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業物語



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
業物語 (講談社BOX)

業物語の評価: 4.06/5点 レビュー 34件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 1~20 1/2ページ
12>>
No.26:
(5pt)

作者らしい内容

面白かった。
もっと、その後の展開を読みたいです。
業物語 (講談社BOX)Amazon書評・レビュー:業物語 (講談社BOX)より
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No.25:
(5pt)

忍の名付け親だとっ!?

買おう買おうと思って長い時間が経ってしまいました。
Amazonプライムの無料体験が終わってしまう前にと思ってまとめて物語シリーズの持ってないのを買いました。
めっちゃ面白かったです。
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No.24:
(5pt)

忍物語に続く・・・

あせろらボナペティはなかなか面白かった。この話が忍物語に続くのでしょうねぇ。うつくし姫の最初の方は囮物語で忍が撫子ちゃんに言っていたこととほぼ同じ様なことでした。おそらくそんなことも忍は忘れているのではないかなぁ・・・忘れることも思い出すことも自由自在というのも便利なことですねぇ・・・
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No.23:
(4pt)

アニメも見るつもりなら、先にアニメを見たほうがいいかな?

物語シリーズは全作品アニメ化されるらしいですね。
アニメも面白いので見ますが、個人的には先にアニメを見て、それから本を読んだほうが物語の深い部分まで理解できるのでおすすめです。
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No.22:
(5pt)

雰囲気を楽しめば良い

エヴァンゲリオンのストーリーが破綻しているとか、どうとかよく聞くけど、
エヴァは映像となんとなくの雰囲気を作品であって、そこで楽しめれば十分。
そういう意味では物語シリーズもそれと全く一緒で、
辻褄がどうとか、ネタがどうとか議論するのはナンセンスである。
なんとなくの雰囲気と作者の言葉遊びを子供のように喜こぶのが正しい本書の読み方である。
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No.21:
(4pt)

物語シリーズの隙間を埋める番外編集。

「傷物語」の前日譚としてのキスショット誕生編を寓話風に描いた中篇の他、ファイナルシーズンの頃に火憐が脳筋ぶりを発揮しそこに忍が絡む話や、セカンドシーズンからファイナルシーズンの間に忍野を探す旅に出ていたつばさの話を収録。
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No.20:
(4pt)

特にあせろらボナペティがよかった

ネタばれ注意です。
あせろらボナペティはキスショットが人間(アセロラ姫)から自ら望んで吸血鬼になる物語。
アセロラ姫の心のきれいさ、またそのきれいさが人にして怪異性を持っていた。それにより周囲の人間を皆殺しにしてしまう。命を捧げさせてしまう。その人々の命を無駄にしないために、その命を、捧げられた命を食らうことのできる吸血鬼になったアセロラ姫。キスショットに。
どこまでも強く、きれいなキスショット。よりキスショットが好きになりました。忍が好きな人には特におすすめです。
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No.19:
(5pt)

物語シリーズ!!!

物語シリーズはすごく面白いです。10年以上前、化物語上・下がでてきて「なんだろう」と思って見てみたらすごく面白かったです。全部読んでます。有難うございました。
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No.18:
(5pt)

オフシーズン 第2弾

人気次第で続きを書くかも、と言う、第1話(第0話)集でもある
番外編シリーズ、全4巻(予定)の第2巻。

【うつくし姫】【あせろらボナペティ】★4

後日談しかやらないのかな?と思い始めた所で過去譚の登場。
忍は元人間だった!(って本編で言ってたっけ?忘れた。)
しかもお姫さまでした。それがどうして吸血鬼になったのか、
日本で死屍累生死郎に会うより200年前、今から600年前のヨーロッパでのお話。

主役は忍=ローラ=アセロラ姫=キスショット、でもあるが
語り部となる真の主役は新キャラの吸血鬼、スーサイドマスター。

もう一人、新キャラとして、マスターの眷属、ドッグストリング。

本作の立ち位置としては、長期作品に良くある、面白い!と言うほどではないが、
重要な作品、ってヤツかな。(普通程度には面白いけど。)

【かれんオウガ】★5

暦卒業後、火憐が高1夏休みの初日なので、
もしかすると、つきひアンドゥの裏ストーリーの可能性も。

空手の師匠に命じられた山越え滝修行に向かう火憐を
影に潜んだ忍がちょいちょい助ける話。

主役は語り部の火憐。良い感じにボケてる語りが楽しい。
サポートキャラとして忍演じる金髪イトコ軍団も楽しい。
更には、(特に最後)番外編には登場しないかと思っていた暦が登場!
忍との絡みもあり、色々と楽しい作品。

【つばさスリーピング】★4

やるなら卒業後の羽川世界一周大冒険スピンオフ新シリーズだと思ってたので、
番外編には登場しないと何となく思ってた羽川編。

しかも前日譚でも後日談でもない、本編中の番外編、外伝、裏ストーリー!
核となる話自体は独立してるとは言え、再び本編に戻った気分を味わえたのは嬉しい所。

舞台は「恋物語」で撫子メデューサが決着するより前、外国のどこかで羽川がメメを発見した所。
そこで語る回想エピソードが話のメイン。そちらは育編(終上)の直後のドイツが舞台。

主役は語り部の羽川。現代?編のパートナーとしてメメと共演。
回想編のパートナーとしてドラマツルギーと共演。
新キャラとして双子吸血鬼の少女ハイウエスト、少年ローライズ。
本編で出番の少なかった重要キャラ、メメとドラマツルギー(特にメメ)の再登場が嬉しい。

《以下、ネタバレあり感想》

【うつくし姫】【あせろらボナペティ】

新キャラの名前、自殺の達人は今話だけでも何度も死ぬ事を象徴?
犬のヒモは、犬のリード、マスターを繋ぎとめる事を象徴?
眷属の立場だけど、彼がいた事でマスターは生きる意味を持っていた?
彼がいなくなり、キスショットが誕生した事も相関性がありそうな。

今話は叙述トリック(と言うほど話の核心に関する事ではないのでネタ程度だけど)
が2つあるのも特徴。

1つは、最後の1行で判明する、スーサイドマスターが女だったと言う事。
自分は「めだかボックス」の獅子目言彦をイメージして読んでたのでビックリ。
読了後は、キスショット大人版のイメージしか出ないし、
またヒロインかよ、とも思ったので、単純に良いオチだったとも思わないけど。
作中のヒントは、姫の呪いが王子様のキスで解ける、と判明した時のセリフ、
「それを聞いてどうしろってんだよ、俺様に」
「もう打つ手はないと言わざるを得ない」
「姫が死ぬまで、悪女ごっこ、を続けるのか?」
あたりだったのかな。

後は眷属(男)ドッグストリングが執着していた事からも推測できたかも。
(美女だったから、と。アニメ版のキャラデザは金髪こよみんかな?)

2つ目は、スーサイドマスターは死ぬ度に肉体が子供化していってたと言う事。
作者後書きでの言及であり、トリックと言うよりは、インチキにも近いが、
一応、作中でのヒントとしては、何度も死を繰り返した終盤のセリフ、
「あと何度も死ねない、姫にも伝わった事だろう」あたりでしょうか。
実際、自分は読みながら、何で不死身なのに、それが分かるんだろう?って思ったから。
それ以上は深く考えずに読み進めたから辿り着けはしなかったけど、
もしもクイズみたいに「なぜそれが分かるかって?考えれば分かるだろ?」と言った
セリフの一つでもあれば、そこで考えて辿り着いたかもね。
なので、ギリギリインチキではない、としておきましょう。

今回のネタ引きとしては、スーサイドマスターは現在も生きていた。
そしてキスショットの元を訪れ、共に人間を食らいまくろう、と決意した…って所。
現代で再会した時、男だと生死郎と同じ展開になりそうだし、
やはり女キャラで良かったのかな?とも思いました。
これはスピンオフと言うより、ネクストシーズンになりそうな展開ですね。

他に広がるネタとしては、呪いはいつ、なぜ解けた?王子様と出会った?
(現在は解けていると言及された。400年前の時点でもたぶん解けてる。)

アニメ化されたら、叙述トリックはどう処理するのかも気になる所。
話自体の核心に関わるネタではないので、普通に頭から女キャラ、次第に子供化で見せて欲しいかな。
その方がせっかくの新ヒロイン、スーちゃんをより楽しめるってモノでしょう。

【かれんオウガ】

霧の中に現れたのは、火憐ちゃんにとっての扇くんなのかな?

今回のネタ引きは、特に無い。続きがありそうな第0話って感じではない。
しいて言うなら、忍のセリフ「己に会うだけでは、始まりにすぎぬ。
色んな自分と、末永く付き合っていかんとな。かかっ。」って所でしょうか。
別の火憐編は読みたいけど、直接的な続編は特に…って感じかな。

他の気になるネタとしては、
・師匠ってどんな人?(なぜか女だと思ってるけど、本編で言ってたっけ?)

【つばさスリーピング】

話の展開としては、後付け設定にも思える力技での勝利は残念。
羽川らしく頭脳プレー、もしくは、虎猫の協力で切り抜けて欲しかった。

あと、眠ると記憶を無くす掟上今日子をイメージさせるタイトルを付けたのであれば、
思わせぶりでも良いので、何らかの繋がりを示して欲しかった。

ネタ引きとしては、今回の話だけでは満足しなかったメメにもっとあるでしょ?
と言われた羽川は次の話を語り出す。「次に訪れた国では…」
いくらでも続きを作れそうだけど、本編でvs扇ちゃんが進行中の出来事としては、
もどかしいし、他のエピソードは卒業後の世界一周編として書いて欲しい。

他の気になるネタとして
・ドラマツルギーの所属する組織の全貌は?
・余弦を「影縫ちゃん」と呼ぶメメ。貝木を含めた大学時代の過去は?
業物語 (講談社BOX)Amazon書評・レビュー:業物語 (講談社BOX)より
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No.17:
(4pt)

少しは頭を使えよ?優等生?

前著にくらべるとかなりおもしろかった。
さくさく読めてすぐ読了。
ページ数もこれくらいがちょうどいい。

最後に意外性を持たせる結末や構成もうまい。
ちょっとしたどんでん返し、叙述トリックでもある。

でも、マスターが女だったのは叙述トリックだが、
こどもになってるなんてのは叙述トリックじゃないでしょ維新。
どこにもミスリードと取れる描写がないのだし。
ひょっとして意味をわかってないのかな。

あと2冊らしいが、後付の後付だけにかぎらず、外伝なのに伏線っぽいものがあるのが。
また新シリーズやるのかな?
マスターは確実に登場するだろうし(女キャラだから確実に読子はーれむになりそう。というかそのために女設定にしてそう。あと百合)。
業物語 (講談社BOX)Amazon書評・レビュー:業物語 (講談社BOX)より
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No.16:
(5pt)

刃の下に心あり。

残酷童話「うつくし姫」(初出はキャラクター本)を含む4話構成です。あらすじとしては
最初の2 本はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード誕生の物語、3本目はかれんちゃんが修行します!4本目は羽川さんが忍野メメを探す旅に出かけます!
特に最初のキスショットの話はよく作られていてとても楽しめました。
このシリーズを全巻読んでいるかたや、忍大好きという方は是非読むべきだと思います。
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No.15:
(5pt)

二次元業界と通常の受け手の謎

種明かしなので打ち明けますが(通常の受け手の考え)を(肯定)しているかどうかを(チェック)しているのですが
当の(通常の受け手)はこれを行わないし
二次元業界はこの読み方の事を(自分達とは違う目で二次元作品を鑑賞している)と解釈していることが判明するのである
つまり(通常の受け手の考え)の中の(何か)を(肯定)すると
(通常の受け手)と二次元業界にとって困る事があることが判明するのである
ここまでの情報から導き出される答えはこれである
(キメラ人間は性行為に対し消極的になりましょう)及び(子供は性行為に対し消極的になりましょう)
つまりは(性行為に対し消極的になりましょう)を意味する考えである
つまり(性行為に対し消極的になりましょう)を唱えておきながら
(性行為に対し消極的になりましょう)を(否定)する(通常の受け手)と
そんな(通常の受け手)の事を(変な奴)と扱わない二次元業界は(謎に包まれた存在)だと言うことが判明するのである
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No.14:
(5pt)

蛇足じゃないね

この後展開まで気になってまた続編がほしいと思います。西尾維新に期待している
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No.13:
(5pt)

やはり面白いです!

よかったです。 キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードができるまでの物語を筆頭に3つの物語が展開されました。 読む前は「オフシーズンだからねぇ…」などと思っていたのですが、なんということでしょう読破後はちゃんと物語シリーズ読んだ気になりました。 愚に続いてまた新しい楽しみがありました。 あと2作品も楽しみです
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No.12:
(4pt)

思いのほか、良かった。

実は期待していなかった。 それだけに存外良かった。 全て完結ではないがいい感じで読み終わった。 うんざりするメタ発言もなかったし。 星4つは今後への期待値です。
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No.11:
(5pt)

傷があったことが少し残念

内容には文句はなかったのですが、配達中のトラブルか品質管理の甘さか定かではないが、新刊を注文したのにもかかわらず本の端がめくれていた。 本は内容もそうだが、電子書籍でないのだから本自体の外観も大事だと思う。
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No.10:
(5pt)

終物語以降の作品

続終物語も愚物語もただただグダグダ引っ張って、パンチのある主題がなかった、と思っている。 この業物語は、短編集ではあるが、まず今まで一切語られなかった忍がなぜ吸血鬼になったかというかなり核心に近い内容が語られている。 そもそも忍は人間だったのか、昔人間だったと匂わすような表現は幾度かあったと思うが、決定的な誕生譚は語られてこなかった。 今回はそれが語られている。 傷物語と対義をなすような内容になるかと。 さらに羽川と忍野メメの作品もついに語られる時が来たかという感じで伏線を確実に潰していってるという印象。
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No.9:
(4pt)

本編ほどのインパクトはないものの、物語シリーズの匂いと味は十分に楽しめました

「残酷童話 うつくし姫」:「ヒロイン本其の参 忍野忍」に収録されていたキスショットがその名を得て吸血鬼になる前、ローラ、あるいはアセロラ姫と言われていた時、彼女の美しさがどんな絶望をもたらしたかのお話。そのまま次の「あせろらボナペティ」(アセロラヒメをめしあがれ)に繋がります。アセロラ姫が「決死にして必死にして万死の吸血鬼、デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター」の手で吸血鬼になるまでで本全体のほぼ半分の頁を占めています。物語シリーズ本編のグダグダ語りも無く、ストーリー展開を楽しめました。今の忍ちゃんの中にアセロラ姫からキスショットになり忍ちゃんに変わった歴史があるんだなあと、納得させられる良いお話でした。最後の一行に仰天すること請け合いなので、そこだけ先に見ないように。
「かれんオウガ」は、空手の師匠から免許皆伝と言われた火憐が自分を知るために逢我三山を縦走して滝に打たれてくる話。なかなか過激な修行で、とある助っ人が活躍します。「そんな馬鹿な」が重なる小品。
「つばさスリーピング」は羽川翼が暦を助けるために忍野メメを探して世界を走り回っている時の一エピソード。切り離していた感情を自分に取り込み「不完全」になった翼の行動には人間らしい情が籠ってきていますが、最後はデウス・エクス・マキナ的解決ですが、まあ辻褄は合っているかな。その時に翼が意識を失っていたので「スリーピング」なのかな? 翼らしい話なので、まあ満足としましょう。
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No.8:
(4pt)

業物語(ネタバレ注意

今回はうつくし姫と3編。 あせろらボナペティはキスショットの名付け親であるシーサイドマスターとの一連の出来事。 設定が面白く、キスショットの過去が知れて買って満足できる内容。 最後の叙述テクニックには鳥肌。 かれんオウガは火憐の山籠りの話で忍との絡みに和まされる。 師匠の勝ち負けにこだわらないくだりに対する最後の忍の会話の締め方も良かった。 つばさスリーピングは羽川翼の旅の途中での怪異譚の話。 今回は吸血鬼退治の手伝いだったがオチがあっけなくて拍子抜けという感じ。 終わり方から次もありそう。
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No.7:
(4pt)

あせろらボナペティは傑作かつ時期にも見合ったご褒美だが、オフシーズンの今後が不安。

基本的な印象はタイトル通り。以下、各編の簡単な感想。ネタバレには気をつけるつもりだけれど、それでも軽くあるかも。
 ちなみに読みは『わざものがたり』なんですねw 『ごうものがたり』かと思った。

『あせろらボナペティ』

 残酷童話うつくし姫という、元々は忍野忍のヒロイン本に収録されていた話の続き。うつくし姫自体も今作の巻頭に収録されている。
 忍野忍の吸血鬼以前については、そもそもシリーズ内では続終物語で軽く触れられていたが、ヒロイン本の紹介までしていたのはこういう経緯だったのか、というか、西尾維新は伏線の貼り方が(商業的な意味でも)うまいなと関心させられる。
 今後触れる可能性があるから予習もアリだよとあの時点で言っていたワケか(深読み)。
 屍体の山を築く絶世の美女から、吸血鬼の王者への転身には当然大きなギャップがあるワケで、彼女が何によって変わったか、というか、彼女が『誰』によって変わったか、というこの編は読み応えがあり、楽しかった。
 こういう感じで世界観の拡張を図るのはうまいと思うし、こういった大胆な過去編がアリなら、俺はぜひぜひ忍野メメの学生時代(斧乃木余接の成立経緯)辺りも読んでみたい。前のレビューにも書いたけど。
 この編は言ってしまえば、決死にして必死にして万死の吸血鬼であるところの、デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターのキャラクターによって成り立っている面が大きいと思う。
 ちょうど、劇場版の傷物語の鉄血編が公開されたところだから、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードのキャラクターの成立について語った本編は、かなりファンサービスとしては上出来の部類。
  最後の一行は、まあありきたりなネタだけれど唸らされてしまった(従者を見た瞬間に気付くべきだった)。
  スーサイドマスターの日本来訪はそれだけで周囲を巻き込み破壊するであろうビッグイベントであり、オフシーズン全体に大きな展開の布石が出来たのもいいと思った。

『かれんオウガ』

 あせろらボナペティは現代から600年は遡った中世の話なのだけれど(それにしても国が一つ二つでないほど滅ぶとか、現実とは史実が変わっちゃうレベルなんじゃないか? とか思ってしまう。さすがにうつくし姫はこれまでの怪異とは格が違い過ぎた。あ、怪異じゃなかったっけw)、かれんオウガは現代の話なので、続けて読むと新鮮で楽しい。
 阿良々木暦をして「僕よりもずっと少年マンガの主人公的展開に恵まれている」と言わしめる、阿良々木火憐視点。初視点なのでそこも新鮮。
 今回は忍野忍が同伴者キャラなので、そこもあせろらボナペティからの接続を感じていいが、今回はパッとした怪異が登場しない。
 暦物語も怪異が登場しない日常系の話だったけれど、アレは単巻でこれまでのおさらいをできるという意味ではよかった。また、前巻、愚物語の老倉育の編にも怪異が登場しないが、アレは青春モノとして一応成立していた。今回のかれんオウガは、『自分に出会う』というネタだから、何かしら怪異が登場すると華があったかな、という気はする。というか、尺の都合で物足りなさが残ってしまうのは仕方がないのかな? 道という単語も出てくるし、暦物語系の話と感じた。

『つばさスリーピング』

 この話で俺は若干、オフシーズンの今後について危惧を抱いてしまった。杞憂で終わるといいのだが。
 この編も、羽川翼好きにはいいんじゃないかとは思うし、短編としての出来はボリュームゆえの物足りなさや、掛け合いの楽しさの弱さこそあれど、そこそこだとは思うのだけれど。
 ただ、世界中を探索して、とうとう忍野メメを発見した羽川翼が、彼を動かすために道中の怪異譚を語るという形式は、何というかいいのか? 俺は羽川翼視点なら、彼女が卒業後の世界旅行中にどうなってしまうのかの方が気になるんだけれど(結局、掟上シリーズと関連はあるのかないのか、はっきりしてほしい。劇場版特典が解答でいいのか? それともあれはクロスワールドであって原作とは関係ないのか?)。
 これまでのオフシーズンを並べてみると、今作のあせろらボナペティとかれんオウガについては概ね一編で話のオチがついている。
 だけれど、愚物語のそだちフィアスコはオチたと思ったらなんかスゴい重苦しい問題が落下してくるし、するがボーンヘッドはまだ悪魔の収集が終わらないし、つきひアンドゥも問題の本質的な解決が見込めていないし、と継続中なのだ。
 これらの話はどこかで関連してくるか、どこかで大学生の阿良々木くんが一挙に解決していく展開なのかと思っていたのだが、今回の羽川翼のつばさスリーピングは、もう終わった話の掘り下げであり、しかも今回の編で片が付いていないという感じなのだ。この後、延々と羽川翼が忍野メメに話し続けるというのもありえる。
 ちょっと風呂敷広げ過ぎじゃないか? という気はする。
 俺はオフシーズンを、色々な伏線、物語の起点をバラまいておいて、それを後で繋げる気なのかと考えていたが、純粋な意味での第一話集(正確には第零話集か)だとしたら、ちょっとこれを増やしすぎるのはよくない。一個一個、ちゃんと片をつけていって欲しい。
 そういえば『本題』という対談集で、確か荒川弘との対談の中で、『最終回集』みたいなマンガ連載ネタについて言及していたコトがあったと思うんだけれど、そういう実験的な試みは、少なくとも一度は終了したとしても人気シリーズでやるべきではないのではという気はする。
 取り合えずファンとしては次の『撫物語』くらいまでは零話集でもいいけれど、その次の『結物語』ではそろそろ大学生の阿良々木暦を登場させて事態を収集させていって欲しいと感じる。『撫物語』は字の如くマンガを描き始めた千石撫子の話なのかな? 西尾維新のことだから、その予想を裏切ってきそうな気もするけれど、もし予想通りだとしたら、ホントに今回も感じたけれど「物語って作者が語り続ける限り、延々と掘り下げられるし終わらない」という感覚。楽しければいいといえばいいんだけれど。オフシーズンの大団円にも期待。『結物語』はすべての話が結われるとかだったらいいなあ。

 というワケで若干オフシーズンに不安を感じ始めたけれど、今巻の『あせろらボナペティ』は出色の出来なので、特に傷物語の劇場版を見た人は、見た帰りとかに買ってくるといいと思うw
業物語 (講談社BOX)Amazon書評・レビュー:業物語 (講談社BOX)より
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