくために、しなくてはならない経験の量は、各人で異なるのでしょう。しんどい、苦しいその負荷をこの作品は、よく描いていると思います。愛した人と自分との距離を思う時、人は誰しも孤独です。彼女の孤独にそっとそっと手をさしのべているキクちゃん、雪生さんに、おずおずと応えていく様子も好ましい。“ゆるやかな新生”を自覚して、物語は終わります。そして、その後をまた今度読みたく思います。 | ||||
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「言い当てられた」気がした。 好きなのに、拒絶しなければ「自分がダメになる」という感情、 人間として自分がひとりで生きていくことが 好きな人と一緒に生きていくことと必ずしも両立しない事実、 ためらわず自分に手を差し伸べてくれる人達の優しい重さ。 堕胎したことなんて、どうでもよくなるほどの、恋。 誰かを必死に愛そうとした記憶が20歳の主人公を変えていく。 私も、変われる――。そう思ってページを閉じた。 | ||||
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大学生の夏ってこうゆう感じだなっと妙に納得してしまう一冊でした。ただ主人公に「堕胎」という問題を抱えさせているのに、そのことよりも昔愛した男に対する感情ばかりに比重を与えている気がする。 あとキクちゃんの話をもうちょっと入れてほしかった。 | ||||
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特に泣けるところも、感動するところも無いので、 芥川賞候補だから読んでみた、という人には物足りないと思います。 ただそれが島本さんの作風であり、この作品からも島本さんが書く きれいで、やわらかな文章から感じるものは少なからずありました。 ただ「堕胎」という重いものを主人公に背負わせているわりには、 それについての描写がほとんどなく、あっさりしすぎていた感も否めません。 確かにインパクトという点では芥川賞作品だとか、他の作品に負けていると思いますが、感動したり、何か衝撃を受けるものだけが小説ではない、と言う人には、味わい深い小説だと思います。 | ||||
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「緩やかに失恋から立ち直っていく心情」をしっかりとした筆致で捉えた作品だと思う。 第130回芥川賞を受賞した二人の女性の小説は両方ともあまりに文体が砕けているが、彼女の場合は話し言葉を多用しないので逆に読みやすい。 ただ気になったのは、小説の中で「堕胎」を軽く取り上げているが、誰の子供かわからないにしろ10代の少女にとって「中絶」は失恋と同じく心に深い傷を残すものだと思う。しかしそれについても中途半端な心情描写しかないのが気になった。 | ||||
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芥川賞候補で、もし受賞するならこのひとがいいと思っていました。日常をこんな繊細な筆致でかきつけられるのはこのひとしかいない。とくべつなにが起こる小説でもありませんが、そういうものをかくのが本当はいちばんむずかしい、と思うのです。今回は堕胎というテーマもおりこまれていて、担ってしまったいたみや、他人との微妙な距離感。過去に恋をしたサイトウさんとの深い森にいるような息苦しさ綴る文章。島本さんの小説はいつも柔らかい、という印象をうけます。まだまだいい作品をかけると思うので星はよっつにしました。是非、これからも質のいい作品をだしつづけてほしい、そう思います。 | ||||
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