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模倣犯
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模倣犯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全279件 141~160 8/14ページ
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『(登場人物)は現在〜な状態である。そもそも(登場人物)は〜(人となり、生い立ち、環境などの説明)である。だから、今、〜なのだ。(短いエピソード)。と、いうことは、どういうことなのだろう?』この繰り返し。個々のエピソードはそれなりに面白いのでどんどん読めますが、あまりにも数が多いため、三分の二程度まで読み進むとほとんどの章がこのような同じ構成であることに気づいてしまいます。そして丁度その頃合で、お話自体も何か別の世界の物語のように変わってしまいます。前半の細かく繊細な思考や行動をする人々がいなくなり、大雑把で場当たり的な人々だけしか登場しなくなる、または同じ人物であってもまるで別人のように思考力を失って迷走してしまう。後半の物語をまとめ、終わらせるためには仕方ないことなのはとても理解できるのですが、要するに作者のご都合主義が「果物皿の中のモナリザのように、面白いほどよく見え」てしまいます。最後のどんでん返しもとってつけたように感じました、なぜならラストに至るまで「その人物がそのポイントにそんなにも」拘泥しているという描写が無かったから。そして最後のまとめ方。終わりよければ全て良しですか?「世の中を甘く見て」いるのはいったい誰ですか?……とこう批判的な意見を述べましたが、全体の感想としてはとても面白かったです、タイトルにも書きましたが通勤しながらちょっとずつ読むには最適です。私がこうも穿った批判的な感想を持ってしまったのは、ついおもしろくて、後半部分を休日に家でじっくり読んでしまったのがなによりの失敗ではないかと思う次第です。 | ||||
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時間をつぶすには最適な本ですお勧めな一冊です。宮部みゆきは、面白いですね。登場人物がいっぱい出てきます。事件に関係ある人ですが、誰がどう関係するか、あとになって絶妙につながって、関心します。それにしても、700ページの半分くらいで、犯人が誰だかわかり、動機や犯行の手口が明らかになってくるわけですが、下巻には何が書いてあるのでしょうか・・・。早く下巻が読みたいでーす。 | ||||
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読後の感想としてまず頭に浮かんだのが、「なんて辛い話だ、、、」ということ。 連続殺人というミステリーものには定番の設定で、実際の内容も笑う犯人、追う警察、悲しむ遺族といった 、連続殺人の話には定番に登場するであろう人々がやはり登場し、その人々の視点を代わる代わる描くといった内容。絡み合っている人間関係ではあるが、それもミステリーには欠かせない要素、まぁ「新しい!」 とは言える展開ではないと思います。 しかし、その設定の中で光るのが遺族の悲しみの目を通した視点。遺族がどれだけ悲しいか、どれだけ 辛いか、遺族の周りの人々との会話や心の内の声でその様子を読み手の心にシンクロするように描いている。読み手に心を焦らすような描写といえばよいでしょうか、とにかく遺族の気持ちが伝わってきて、こちらまで辛くなってきます。 そして、ネタばれですが、行方不明の孫を持つ祖父のその孫の遺体が見つかる場面。行方不明の身内を持ち、暗い日常を過ごし、しかしそれでも過ぎていく日常にいきなりその知らせが届きます。 そのシーンの唐突具合、そしてその知らせを聞いた祖父の目も眩むような絶望。読み手も一緒に目が眩み、涙が浮かんでしまうような淡々とした、それでいて深い絶望を感じます。 その場面で、たまたま近くにいた人の「なんてひどい、」というセリフが、この小説の上巻を表し、この場面が全体の山場を表しているかと私は思います。 このような、心深くまでもぐりこむような描写をする作者が怖いです。しかし、今このレビューを書いていて思いましたが、実際の殺人の被害者遺族はこのような心境になっていたのではと思うと、、、やりきれません。 読み手の心に深く入ってくるその描写手腕は明らかに一級品。文句なしの5つ星です。 | ||||
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ベストセラーになり 図書館では常に順番待ち。 評判は良くなかったが映画化もされ、 ずっと読みたい読みたいと思いながら、 ようやく読むことができました。 文庫版は5巻の長編ですが、 次の展開が気になりグイグイと 力強く引きつけられ1週間で読みきってしまいました。 もう脱帽です。 大拍手を贈ります!! | ||||
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ベストセラーになり 図書館では常に順番待ち。 評判は良くなかったが映画化もされ、 ずっと読みたい読みたいと思いながら、 ようやく読むことができました。 文庫版は5巻の長編ですが、 次の展開が気になりグイグイと 力強く引きつけられ1週間で読みきってしまいました。 もう脱帽です。 大拍手を贈ります!! | ||||
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相変わらず登場人物のそれぞれの立場での描写には、さすが著者のものであることが伺えます。これがいつも話を分かりやすくする理由の1つ。 そして、犯人を追うにあたり、刑事とそして犯人たちの犯罪心理学での読み合い。 この読みは、凄く深い。今一度この心理描写を読んでみたくなった。 5冊でしたが、展開も早くいつのまにか読み終わる感じです。 登場人物の割には、シンプルに分かりやすく描かれている。実に見事。 | ||||
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この本、上下をセットで初版を買いました。 随分高かったし随分時間が経ちましたが最近になって引越を機会にやっと読みました。 途中、映画化を含め世間で「模倣犯ブーム」のようなものが流れていきましたが我関せずで本棚で熟成された本書は今まで手に取らなかった理由が腑に落ちました。 まず何よりハードカバーのデザインと内容が乖離しており読後に愛着が沸きません。 ストーリーは流石に宮部みゆきです。 これだけの大作を大した破綻も見せず纏めきる技量は現代日本のトップクラスと言えるでしょう。 しかしこれ程の長編でありながら登場人物への感情移入がこれ程むずかしい小説を私は始めてみました。 登場人物の多さ、置かれた立場の相違、美醜、色々な理由があるのでしょうが登場人物で自分勝手という印象を抱かない人物が殆ど居ないからではないかと感じました。 大量殺人事件、被害者遺族は自分達のこと、喪った家族のことばかりに心奪われ他に心が配れないのは分かる。しかしそういう人物やステロタイプな若者像が多く長編で数の多い登場人物を分かりしやすくしたことが裏目に出たと感じます。 本を多く読む方は大抵ある程度の感情移入を出来る人物の目安を付け、その人物目線で本の世界に入り込む方が老若男女を問わず多いと思います。 しかし私は本作で豆腐屋の爺さんと整理役の上役刑事以外感情移入できる人物は一人もいませんでした。 年齢を重ねたからこそ見えるモノ、自分の尺度をもって他人を計る。無闇に他人任せにしない。確固たる自分をもつ二人目線でこの本を読むと読後には圧倒的な疲労と虚しさしか残りません。 ピースがそば屋の娘に手を出した辺りから話は収束に向かうというより支離滅裂な破壊へ向かっていきます。 筆者はより残酷な展開の一つのピースと考えたのでしょうがこれもそば屋の娘へ感情移入できない大きな理由となりました。 世の中「イチローのファン」はたくさんいても「イチローのファンだからマリナーズのファン」という人は少ない筈です。 昔の「長嶋のファンだから巨人ファン」「野村のファンだから南海ファン」っていう人は少なくなりました。 時代の変化に伴う人々の心の変化を捉えた作品の筈が読者の心も変化していることを置き忘れた気がします。 ホントは星2〜3と思いましたが長編へのご苦労とファンですので甘めにしました。 とはいえ宮辺みゆきさんの大ファンであることに代わりはありません。 彼女のもの悲しい短編が大好きです。 | ||||
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「楽園」を読んだ後、 7年以上も前に読んだこの「模倣犯」がとてつもなく気になり、 もう一度読み返してみようと上下巻共すべて再読しました。 全体像は覚えているものの、もやっと忘れてしまっていた色々が、 読み進めるごとに蘇り・・・ 先を知っているからこそ、 栗橋浩美の苦悩・有馬義男の心の強さ・高井和明の心の優しさ・網川浩一の無謀さ・・ などをより強く感じました。 「無駄に長い」というレビューが沢山見られますが、 この『模倣犯』においては無駄な部分はひとつもない、と私は思っています。 人物を魅力的に描く宮部みゆきさんらしい手法ですし、 私もまんまと・・・ 一番面白かったのは第二章(「面白い」と表現するのは良くない内容の章ですが)だったし、 一番感情移入してしまったのは、 犯人の片割れである栗橋浩美でした。 彼はとても卑劣でしたし、許せない部分も多かったのに、 それでも感情移入してしまった自分に戸惑いを感じるくらい・・・。 そんなにも細かに人物の背景などを描く中で、 唯一、作者が詳しく表記しなかったのがピース(網川浩一)だったと思うんです。 彼は何故母を殺したのか? などの動機や、心情が、全く表記されていません。 ここに、 真犯人に対する作者の一線を見たような気がしました。 | ||||
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非常に長かったが、最後まで飽きずに楽しめた。 第一に、やっぱり上手い。ひとつの事柄を色々な登場人物の側面から違った角度で丁寧に描き切る、そのテクニックは秀逸。 最初は淡々とした群像小説なのかな、という印象を受けるが、それぞれのストーリーが徐々に交わり、そして重なり、 ひとつに終結してゆくラストはとにかく圧巻の一言。 そんなにうまく事が運ぶのか?と思わないでもないが、しかしそのマイナスを差し引いても有り余るお釣りがくる力作。 犯罪者の心理、被害者遺族の心理、取材する者、警察、その他第三者の心理、 決して相容れることのない互いの主張とその苦しみ、心情をこれほどまでリアルに臆することなく突き詰めた作品は初めて読んだ。 それぞれの傷を抱えながら、そして更に傷つけ合いながらも、正しい道を模索してゆこうと必死でもがく登場人物たちの姿に心をえぐられる。 犯罪そのものの惨劇、犯罪者心理の生々しい描写、それらは当然理解なんて域を超えているし、向かっ腹が立つ。 しかし、実際に犯罪はこうやって起きるんだ・・・と、その点は否応なしに納得してしまうほど丁重に描かれていて、 この人はやっぱり社会派ミステリーの秀逸な書き手であり語り手なんだな、と思わずにはいられなかった。 十分なエンターテイメント性で楽しませてくれながらも、心に深いものを訴えてくる素晴らしい作品だと思う。 | ||||
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かなりの長編なので読むのを遠ざけていましたが、思い切って一巻を読んでみました。 これは面白いです。次の頁がめくりたくて仕方なく、残りの頁数がどんどん少なくなっていくのが惜しいと思った本は久し振りです。 濃厚な人間描写と複雑な人間関係は宮部みゆきの真骨頂ですが、それに加えてのサスペンスとしての要素が見事です。たくさんの謎が散りばめられ、それらがどのように収束して結末へ向かっていくのかものすごく気になります。 あと四冊もあるなんて不思議な感じがするのですが、いったい物語はどう展開していくのでしょう?これから二巻を読んでみようと思います。 | ||||
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上下巻の落差が激しい。 特に上巻は丁寧に、丁寧に、人物像や情景が描かれている。 しかし、下巻に入ると突然、別人が書いたのではないか と思うほど、ストーリーが乱暴、セリフも陳腐化しているところが非常に残念でならない。 最後ラストスパートで宮部さん疲れちゃったのかな、とかんぐってしまう。 後半のストーリーにもう少し骨太さがあれば傑作といえる作品なんだと思う。 | ||||
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原稿用紙3551枚の超大作であるが,スリリングなストーリー展開により,宮部ワールドにすっかり引き込まれ,一気に読破してしまった. 宮部作品は初めてだったが,登場人物の豊かな心理描写,背景の細やかな描写,全編に散りばめられた謎を解く鍵,どれをとっても一流の作家であることが窺える. 本作品を通して,警察の思い込み捜査による冤罪,加害者よりもひどい仕打ちを受けてしまう被害者とその家族,といった現代社会のひずみを痛烈に批判している. ただ,犯人の自白によって,真犯人が判明するという,結末には少し物足りなさを感じてしまった. | ||||
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リアルに自分の身に迫ってくるような「悪意」に背筋を凍らせつつ、一気に読んでしまいました。もう読むのがイヤかも…と思いながらも最後まで引き込んで読まされてしまったあたり、さすがの筆致としか言いようがありません。 が、ラストの描写が別の長編(タイトルは伏せます)とかぶりすぎているのには興ざめでした。☆1コ引いてしまうほどがっかりです…。 | ||||
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豆腐屋の有馬義男の孫娘が巻き込まれる第一部。犯人視点の第二部。そして、本当の悪意と狂気が現れる 第三部という構成です。特に第二部の残虐な犯罪描写や延々と続く心理描写は、飛ばし読みの誘惑に 駆られますが、しっかり読みましょう。犯人の内在理論を二部で理解することにより、ラストの全てを 打ち砕く有馬義男のセリフに、魂が揺さぶられます。 | ||||
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文庫にして全5巻。 とても読み応えありました。 題名から、模倣した犯人がいっぱい出てくる話だと思っていました(^^;) しかしそういうのではありませんでした。 最初からピースの存在はとても不気味でした。 あだ名が出てくるばっかりで、彼がどういう家庭の人間なのか、何を考えてるのか? しかしヒロミは完全に彼に囚われてるのが分かるので、彼の言葉や行動が分かるまで謎でした。 でも、最後を読むと、ピースは人を操ってるつもりだったけど、彼にとってもヒロミの存在は大きかったのではないかと思いました。 カズは最後までヒロミの為に必死だったけど、一番哀れなのは妹のような気がします。 何も知らずに。 自業自得な感じもしますが・・・。 こちらも映画にはなっていますが観ていません。 あらすじを見たところ、たくさん変わってた部分がありましたね。 宮部さんが映画に否定的なのも分かるような気もしますが、自分で観て確かめてみたいかも(^_^;) | ||||
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登場人物すべてに魅力があります。 宮部文学の最高峰と言っても過言ではないでしょう。 | ||||
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初めて宮部作品を読みました。映画化もされているだけに、きっと受けてをひきつける何かがあるのだろうと思ったのと、怖いもの見たさで本を購入。日本社会、文化の陰の穴を鋭くえぐっている。登場人物、場所、すべてを的確に文章で表現されていて、すぐに、この本の世界へどっぷりはまって、気づくと、とても怖くなっていて、ほんとに、予想以上に怖くなって、5巻まで買ったのですが、1巻を読み終えた時点で、ちょっと、休憩したくなった。読み始めたら、最後まで一気に読みたくなる。でも、ほんとに、文章表現が上手いので、容易にこの世界へ入り込んでしまい、怖くなる・・。2巻は、気を落ち着かせてから読みたい。 | ||||
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一種の推理小説であるが、筋だけを追う読み方だと、長すぎる印象を持ってしまうかも しれない。 文体とか心理描写がおもしろい。丁寧に読まないとおもしろみがわからない。 おぞましい話ではあるが、本当にリアルだ。真似する人がでてもおかしくない。 ちょっと怖い。 | ||||
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今さらながら「名作」と呼ばれる本作品を読ませていただきましたが、評判通りの出来でした。涙あり、恐怖あり、感動あり・・・・上下巻合わせて1400ページの超・長編でしたが、退屈せずに読めました。ホラー・サスペンス好きの私としては第二部の栗橋宏美の犯行や心の動きを描写する下りが強烈でしたが、それ以外にも有馬氏を初めとする被害者の遺族の叫びや、友人思いのカズの行動は、目から出る涙を抑えられませんでした。本の帯に「忘れられない本になる」とコピーがありましたが、まさに忘れられない一冊です。 | ||||
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誰もが救われない結末。長い長い道を歩き、辿りついた場所にはカタルシスはなかった。 それでも、この物語のエンディングは秀逸だと思う。犯罪は被害者の遺族はもちろん、加害者の家族すらも不幸のどん底に落とすということを読者にリアルに突きつけるからだ。唯一希望を掴む可能性のあった主要な登場人物のある女性を死なせてしまったことで、この作者は冷酷に過ぎないかとも思えたが、それもこのテーマを描き切るうえでは致し方ないことなのかもしれない。 ただ、緻密に進んでいく物語ではあるが、警察の動きが最後鈍くなるのは苛立ちを感じた。幾つかの物証を手に入れたはずの警察が一転、詰めの場面で動きをとめてしまい、ジャーナリストによって真実を暴かれるというのは、劇的なクライマックスの演出のためには仕方がないことだったのかもしれないが、警察内部の事情でやむにやまれずそうなったという風に描いてもらいたかった。 だが、そんな些末なことはどうでもよいと感じさせるほど、重厚かつ深遠な、宮部みゆきの代表作となることは間違いない傑作である。 | ||||
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