何者

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何者の評価:

3.95/5点 レビュー 390件。 C ランク

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全763件 721〜740 37/39ページ
No.43
(5pt)

就活は自分を映す鏡のような存在

23歳で直木賞を受賞した朝井リョウの受賞作品。社会人になったその時点で二足のわらじを履いている。そのスタイルを続ける予定だそうだ。
6人の大学4年生の就活物語で、現代の就活事情とその渦中にある大学生たちの気分や心の動きがよく描かれている。

劇団主宰の主人公、バンドをやってる同居の友人、その恋人で主人公が片思いの女子、海外留学組の女子、就職しないと宣言する人、、。
ツイッター、フェイスブック、ラインなどのソーシャルメディア空間と、現実とが混ざり合って物語が進行していく。やはりこの作家は名手だ。

主人公は恋も就活も出遅れるのだが、最後は自分を自分として認めることができるようになって、希望につながっていくところで終わる。
面接で分析家の主人公は「短所は、カッコ悪いところです」「長所は、自分はカッコ悪いということを、認めることができたところです」という。最後は「だけど、落ちても、たぶん、大丈夫だ。不思議と、そう思えた」で終わる。

癖、消耗、もどかしくなる、想像力がない人、何者かである自分、探り探り、っへえー、ぬるぬる文系、もやもやと黒ずむ、ぶしゅう、人脈、バランス、蓋、違和感、不正、麻薬、やさしい言葉で心を撫でる、痛々しい、ささらない棘、羨ましさとうっとうしさ、思ってもいないことをすらすらと語る技、面接で落ちるダメージ、ミスが見えない、エリア職なんだね、ジコジツゲン、プライド、人生のドラマの主人公、就活が得意なだけ、、、、、、。

登場人物たちが互いに投げかける言葉の中に、共感するなかなかいい言葉がある。

誰かの目線の先に、自分の中のものを置かなきゃ。
ダサくてカッコ悪い自分を理想の自分に近づけることしか、もう私にできることしかないんだよ。
自分は自分にしかなれないんだよ。
そうやってずっと逃げていれば?
自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。だけど就職活動をして企業に入れば、また違った形の「何者か」になれるのかもしれない。そんな小さな希望をもとに大きな決断を下したひとりひとりが、同じスーツを着て同じような面接に臨んでいるだけだ。

何者かであるように自分を飾る日々から、何者でもない等身大の自分の姿を知って、そして時間をかけて何者かを目指していく。そういう誰もが経験する青春の成長を描いた作品だ。
就活は、そういうプロセスを踏む上で自分を映す鏡のような存在だ。
就活生にも教師にも親にも、勧めたい作品だ。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.42
(5pt)

就活をテーマに、Twitterを用いて多面的に心理を描いた作品

自分と歳のそう変わらない作家の直木賞受賞作ということで購入しました。  就活を行う仲間の嫉妬や表面的な応援など人間の負の感情をおりまぜながら物語はゆっくりと進んでいきます。 全体的に暗い雰囲気の小説ですがラスト5ページにホッとしました。 大丈夫。 失敗してもめげない。 誠実に生き ていこうと決めた主人公の締めくくりは快い気持ちにさせてくれます。  『他人のことなんか気にするな。 自分のことに集中しろよ』 朝井リョウさんはこう言っている気がします。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.41
(5pt)

自分と重なって胸が苦しくなった。

就活とsns、自意識がテーマって所にピンときて、一気読み。 登場人物達の痛さが、自分と重なって胸が苦しくなった。 著者が卒業して間もないからか、大学生の生態が生々しく描写されている。 それ故、就活中にタイムスリップしていたかの様な読後感。 物語は終始、目を背けたくなる痛さ。 しかし、ラストでは自己啓発的な面も。 少なくとも僕にとっては、「何事も一生懸命頑張ろう。 」、そう思わせてくれた。
何者 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 何者 (新潮文庫)より
4101269319
No.40
(5pt)

就活は自分を映す鏡のような存在

23歳で直木賞を受賞した朝井リョウの受賞作品。社会人になったその時点で二足のわらじを履いている。そのスタイルを続ける予定だそうだ。
6人の大学4年生の就活物語で、現代の就活事情とその渦中にある大学生たちの気分や心の動きがよく描かれている。

劇団主宰の主人公、バンドをやってる同居の友人、その恋人で主人公が片思いの女子、海外留学組の女子、就職しないと宣言する人、、。
ツイッター、フェイスブック、ラインなどのソーシャルメディア空間と、現実とが混ざり合って物語が進行していく。やはりこの作家は名手だ。

主人公は恋も就活も出遅れるのだが、最後は自分を自分として認めることができるようになって、希望につながっていくところで終わる。
面接で分析家の主人公は「短所は、カッコ悪いところです」「長所は、自分はカッコ悪いということを、認めることができたところです」という。最後は「だけど、落ちても、たぶん、大丈夫だ。不思議と、そう思えた」で終わる。

癖、消耗、もどかしくなる、想像力がない人、何者かである自分、探り探り、っへえー、ぬるぬる文系、もやもやと黒ずむ、ぶしゅう、人脈、バランス、蓋、違和感、不正、麻薬、やさしい言葉で心を撫でる、痛々しい、ささらない棘、羨ましさとうっとうしさ、思ってもいないことをすらすらと語る技、面接で落ちるダメージ、ミスが見えない、エリア職なんだね、ジコジツゲン、プライド、人生のドラマの主人公、就活が得意なだけ、、、、、、。

登場人物たちが互いに投げかける言葉の中に、共感するなかなかいい言葉がある。

誰かの目線の先に、自分の中のものを置かなきゃ。
ダサくてカッコ悪い自分を理想の自分に近づけることしか、もう私にできることしかないんだよ。
自分は自分にしかなれないんだよ。
そうやってずっと逃げていれば?
自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。だけど就職活動をして企業に入れば、また違った形の「何者か」になれるのかもしれない。そんな小さな希望をもとに大きな決断を下したひとりひとりが、同じスーツを着て同じような面接に臨んでいるだけだ。

何者かであるように自分を飾る日々から、何者でもない等身大の自分の姿を知って、そして時間をかけて何者かを目指していく。そういう誰もが経験する青春の成長を描いた作品だ。
就活は、そういうプロセスを踏む上で自分を映す鏡のような存在だ。
就活生にも教師にも親にも、勧めたい作品だ。
何者 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 何者 (新潮文庫)より
4101269319
No.39
(5pt)

就活をテーマに、Twitterを用いて多面的に心理を描いた作品

自分と歳のそう変わらない作家の直木賞受賞作ということで購入しました。  就活を行う仲間の嫉妬や表面的な応援など人間の負の感情をおりまぜながら物語はゆっくりと進んでいきます。 全体的に暗い雰囲気の小説ですがラスト5ページにホッとしました。 大丈夫。 失敗してもめげない。 誠実に生き ていこうと決めた主人公の締めくくりは快い気持ちにさせてくれます。  『他人のことなんか気にするな。 自分のことに集中しろよ』 朝井リョウさんはこう言っている気がします。
何者 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 何者 (新潮文庫)より
4101269319
No.38
(5pt)

イッキ読みしました。

面白かった。 見事な展開力。 ツイッターとのツキアイカタが変わるかもね。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.37
(5pt)

イッキ読みしました。

面白かった。 見事な展開力。 ツイッターとのツキアイカタが変わるかもね。
何者 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 何者 (新潮文庫)より
4101269319
No.36
(3pt)

大人が出てこない

「就活」という、現代日本の若者の多くが生まれて初めて真剣に自分が何者かを問い、問われる局面を舞台にした、大学生4人の群像劇。就活年代の若者の群像劇といえば『ふぞろいの林檎たち』(1983年、20年前!)を思い出してしまう自分はもう著者の親に近い年齢だが、その頃と比べると「社会人になる」ことのイメージがずいぶん「就活」だけに集約されるようになってきたように思う。『不揃い』の当時は大学進学率は3割未満で、いまは6割に近いことを考えると、無理もないのかもしれないが、『何者』に出てくる4人の学生は、タイプは違っても傍目からは同じような価値観の若者たちに見える。だからこそここに書かれているような息苦しさがあるのだろう。主人公拓人が憧れている瑞月さんのみが「家庭の事情」を抱えた就職活動だが、ほか3人は「己の事情」のみで比較的身軽だ。それを必要以上に重いイベントにしているのがSNSの存在。ツイッターで互いのつぶやきを深読みし合うのは当たり前、同級生や志望企業の人事に読ませる用の本アカのみならず、こっそり本音を吐くための別アカまで探して互いに隠れて読んでいる。そしてリアルには仲良く励まし合い助け合う同級生を演じる。似たもの同士だから、表面的で記号的な差異を過大評価して、相手を仮想敵化していく。「俺はあいつとはちがう」「私には私のやり方がある」と。そうやって「自分は何者か。何者になりたいのか」の答えを求めてもがくのである。

著者にとって就活はまだ生々しい記憶なのであろう。主人公はじめ登場人物たちのちょっとした振る舞いや言葉で表現される彼らの心の揺れには現実味がある。ツイッターをリアルなやりとりの合間にはめこんだ構成も悪くない。不満なのは、あまりにも彼らの世界が自己完結している点。この年代に近い読者以外には、最後まで読み通すのがかなり苦痛なのではないか。少なくとも自分はそうだった。最初から最後まで20歳そこらの若者を通した世界観が貫かれ、顔と言葉のある「大人」が出てこない。短編か中編であれば、いまの世相を映す一篇としてそれなりにどの年代にもインパクトを与えるような作品になったと思う。たとえば以下の主人公の言葉には、はっとさせられるものがあった。

どうして就職活動をしている人は何かに流されていると思うのだろう。(略)
自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。だけど就職活動をして
企業に入れば、また違った形の「何物か」になれるのかもしれない。(略)
「就活をしない」と同じ重さの「就活をする」決断を想像できないのは
なぜなのだろう。決して、個人として何者かになることを諦めたわけではない。
スーツの中身までみんな同じなわけではないのだ。

いま、「大企業に勤め続けるなんて能がない」「独立したり転職できない人が大企業にしがみつく」といった言説が一方にある。作家の言葉にかぶせれば、「会社を辞め(て起業・独立す)る」と同じ重さの「会社を辞めない」決断を想像できないのはなぜなのだろう、と思う。どうして同じ会社で働き続ける人は思考停止していると思うのだろう、と。どんな立ち位置にいようと、人みなそれぞれ、折り合いをつけて生きている。20代は「何者か」になることで必死であり、それでいい。しかし30代、40代ともなると、「何でもない者」としてどう生きるかというもっと難しい問いが待っている。そこまで書きこんでほしかったとは言わないけれども、同質的な登場人物のなかに、異質な他者の存在が少しでも垣間見ることができたなら、もっと奥行きのある作品になっていたと思う。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.35
(3pt)

大人が出てこない

「就活」という、現代日本の若者の多くが生まれて初めて真剣に自分が何者かを問い、問われる局面を舞台にした、大学生4人の群像劇。就活年代の若者の群像劇といえば『ふぞろいの林檎たち』(1983年、20年前!)を思い出してしまう自分はもう著者の親に近い年齢だが、その頃と比べると「社会人になる」ことのイメージがずいぶん「就活」だけに集約されるようになってきたように思う。『不揃い』の当時は大学進学率は3割未満で、いまは6割に近いことを考えると、無理もないのかもしれないが、『何者』に出てくる4人の学生は、タイプは違っても傍目からは同じような価値観の若者たちに見える。だからこそここに書かれているような息苦しさがあるのだろう。主人公拓人が憧れている瑞月さんのみが「家庭の事情」を抱えた就職活動だが、ほか3人は「己の事情」のみで比較的身軽だ。それを必要以上に重いイベントにしているのがSNSの存在。ツイッターで互いのつぶやきを深読みし合うのは当たり前、同級生や志望企業の人事に読ませる用の本アカのみならず、こっそり本音を吐くための別アカまで探して互いに隠れて読んでいる。そしてリアルには仲良く励まし合い助け合う同級生を演じる。似たもの同士だから、表面的で記号的な差異を過大評価して、相手を仮想敵化していく。「俺はあいつとはちがう」「私には私のやり方がある」と。そうやって「自分は何者か。何者になりたいのか」の答えを求めてもがくのである。

著者にとって就活はまだ生々しい記憶なのであろう。主人公はじめ登場人物たちのちょっとした振る舞いや言葉で表現される彼らの心の揺れには現実味がある。ツイッターをリアルなやりとりの合間にはめこんだ構成も悪くない。不満なのは、あまりにも彼らの世界が自己完結している点。この年代に近い読者以外には、最後まで読み通すのがかなり苦痛なのではないか。少なくとも自分はそうだった。最初から最後まで20歳そこらの若者を通した世界観が貫かれ、顔と言葉のある「大人」が出てこない。短編か中編であれば、いまの世相を映す一篇としてそれなりにどの年代にもインパクトを与えるような作品になったと思う。たとえば以下の主人公の言葉には、はっとさせられるものがあった。

どうして就職活動をしている人は何かに流されていると思うのだろう。(略)
自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。だけど就職活動をして
企業に入れば、また違った形の「何物か」になれるのかもしれない。(略)
「就活をしない」と同じ重さの「就活をする」決断を想像できないのは
なぜなのだろう。決して、個人として何者かになることを諦めたわけではない。
スーツの中身までみんな同じなわけではないのだ。

いま、「大企業に勤め続けるなんて能がない」「独立したり転職できない人が大企業にしがみつく」といった言説が一方にある。作家の言葉にかぶせれば、「会社を辞め(て起業・独立す)る」と同じ重さの「会社を辞めない」決断を想像できないのはなぜなのだろう、と思う。どうして同じ会社で働き続ける人は思考停止していると思うのだろう、と。どんな立ち位置にいようと、人みなそれぞれ、折り合いをつけて生きている。20代は「何者か」になることで必死であり、それでいい。しかし30代、40代ともなると、「何でもない者」としてどう生きるかというもっと難しい問いが待っている。そこまで書きこんでほしかったとは言わないけれども、同質的な登場人物のなかに、異質な他者の存在が少しでも垣間見ることができたなら、もっと奥行きのある作品になっていたと思う。
何者 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 何者 (新潮文庫)より
4101269319
No.34
(1pt)

読みづらい(‾。‾;)

学生生活の日々が書かれているだけ。 何人かの学生が出てきてこれから就活していく日々の中での日常と思ったことをただ書き下した感じ。 ただの学生の日記? 誰が誰に話しているのかよく分かんないとこがあったり、いきなり過去の話?現在の話?みたいにとんでかなり読みづらい。 それから、いらないところで比喩表現みたいなの使いすぎ。 読んでいて面白味や内容がないから途中飛ばしてよみました。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.33
(1pt)

読みづらい(‾。‾;)

学生生活の日々が書かれているだけ。 何人かの学生が出てきてこれから就活していく日々の中での日常と思ったことをただ書き下した感じ。 ただの学生の日記? 誰が誰に話しているのかよく分かんないとこがあったり、いきなり過去の話?現在の話?みたいにとんでかなり読みづらい。 それから、いらないところで比喩表現みたいなの使いすぎ。 読んでいて面白味や内容がないから途中飛ばしてよみました。
何者 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 何者 (新潮文庫)より
4101269319
No.32
(2pt)

痛い

一気読みできた。 この作家には才能があると感じた。 ただし主人公が痛すぎる。 観察者ぶってる暇があるなら真面目に就活しろよと思った。 ツィッターやスマホなどが出てきて、デジタルに疎い自分にはあまりピンと来なかったが、若い世代にはどストライクな内容なのかなとは思った。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.31
(4pt)

もう一つのアカウント

直木賞受賞作品ということで手に取りました。
 昨今の就活事情がよくわかる本です。
 ES(エントリーシート)?就職サイト?WEBテスト?知らない言葉ばかり。
 面接まで行き着くのがこんなに難しいことになっているなんて初めて知りました。
 ブログ、フェイスブック、ツイッター短い言葉で自分を表現しなければならない現代。
 特に、就活の面接で、自分が「何者」であるかを語るとき、限られた時間で、どんな言葉を取捨選択するのか本当にすごく難しいと思います。
 自分が「何者」であるかを端的に話せる人などいるのでしょうか。
 友人の子どもたちの何人かが、就活真っ只中。
 話を聞くと、その厳しさ、辛さが垣間見えてきます。
 「落ちる度に、自分が全否定されたような気持ちになり、落ち込む」と口々に言います。
 高校や大学を出た若者が彷徨い、漂流しなければならない。彼らを受け入れることのできる社会が構築されていないということに、じくじたる思いでいっぱいです。
 若い人たちが、職業に就ける。家庭を持つ。子どもをつくる。等々、普通の暮らしが当たり前にできる世の中になってほしいと切に思いました。
 後半は、かなりイタく、えぐられるような気持でした。
 もう一つのアカウント。匿名社会の象徴ですね。
 人間不信になりそうです。

 

 
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.30
(5pt)

書くという麻薬を捨て、カッコ悪い姿を晒せ

どうも今回は芥川賞のほうに食指が伸びないので、直木賞のほうを読むことにしてみた。個人的には読んでみて正解。朝井リョウという才能を十分に味わうことができた。他の作品も読むつもり。
 ただ、読むのに結構疲れた。青春の苦さを感じさせる作品というか、自分の性格の悪さを見せ付けられてしまうというか。

***************以下、ネタばれありで***************

 登場人物は6人。就職活動に悪戦苦闘する若者を描いた群像劇、というのとはちょっと違って、就活開始時期に出会った(再会した)、主人公の拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良、ギンジ(+拓人の先輩)の織り成すドラマといったところ。スポコン的な展開はなく、他人や自分に対する向き合い方、といった部分がテーマになってちょっと湿っぽい。
 時間軸としては就活生の11月〜5月くらい。演劇っぽいというか、会話主体で物語が進むのでわりと演劇にできそうとも思った。
 
 作者の意図としては、ちょっと内向的な主人公の「俺」に共感させて、最後にどんでん返しということだろうか。主人公の「俺」はわりとシニカルに周りを観察していて、会話をゲームのように見たりと冷めている。前半〜中盤は、ルームメイト光太郎の、元彼女の瑞月に対する淡い恋心が物語を引っ張る。切ないです。

 後半(3月くらい)からは、内定が出る出ないで人間ドラマが出てくる。瑞月から隆良に対する、生き方というかその人間性に対する批判(説教)があり、そこで「ざまーみろ」なんて考えて主人公にシンクロしていた読者は、最後に手痛くしっぺ返しを食らう。なんと主人公はミステリーで言う「信用できない語り手」で、叙述トリックが待っているのだ。他人を「痛い」「お前は何者にもなれない」と論評していた主人公こそが、何者にもなれないという苦悩を抱えていた、と。

******************************

 受賞会見で、「ニートの方に応援メッセージを」というニコニコ動画からの問いに「上から目線になると思いますので、何も言えません。」と著者は答えていた。ニートと言っても色々だが、自分を安全地帯に置いて、他人を論評する「批評家」であることに対して作者は厳しい。(そして、少し優しい)
 それは、自分に自信を持てないがゆえの行為だろう、と。

 就活というライフイベントにだけありうる話でもない。また、対象が身近な人間か、有名人や小説か、という違いがあるだけで、ネットで「書く」というのは麻薬性がある。誰もが評論家になれる、そんな現代社会に対する批評性を持った一冊であるとともに、カッコ悪い姿を晒す「クリエーター」なり、人と違った何かをして「何者」かであることを目指す人、あるいはそういった道を諦めたにしろ、何とか自分の道を見つけて生きようとしている人への応援歌となっている一冊だ。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.29
(5pt)

何者でない「何者」

Facebookで自分の学生団体を宣伝するあの娘を、twitterで今度のライブ日程を報告するあいつを、どこか見えない画面の前で嘲笑する私がいる。 カッコ悪くてもあがいてあがいて何者かになろうとする人間をそれら自体をイタイことにして自分を正当化し守ることで「何者」かになろうとする人間がいる。 23歳で何者かになってしまった作者による何者にもなれない人間の物語。 ゼロ年代に童貞を非童貞の銀杏BOYZが救済したように、『何者』はテン年代の何物にもなれない人間を何者かである作者が救済しようとする物語なのかもしれない。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.28
(4pt)

若者向け

・現代の就職活動がテーマである ・主人公が就活生達である ・Twitterが重要な要素として使われる ということで,まさに就活まっただ中の私には読みやすかったです。 就活というより,就活生の心理などがテーマであり,大学生の心理や行動の描写が細かくされています。 登場人物が限られており,世界観と価値観は狭く,若干内容が薄いとは言えます。 成熟された精神を持つ人には物足りない内容かもしれませんが,私のような未熟者は読んで損は無いと思いました。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.27
(1pt)

自己啓発書か。

かなり読みにくい、というのは私がおじさんだからということもあろう。 なんかいきなり複数の若者が出てきて、だいたい若者というのはさほど特徴があるわけではない。 しかし私の感覚では若者というのはもっと愚かなもので、ここでは妙にお行儀がいいように見える。  で、最後まで行くと、まるで自己啓発書みたいな、お説教みたいな結末を迎えるので、これはたまらんのである。 文学というのはお説教をする場所ではないのである。 つまり「国語」の教科書ではなくて「道徳」の教科書に載っていそうな感じがする。 まあしかし既成作家でも、お説教を始めてしまう人というのはいるので、気にしなくていいのかもしれない。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.26
(4pt)

直木賞受賞作

直木賞を受賞した作品ということで購入しました。 物語は就活を通して若者5人の心の葛藤を緻密に描き展開していきます。 就活を体験した人ならば共感出来る部分も多くあったと思いますが、中高年の方が読んだ場合、正直「?」の部分も多くあったと思います。 しかし、それくらい今を生きる若者のリアルな雰囲気が伝わってきます。 小説を読んで、仕事でも日常生活でもどこか他人を上から目線で見て、優越感に浸りたい『観察者』になっている自分がいるなと反省しました。 何もスキルを持たない若者が、『がむしゃら』に取り組むことの大切さ、『行動』することの大切さを教えてくれました。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.25
(5pt)

やった~!

何軒か本屋を回りましたが、在庫がありませんでした。 そうなると余計欲しくなるもの。 注文したら、2日後には届き最初からそうすればよかったと思いました。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619
No.24
(3pt)

時代を切り取っている

新卒でなければ人生どん底に突き落とされる就活と、TwitterやFacebookなどのツールが現れた、という現代を見事に切りとっていると思う。 文章もたまにクサイけどうまい。 若いのに。 ただ、若者の就活を通したアイデンティティの見直しというテーマに終始しているのが、世界を狭くしていて惜しい気がする。 っていうか、どんなに自己を肯定しても、痛々しい姿勢は痛々しいまんまでしょー。 と思うけどな。
何者 Amazon書評・レビュー: 何者より
4103330619