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逆まわりの世界
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逆まわりの世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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「1986年、突如世界は一変した。ホバート位相と呼ばれる時間逆流現象のために、死者は墓から蘇り、生者は若返っては子宮へと回帰するようになったのだ・・(途中省略)・・鬼才が描く狂気と不条理の超現実世界」 カバー裏の紹介文を読んで飛びつきました。読み始めてみると、これが予想を裏切らないスパイ小説のような面白さ。 ひと言でいえば、市民特殊図書館〈消去局〉という名の言論統制機関 VS ユーディ教というカルト教団 VS ローマ教会、という三つ巴の争い。 ことの発端は、ホバート位相 (時間の逆流) によるユーディ教カリスマ教祖ピークの復活である。死者の再生請負業者セバスチャン・ヘルメスの掘り出した教祖ピークをめぐって、イデオロギーやら利害やらの対立する市民特殊図書館〈消去局〉とユーディ教団とローマ教会が、壮絶きわまる教祖の争奪戦を繰り広げます。 この作品、基本はSFなんだけど、ストーリー展開はどう考えてもスパイ小説風。むろん時間逆流(ホバート位相)などSF的な道具立ても、ストーリーの展開の中に大いに生かされており、そのおかげで、並みのスパイ小説よりもハラハラドキドキするシーンすらあります。 文庫本で300ページに届かない、ディックとしてはやや短い長編ですが、100ページを過ぎたあたりからもう一難去ってまた一難の連続で、教祖ピークの運命の行方が気になって仕方がない。 その一方で、中年の堅物おやじセバスチャン・ヘルメスのうら若い愛妻ロッタと、若い警察官ジョウ・ティンベインとの不倫あり、はたまた堅物おやじセバスチャンが、あろうことか敵対する市民特殊図書館のアン・フィッシャーという若い娘 (魔性の女) の色香に迷う (これも図書館側の策略) という場面ありで、読者に息つく暇を与えてくれません。 ディック一流の現実崩壊SFにスパイ小説を加味したような異色の傑作長編でした。 | ||||
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1986年、突如世界は一変した。ホバート位相と呼ばれる逆転現象が地球規模で始まったのだ。墓から甦る死者。口から吐き戻されて元の形になる食物。吸い殻をくわえるとだんだん長くなっていく煙草。身体がだんだん若返り、ついには子宮に潜り込み、性交で卵子と精子に分離して女と男の身体に吸収されて消滅する。 W・U・S(西アメリカ合衆国)の再生業者のヘルメスは、ユーディ教の創始者トマス・ピークを墓から掘り出し、再生することに成功した。しかし復活したピークをめぐって、焚書機関<消去局>―市民特殊図書館、ユーディ教=FNM(自由ニグロ共同体)、ローマ教会が三つどもえの暗闘を開始し、ヘルメスはその巨大な陰謀に巻き込まれることになる・・・・・・ 現実の混沌と狂気を悪趣味なまでに誇張し、悪夢の「超」現実世界を作りあげた傑作。 絶望的に加速するエントロピー増大運動にあなたは耐えられるだろうか? | ||||
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ディックの作品中では中ぐらいの出来か。それにしてもちっとも逆まわりじゃない大雑把な世界が、そうであるがゆえに逆にポップだったりする。多くのディック作品同様、物語は破綻している。 | ||||
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