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コールドゲーム



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【この小説が収録されている参考書籍】
コールドゲーム
コールドゲーム (新潮文庫)

コールドゲームの評価: 3.30/5点 レビュー 64件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 21~22 2/2ページ
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No.2:
(3pt)

ホラーと青春小説の融合

今までに何冊か著者の作品は読んでいるが、これまでの、たっぷり笑えて、しみじみ泣ける「ユーモア・人情」小説とは趣が違っていて、本書は「青春ホラーミステリー」とでもいうべき作品だった。
しかし、文章のタッチや「何かに奮闘する」姿を描く著者のスタイルは変わっていなかった。今回「奮闘する」のは17才の高校生、光也。
彼は3年生の夏休み、甲子園の神奈川地区予選で敗退して野球部を引退。目標を見失っていた。そんな時、中学2年時代のクラスメートに次々事件が降りかかる。当時クラス中のイジメの標的にされていた少年・トロ吉の復讐なのか…。光也たち有志は「北中防衛隊」をつくり、何とか警察の手を借りずに4年間でひどく凶暴になった敵を見つけ出そうとする。しかし犠牲者は増えてゆき、ついに死者が出る。つづいて当時の担任教師までも火事で命を落とす。
光也たちは次の標的となったかつての女子クラスメートをやっと捜し出しすが、襲い掛かる犯人をカーチェイスして命がけで彼女を救う場面は手に汗握るスピーディな展開でスリリングだ。
そして背筋の寒くなるような夏の『コールドゲーム』は一気にクライマックスに向かう。
光也は事件とのかかわりの中で、仲間たちの前で自己主張ができるようになったり、本気で体を張って、元クラスメートたちを救おうとしたり、犯人トロ吉を捜し出そうとする。そして意外な真相が明らかになり、事件は解決し、彼は新しい目標をほのかに見つけて、少しだけ成長しているのだ。
本書は怖さと切なさを等分に含んだホラーサスペンスであるとともに、光也の終わらない夏休みを描いた青春小説だった。
コールドゲームAmazon書評・レビュー:コールドゲームより
4062114569
No.1:
(3pt)

ノスタルジーと現代の世相が融合

「神様からひと言」の痛快さや,「母恋旅烏」の人情ポロリの世界に続く3冊目の荻原作品。そういうのを期待して入ったら,全く違う世界に持っていかれて戸惑いまくり。
光也の設定というか,立ち位置が絶妙にいい。亮太は札付きの不良だけど,光也とは小学校以来の親友。他の連中が亮太に恐れおののいても,この二人だけには厚い信頼関係がある。クラスメイトが荻原作品らしくひとクセもふたクセもある連中であるにもかかわらず,光也だけは野球バカであること以外は極めてフツーの高校生として描かれる。中2時代のイジメにも積極的には関与していない。だからこそ,小説の展開上,彼をストーリーテラーとして,全容解明の旗振り役を任せられるのかもしれない。
この本を読む誰しもが学校時代を思い出し,“椅子取りゲーム”の勝者に辛うじてなれたこととか,実は大して違いの無いちょっとした段差の上から下を見下ろしてホッと溜め息をつくなどした経験を掻きむしられるかもしれない。あるいは実際にターゲットになってしまった辛い日々の記憶を引っ張り出されるかもしれない。そんなノスタルジーに,最近の学校をめぐる事件の残忍さと,フィクションというスパイスが入ると,こういう作品になるのかな。
コールドゲーム (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:コールドゲーム (新潮文庫)より
4101230315

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