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誓約
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誓約の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 41~47 3/3ページ
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薬丸岳の作品はハズレがない。 本作もミステリとしては大変良く出来ており、薬丸作品のなかでも上位を争う出来と思うが、一点どうしても「小説作法」として納得しがたい、いわば「なぜ作者がこんなことを書いたか」理解し難い点があるので、その点について述べたいと思う、多少ネタバレとなる可能性もあるので、未読の方は注意されたい。 私がどうも不思議に思うのは、ラスト1/3くらいのところで本作の犯人は煮え切らない主人公に対してある非常手段に出るのだが、これはむしろ「非情手段」とでもいうべきもので、結果からすれば、(裏世界の事情を勘案すればだが)実質的に主人公にとっての「死刑判決」に近いものになってしまっている点である。 作者としても、主人公の「破滅」を意図したラストを描きたかったわけではないことは明らかであるにもかかわらず、この流れからすると終話後に主人公を待つ運命は「破滅」以外にはあり得ない。実際、主人公が現在の身分を得て追手から逃れる以前の状態に引き戻されたも同じだから、一時的に刑を得て法のもとで保護されたと言っても出所後の安全は全く期待できないし、主人公があそこまでして守ろうとした家族だって、まったく安全とは言い切れない状況に陥るのではないだろうか。 あの状況で、主人公の出自まで警察が発表する必要は必ずしもない(高相との指紋の一致は警察だけがつかんでいれば捜査上も大きな問題はない)わけだし、最終的に殺人自体が冤罪ということがわかれば、戸籍の盗用自体は広く公にはならずに収まる可能性もあったわけで、どうして作者はわざわざあのような立場に主人公を追い込まなければならなかったかがどうにも納得いかないわけである。 ちょっと作者に一度その真意を聞いてみたいところではあるがいかがであろうか。 | ||||
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「一度、罪を犯した人間は、幸せになってはいけませんか。」 この煽り文句と恐らく向井が帆花ちゃんと手をつないでいるのであろう表紙に魅(ひ)かれて読んだ。 まさにこの文句通りだと思う。 わたしは、向井聡みたいな過去は持ってないが、決してまっさら清廉潔白ということでも必ずしもない。(かといって犯罪を犯してる訳ではありませんよ。) わたしにも幸せな家庭、守るべき人ができた。 そんなときに「あの男たちは刑務所から出ています。」そんな手紙を受け取ったら、わたしならどうするだろうか。 愛する娘や妻を守りたい向井聡は煩悶する。 時には悪魔に心を売りそうになり、しかし人間としての良心を取り戻したり…。 人は誰しも全く真っ白な者はいないと思う。向井聡にはそれだけ罪に手を染めざるを得ない、生まれもった業はあるが。(47ページ) 自分ならどうするか。愛する者を守るか、悪魔に心を売って善人の仮面をかぶったまま偽りの人生で一生を終えるか。 まさに悩んだ。しかしまだわたしの中では答えは出ていない。 さて、内容であるが、帯の書店員のコメントによると、「ハラハラ、ドキドキの連続」、「最後まで読み進んでやっと真犯人がわかった」、「予想もつかない意外な展開」、とある。 確かに、向井が岡山に向かった辺り(133ページ)から、展開が急になり、あとは「最後まで一気に突っ走りました」。そういう意味ではそこまでは、大きい意味でのプロローグかもしれない。 しかし、わたしは向井が仙台に向かった辺り(155ページ)で、もしかしたら犯人は●●ではないかと予想した。果たして、見事にわたしの推理は当たった。解決編で▲▲が「■■■の◆◆◆」と言ったが(316ページ)、わたしも「■■■の◆◆◆」の場面(153ページ)で非常に●●が怪しいと当たりをつけていた。そう考えることが一番まともな推理だから。(但し、推理小説の王道は外していません。真犯人は最後の数ページで初登場なんていう卑怯な展開はありません。真犯人が真相を吐露するのは確かに302ページからですが。) そういう意味では、犯人の目星が早々についたという意味では★1減せざるを得ない。 また、後半の登場人物のうち、池内幸江(161ページ)は前半に登場した(?)重要人物の関係者だからいきなり出てきても構わない。 中村(227ページ)も向井と重要なつながりをするから、チョイ役ではあるが登場しても構わない。 しかし、佐藤秀美(289ページ)はどうだろうか。彼女の存在自体は前半で少し触れられたので構わないが、あの件(308ページ)は、あそこで著すべきだろうか?あれを著すならばもっと前に伏線を張ってもらいたい。向井の言いたいことは分かるが、ならばあの男の存在はどうするのだ。いきなり登場しすぎではないか。 その意味でも更に★1減したいところではあるが、合わせての★1減に留めておく。 内容は素晴らしいだけに、もう少し犯人探しを難しくしてほしかったし、要らないエッセンスは入れないでほしかった(入れるなら入れるで、いきなりではなくもっと上手に入れてほしかった)。 ところで、向井は外見は変わっても内面(?)、本能の粗暴性は変わってないんですねぇ。(266ページ) | ||||
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一気読みで大変に面白かったです。 (以下、少しだけネタバレ) ただ、結局主人公は傷害や強盗はしたけど、強姦だけはやってませんよ、というところで「逃げ」があった気がする。 帯には「一度、罪を犯した人間は、幸せになってはいけませんか。」というアオリがあり、これに惹かれて買ったのですが、結局作中で極悪非道に描かれているのは女性を強姦・殺人した男達ばかり。 最後の最後で「主人公は強姦と殺人だけはしてませんでした」という逃げだと、この帯のテーマには全く応えていないと思う。傷害、強盗に関しても、その被害者に対してどういう償いをするか、ということには全く向き合っていない。 ただ、逃走のハラハラを楽しむサスペンス小説としては本当に楽しめました。犯した罪に対する贖罪、というテーマを期待すると肩透かしかも。 | ||||
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モヤモヤ〜。 どうして公平は落合の店に入ったのだろう。どうやってたどり着いた?わからないことが多いかな | ||||
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一度罪を犯した者が「幸せ」になれるのかがテーマのようである。 その点については、主人公は自分が傷つけた人たちに対して真摯な償いをしてきたわけではなく、 何となく事業が軌道に乗って家族にも恵まれて、という感じなので 「幸せ」になれなくてもまあしょうがないような気もした。ひたすら贖罪を重ねてきた人が陥れられるのなら悲劇だが。 またタイトルにもある15年前の「誓約」が主人公を縛っているわけではなく、それ以前に犯した罪に起因しているので 多少タイトルもズレているように感じる。 以上のような多少の突込みところはあるものの結局一気に読めてしまうあたりは作者の力量なんだろう。 近年の作品の中では佳作な方だと思う。 | ||||
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ラストへ向けての無理矢理感は否めないが、 時間を忘れて読者を引き込む力はさすがとしか言いようがない! 半日で読み終え、逆にもったいない気もしますが(笑) また自分は最後まで犯人は解らなかったし、 十分ミステリーとしても堪能できました。 | ||||
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一気読みでした。戸籍を変え整形し別人として16年生きてきた男。家族と仲間に囲まれた幸せな日々。突然、過去に約束した今は無い人との殺人の約束。娘を盾に取られ、その殺人の実行を強要されつつ犯人探し。犯人は最初に思った人だったが、2人の関係に繋がる過去の事件は後半にしか明かされない。 ラストがちょっとまとまり過ぎ。この結末に行きつく為に、暴行した数人への罪はどうなるの? | ||||
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