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胡蝶殺し
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胡蝶殺しの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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他のレビューアさんたちもおっしゃっていますが、どうしてタイトルに”殺し”という言葉を入れてミステリとして売り出したんでしょうか? 殺しも起きないしまったくミステリではありません。一向に起きない事件を”いつ殺しが起きるのか?”と待ちながら読者は読んでしまうし、そもそも購入した時点でミステリを期待しているでしょう。この売り方はマイナスにしかならないのではと思います。 普通の人間ドラマとしてとても感動的なストーリーだったのでもったいないです。 梨園と呼ばれる歌舞伎界の内情を描いています。 名女形と呼ばれる父親を病気で亡くした子供、秋司。後ろ盾を亡くした息子の立場は微妙で、芸を受け継ぎ磨くという面で、そして舞台でよい役を得るには明らかに不利な立場に立たされます。それに対し、なんとか家を存続しなくては、息子をりっぱな跡継ぎに育てなければいけないと神経をすり減らす母親。 一方、主人公の役者、萩太郎は息子の俊介がまったく歌舞伎に興味を示さず習い事もいやいややっていることに悩んでいます。そんな時、秋司の後見をたのまれ、そのすばらしい才能に目をみはり、公平に自分の息子よりもいい役につけようと奮闘します。が公演直前になって秋司がおたふくかぜにかかってしまい出演は不可能に。その後、後遺症の聴覚障害を発症したことがわかり・・・。 梨園の中の力関係、興行会社との関係、芸のすばらしさ、一見華やかに見える役者の苦悩などがしっかり描けていてとてもよい作品でした。 ちょうど演劇評論家の中川右介氏による「坂東玉三郎」と「歌舞伎 血と家と藝」を読んで、”梨園は名門の家、または賢く立ち回って権力を握ったものが勝ち”的な話だったので、そうだよね、こんなふうに一生懸命芸に精進している役者もいるよね、いやそういう人の方が多いのでは・・となんだか救われたようなすがすがしい気持ちになりました。 歌舞伎のことを知らなくても楽しめる作品ですし勉強にもなります。スキャンダルも多く何かとあれこれ言われる歌舞伎の世界ですが、これからも鑑賞していきたいです。 | ||||
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読み始めてからしばらくはとても面白かったんです。ところが、段々その面白さが減ってきて、結局、コンナモンなの⁉️って感じです。正直言って結末は直ぐに見当がつきます。その上、そこに至る過程が段々安っぽくなっていきます。もう少し何とかならなかったのでしょうか? | ||||
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小学生の息子を持つ歌舞伎役者の萩太郎は、社長から、急逝した遠縁の役者・竜胆(りんどう)の忘れ形見の秋司の後見役を頼まれる。 秋司の躍りを見て、その天性の才能に驚く萩太郎。一方で、同い年の息子は、歌舞伎には全く興味がなさそうな様子。 後見役としての責務と親の欲目とに揺れながら、二人に稽古をつける萩太郎だったが、あるとき、三人の関係に大きな転機が訪れる。 子を思う親の気持ち、親を思う子の気持ち、梨園の一員として若き才能に寄せる期待などが絡まり合いながら、事態は急展開する。そして最後に、殺人もないのに題に「殺し」と入っていることの意味を知る。 演目や配役がどうやって決まるのか、役者はどのような日常を送っているのかなど、梨園の裏側を垣間見ることができたのは収穫。全体的に読みやすい。 ただ、躍りや芝居の習得が如何に難しいかなど、もっと掘り下げてほしかった。ここはもったいない。歌舞伎は奥が深い、と萩太郎に言わせるからには、その深さの程が伝わるように。 | ||||
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主人公の秋司に対する気持ちがちょっと綺麗すぎる気がしました。 自分の子は全然上手じゃないけど、秋司は上手くて・・・というような葛藤の話なら、もっと人間くさくて面白かったのに・・と思います。 あと、唐突に終わってしまったような気がして、作者はもっと違う展開を用意していたように思えてなりません。 | ||||
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歌舞伎に行きたくなります。演目のセリフが本のセリフと重なって、ジンとしました。 | ||||
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ネットの内容紹介で心理サスペンスやら親同士の確執めいた話の流れやらの言葉が語られているが、これはか~な~り的を外した紹介文である。歌舞伎というちょっと特殊な世界を舞台に、確かに波瀾めいた出来事はあるけれど、むしろそこに関わる役者の等身大の苦悩とその上で真摯に前を向くための心の動きがこのお話のメイン。歌舞伎役者である父をなくした秋司の後見人の萩太郎の視点から描かれているが、秋司の不可解な行動には実は底知れぬ思いやりの心が秘められていたことや、あっけらかんと無邪気な息子の俊介が、実は一番事の道理を身に沁みて分かっていたりしていたみたいで、お父さん、完全に一本取られた感じでしたね。 | ||||
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本を手に取ったはいいものの、歌舞伎という題材はとっつきにくいのではないか…と危惧しました。 しかしそれも杞憂、あっという間に作品世界に没入してしまいました。 歌舞伎素人でも充分に楽しめる作品です。 父親として、役者として葛藤する主人公の心理描写は簡潔でいて巧く、ストーリー展開も波乱ありで見ごたえ充分です。 ただ、ラストの展開はちょっと書き急いだかな、という印象です。 もう少しページ数を割いてほしかった気もします。 まあ、この作品が隠れた名作であることにけちのつけようはありません。 願わくは、この作品がもっと有名になって、「隠れた」という枕詞が外れる日を願ってやみません。 | ||||
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タイトルからミステリを想像しますが、ミステリではなく、つまり作者にとって最初のシリーズもの「探偵今泉シリーズ(相棒に女形・瀬川小菊が登場する梨園を舞台にしたミステリーシリーズ)」とは別です。 登場人物は一部重なるんですけどね。 歌舞伎の世界では後ろ盾になる親を失った子供(実際に親が死亡する場合もあれば、親が廃業してしまう場合もある)は本当にみじめなことになるそうです。 経済的にも、立場的にも。 世襲の世界であり、家族と一門で一座を組んで芝居をする世界だけに、親がいるということが重要なのです。保護者としてだけでなく、指導者としても。 その取り残された子供に、とんでもなく非凡な才能があったなら? という物語。 一方で、御曹司としての地位がありながら、一見歌舞伎に全く興味がないかのように見える子供と、その子供をどう指導するべきか悩む父。 三人の、べたつかず、しかし引力のように引き合ってしまう関係を描いています。 仕事への愛とは、「やりたい」「好きだ」「目指している」と大声で言うだけではないという実際のところ。仕事に向いている、あるいは仕事を愛していると一様に言っても、仕事へと近づいていく姿は人それぞれであるというその距離感が、梨園という特殊な世界を描きつつも、あらゆる仕事共通の物語として、ある種の呪いのように描かれています。 あなたが何かを目指しているなら、これはあなたの物語なのかもしれません。 | ||||
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ネットページの「内容紹介」に「ミステリー」としてありますがやや疑問。 「殺す」事件もありませんし、ミステリアスな心の動き、という意味では、ひとつないではありませんが、その謎がメインという話ではありません。 女形を探偵とした時代ミステリーシリーズのある著者。本作は現代の梨園のひとりの父親が、後見人として面倒を見ることになった別の(父を亡くした)御曹司の少年と、同年の自分の息子とを引き比べながら、ふたりの成長を見守ってゆく話です。 歌舞伎の世界の約束事や踊りや他の俳優たちとの関係・・・熱っぽく緊迫感があります。 題名の「胡蝶」とは「鏡獅子」の真ん中で演じられる間狂言のようなもので、胡蝶に扮した子役ふたりが対称的に踊るものです。 これを踊る予定のふたり。子役として、一歩先んじて才能がある秋司7歳、無邪気で水族館好きの息子、俊介6歳。 父親はわが子が歌舞伎をやる気があるのかないのか、また才能があるのかないのか、天才的な秋司の存在によって悩みを深めてゆきます。 父親自身の女形としての野心や成長も含め、心の機微が繊細に描かれ、飽きさせません。 そこに絡んでくるのが、あくまで息子を夫の跡継ぎに育てたい秋司の母親の執念です。 ミステリーと言えなくもない部分は最後に明らかにされますが、読みどころはこの歌舞伎俳優である父親、歌舞伎俳優の未亡人である母親の葛藤でしょう。 ふたりの少年も丁寧によく描きわけられており、その点も引き込まれます。 歌舞伎狂言の内容に深く立ち入るわけではないのですが、さまざまな子役の芝居が紹介され、子役という角度から見た「歌舞伎の世界」は新鮮でした。 子役の競争は不慮の事態によって、決着がついたかに見えますが、最後に大学生になった二人が再会し・・・ここからもうひとつ開けてゆくような展望の中で終わることになり、明るさとともに、続編を読みたい気にさせられます。 | ||||
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ネットページの「内容紹介」に「ミステリー」としてありますがそこは疑問。 「殺す」事件もありませんし、ミステリアスな心の動き、という意味では、ひとつないではありませんが、その謎がメインという話ではありません。 女形を探偵とした時代ミステリーシリーズのある著者。 しかし本作は現代の梨園のひとりの父親が、後見人として面倒を見ることになった別の(父を亡くした)御曹司の少年と、同年の自分の息子とを引き比べながら、ふたりの成長を見守ってゆく話です。 歌舞伎の世界の約束事や踊りや他の俳優たちとの関係・・・熱っぽく緊迫感があります。 題名の「胡蝶」とは「鏡獅子」の真ん中で演じられる間狂言のようなもので、胡蝶に扮した子役ふたりが対称的に踊るものです。 これを踊る予定のふたり。子役として、一歩先んじて才能がある秋司7歳、無邪気で水族館好きの息子、俊介6歳。 父親はわが子が歌舞伎をやる気があるのかないのか、また才能があるのかないのか、天才的な秋司の存在によって悩みを深めてゆきます。 父親自身の女形としての野心や成長も含め、心の機微が繊細に描かれ、飽きさせません。 そこに絡んでくるのが、あくまで息子を夫の跡継ぎに育てたい秋司の母親の執念です。 ミステリーと言えなくもない部分は最後に明らかにされますが、読みどころはこの歌舞伎俳優である父親、歌舞伎俳優の未亡人である母親の葛藤でしょう。 ふたりの少年も丁寧によく描きわけられており、その点も引き込まれます。 歌舞伎狂言の内容に深く立ち入るわけではないのですが、さまざまな子役の芝居が紹介され、子役という角度から見た「歌舞伎の世界」は新鮮でした。 子役の競争は不慮の事態によって、決着がついたかに見えますが、最後に大学生になった二人が再会し・・・ここからもうひとつ開けてゆくような展望の中で終わることになり、明るさとともに、続編を読みたい気にさせられます。 | ||||
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新聞広告で見かけ、歌舞伎界の裏側(という程でもない)を描いた小説ということで、アマゾンさんで検索して購入。 すぐに手元に届けてもらえるので、すぐに読めるのは本当に嬉しい! 物語は、歌舞伎界の御曹司である対照的な2人の少年を主人公に、父親目線で書きすすめられています。 タイトルの印象とまた違った面白さもあって、一気に読めました。 歌舞伎界に興味のあるなし関係なく、親子間の愛情をしみじみ感じる1冊です。 | ||||
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タイトルに「殺し」とあることや、本の帯に「満を持してのミステリー」と紹介されていた事から 完全にミステリーだと思い込んで読んでいたため、『これをきっかけに殺人事件か?』とか、 『この再会が殺人に結びついてしまうのか!?』などと、最後まで気になってしょうがありま せんでした。出来れば、そんないらないところに気を散らさないで読みたい一冊でした。 タイトルの意味するところは、最後まで読んで『こういう事だったのか』と分かります。(本の帯 にもそのように紹介されています) 是非、ミステリーという事は忘れて、まっさらな気持ちで読んでいただきたいです。お薦めです。 | ||||
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これはミステリーではないでしょう、明らかに・・・ ストーリーは楽しく拝読いたしました。でもミステリーではありません。 ミステリーだと期待すると外れます。 話は悪くありません。でも」ミステリーでは全くありません。 | ||||
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「殺し」とタイトルに入っていますが、ミステリーではありません。 誰も殺されたりしません。 「編集担当から」のお言葉のように、歌舞伎の世界に詳しい方も、そうでない方も 興味深く読めそうです。 私は歌舞伎の世界は全く詳しくありませんが、要所要所で説明されているので大丈夫でした。 かといって、説明文が延々と書かれていて、「物語はどこ行ったの?」ということも無いです。 視点が、子供たちではなく、父親だったのも「公平」な感じで良かったです。 | ||||
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梨園に生まれた男児2人と、その親の葛藤。 一気に読みました。途中で止められずw 後見する事になった秋司と、自分の子である俊介を引き比べてしまう萩太郎の「親心」も、次々に起こる不運の中で精一杯の選択をする秋司も、素直でまっすぐな俊介も、みんな健気でいじらしい。 梨園の仕組みも興味深く読めました。ラストが俊介の「素直さ、率直さ」により全てがうまく行った感じの読後感も良し。 近藤氏の本は安心して安定して楽しめます。 | ||||
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