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上海ファクター
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上海ファクターの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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この作品、おそらく典型的なスパイ小説とはひと味ちがう「スパイの ”本当の現場” 小説」とでも呼ぶべき作品です。 そう考えて読まないかぎり、主人公「おれ」の不可解きわまる行動と彼が遭遇する謎の出来事の数々の説明がつかない。スパイ小説につきものの派手なアクションシーンもないし、最初から最後まで主人公が誰かから執拗に命を狙われているというわけでもない。 にもかかわらずグイグイ読ませる理由は、おそらく主人公を取り巻くカフカの小説のような不可解な人間関係やミッション (使命) の ”謎” によるものと思われます。 《おれは、いったいどこのスパイなんだ?》と、カバー裏の内容紹介文に書かれいているとおり、終わり近くまで読んでも、主人公の「おれ」も、そして我々読者も、彼が何を目的としてどこの国のために働くスパイなのかよく分からない。祖国であるアメリカ合衆国に忠誠を誓っているらしいことは、時々吐露される主人公の心情から想像はできるけれど。 自分の真のミッションが分からないまま、上海、そしてアメリカと、密かな指示命令や偶然 (?) のままに、行ったり来たりしつつ、行った先々でキーマンとなる男や女に出会う。「おれ」の元締めの上司が、本部の防諜部門長バーバンクだということは分るのだが。 開巻そうそう上海の街で偶然 (?) 出会う謎の美人中国女性メイとの甘い同棲生活を皮切りに、主人公「おれ」に様々な出会いと別れ、中国企業からの雇用と解雇がおとずれる。無職になったといっても、終始バーバンク配下のスパイであるという元々の職業に変わりはないんだけど。 何が何だか分からないままに、「おれ」を取り巻く事態はさまざまな紆余曲折を経ながらドンドンと推移していき、最後におとずれる衝撃の結末!! 結末は途中で見えていたとおっしゃるレビュアーさんもおられますが、私は問題の人物を最後まで疑っていなかったために、文字どおり衝撃の結末でした。 派手なアクションがないのに、スパイ独特の異常なほどの疑心暗鬼の連続で、ここまでグイグイ読ませる本作は、やはり傑作だと思いました。 物語の最初で出会った中国美女メイとの、最後の悲しい別れはちょっと切なかったですけどね・・・。 それにしても、後半、大学の同級生だったアリス・ソンという有能な女性弁護士が「おれ」の味方 (弁護) についたのは不幸中の幸いでしたね。そうじゃなかったら因果なスパイ稼業の「おれ」の運命は、最悪の事態にまで至った可能性が濃厚です。持つべきものは有能な同級生ということか・・・。 いずれにしても現実のスパイの生活や仕事のやり方を反映していると思われる、興味ぶかいスパイ小説でした。 | ||||
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もう少しひねりのあるスパイものかと思いましたが、山場に欠ける作品でした。 | ||||
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国家転覆を企てる悪の組織を壊滅させたり、第3次世界大戦の危機を回避させたり、暗殺したりされたり、などという「スーパースター」型のスパイというのはやはり映画や(この本以外の)小説の中だけのようだ。 上海で中国語を勉強しながらダラダラと暮らすアメリカ人の「オレ」は、中国人の謎の美女、大富豪の経営者とその息子、アメリカ人上司、中国人のスパイなどにとにかく巻き込まれながらいったい誰が敵で味方なのかが分らず、ストレスを溜め込みながら業務を続ける。といっても際どい作戦や体を張ったアクションを(ほとんど)起こすことなく「疑う」「用心する」「謀略を企てる」という基本に忠実に行動してゆく。 その姿がやけに「サラリーマン」的なところにひどく共感できる小説。 | ||||
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これぞリアルな諜報戦だと実感! 銃撃戦や、最新兵器はほとんで出てきませんが、それゆえ、だまし、だまされの、人vs.人の駆け引きの緊迫感、面白さを堪能しました。大変面白かったです。 作品中で対峙するのが、アメリカと中国という設定も良かったと思います。 両国内の状況、スパイの振る舞いなど、巧みに絡められ、東洋調の雰囲気が作品の味わいを深めていたと思います。 主人公=おれ、という一人称記述も、ストーリをさらにスリリングにしていたと思います。 「おれ」にとって、誰が味方で誰が敵なのか、「おれ」自身の疑心暗鬼に陥った心理状態がひしひしと伝わってきましたし、読み手としても、ラストまで全く予測不能でした。 作中のところどころに使われている比喩表現も、絶妙であり、また、巧く皮肉が効いており、読む楽しさを一層高めてくれたと思います。 | ||||
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