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あなたをつくります(あなたを合成します)
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あなたをつくります(あなたを合成します)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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似非人間機械シミュラクラは機械でありながら、人間同様の試行回路と情動をもつ。 シミュラクラを設計した黒髪のスレンダー美人プリスは、その容貌と氷のような理性と心からして「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」のアンドロイド・プリスの原型(文字通り「このプリスを型どりした」という意味)かとも見える。 主人公の電子オルガン会社のライバルは、電気羊でおなじみの「情操オルガン」。 「シミュラクラを作る能力をもったシミュラクラをつくれば」などのセリフは「変種第2号」に続く道か、と思わせる。 主人公はプリスに恋して、常軌を逸した行動をとり、精神異常者として施設に収容される。11人に一人は精神異常、という異様な世界。思春期の精神不安定も、恋愛初期の多幸症も、大きな不幸による鬱も精神病の症状だなんて言われたら、あなたも私も精神異常だ。 主人公は快癒して退院する。それだけ。 唯一「まとも」であるはずの主人公がどこでプリスに恋したのか、全く理解できない。 取り付かれたあるいは電気的に同調された、としか思えない。ちっとも情動的でない恋なのだ。 主人公と感情的に同調できたのがシミュラクラのリンカーンだけ、というのもリンカーンの人間性よりは主人公の非人間性を証明するようにも見える。 後半「主人公もシミュラクラ」なんてありがちなオチになりませんように、と祈りながら読み、願いはかなえられた。しかしその陳腐にはまる誘惑に耐え切れず、ホワイト氏の加筆による別の版では、まさにそのような最終章が加えられたものもあるそうだ。 この版は、純粋にディックの筆によるものだそう。ああ、よかった。 | ||||
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ディックの作品には、SF的な世界での現実と妄想の混交が醸し出す独特の雰囲気というのを期待してしまう。しかし本作品ではそれはかなえられない。「材料が揃っているのに、うまく料理されていない」そんな感じだ。 解説には「SFから主流文学への橋渡し」をめざした作品とあるが、仕事半ばという気がする。 | ||||
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