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シミュラクラ
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シミュラクラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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2050年、アメリカの北カリフォルニア州一帯は中国からの核ミサイル攻撃の影響で放射性 降下物汚染地域となっている。米欧合衆国(USEA)と共産主義体制との二極化に完全に分か れた世界情勢。USEAでは4年に一度大統領が選出される。しかし何十年も昔からファースト レディである一人の女性ニコル・チボドアが常に実権を握っている。 彼女はその美貌は今だ衰えず、特権階級と平民とに分かれた格差社会を形成するUSEA国 民からも憧れと信望を集めていた。 かつては隆盛を極めた精神分析医という職業は現在は法律で禁止された。これはニコルの意 向による法律施行である。さらにニコルは、時間移動機を使って1944年のドイツからゲシュタ ポ創始者であるヘルマン・ゲーリングを現世界へ移送するというプロジェクトを進行中だ。 平民から社会的昇進をする手段として、ホワイトハウスのファーストレディの前での芸術披露 が認められた者がその地位を約束された。 P・K・ディック一流のガジェットやアイデアが複雑に入り組み、メイン・ストーリーが見定め にくいが、間違いなくディックSFの原点となる傑作だと文庫本裏の解説に書かれてある。 確かにそうかもしれない。いつになく多い登場キャラクターたち。その中で一体誰が主役級の 役割を持っているのか? いや皆全て少しづつ重要な役割分担を担って配置されているだけなの だと読後に判る仕掛けじゃないかと思う。1962年の作品であるが、ナチスのネタが入っていたり (都市伝説定番のオカルト=ナチスの様な描写は一切ないが)、放射能汚染地域の登場、深刻な 格差社会などディックのSF的アイデアは今読んだ方が却ってリアル感が増す。 | ||||
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