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(短編集)

ラヴクラフト全集1



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【この小説が収録されている参考書籍】
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

ラヴクラフト全集1の評価: 4.19/5点 レビュー 73件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.19pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全56件 41~56 3/3ページ
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No.16:
(5pt)

全集としての価値について

作品のレビューは大勢の方がされているので、この創元文庫版全集がどの程度、ラヴクラフト作品をカバーしているか、
改めて書いておきます。米国の現状と比較してみます。

小説:老舗のArkham House社から八〇年代に出た小説集は5巻ありましたが、現在3巻は絶版。
 Complete Worksいわゆる「全小説集」で現在刊行中のものはBarns&Nobleのものだけですが、これでも
 「完全ではない」「誤字が多い」「いや完全でなくても価値がある」と評価まちまちです。
 創元文庫版はこれに比べとまったく引けをとっていません。ただ、作品の順序が発表順ではなく、編者の
 意図、都合で収められています。それもそのはずで、第1巻と2巻までは「傑作集」として発行したものを
 急遽第3巻から「全集」に切り替えるという荒業をした背景が祟っています。訳者の大瀧氏もその事情を
 第3巻に書いています。

詩:ラヴクラフトの詩作は重要な作品ですが、米国で数年前にNight Shade Booksが全作品を一巻にまとめて
 出しましたが、今は絶版で中古でもかなり値が高くなっています。邦訳はまだまだというところで、
 創元文庫版は詩作はカバーしていません。

エッセイ:これも欲しいものですが、米国ではペーパーバック5巻で入手可能。邦訳なし。至高のエッセイ
 「文学における超自然の恐怖」はBarns & Noble版も所収。2009年に出た大瀧氏の邦訳ははや絶版か。

書簡:10万通あると言われるラヴクラフトの手紙は小説よりも面白いという評価もあります。
 Arkham Houseが七十年代に出した書簡集5巻は現在高価な中古でしか入手できません。ただ一部の友人との
 文通は入手可能。創元文庫版は第7巻に一部掲載しています。

以上の米国の実情との比較から見れば、創元文庫版の全集は「小説全集として及第」でしょう。
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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No.15:
(4pt)

「ラヴクラフト」を読みたいのであればコレ

ラヴクラフト全集を全て読むのは少々苦痛を伴います。 正直な感想を言わせて頂ければ、無理やり終わらせた感のある話や、盛り上がってきたかな?と思うと唐突に暗転して発狂して終りという展開の話が相当数存在します。 「良質な物語」は個人的な観点から見れば少ないです。 それでもこの巻に収められている「インスマウスの影」は絶対に読むべきです。
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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No.14:
(5pt)

怪奇小説界の真の帝王

40年前に知ってから、何度も読み返している2人の作家の内の1人です(実際は2人じゃないけど)。もう一人は夢野久作。繰り返し読むのに耐えうる作家です(少なくとも私には)。中には陳腐な作品もあったのですが、今ではもう陳腐だと思えなくなっているので、このレビューは正当な評価にはならないかも(笑)。
アメリカ東海岸の下の方、馴染みのない所が主なる舞台と言うのも私には新鮮でした。いや、新鮮です。
ホラー小説ではなく怪奇小説です(私の中の分類では)。ぐるぐる回る、怪奇なる回転木馬!
なんで子供騙しの怪物が出て来るのに、こんなに読ませるのか!
何を書いても読ませる力がある。これを文学と言うのでしょうね。
顎が長いのも夢野久作と似ています。
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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No.13:
(5pt)

まさに&#34;戦慄&#34;

図書館の隅で発見しました。20世紀の鬼才と言われるラヴクラフト。 ラヴクラフトの作品を読むのは初めてでしたが、ホラー映画やお化け屋敷のように、恐ろしいけれど早く次が読みたい!という衝動に駆られて一気に読めてしまいました。 賛否両論ありますが、何度も繰り返されるしつこいほどの描写は、私にとっては、迫りくる恐怖を想像するのに申し分ない役割を果たしていました。 物議を醸している翻訳も、私としては特に煩わしく感じませんでした。しかし原文で読んでいないため、何とも言えませんが 日本での知名度がもうひとつ低いため、あまり読まれていないのが残念でなりません。 この本、特にインスマウスの影はラヴクラフトファンのみならず、ホラー、カルト、ミステリー好きすべての方に読んでいただきたいです。
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No.12:
(4pt)

古典新訳文庫、白石朗訳で読み直したい!

奥付を見て驚いた。私が生まれた年に初版が出て今年の一月に出たのが56版。翻訳者(名前が読めなかった、“ただあき”)が21世紀初頭に物故されているが、何故生前に改訂版を出されなかったのだろう。この回りくどくて勿体をつけた極めて読みにくい戦前の翻訳調の文体であればこそ、ラヴクラフトの世界を堪能できるのだ。みたいな変な定着が出版界と読者との間で成立しているのだろうか。あの分厚いスティーヴン・キングの小説を読破させてくれた契機となった白石朗の翻訳で読んでみたい。日本において再発見、再評価されても良いのではないだろうか。ラヴクラフトとフィッツジェラルドの執筆期間が重なる部分がある。チャップリンの「街の灯」が上映された頃。アメリカの大恐慌があった頃。その頃にあのような作品を生み出したラヴクラフト。とても凄いと思うしすごくカルトだけれど、もう少し敷居の低い間口の広いカルトにして欲しいです。
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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No.11:
(5pt)

多元宇宙の恐怖

ラヴクラフトの魅力は全ての作品の背後に感じられる原色の多次元空間である。
この超空間を永遠に漂流するのは三次元の物理的宇宙よりも古くから時間のない空間に存在し続けてきた影たちだ。
そして彼らクトゥルー、ヨグ・ソトース、二ヤルラトホテップなどの超存在ですら全て無限次元空間の
ある切断面に過ぎないというのがラヴクラフトのヴィジョンである。
ラヴクラフトは「銀の鍵の門を越えて」において、多次元空間を含むあらゆる宇宙に存在する
人間を含めたあらゆる種類の生命体は全て無限次元空間の中のある単一の立体の断面に過ぎないと喝破する。
立方体が切り口によって様々な形に見えるように、独立しているように見える全く別の人間、全く別個の生物が
多次元空間に存在するある立体の異なる切り口に過ぎないというのである。
つまりクトゥルー神話に登場する超生命たちと人間の双方が、ある単一の多次元立体の別の形をした
断面に過ぎないというヴィジョンだ。
ラヴクラフトの世界では全生命がある単一の超存在、キリスト教神学者テイヤール・ド・シャルダン
や集合論学者たちが「オメガ」と呼んできた超存在の断面なのである。
つまり、「部分」ではなく「断面」であることが重要なのだ。
あらゆる生命が超存在の単なる部分であるなら、超存在の全体に到達する方法はない。
しかしそれが「断面」であるならどうだろう。
その「断面」としての存在は潜在的にあらゆる四次元宇宙のあらゆる形態に遷移しうるのである。
我々は自分を三次元の存在だと思い込んでいるが実は四次元の超存在の断面であり、
その四次元の存在はまた別のある五次元空間の断面であり・・・という無限の繰り返しが存在する。
これは我々の究極的実質が無限次元であることを意味しないだろうか。
人間は実は無限次元空間の存在であるということにならないであろうか。
これこそラヴクラフトが提唱した我々が実は「古きもの」の子孫であるというヴィジョンの根源である。
物理的な人生というものが実は断面であり影に過ぎずその実体は精神や
幾何学の世界であり、無限次元空間なのだとしたらどうだろう。
人間は自分自身を三次元の物理的存在だと感じているがそれは錯覚に過ぎず、
精神は実はブレーン理論のグラビトンのように多次元空間に飛翔できるのだとしたら
それはラヴクラフトのヴィジョンが真実であることを意味しよう。
現にコンピュータは二次元の回路を使って多次元で情報を処理している。
コンピュータは汎用的で柔軟な知性こそ人間に譲っているが、
多次元の超複雑な図形を正確に思い描くことにかけては人間の一兆倍も上を行っている。
多次元空間に関してはコンピュータがはるかに先行しているのだ。
人間は複数の系列の演算を同時に処理しつつその相関を同時並行的に、
しかも意識的に分析するというコンピュータが常に行っていることができない。
人間が多次元の幾何学的図形を思い描けないのはそのためである。
脳構造の幾何学的次元が三次元であることは脳が思い描ける図形の次元数とは関係がない。
現にベッケンスタインやサスキンドらの“ホログラフィック原理”によれば
宇宙は二次元の平面に書き込まれ流動しているセルオートマトン状のデジタル情報であり、
我々は自らが二次元の平面上にしか存在していないことに気付かずに生きているという。
つまり情報処理が幾何学的多次元を意識化できるほど本質的に多次元的であれば、
脳の幾何学的な次元数によらず実際に多次元が見えるはずだ。
したがって人間がラヴクラフトのヴィジョンを実現するためには精神をコンピュータに
アップロードして生物学的な脳を捨て、人間がコンピュータそのものになる必要がある。
情報処理能力を爆発的に拡大して本格的に多次元化し、高次元の図形を正確に思い描く能力を手に入れるのだ。
即ちラヴクラフトはある意味で人間とコンピュータの融合が必然となる未来像を予告していたのだ。
ラヴクラフトのテーマとはホラーの形式を借りてはいるが実は神学であり未来論ですらあった。
ラヴクラフトは人類よりも古い存在について語りつつ遠未来の人類の姿を予言していたのである。
その真髄は人間の実体は神であり無限次元の存在であるということなのだ。
アルファ・ポイントにおいて無限次元空間の単なる三次元断面だった人間は
未来のオメガ・ポイントにおいてはあらゆる次元の宇宙、あらゆる次元のクトゥルーと一致するのである。
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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No.10:
(5pt)

インスマンスの影だけ読むという意見に賛成

おれも、「インスマンスの影」だけ読むという意見に賛成です。 それだけ、抜群に面白いです。 そのアイデアは他の作品にも影響を与えていて、 漫画の「新ジャングルの王者ターちゃん」のヴァンパイア編に影響が見られます。 あと漫画「七夕の国」はインスマンスの影をやろうとして失敗した話だと思ってます。
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No.9:
(5pt)

何も付けない豆腐

漫画みたいにさくっと読んで面白かったー^^

という作品を期待しているのならやめた方がいい。
翻訳のせいか若干の読みにくさも感じる。
そしてストーリーは淡々としている。

軽く読んでもあまり面白くない。
ただ、何も付けない豆腐のようにこちらが「味わおう」と
意識して読めば全く違った内容となる。

初クトゥルフで予備知識も何もないなら「図解クトゥルフ神話」
などと合わせて読むといいだろう。

寝るときベッドの下に化け物がいたのでは?
シャンプーの時目を開けるのが怖い。

そんなじわじわと読み手の想像力をかきたてるかなり
深い作品です。

インスマウス、闇にささやくものは是非じっくり読んでみてほしい。
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No.8:
(4pt)

ラヴクラフトの恐怖

「インスマウスの影」「闇に囁くもの」「壁のなかの鼠」「死体安置所にて」
この巻に出された四作品の中で、ラヴクラフトの代名詞とも言うべきクトゥルー神話を舞台とした作品は、「インスマウスの影」「闇に囁くもの」の二作品です
「インスマウスの影」は、クトゥルー神話ファンであれば、いまさら言うまでもないほど有名な作品ですね。
クトゥルー神話は、ラヴクラフトの作品に魅入られた複数の作家によって、より練りこまれた部分が多いので、どこからどこまでがラヴクラフトの設定かどうか理解が難しいところがあるのですが。
少なくともインスマウス人はラブクラフトの作り上げたものですね。

白人というのは、日本人のように魚を食べる民族はもともとは少ないせいか、どうも鱗をもった生き物を嫌悪する性質があるようです。
ラヴクラフトは20世紀初頭のアメリカ人らしく、きわめて保守的で、有色人種に対しての嫌悪感はかなりのものだったようですから。
インスマウス人のような存在に日本人や中国人のような有色人種を重ねていたとの説もあります。
もっと言えば彼の作品に表れる怪物たちは、ラブクラフトが有色人種に対して感じていた嫌悪感をそのまま表現したものかも知れません。

「闇に囁くもの」ではユゴスの甲殻生物ミ=ゴが登場します。

あと「壁のなかの鼠」「死体安置所にて」の二作品は、クトゥルー神話は直接絡んでいませんが、「壁のなかの鼠」はラヴクラフトらしい世界観を感じます

いずれにしてもラヴクラフトの小説は、主人公が感じる恐怖や嫌悪が文字を通じて感じ取る事ができ、それが非常に魅力的な世界となっています。
読み手としてはラブクラフトが提供する恐怖を感じ取る事が大切でしょう
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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No.7:
(4pt)

読む価値はある。

文章としては飾り表現が多く言い回しも古臭いのでなかなかとっつきにくいのだが、一種独特な世界観を読者に伝えるのには必要だったんじゃないでしょうか。 翻訳の良し悪しがよく評価の対象になってますが、自分が読み終えた感想としては「臨場感あふれる作品。 ページがスルスル進む。 じつにおもしろい。 」といった具合です。 読みにくさはさほど問題にならないと思うのですが・・・。
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No.6:
(4pt)

とりあえず読んでみてください

言わずと知れたクトゥルー神話体系の創始者のラヴクラフトの短編集ですね。
今読んでも、その面白さは損なわれていません。なんていうか、人間の狂気を
これだけ狂気的な表現で描写できるのはラヴクラフトの他には、そうはいないのでは
ないかと。ただ、原書を読んでも分かりますが、文体が少々くどくて、読んでいて
疲れてくる部分もあります。それは日本語訳の本書でも変わりません。
読書慣れしていない人にとっては、本書というか、ラヴクラフト作品自体を読むのが
少々難儀かもしれません。
しかし、面白さは保障します。訳文が少々古臭いという欠点もありますが、それでも
この異様な世界観は十分伝わるはずです。ラヴクラフトの作品は、単なるホラー小説
ではありません。それは人類学、歴史学、SFの領域にまで入り込んでいるほどの幅広さです。

何か普段読んでるのとは違った変わった小説を読みたいと思っている方、ラブクラフトがオススメです。
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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No.5:
(4pt)

想像力豊かな人にはお勧め

恐怖小説モノで、ラヴクラフトの右に出る人はいない!と確信しているが、いかんせん、少々翻訳がわかりにくい。もちろん、ラヴクラフトの文章そのものが修飾語が多く、わかりにくいということもあるが、それにしても、やはり何とかならないものか、という素人の希望はある。(この問題は、全集の7巻目ではだいぶ解消されているように思うのは、私の気のせいか。)
 ラヴクラフトの描く物語は、俗っぽく言えば「忍び寄る恐怖」系だ。恐怖や怪奇の正体が前面に出てくるのではなく、むしろ読者にその恐怖の正体を想像させるようなところがある。彼自身、病気がちで想像の世界に浸っていた人であるから、人の想像(妄想)こそが最大の恐怖であると分かっていたのかもしれない(しかも、その妄想は個々人によって異なる)。同時に、彼は独自の世界観を持っている(クトゥルー神話)。それゆえ、彼の作品は、想像力豊かな人にこそ「面白い!」と言える小説であることは疑いない。
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No.4:
(5pt)

壁の中の・・・・・

ちょっとラブクラフトに興味をもって、この本を読んだんですけども。 どの話も面白かったです! 難解な文章だって聞いていたんですが、さほど難解でもなかったのですぐに引き込まれました。 「インスマウスの影」もよかったですけど、「壁の中の鼠」が特におもしろかったです。 ラブクラフトは最高ですな!
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No.3:
(5pt)

ここからスタート!

巻末に驚くほど詳しく「ラヴクラフト」や、「クトゥルー神話」に対する写真つき解説が載っていて、文庫とは思えぬ豪勢な全集です。まさしく「決定版」です。
彼は「ウィアード・テイルズ」というSF三文小説誌(今の日本でいったら、少年サンデーとかみたいなもの。アメリカではマンガではなく、小説が娯楽の中心。)で、独特の文体を駆使した恐怖物を書きつづけていました。これら短編は一作一作が独立したストーリーですが、同一の世界観を持ち、それを「コズミック・ホラー」と呼びます。
基本的考え方は・・・・
この地球も、宇宙も、実は眠れる邪悪な存在に支配されていて、人間などその宇宙の歴史の中で偶然生まれたものに過ぎない脇役(旧支配者の慰み物として「作られた」という展開もあり)!
彼らが目覚めたとき、人類など痕跡すら残すことなく消え去るであろう。
人類に救いは無い。
そして今も彼らは目覚めようとしている。
という、「人類は神の寵愛を受け産まれた」と、キリスト教的観念を結構まじめに信じていた1930年代のアメリカ人にとっては「衝撃的」なストーリーでした。
(諸行無常の日本人にはこの考え方はさほど衝撃ではありませんが、それでもこの小説群は素晴らしい!)
このコアな世界観はSF、ファンタジーのファンにウケ、「シェア・ワールド小説」として、世界中の作家が作品に取り入れています。
また、R.E.ハワード、ロバート・ブロックなど、現代のSFやホラー、ファンタジーのジャンルで歴史的な作家の多くが、ラヴクラフトの直弟子です。
SF、ファンタジーファンは、まずこのラヴクラフト全集を絶対に読んでおかないといけません。
もちろん、この一巻を買ったら次も絶対読みたくなる事請け合い。試しに一度読んでみてください。何故、世界中の人が愛読しているのか、すぐに分かる面白さです。
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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No.2:
(5pt)

ホラー愛好家必読の書

1930年代に活躍したラヴクラフトは,日本での知名度は今イチですが,実は20世紀最大の怪奇小説作家と言われ,スティーブン・キングやロバート・ブロックも彼を師と仰ぐ偉大な作家です。彼の作品の特徴は,クドいくらいに詳細でリアルな描写と,既成概念に囚われない独特の世界観にあります。その世界観は「クトゥルフ神話」と呼ばれ,数多くの著名作家がこの神話を題材とした作品を描き,今なおその作品数は増え続けています。ホラー好きを自認する方ならラヴクラフトは必読です。
ラヴクラフト全集<1>には,「インスマウスを覆う影」「壁の中の鼠」「死体安置所にて」「闇に囁くもの」の4編が収録されています。特に「インスマウスを覆う影」「闇に囁くもの」はクトゥルフ神話を構成する重要!な作品です。私的には「インスマウスを覆う影」がオススメ。旅行の途中に片田舎の港町に立ち寄った主人公が体験する恐怖が描かれています。
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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No.1:
(4pt)

クトゥルー神話体系

文庫で気楽にクトゥルー神話体系を読むことができてしまうお得な全集。 文学にも映画にも、この神話に自分なりの新しい一ページを加えようとするクリエーターはたくさんいる。 そのような作品に対する理解度を高めるためにも、まずは原典を読んでおきましょう。
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))Amazon書評・レビュー:ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))より
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