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模倣犯
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模倣犯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全279件 121~140 7/14ページ
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上下通じての感想です。 宮部さんの小説には必ず救いがある。いつもそう感じていて 安心して読んでいたが、この作品にはそれがなかった。 「地に足を付けて、毎日丁寧に生きる。そうしてさえいれば きっと悪いようにはならない。」 宮部作品の通奏低音のような、この約束がなかった。 そのことがつらかった。 宮部さんらしい丁寧な人物描写で、登場人物の息吹を感じさせる。 もっとも私の心に残ったのは、『由美子は商売屋の娘である。・・・』 で始まる一連の文章だった。 自営業者でありながらその経営状態を把握できなかった ある家族への手厳しい指摘は爽快だった。 同時に、何の罪もない善良そのもの、助け合いながらつましく生きていた 高井家の人々がなめた苦しみが読後の私をさいなんでやまない。 | ||||
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ここまでの傑作にはなかなか出合えるものでありません。 日常から足を踏み外していく人々、そして対照的に描かれる変わらない日常風景。 その対比が素晴らしい。すさまじい描写力だと思います。 そしてその緊張感が最後まで揺るがないのがまた凄い。 悪というものを切々と語るのがこの3巻です。 まともな神経では読めないほど「悪」一色です。 幼馴染の声が携帯から聞こえてくるだけで「いまいましい」と感じる。 思い出のエピソードを聞きだして、被害者とその家族を不幸に陥れる。 著者の精神は正常なんだろうかとさえ疑います。それほど真に迫る描写力です。 文句なしに★5つです。 作品内容と関係ないことですが、単行本の表紙はこの作品の内容に相応しくありません。 文庫本のほうが雰囲気がマッチしてて個人的に好きです。 | ||||
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ここ20年のミステリーの最高傑作、だと思います。 日常から足を踏み外していく人々、そして対照的に描かれる変わらない日常風景。 その対比が素晴らしい。すさまじい描写力だと思います。 そしてその緊張感が最後まで揺るがないのがまた凄い。 1巻の見どころは・・・やはりハンドバックが発見されたことを聞いてしまい事故を起こすまでの、あの場面ですね。 これほどまがまがしく、日常と非日常の交錯を描き切れる作品ってそうないと思います。 そして、なんと1巻で犯人(一味)が早くも死んでしまうんですね。 この「読者をあきさせない」構成力もすごいと思います。 本当に平成に入ってから最高のエンターテイメント小説だと思います。 文句なしに★5つです。 作品内容と関係ないことですが、単行本の表紙はこの作品の内容に相応しくありません。 文庫本のほうが雰囲気がマッチしてて個人的に好きです。 | ||||
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日常から足を踏み外していく人々、そして対照的に描かれる変わらない日常風景。 その対比が素晴らしい。すさまじい描写力だと思います。 そしてその緊張感が最後まで揺るがないのがまた凄い。 1巻の見どころは・・・やはりハンドバックが発見されたことを聞いてしまい事故を起こすまでの、あの場面ですね。 これほどまがまがしく、日常と非日常の交錯を描き切れる作品ってそうないと思います。 そして、なんと1巻で犯人(一味)が早くも死んでしまうんですね。 この「読者をあきさせない」構成力もすごいと思います。 なかなか出合えない水準のエンターテイメント小説だと思います。 文句なしに★5つです。 作品内容と関係ないことですが、単行本の表紙はこの作品の内容に相応しくありません。 文庫本のほうが雰囲気がマッチしてて個人的に好きです。 | ||||
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日常から足を踏み外していく人々、そして対照的に描かれる変わらない日常風景。 その対比が素晴らしい。すさまじい描写力だと思います。 そしてその緊張感が最後まで揺るがないのがまた凄い。 1巻の見どころは・・・やはりハンドバックが発見されたことを聞いてしまい事故を起こすまでの、あの場面ですね。 これほどまがまがしく、日常と非日常の交錯を描き切れる作品ってそうないと思います。 そして、なんと1巻で犯人(一味)が早くも死んでしまうんですね。 この「読者をあきさせない」構成力もすごいと思います。 なかなか出合えない水準のエンターテイメント小説だと思います。 文句なしに★5つです。 作品内容と関係ないことですが、単行本の表紙はこの作品の内容に相応しくありません。 文庫本のほうが雰囲気がマッチしてて個人的に好きです。 | ||||
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ここまでの傑作にはなかなか出合えるものでありません。 日常から足を踏み外していく人々、そして対照的に描かれる変わらない日常風景。 その対比が素晴らしい。すさまじい描写力だと思います。 そしてその緊張感が最後まで揺るがないのがまた凄い。 2巻のほぼ全体を割いて犯人栗橋の人間像が描かれます。 ここまで読んで不愉快になって読むのを止めてしまった方も多いようです。 語り手の冷静な描写力を不快と感じるか、快挙ととるかで本作の評価が分かれるかと思われます。 これは好みの問題でもあるので何が正しいとは言えませんが、僕は後者です。 泣き崩れる父親とそれを醒めた目で見つめる息子の描き方なんて、そうできるものじゃないと思います。 文句なしに★5つです。 作品内容と関係ないことですが、単行本の表紙はこの作品の内容に相応しくありません。 文庫本のほうが雰囲気がマッチしてて個人的に好きです。 | ||||
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「火車」「理由」と並ぶ現代ミステリの金字塔! 日本国中を震撼させた未曾有の連続女性誘拐殺人が発生! <本書帯より> 個人的には「理由」を超えるミステリーの最高傑作だと感じています。 重厚な人間ドラマが織り成す現実味ある事件劇は、共感を煽り、心ごとこの作品に入り込んでいきます。 長編小説なのにスラスラと、それでいて色濃く読めるのは、まさに宮部マジックです。 物語は女性の右腕が発見されるところから始まります。 発見者、警察、ルポライター、被害者の家族、あらゆるサイドから展開されていき、複雑に交錯し合っていきます。 第2、第3の犠牲者が現れ、冷静に犯人を分析する警察と、被害者を訪ねるルポライター、そして被害者の家族に接触する犯人。 それぞれの観念から事件を垣間見ることができます。 犯罪捜査に対する警察の鋭い見解、身近な日常生活に影を落とす悲痛な嘆き。 誰もが被害者なら、残された者の敵はどこにいるのか・・・。 第1巻だけでも読み応え抜群。 全5巻を読むと、もうとてつもなく巨大な衝撃を受けます。 人それぞれだと思いますが、私はこれほど現実的で感動的なミステリはないと思っています。 | ||||
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ミステリの枠をはるかに凌駕した衝撃の問題作! 快楽殺人を「演出」し、マスコミを愚弄する現代の怪物の正体は? <本書帯より> 第1巻の続きかと思いきや、犯人側の視点で並行する物語です。 数々の小説を読んできましたが、猟奇殺人犯が育つ様を描いているのはこの本が初めてです。 なぜ彼は人を殺めるのか。 何が彼をそうさせたのか。 幼い頃から宿る罪の意識が、逃げ場のない彼を追い詰める。 そして、手にかけたその子は、死んでいた。 第1巻とリンクする物語は、まったく別の感動を呼びます。 それは悲しみではなく、哀しみ。 一体何が人を殺人犯へと変えるのか。 かつてない異色の物語、解禁。 | ||||
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「現代の闇」を見据えた究極のエンターテインメント! 群馬山中で転落炎上した車。 死亡した二人の若い男が犯人なのか? <本書帯より> 2巻の続きで、時間軸でいうと、1巻と2,3巻がほぼ並行しています。 事故で転落した車から出てきた他殺体。 連続女性誘拐犯が初めて殺した男性。 いったい彼は何者なのか、そしてなぜ彼は殺されなければならなかったのか。 多くの女性が犠牲になった事件。 犯人に捕らわれ、殺される恐怖を、犯人側の視点から描いていく。 そしてすれ違う友情から悲しみの底へと転落していった車に乗る二人の死体。 この二人が真犯人なのか。 新たな動きを見せる事件の予兆が、意外な犠牲者を呼ぶ。 | ||||
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初めて宮部さんの作品を読みました。全五巻と大作でしたが、一気に引きこまれて読み終わりました。一つの犯罪に巻き込まれ、関わる人々の色んな視点から話が進んでいくのですが、不思議と読みやすかったです。色んな伏線がちりばめられて、読者は犯人が分かっているだけに早く気付いて!とじれったい気持ちになりますが、それも早く物語を読み進めたくなる要素でした。ひとつ物足りなかったのが、ヒロミやカズ、真一や滋子など登場人物の過去や人物像が詳しく書かれていたのに、ピースの詳しい内面やなぜあのような歪んだ思想の持ち主になってしまったのか・・・、滋子が調べていますが、もっと深く書いてほしかったなと思います。 | ||||
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今更ですが先入観なしに読みました。文庫本5冊の長編ですが、やはりどなたかの指摘通り第2章の2,3巻あたりが長く、陰鬱過ぎる感じがします。でも5巻まで一気に読ませる力があり、ベストセラーになる作品と頷けました。第2章の長さとやや強引すぎる展開を感じる点で星1つ減です。もう1回はじめから読みたいとは思いませんが、読んで良かったと思える作品です。マスコミ報道ではスポットのあたらない犯罪被害者の視点を丁寧に表現されていると思います。 | ||||
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優れた宮部作品の中では人によって優劣の差がつくにしても(私自身もどれがベストかと聞かれれば『火車』と答える)、この『模倣犯』が格段に劣っているとは思われない。読み応えのあるすばらしい作品だと思う。既に多くのレビューがあるので今更細かいことは書かないが、内容を読んだ上で文庫版のカバーイラストを見ると、本当に怖い!特に1〜3巻。入院中の病室で深夜に気づいてしまい、ちょっとぞっとした。いくつか伏線のように書かれながら、結末までに処理されずに終わったように見える事柄(携帯電話、相談センター…)も、真犯人が”あのような”形でなくともいずれは露見していたはずだということの筆法であろう。心憎いやり方と思う。 | ||||
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時世を10年単位でセグメントしていくとするなら、 '00年代は宮部さんの「模倣犯」に始まり、村上さんの「1Q84」で締め括られる。 「1Q84」を読みながら、そんな想いにかられた。 ホコリをかぶった本書を棚の奥から引っ張り出し、再読する。 '90年代という世代を考えると、 奇しくも'89年という同じ年に起きた女子高生コンクリート詰め事件と宮崎勉事件から、 '94年のオーム、'96年の酒鬼薔薇、'99年のライフスペースと、 ワイドショーに求める刺激は強くなっていく一方だった。 それを逆手に「お前らを楽しませてやろう」と出現したのが網川浩一だった。 ドストエフスキーの「悪霊」で、ピョートルがスタヴローギンに心酔したように、 栗橋浩美はピースに心酔し、高井和明はシャートフと同じ運命を辿る。 浦沢直樹さんの「MONSTER」ヨハンもそうだけど、知的な犯罪者はスマートに見える。 容姿もスマートなら、語りもスマートだし、生き方もスマートだ。 それは悪魔でありながら天使であり「神の子」のようですらある。 ハンニバル・レクターのように。 でも、現実の事件はどうだろう? テレビの画面に映し出された誰がスマートだっただろうか? 作品の中で描かれるのは加害者はどこかの被害者で、被害者はどこかの加害者。 宮部さん独特の人間への慈愛が作品の節々にあふれている。 それでも読後感は哀しい。 確かに現実の事件でも加害者はどこかの被害者だったかもしれない。 だけど、それを知ったところで、被害者が納得するわけがない。 それを知っていたからスタヴローギンは自ら首を吊るした。 ピースは最期まで己が神だと誇示し続けた。 読後感の哀しさは、この人間の愚かさへの哀しさなのかもしれない。 | ||||
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…なぜならば。 自分だけは、我が家だけはひととは違う。そう思って皆生きている。殺される瞬間まで。 被害者側もなにか普通とは違うところがあったのだ、だから私達とは別世界の問題、私達は安心、と思いたいのだ。 …そう言われたように感じたから。 「火車」の本間刑事的人物は登場せず、淡々と歩みを緩めずに非情な凶行が続いていく。 本間刑事は犯人の背景を描き出しつつ本人に迫っていく軌跡を描きましたが、ここで犯人に迫る役割を得たライターは自らも物語の波に押し流され、浮き沈みしつつ終幕へ向けて動いていきます。 神の救いの手は存在せず、もがき苦しみ、それでも営々と生活を続けなければならない人々がいる。そして、それは特別なことではない。そんな読後感でした。 それでも星5つをつけたのは、エンタテイメントを超えて、宮部さんが犯罪小説をかく意味を聞いた気がするから。 自らの役目を全うしようと仕事に取り組む気迫のようなものを感じる作品でした。 | ||||
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この名作を今頃読んでいて申し訳ないです。 遠い昔に映画で観てショボかったけど、原作は映画よりも格段に良いですね。 『蛇にピアス』、『告白』などは、なぜか原作よりも映画のほうが良かったのだけど、 やはりこの長さになると、とうてい映画では表現し切れません。 そして『ピース』の特異さを、Smapの中居さんでは到底……。 (ただ、『ヒロミ』の役をやっていた人はかなり合ってます。あのイメージで読みました) それから宮部みゆきの上手さは、普通に生活している人の描写にあると思います。 『理由』を読んだときも思ったのですが、いわゆる一般的な人たち一人ひとりの毎日の生活、趣味、思い、悩みが非常に丁寧に描かれていて、それが読んでいる側としてはとても心地良いのです。 作品が地に足についている感じ、決して荒唐無稽な話ではないという身近感。これが宮部みゆきの魅力であり、これは到底、映画で表現できるものではないと思います。 視覚障害のエピソードもかなりリアルだったので、あれに希望を見出した読者もかなりいたようだけど、実はそれもフィクションだったとは、結構驚きました。『識字障害』の一種で実在しているのかと思いましたから。 | ||||
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昔立ち読みした本。良く読んだな、この厚みを立ちっぱなしで。 「楽園」を読むにあたり、ちゃんと読み直そうと思って文庫本で再読。 大作だった。 宮部みゆきの人物描写が好き。 心情表現など本当に細やかで、いろんな登場人物の悲喜交々が伝わってくる。 でも、終盤犯人のスケールがどんどんちっさくなっていったのは微妙に感じた。 「不幸なめぐり合わせ」と取るか「たまたまうまくいった」と取るかで この事件に感じる恐怖や被害者、犯人それぞれへの印象が随分変わってしまう。 狙って犯人像をスケールダウンさせていっているとは思うんだけど、 それと「たまたまうまくいった」要素が相まり、 読んでいて被害者へのやりきれない気持ちが強くなり過ぎてしまった。 結果として、読後感は悪かった。 悪いだけで終わらせないのが、この作家さんの凄さでもあるのだけれど。 最後の彼の慟哭が、今思い出しても切ない。 これだけの長編を見事纏め上げたのは素晴らしい。 ただ若干中だるみもあったため★はマイナス1で。 | ||||
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久し振りに再読した。あらためて感じたのは、著者の丁寧さと読者に対する誠実さだ。その場面にしか登場しないような人物にもストーリーを持たせ、本筋のストーリーに厚みを持たせるという手法を、「ムダに長い」と感じる人もいるはずだが、私はこれが作者の作品の魅力であるととともに、丁寧さと読者に対する誠実さだと思っている。 そして、長篇であってもリーダビリティが高いのは、ストーリーテラーとしての実力もあるが、もうひとつ忘れていけないのは作者の文章だ。難しい単語が使われることはなく、すっと文意が理解できる。だが、無機質な文章ではない。登場人物のセリフもふくめて体温を感じる文章だ。 著者の作品を全て読んでいるわけではないので断言はできないのだが、彼女の作品ではどんなに残酷な世界が描かれていても、何かしら救いの部分がある。これが、宮部作品の魅力なのだが、同時に物足りなさを感じる部分でもあると思う。 この作品でもそうだ。確かにピースは救いのない人物ではあるが、著者は他の人物に救いを与えている。 ただ、自分自身はそこに、なんとなく物足りなさを感じてしまうので、ここ数年は著者の作品から離れていた。今回、久し振りに再読してもこの印象は変らなかったのだが、これは読み手の好みの問題であり、著者の実力に起因するものではない。 10年以上前の作品なので、設定などの部分で今の時代にそぐわない面もあるが、小説としての輝きは失われていなかった。やはり、日本を代表する小説家の一人だと思う。 | ||||
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映画がイマイチだったり、登場人物が多すぎて敬遠されたりでマイナスイメージも付いてしまってる気がして心配なのですが、コレ、相当面白いです。 ミステリーでもありますが、群像劇でもあります。 人間の「気持ち」が描かれている。 「宮部作品は、時代小説のほうがいい。だって人情味があるから。」という意見を昔聞いたことがありますが、宮部現代ミステリーにも、ちゃんと人情味があります。ミステリーテイストに包まれて見えにくくなってるだけで。 一度目はミステリー要素に引きずられて早く真相がしりたくて人間の気持ちにあまり目を向けずに読んでしまいましたが、しばらくしてもう一度読んでみたら、ヒューマンドラマ的な印象になりました。 二度読み、オススメです。 | ||||
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読後の感想は「長い。けれど、読み応えある丁寧なサスペンス」 時間をかけただけはある。著者の主張がいたる所に散りばめられている。 義男とピースのやり取り、編集長と滋子の対峙。と読むべき個所は随所に。 丁寧という印象はおそらくそこから来ている。 登場人物の過去、心理描写にページを割くあまり、「長い」小説となっているのは 仕方ないのかもしれない。 「火車」ほどのスリリングさ、テンポのよさはないかも知れないが、この小説には 随所に盛り上がる個所があるため長くても読めてしまう。 | ||||
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上下巻の上巻です。 どちらともとても分厚い。 その中には登場人物ひとりひとりの気持ちが深く記されています。 一番印象的なのが孫が行方不明になった老人の気持ち。 色々な情報が詰まっているので老人の出来事がよく知る人のことのように感情移入できます。 なんでこんな酷い事ができるの?、自分を正当化するイっちゃってる犯人、 小説の中だけにしてほしい。。。が、実際こんな事件はたくさん起こっているし 巻き込まれた被害者もたくさんいる。 被害者の気持ち、犯人の気持ちがいろんな意味で痛いほど伝わる悲しいお話です。 長いですが苦労して読んだ分、この物語の一登場人物になったように 一緒に怒り、一緒に泣けることのできる作品です。 | ||||
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