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宇宙の眼(虚空の眼)
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宇宙の眼(虚空の眼)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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8人が陽子ビーム観測機暴走事故に遭って救出されるまでの瞬間、被害者の誰かの意識が支配する世界に閉じ込められる。ベタだ。ベタな展開だ。 神が中心(でもその善悪の分別は自分)のじいさんの世界。 自分の道徳観や美的センスに合わないものを徹底的に排除していく社交的マダームの世界。これがむちゃくちゃ面白い。名前の存在を消していく。こんなものはわたしの世界にいらない!といってあらゆる名前(カテゴリ)ごと消していく。われわれの世界は名によって成立しているのを実感!!!名前を消すという視点から見ると趣が全然違う。 陰謀論に苛まれている暗い女性。完璧なまでの事故の前の世界を再現したと断言するが、彼女の恐れているものがすべて具現化されている。めちゃくちゃ気持ち悪いホラー。自分の腹の底の黒いものを思い起こさせる。 友人だと思っていた男は実は自分とその妻を陥れようとした思想家だった!!!という政治色溢れる世界。 これは世界に閉じ込められていて、あることをすることで脱出するまでが面白い。さいごのハッピーエンド的なものは印象に残らない・・・。 自分の思い描いた最高の世界は、誰か他人に見せられますか? | ||||
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今まで読んだ中で最高のSF。一気に読んでしまった。一切古びない名作。 | ||||
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個人的にディックの作品の中でも特に好きな作品の一つです。 | ||||
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例によってAmazonの超高速到着 (一昨日早朝注文 → 本日午後3時帰宅して入手) で、なおかつ約5時間で読了。ちなみに長さは370ページほど。 『多元宇宙テーマの金字塔』との評判に間違いはないけど、多元宇宙というよりも多元精神世界と呼んだほうがいいのではないかと。 それにしてもブッ飛んだ傑作ぞろいのディック作品のなかでも異次元の面白さ。ぶっ飛び具合でこれに匹敵するのは『ユービック』くらいしか思いつきません。しかも『ユービック』は最初の100ページくらいは結構のんびりと話が進むが、『宇宙の眼』は34ページ (第3章) から多元宇宙 (の最初の宇宙) に突入し、陽子ビーム加速器の暴走事故に巻き込まれたはずの見学者8人の新たな現実 (?) が始まる。 あんまりここが面白かった、あそこが面白かったと書き過ぎては、これから読まれるかたの興味を削ぐので、詳しくは書きませんが、次々と現れる多元宇宙の中で登場人物たちが経験するドラマのユニークさ!!! もさることながら、登場人物たち各々のキャラも立っていて、その点でも読ませます。 それにしても、一昨日の朝、出勤前にふと思い立って注文したのに2日後 (本日) の午後3時には入手し午後8時過ぎには読み終わり、午後9時には感想までインプット完了、というこのスピード感はたまりませんね。何かと不便なコロナ禍だけど、Amazonのお陰で読書の趣味のほうは、コロナ禍以前よりもかえって充実しているかもです。 | ||||
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観測台の陽子ビーム事故で、四人分の多元宇宙が展開される。シュールでサイケデリックな世界で、非常に面白いが、好き嫌いが分かれる作品でもある。個人的には、二番目の、物をドンドン消していく世界が面白い。 | ||||
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本書を読んだのは、もう10年も前のことになると思うが、それでもはっきりと内容を覚えています。 それだけ、強烈な印象を受けたということでしょう。 カリフォルニアにある研究所で、陽子ビーム偏向装置の動作実験が行われていた。 それを見学に来ていた年齢も職業も様々な8人の男女。(←ここがひとつのポイント) ところが、この装置が想定外の事故を起こし、ビームが暴走状態になって乱射。 見学に来ていた8人は吹っ飛ばされて床に叩きつけられてしまう・・・。 でも8人とも奇跡的に死なずに済み、次々と目を覚ましてゆく。 その一人々々が目を覚ましては、驚くべき、奇妙で歪んだ世界 => 要するに「ディック的世界」を体験するというもの。 各人各様の世界の中で、他の見学仲間たち(?)も含めて異常かつ奇妙奇天烈な事件の数々に翻弄されまくります。 作品のクオリティー自体は、ディックの数ある傑作と比較して必ずしも最上級とは言えないかもしれませんが、それでも、他のレビューアーさんも書かれておられるとおり、最後まで読み通さずにはいられない筆力には感嘆のほかはありません。 最近、またハヤカワSF文庫から「宇宙の眼」というタイトルで出ており、やはり人気の高いディックの傑作のひとつと言っていいと思います。 | ||||
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ラジオでこの本が面白いって言ってたので気になって読んでみました。 とにかく変わった小説でした。なんとも形容しがたい世界と全く先の 読めない展開。意味があるようで意味がないような。 なんでこんな展開になるんだと読んでいる最中に戸惑ってしまう。 その感じがなんとも新鮮でした。 小説の面白さってこの先どんな展開になるんだとワクワクするのが 普通ですがこの小説は違います。 意味がわからなくて戸惑っているのに展開がどんどん進んでいって 困惑してしまう。それが面白いのです。まったく変わった小説ですね。 | ||||
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30年以上前に早川SF全集で読んだことがある。 久しぶりに再読してみて今でも読むに耐える内容であることにびっくりした。 いわゆるパラレルワールドものなのであるが、そのパラレルワールドの世界の歪み具合が中途半端ではないのである。 いかにもディックである。 | ||||
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本書を最初に読んだのは中学生のとき。30年以上前です。SFの名作の多くがハワカラSFシリーズの廃刊により読めない状況でしたがが、この作品は、運良く、アルフレッド・ベスターの「虎よ、虎よ!」とともに、ハードカバーの早川世界SF全集に収録されていました。中学生にとってハードカバーはかなり高価な買い物ですが、どうしても読みたくて買いました。難解なものが多いPKDの作品のなかで、PKDらしさと読みやすさが楽しめる名作です。 | ||||
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本書は1957年に出版されたディック4作目の長編で、同じく初期の傑作「時は乱れて」同様、物語としての面白さとディックならではの世界観が見事にマッチした傑作で、ディック入門作品としてもお勧めできます。 オープニングからさっそく事故が発生し、ぐいぐいと物語世界が展開し、その世界観にはユーモア感覚が効いており、エンディングも前向きでありながらディックらしい展開で、全体的に明るく楽しいです。 創元SF文庫から出ていた大滝啓裕訳「虚空の眼」を読んだのが随分昔だったので、ほとんど新作を読むような気分で楽しめました。 読後に「虚空の眼」を引っ張り出して翻訳の違いを比べてみました。 オープニングの1行目を見比べると、それぞれの翻訳の方向性がよくわかります。 「虚空の眼」 「ベルモント・ベヴァトロンの陽子ビーム偏向装置が発明者をうらぎったのは、1959年10月2日午後4時のことだった」 「宇宙の眼」 「1959年10月2日の午後4時、ベルモント市にあるベバトロン陽子ビーム加速器は、その発明者の意図に反して暴走した」 「宇宙の眼」の方が、物語のスピード感を生かした翻訳のように感じます。 | ||||
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内容は他の方の解説を読んでください。 重複しますので。 僕はサンリオの虚空の眼で初めて読んだものです。 宇宙の眼は長らく入手困難で、読む機会がありませんでした。 今度、両訳を比べながら読んでみたいですね。 マッカーシズム全盛の赤狩りの世相を反映したものとなっています。 | ||||
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PKD総選挙とやらで、ディックを国民的SF作家にでも祀り崇めようとでもいうのかハヤカワ。ヤク中のアル中のメンヘラ親父だぞ。見た目だってどこぞの耳の聞こえるベートーヴェンみたいじゃないか。しかも、今度はTシャツの販売だそうだ。ディックTシャツ。着る?オレは着ないぞ。そのうちあれかマグカップとか握手券とか、いらないCDまで文庫本に付いてきたりするのか?斬新だけどさw Nodyさんのレビューの通り、ディックの記念碑的名作の登場。大滝版の「虚空の眼」を何度も何度も読み返していた自分からすると、真打登場ってところです。めくるめく現実の崩壊、精神世界のメタファー、ディックとしてはありえないぐらいのストーリーの整合性。読まない方がおかしいでしょ。これは売れまくるでしょ。って思っていたら、本屋さんに平積みされているのは「ユービック」。本書は申し訳ない程度に端っこにひっそりと・・・。ハヤカワ、何がしたいん? PKD総選挙で1位だった「ユービック」もそうだし、「死の迷路」やこの「宇宙の眼」も群像劇。読んでて思ったのは、ディックって群像劇の方がおもしろいんじゃね?ってこと。SF的な物語設定や舞台設定よりも、複数の人間のせめぎ合いを描いている方が、より面白い。突発的なアイデアと、一瞬のパッションで、一気に書き上げたのが本書。ディック29才。若さの勢いを感じる。 | ||||
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原題 Eye in the Sky 原著1957年刊行 ディック初期の記念碑的名作。 陽子ビーム加速器の暴走事故で異世界に投げ出された八人の男女の脱出行を描くスラップスティックな展開は抱腹絶倒と言っても良い面白さで、後期作品に顕著な難解さや重苦しさは皆無。一種の犯人探しのようなミステリ的興味まであり、エンターテイメントとしての完成度は極めて高い。そしてその中に濃厚に織り込まれたディック終生の主題ともいうべき実存性への懐疑の鋭さは現代でも読む者を捉えて離さない。 作品の背景となっている1950年代アメリカに吹き荒れた反共産主義に対しての予備知識は若干必要と思われるが、その点を除けば清々しく後味良い結末を含めてディックの入門書としても推薦出来る傑作。 なお巻末の牧眞司氏の解説は本書のハヤカワ文庫への収録が遅れた事情を明らかにして、先頃出た『サンリオSF文庫総解説』と併読すると興味深い。 | ||||
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1957年発表。レッドパージに巻き込まれたディックの「正しい」世の中への不信感が、SFのメタファーとガジェットを駆使して、寓話として見事に昇華させた大傑作。都議会議員たちよ、どうせ低俗なSFだと馬鹿にしないで熟読しなさい。あなた方が行うとしているばかばかしいことの顛末が如実に記されています。ついでにNew TraditionalistsのB面の4曲目も聴きなさい。"You"とはあなた方のことだ。 | ||||
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一言で言えば「多次元宇宙もの」の傑作なのだが、各世界で描かれる風刺が印象に残る作品。ある研究所で陽子ビーム偏向装置が故障して、8人が事故に巻き込まれる。各自が意識を失って、再度意識を取り戻す数秒の間、意識を取り戻した人間の順番に、その人物の精神世界に他の人物の精神が取り込まれる。意識を取り戻した人物はその精神世界では絶対的支配者となるのだ。 狂信的な異教崇拝者が支配し、その異教神への信仰が生活の規範となる世界。偽善・偏向に溢れた自称道徳的女性が支配し、支配者の意向にそむくものは生物であれ、金属であれ消失してしまう世界。強迫観念に捉われた偏執狂の女性が支配する破壊的世界。共産主義者が支配し、共産主義者が夢想するであろう資本主義社会の退廃と闘争に満ちた世界。 最後の世界は当時の東西冷戦時代を反映したものであろうが、その他の世界が映し出す風刺は現代にも生きている。多次元宇宙というSF的設定の下、偏向した特定の支配者が君臨する世界の恐怖を描き出した傑作。 | ||||
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ディックの第四作目の長篇。 長篇作家としてのディックの出世作だ。 この作品を平行世界ものだとする解説があるが、それはまちがっているので信用してはいけない。 平行世界とも多世界解釈とも関係ない、まったくの別アイデアだ。 平行世界だと思うと平凡だが、そうではないので衝撃的である。 | ||||
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破天荒なのはいつもながらのディック作品であるともいえるけど、それにしても本作品のドタバタ喜劇ぶりは、他のディック作品にはないものである。 | ||||
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