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恋愛中毒
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恋愛中毒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全147件 101~120 6/8ページ
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人を愛するということはこんなにも人を変えてしまう。 1人の人を愛してしまう時に静かに動き出す嫉妬心が、ここまで膨らむとは… 怖いな…と思いつつ、主人公の感情に妙に納得できる自分もいる。 長編があまり得意じゃない私でもすんなりと読み進めていくことができました。 愛しすぎてしまう怖さとともに主人公の気持ちが痛いほどわかるからこそ、この本の世界にどんどん引き込まれていきました。 | ||||
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自分よりキレイ・かわいい・若い女たちへの羨望が嫉妬をうみ、 好きなオトコへの執着が嫌がらせへと発展する。 それが醜い、こわい、最低だとは言い切れない。 なぜなら私にだってそんな一面がないわけじゃないから。 ここまでイっちゃうひとはあまりいないとおもうけど 誰だって少しくらいこんなきもちになることあるんじゃないかな。 私自身はこの本に出てくるイツジ先生のようなタイプを好きになることが多く たとえそれが不倫でも自分が本命の彼女でも どちらの立場にいたってこんなオトコとつきあうのはどんなにたいへんか 苦しいかある程度わかってるつもり。 そんなときに自分を救ってくれるのはともだち。 それが水無月さんにはちょっとばかり足りなかったかもしれない。 私みたいにただひたすら耐えて平気なフリしてるのもけっこう大変だけど 水無月さんくらい したたかに好きな男に執着(粘着)していくのは それはそれで大変なことだとおもうしすごいことだおもう。 それでもまた人を好きになるのは人の弱さであり強さなのだろう。 | ||||
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始めと終わり以外は回想録になっています。 ストーリーの展開がとにかくうまい!! 話の途中までは主人公と一緒になって進んでいる気になっているのに、途中から内面が垣間見えてくると主人公が遠ざかっていくような、そんな錯覚に陥りました。 従来手法の読み込んでいくうちに感情移入や共感したりするのとは逆で、とても新鮮です。 男の人に固執してしまうあまりストーカーにまで及んでしまう主人公、愛だの恋だのだけでは付き合えないことを知っている女性達が対照的に描かれていて、人物設定もおもしろいです。 単純な感想としては、同性ながら女性って怖いです。 | ||||
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の最高傑作近い作品。正真正銘の傑作である。 文章のとぼけた味わい、そして的確な心理描写。振り回される中、それでもずるずるいってしまう、あたし何やってんだろう的な戸惑いと切なさ。そして、何より主人公の駄目っぷり。まわりの女性達のいやらしさと関係。それを含めて魅力的に見せる技はどうであろう。 それに、何より上手いのは構成。徐々に徐々に主人公の内面が明らかになっていくのだが、それが上手い。ホラー作家でもミステリ作家でもないくせに、こんな構成をどかんとやられたら他の作家もたじたじではないだろうか。 とても素晴らしかったと思います。 | ||||
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実は私は、ドラマを観てから原作を読んだのですが、原作の方にすっかりひきつけられてしまいました。今となっては、ドラマは原作からただ設定を借りてきて、多くの人にわかりやすくストーリーを変えただけのようにすら思えます。 偶然が重なるところは残念ながら「やっぱり小説なんだな」と思いますが、ヒロインの心情の繊細さ、激しさ、一見した矛盾性、そして「本当の敵」が現れた時、とうとう爆発する狂気! 今まで読んだ本の中で、このヒロインが一番魅力的です。 | ||||
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読みはじめは、愛に到達することができないことへもどかしさや悔しさを感じながらも、どうしようもない恋愛から抜け出せずにいる、というよくある恋愛話かと思った。 ところが読後、あーそうゆーのあるある、つらいねー。よくわかってんじゃん。などという、自分に重ねては安堵する恋愛小説特有の感想は持たなかった。苦しくなった。自分が見て見ぬふりをして蓋をし、気づかれないよう日々苦心している部分がこの物語のテーマだった。嫉妬、弱さが狂気へと変わってゆき、実際に行動に移してしまう主人公に、哀れみの念を抱きながらも、どこか羨ましく、格好いいとすら感じた。 | ||||
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山本さんは文章がすごく特徴的で、心理描写が的確で共感できる箇所が沢山ある。にもかかわらず、核が見えない。 感情の表現方法にばかりに気を取られてしまうが、よく考えると結局どう思っているのかがどことなくぼやけていることに気がつく。 読む側は、なるほどなるほどと思っても、どこかしら淡々としていて、ゆったりした空気を見つけてしまう。 感情の起伏、喜怒哀楽の付け方に重点を置いていないからなのか、最後のところでガツンと心に響いてこなかった。 また、シリアスなテーマであるにも関わらず、萩原という水無月を助けてる存在があることと、水無月が恋をする先生の性格が妙にからんとしていて深刻さがないせいか、伝わってくる「危機感」が薄かった。 しかし逆にいえば、事実主人公が抱えている歪みはまがいもない狂気であり、なんでもない日常に転がっている恐怖、人が抱えている闇を見せ付けられたようでぞっとした。 | ||||
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いつも誰かに恋してないといられない。そんな淡い恋愛中毒なのかと思って読んだが,実際は自分から離れた男を自分が嫌われた理由を理解しようともせず,いつまでも病的に追い続ける中毒患者の悲しくて怖い内容だった。 ただし,物語の巻末近くに来るまでは,30歳を過ぎた離婚歴ありで心に傷を持つゆえに,二度と傷つくことは避けようと思いながらも,現状の小さな優しさや自分の居場所を守るために,好きな男に嫌われないようにとり続ける行動は,女性の弱さと強さの両面を描いていて頷ける部分も多かった。ただ,読んでいて彼女の心のどこかが病んでいるような,こだわりや自己保身が感じられたことは決して間違っていなかった。 「どうしてきらわれたのか分からない」学生時代から,結婚,そして現在に至るまで一貫して消えない彼女の心の病巣であろう。 女性の弱さと怖さが紙一重であることに何か重い宿題を課せられたような後味の悪い作品だった。そういう意味ではすごいと思う。 | ||||
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一言でいうと、ストーカー女性の内面を追った作品。中毒のように恋愛にはまっていく女性の狂気を丹念に描いている。けっこう長くて、しかも救いがない内容でカタルシスがないので、「何を期待して読むか?」が僕には疑問だが、ただテーマとしては興味深い。この作品では、主人公の水無月が、 1)なぜそのような狂気に苛まれる動機を持つに至ったか? 2)この後、彼女はどう生きていくのか? が、つまりは原因と結果がまだ「描ききられていない」ので、このテーマの次の作品が見たいと思う読者や評論家は、多いと思う。だから多分僕は、彼女の作品は、いくつか読むと思う。 ただ、このテーマを描くにあたって、同時代性や女性の共感を当てにしすぎていて「言葉による描写」というのは存外少ない。作者はもう少し勉強が必要な気がする。たぶん、時代的に「あーこれって私みたい」と思う女性は多いと思う。ただ、そういう共感という名の感性に支えられた作品は、時代を超えない。だから、もう一歩と思う。まだこのレベルで、大きな賞をあげるのは、早い気がする。といっても、この作品がいつの発表なのかとか文壇での地位は全然知らないで書いているんだけど。 また読んでいて、この主人公の被害者意識とこずるさに吐き気がした。 まず「全部受身」「男性と付き合うことがすべて自分自身のセラピー」 それは、甘すぎるよ。もっと世界と戦って、正々堂々と自分自身のほしいものを獲得すべきだ。全力で、野蛮ではあるけれども自分のほしいものを偽らず獲得しようと戦っている創路を、非常に「大人だ」と水無月が評するシーンがあるが、そのとおり。それが大人なんです。欲しいものは、自分で奪うしかないの。それを、主人公は頭でっかち(だから頭は中途半端に良いのだと思う)に考えてばかりいる。頭で考えすぎる人間は、心が狂うパターンがよくある。人間とは、頭と身体と感情の三位一体で構成されているといったのは、コリンウィルソン だが、主人公(=著者)は中途半端に頭に偏っている。だから、これだけ恋愛の話であるにもかかわらずSEX描写のシーンが、ほとんどなく、頭ではなく身体が感じる描写のシーンが物凄く少ない。これは、将来著者の最大の弱点になるような気がする。 とはいえ、全体としては、いい小説でした。個人的に、出てくる登場人物の性格が、ほとんど大嫌い(笑)なだけでした。 | ||||
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大人の小説。読んでいてそう感じた。恋愛をする女性の心理をここまで細やかに描いているなんて!作者は恋愛の達人では?きれいな恋愛の話ではない。どこか現実味のある話だから、引きつけられるのではないだろうか。しかし、女性遍歴豊かな男性にそこまで振り回されることもないのでは?読んでいてじれったい面もあった。 | ||||
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恋してる女はこわい。しかし、必死になると 自分もああなりかねない。という現実感のある 描写。これは一つのホラーだ。 そして文章のつくりも巧妙。色んな角度から 見た人物描写なので、一見ふつうのセリフも 不気味な背景があると気付いたりする。 美雨がボケとするなら、ツッコミをする 読者は頭を抱えてしまうほどの衝撃をおぼえる はずだ。 無邪気ってコワイ。 | ||||
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山本文緒の本の中で1番好きです。好き、というかなんというか。 1人の男を好きになりすぎて、嫌われたくなくて、そう苦しむ姿はすごく切なくて、目を背けたくなるくらい痛い。 『無理矢理ガムテープのようなものを胸から引き剥がされたような激しい痛みが走った』(一部抜粋) 表現がすごく分かる、分かるって思えて、水無月の恋愛には共感出来なくても、一緒になって切なくなりました。 自分が恋に苦しみ、弱っていた時の事が思い出されました。(これには全然及ばないけれど) この本を読んで、頭に浮かんだ人が今までに最もハマッた人なの、かも。 | ||||
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1年ごとに3回目の読み直しです。 ストーカー側の心理を書いているわけだけど その心理が読み手側にもあると気付いてしまうのが この小説の本当に怖いところです。 自分は真っ当人間だと思っていますが ブレーキをかけたり のめりこみそうな気持を別のものに昇華して かろうじてバランスをとっているだけなのかもしれないなぁ と思わされてしまいます。 男性陣との共依存関係もすごいです。このあたりは、若くて自信にあふれている頃だったら理解できなかったかもしれませんが、人は強さや美しさだけに引かれるものではないですからね。 山本文緒は天才ですねぇ~。 | ||||
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後半になって、語り手の異常さがじわじわと分かってくる。 自分には無縁と思っていたストーカーの彼女の心理や行動が、すごくよく分かる。 自分のことが書かれているような気になって、読んでいて切なくて泣きたくなった。 彼女が一生懸命だから余計に辛くて切ない。 行動に出さないだけで、皆、彼女のような独占欲や嫉妬の気持ちはあるだろう。 私自身ストーカーされたことがあって、あの恐怖は今でも忘れられない。あの状態になってしまった人とは話しても分かり合えない。 ただ、自分がそうなる時が来ないとも限らないな、と思ったら怖くなった。 | ||||
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この本のカバーってとってもセクシーなのに、中身が違ってちょっとびっくり。。あんまりにも違うから。。男の子の語りから入ったときはつまらなかったけど主人公が同じ職場の女性に変わってから面白くなった。。相手がサラリーマンではなくて、何人もの愛人がいる芸能人兼作家。。そしてオヤジ。。楽しいことしか考えない男と付き合うのは、20代だとはまらないかもしれないけど30代だとシリアスになる設定はなかなか女性の心をついていた。。ちょっと主人公のキャラがひねているが誰しも感じるところがあるかも。。最後の離婚の原因のくだりはちょっと拍子抜け。。 それでも、ちょっと考えさせられた内容ではありました。。 主人公に自分を置く人とぜんぜん違うと思う人と二分するかもです。 でも、たくさんでてくる女の中で主人公が一番捻くれててちょっと怖くて頭がいいのは認めざるを得ません。 | ||||
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もうこっちを見てはいない相手への、恋慕や執着を持て余して途方に暮れた経験のない人って、いるのだろうか。男の人はどうなのかわからないが。そういうどろどろって、そんな状況に陥っている当人の頭の中でさえも、「バカみたい」と可笑しくなるほどの陳腐な感情だ。 これは簡単に言ってしまえば、ストーカーの物語、ということになるのだろうが、そうやすやすと読者を放っておかないのが山本さんのすごいところだ。過剰で重苦しいはずの主人公の気持ちが、呆気にとられるほどあっさり淡々と語られていくのは爽快でさえある。 怖くて解くことのできなかった包帯の下から、まだ縫い目の残る傷口を露わにされ、あれよあれよという間に観察させられているような、不思議な読後感がのこった。私のように、ところどころ涙があふれてきてしまった人は、まちがいなく恋愛中毒の経験者か、もしくは予備軍にちがいない。 | ||||
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まず、文章構成と登場人物の人間描写の巧みさに感心。 冴えないおばさん事務員に元彼女のストーキングを丸く収めてもらえた ことに感謝し、ついおばさんの話に耳を傾けてしまう。化粧っけのない 年齢不詳の無愛想なおばさんは、ぽつりと離婚届を出した日の思い出を 始める。話し終わると放心したようにテーブルの一点を見つめる。 物語はここからスタート。 冴えない女、水無月は32歳離婚経験あり。 弁当屋でアルバイトをしながら翻訳の仕事をしている。 苦い離婚経験からもう2度と恋愛はするまいと誓って 地味にひっそりと生きてきたが、 ある日作家創路が客としてやってきてから、 水無月の人生は急展開をする。 自分が生きてきた世界とは無縁の華やかな、それでいて理解 不能な人間関係。しかし、水無月は泥沼にはまりこんでいく。 作家の愛人兼運転手として、ただひたすらに作家の奴隷として 忠誠心を尽くす。かつて夫に忠誠心を尽くしたように。 そして水無月は再び同じ過ちを犯してしまう。 巧みな心理描写と人間観察により、作者は 物語にリアリティを与えている。 この筆力には驚嘆する。だからこそ 多くの読者は物語に引き込まれ、一気に読み切ってしまう。 もう2度と恋愛はするまい、と誓った水無月が作家創路に 誘われてすぐ「やられてしまう」ところから夢物語は始まり 捨てられる恐怖から夢物語は狂気へと水無月を走らせる。 とても痛い恋愛だ。過ちを繰り返してしまうところも痛い。 恋愛の天国と地獄を見せつけられ読後感は悪い。しかし、 もう一度最初から読み返したくなるのは、作者の力だ。 故に星5つとします。 | ||||
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恋愛小説があまり得意でないので、ちょっと…、と思っていたけれど、恋愛小説というよりはスリリングなサイコな気がしました。 読書の遅い私もものすごい速さで進んで、なぜかこの人の本は読むととめられず、読む速度の遅い私は、全然寝れなくなるくらいでした。そもそも、最初に本からではなく、数年前に薬師丸博子がこのドラマ化をしていたのを見た気がします。そのとき鹿賀剛が確か相手役で、なんだかかっこよくうまく軽くできていて、それが忘れられなかったので、きっと原作もばぁ~~~っと進んだんではないかと思います。ドラマ的です。 | ||||
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初めて山本文緒の作品を読んだ。 眠る前のちょっとした時間だけの読書のつもりが 読み止めることが出来なくなってついつい最後まで読んでしまった。 恋にはまってしまっていくところは予想通り、しかし後半は予想しな かったエピソードに胸が突かれるのと同時に背筋が寒くなった。 彼女のしてしまったことが特異なこととは言い切れないし自分には 考えられないことだ!と突き放すことも出来ない。愛人という立場に いても、2部屋のアパート暮らしを続け、タクシーに乗ることにさえも 躊躇を覚えるつつましやかな彼女の生活と、歯止めをかけることが 出来ない独占欲。 変るものと変らないもの、変えられないものと変えられない自分、 同年代の女性としてグルグルと渦巻く気持ちが残った。 | ||||
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この本で山本文緒を知ったが、一気にファンになってしまった。 とてもうまくできている小説で、一度読み始めたら止まらなくなる。 読みすすめていくうちに、謎解きのように主人公、水無月のことが見えてきて、そのリアルさには目を見張った。 山本文緒が書く人物はとにかくリアルで、人間の美しい部分だけでなく、汚い部分もちゃんと書いているから、共感してしまうのだと思う。 構成も特徴があって、そこには綿密に練られたトリックのようなものを感じさせる。 最後の最後で、あっと言わせるような書き方をしている。 また、感情の書き方がうまい。 恋愛することで味わう苦しさ、みたいなものが伝わってきて、思わず泣いてしまった。 読んで損はない一冊です。 | ||||
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