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(短編集)
地図にない町
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地図にない町の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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ディックの短編集の表題作。物語は、存在しないはずのメイコン・ハイツという町への切符を求める客から始まる。主人公ペインは、その町の実在を確かめるため列車に乗り込む。到着したメイコン・ハイツは、不気味で灰色の霞がかかった町で、ペインはその謎を解き明かそうとする。ディックは、現実と虚構の境界、そして過去と現在の影響をテーマにしている。この作品は、幻想的な雰囲気が強く、ディックのイマジネーションが際立つ傑作である。 | ||||
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「現代で最も重要なSF作家の一人」と呼ばれる迄になったフィリップ・K・ディックであるが、最も有名な作品は、映画『ブレードランナー』の原作として知られる『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』であろう。 自作の初映画化であった『ブレードランナー』に関しては、当時としては遠い未来、2019年のロサンゼルスを描いた十分間程の雨降る街の情景のラッシュを観て大いに感動し、「SFの概念そのものにとって革命的な作品となる」とさえ述べたものの、ディックは完成を見届けることなく公開直前の1982年3月2日に亡くなった。 死後も、『トータル・リコール』や『マイノリティ・リポート』を始め、数多くの映画化がされているのだが、短編を元にしたものが割と多いのは、優れたアイデアを生み続けたSF作家であったという証左であろう。 本書は、1953年から1955年までの初期の短編十二篇が収録されている。 今過ごしている日常は本来のものか? そんな不信と崩壊してゆく現実、そして反権力をモチーフとしたのがディックの特徴であるが、本書は一風変わっており、『幻想短篇集』 と言う通りSFに限らずダーク・ファンタジー的な作品を中心に収録している。 その内、「超能力者」はやや作風が異なり、ファンタジーというのではなくなんだかちょっと難解で、二度読んで理解した。 だが、基本的には訳者あとがきにある様に、「意表を突く発端、中途のサスペンス、意外な結末」で愉しませてくれる小気味の良いアイデア・ストーリーの数々である。 科白や語り口はサッパリ。キレのある終わり方。読んでいて気持ちが良く、そして間もなく訪れるであろう結末が気になって仕方が無いので、どんどん読み進んでしまうのである。 謎は謎のまま。読後に残るのはモヤりとした恐怖。やってくるのはそんな結末ばかり。短編SF小説ならではのそういった持ち味を味わい尽くせる一冊だ。 その中でも、やはり表題作は圧巻。ディックの魅力を堪能できる秀作であると思える。 収録作品 『おもちゃの戦争 The Little Movement(1952)』 『薄明の朝食 Breakfast At Twilight(1954)』 『レダと白鳥 Out In The Garden(1953)』 『森の中の笛吹き Piper In The Woods(1953)』 『輪廻の豚 Beyond Lies The Wub(1952)』 『超能力者 Psi-Man(1955)』 『名曲永久保存法 The Preserving Machine(1953)』 『万物賦活法 The Short Happy Life Of The Brown Oxford(1954)』 『クッキーばあさん The Cookie Lady(1953)』 『あてのない船 The Builder(1953)』 『ありえざる星 The Impossible Planet(1953)』 『地図にない町 The Commuter(1953)』 | ||||
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この本は文庫本を持ってて、面白いのは充分分かっていますが、Kindleで繰り返し味わいたいので購入しました! ディックの良さが充分感じられて、彼の短篇でもベスト3に入るな、と思います! | ||||
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表題作の「地図にない町」は世にも奇妙な物語的で、実に良さそうに思えてもふとした瞬間に自分は現実へと戻らねばという話。それよりも私は、「名曲永久保存法」と「万物賦活法」の2作品が面白かったです。 両作品ともSFというよりはギャグに近く。博士と主人公のやりとりにはどことなく謎の笑い声が似合いそうな感じがします。周りの人も読み手もまともに取り合う気がしないでしょうが、二人は至って真剣です。 何かの拍子に暗い未来へとタイムスリップしてしまう「薄明りの朝食」も面白いです。 | ||||
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けど暇なときに時代背景なんかを思いながら読むのが面白い。。。 | ||||
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SF作家ディックの幻想短編集。 映画『トータル・リコール』や『ペイチェック』の原作者、フィリップ・K・ディックの短編集です。 すべてSFというわけではなく、SFの要素がほとんどない短編もあるのでSFが苦手な人でも気軽に読めます。 ディックならではの奇想天外なアイディアが凝縮された短編を、寝る前に一話ずつどうぞ。 | ||||
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これは結構、私のお気に入りの短編集だ。もちろん表題作が秀逸だが、「クッキーばあさん」のように若さを吸い取られてしまう話も怖さがあるし、ほかの作品も、SFを愛読していらっしゃる方々には物足りないかもしれないが、普段SFはあまり読まない、どちらかといえば苦手という方、科学的というよりは、不思議でちょっぴり怖い話がたくさん詰まった作品集なので、一読の価値はあると思う。 | ||||
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「おもちゃの戦争」「薄明の朝食」「森の中の笛吹き」「輪廻の豚」「地図にない町」などどれも味わいのあるものばかり。1950年代の暗い予感を背景に綴ったものはその影響が出ている。あくる朝、我が家ごとタイムスリップして戦場へ。「薄明の朝食」のペシミズム(人類に破滅的な未来が訪れるのではないかという漠然とした不安や恐怖)。人間が人間であることを放棄して植物となってしまう不可思議な「森の中の笛吹き」、人間の欲を皮肉ったディックらしい「輪廻の豚」、戦争への批判から書いたと思われる「超能力者」。ディックらしいアイデアのつまった「名曲永久保存法」。そして、今では使い古されてスタンダードになってしまった「地図にない町」。短編の名手、ディックならではのものばかり。ディックやアシモフらを他の土壌で描いた(描いている)作家さんらと同じ土台で見ることは難しいですが、私はこの短編を読むと何故か懐かしさを覚えます。短編ならではの楽しみを味わって下さい。 | ||||
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あちこちに話が飛んだり、語り手がころころ変わったり、「彼」だったのがいつの間にか名前で語られていたりと、話の筋を細かく追うのが面倒だった。 それでも、路上で売っているおもちゃのロボットが人間侵略を企んであれこれ手を尽くす「おもちゃの戦争」や、路線地図に載って居ない街を捜し求める車掌の話「地図にない町」がおもしろかった。この2作は話がこんがらがることもなく、すらりと読める。この2作はとても印象に残った。ちょっと思いつかないアイデアだ。 | ||||
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フィリップ・K・ディックの作品といえば、早川文庫のSFか東京創元文庫のSFというのが通り相場なのに、なぜかこの短編集は早川文庫のNVに分類されています。それだけにハードSFというよりはむしろトワイライト・ゾーンの原作になりそうな異次元空間での物語が12編も収められているのです。 △最も強い印象が残ったのは表題作の「地図にない町」です。地図にない町までの乗車切符を買いにきた男を不審に思った駅の助役が、その町へと単身乗り込みます。その町が成長して周囲の町まで飲み込もうとしていることに気づいたとき、彼は愛する恋人の身を案じて慌てて自分の町まで戻ります。その彼を待ち受けていたものは…。と書くとなんだかひどくおどろおどろしい物語のように思えますけど、最後にはちょっと小粋でほほえましいオチが用意されています。 ▼なにしろ四半世紀以上も前に翻訳されたまま今日に至ってしまっているので、かなり日本語訳が古風に感じられてしまいます。一応「デリカテッセン」とルビが振られてはいるものの「調整食品店」という聞いたこともない用語があてられていたり、セーターをスエーター、ブラインドのことをシェイドとしたり、まだまだ日本語の訳が定着していなかった頃をしのばせる訳語が散見されます。なかなかの短編集なので新訳を出してもよいのではないでしょうか。 | ||||
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SF世界と言うよりも何か「世にも奇妙な物語」に出てきそうな話ばかりでした。特に「クッキーおばさん」ついこの間放送されたばかりの柊瑠美が出ていた逸話「おばあちゃん」を髣髴とさせて其のぞっとする話と同様に背筋が寒くなるのを感じました。SF界の巨匠で既に確固たる地位を得ているフィリップ・K・ディックの短編集なので初めて読むはずとはいえどこかでタイムトラベルに巻き込まれてとんでもない目に遭う「薄明の朝食」とか見たような読んだようなそういう不思議な感じのする話ばかりでした。でも時間が錯綜するプレコグとか記憶チップとか混乱をきたすものが出ることなくすっきりと読みやすくはありました。其の中でも表題作「地図にない町」は結構よかったです。地図にない架空の町のはずが其の中身!!はファンタジックな郷愁を誘う感じがして一番好きな話でした。どこかで見たような読んだような感じもして、ぞっとする話もありましたが比較的読みやすい短編集でした。 | ||||
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