怒り

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

怒りの評価:

3.68/5点 レビュー 203件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.68pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全405件 161〜180 9/21ページ
No.245
(4pt)

「悪人」には及ばないが、「パレード」などよりは遥に良い

吉田修一氏の「悪人」は娯楽性と明確かつ深遠なメッセージを兼ね備えた近年では最高レベルの小説であった一方、その後手に取った「パレード」は雰囲気だけで中身やメッセージが有りそうでない駄作であると感じた。
この著者の実力を測りかねているところで、映画化もあり話題になっているこの本を手に取ってみた。

出だしは、それぞれに相関関係の無い幾つかの物語が目まぐるしく並行して進み、また、相変わらず同性愛ネタも織り込まれ(ちなみにこの著者、異性間の性愛の描写は淡白で、寧ろ同性愛の描写の方に力が入っていると感じる。作者自身も同性愛の趣向が有るのであろうか)、それぞれの人物造形も今一つきめ細かさに欠け、中々入り込めなかった。

しかし、読み進め、大凡描かれているそれぞれの状況を把握出来たところで、次第に著者の伝えたい事が自然に入って来る様になり、下巻に入る頃には引き込まれ、一気に読了した。

「自分はいったい何に目をつぶろうとしていたのだろうか。目をつぶろうとしていたのはこの事件ではなく、自分や愛子の、期待できそうにない人生に対してだったのではないだろうか」。

人を(時には自分自身や身内ですら)信じる事の難しさ、相手を信じたいと言う願いに反し疑いが生じる時の苦しさ、愛する者への疑いが無実であった時の取り返しようの無い心の痛み、信じていたが故の裏切られた時の怒りと失望の凄まじさ。これらはある程度の人生経験を持った者には説得力を持って訴えかけてくると思う。

それでも、真実から目を背け、何かに目を閉ざした関係が何処かに辿り着ける事はなく、愛憎、信頼と疑いを表現しながら向き合わないと真の関係は築けない- ということだろうか。

また、他のレビュアーの方も書いておられたが、この小説において、山神の「怒り」の原因や殺人・奇行の動機を最後まで説明しなかった事については私も妥当であると思う。
世の中には、狂った怒りや理不尽な悪意を抱えている人達が存在するのだ。
サスペンスドラマの様な万人が納得出来るような動機のみが犯罪を生むなら、近年の猟奇的かつ無意味に残虐な犯罪など起きようが無い。
怒り(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(上) (中公文庫)より
4122062136
No.244
(4pt)

名作「悪人」には及ばないが、「パレード」などよりは遥に良い

吉田修一氏の「悪人」は娯楽性と明確かつ深遠なメッセージを兼ね備えた近年では最高レベルの小説であった一方、その後手に取った「パレード」は雰囲気だけで中身やメッセージが有りそうでない駄作であると感じた。
この著者の実力を測りかねているところで、映画化もあり話題になっているこの本を手に取ってみた。

出だしは、それぞれに相関関係の無い幾つかの物語が目まぐるしく並行して進み、また、相変わらず同性愛ネタも織り込まれ(ちなみにこの著者、異性間の性愛の描写は淡白で、寧ろ同性愛の描写の方に力が入っていると感じる。作者自身も同性愛の趣向が有るのであろうか)、それぞれの人物造形も今一つきめ細かさに欠け、中々入り込めなかった。

しかし、読み進め、大凡描かれているそれぞれの状況を把握出来たところで、次第に著者の伝えたい事が自然に入って来る様になり、下巻に入る頃には引き込まれ、一気に読了した。

「自分はいったい何に目をつぶろうとしていたのだろうか。目をつぶろうとしていたのはこの事件ではなく、自分や愛子の、期待できそうにない人生に対してだったのではないだろうか」。

人を(時には自分自身や身内ですら)信じる事の難しさ、相手を信じたいと言う願いに反し疑いが生じる時の苦しさ、愛する者への疑いが無実であった時の取り返しようの無い心の痛み、信じていた故の裏切られた時の怒りと失望の凄まじさ。これらはある程度の人生経験を持った者には説得力を持って訴えかけてくると思う。

それでも、真実から目を背け、何かに目を閉ざした関係が何処かに辿り着ける事はなく、愛憎、信頼と疑いを表現しながら向き合わないと真の関係は築けない- ということだろうか。
また、他のレビュアーの方も書いておられたが、この小説において、山神の「怒り」の原因や殺人・奇行の動機を最後まで説明しなかった事については私も妥当であると思う。
世の中には、狂った怒りや理不尽な悪意を抱えている人達が存在するのだ。
サスペンスドラマの様な万人が納得出来るような動機のみが犯罪を生むなら、近年の猟奇的かつ無意味に残虐な犯罪など起きようが無い。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.243
(4pt)

「悪人」には及ばないが、「パレード」などよりは遥に良い

吉田修一氏の「悪人」は娯楽性と明確かつ深遠なメッセージを兼ね備えた近年では最高レベルの小説であった一方、その後手に取った「パレード」は雰囲気だけで中身やメッセージが有りそうでない駄作であると感じた。
この著者の実力を測りかねているところで、映画化もあり話題になっているこの本を手に取ってみた。

出だしは、それぞれに相関関係の無い幾つかの物語が目まぐるしく並行して進み、また、相変わらず同性愛ネタも織り込まれ(ちなみにこの著者、異性間の性愛の描写は淡白で、寧ろ同性愛の描写の方に力が入っていると感じる。作者自身も同性愛の趣向が有るのであろうか)、それぞれの人物造形も今一つきめ細かさに欠け、中々入り込めなかった。

しかし、読み進め、大凡描かれているそれぞれの状況を把握出来たところで、次第に著者の伝えたい事が自然に入って来る様になり、下巻に入る頃には引き込まれ、一気に読了した。

「自分はいったい何に目をつぶろうとしていたのだろうか。目をつぶろうとしていたのはこの事件ではなく、自分や愛子の、期待できそうにない人生に対してだったのではないだろうか」。

人を(時には自分自身や身内ですら)信じる事の難しさ、相手を信じたいと言う願いに反し疑いが生じる時の苦しさ、愛する者への疑いが無実であった時の取り返しようの無い心の痛み、信じていたが故の裏切られた時の怒りと失望の凄まじさ。これらはある程度の人生経験を持った者には説得力を持って訴えかけてくると思う。

それでも、真実から目を背け、何かに目を閉ざした関係が何処かに辿り着ける事はなく、愛憎、信頼と疑いを表現しながら向き合わないと真の関係は築けない- ということだろうか。

また、他のレビュアーの方も書いておられたが、この小説において、山神の「怒り」の原因や殺人・奇行の動機を最後まで説明しなかった事については私も妥当であると思う。
世の中には、狂った怒りや理不尽な悪意を抱えている人達が存在するのだ。
サスペンスドラマの様な万人が納得出来るような動機のみが犯罪を生むなら、近年の猟奇的かつ無意味に残虐な犯罪など起きようが無い。
怒り(上) Amazon書評・レビュー: 怒り(上)より
4120045862
No.242
(4pt)

映画でどう表現するのか興味深い

上下読破しました。

全く関係ない土地、全く繋がりのない3人の人間模様が、段落が変わるたびにテンポよく入り乱れる構成となっています。
どの男が犯人なのか、あれこれ推測させられる中、人を信じることの大切さ、愚かさも考えさせられます。

最後は思いもよらぬ結末となり、自分としては何か引っかかるものは残りますが、人間の心情が手に取るように如実に描かれる吉田修一さんならではの作品ですね。

映画では、この入り乱れる構成をどう1本の映画に収めたのか、とても興味深いです。
怒り(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(上) (中公文庫)より
4122062136
No.241
(4pt)

映画でどう表現するのか興味深い

上下読破しました。

全く関係ない土地、全く繋がりのない3人の人間模様が、段落が変わるたびにテンポよく入り乱れる構成となっています。
どの男が犯人なのか、あれこれ推測させられる中、人を信じることの大切さ、愚かさも考えさせられます。

最後は思いもよらぬ結末となり、自分としては何か引っかかるものは残りますが、人間の心情が手に取るように如実に描かれる吉田修一さんならではの作品ですね。

映画では、この入り乱れる構成をどう1本の映画に収めたのか、とても興味深いです。
怒り(上) Amazon書評・レビュー: 怒り(上)より
4120045862
No.240
(1pt)

詰まらない

もう少しスリリングで犯人の人物像が描かれるかと期待したのですが、読み終わってがっかり。モデルになった事実の事件の方がよほど興味深い。この作者の小説はもう読まない。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.239
(1pt)

詰まらない

もう少しスリリングで犯人の人物像が描かれるかと期待したのですが、読み終わってがっかり。モデルになった事実の事件の方がよほど興味深い。この作者の小説はもう読まない。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.238
(5pt)

繊細な人物描写

登場人物が多い話なので感情移入ができるのか疑問でしたが、読み始めるとぐいぐい引き込まれ、読み終わった後は全ての人の続きが気になり、乗り越えて頑張って!!とエールを送りたくなるほど全員に感情移入していました。
この小説の意外なところは、結局メインの八王子事件の背景や「怒り」の理由が分からず、犯人に同情ができない点でした。
こうした不気味な絶対悪を背景に、3人の身元不明者が登場しますが、はっきりと犯人が分かるまでは3人ともかなり怪しく見えてしまいます。
結局、罪を犯す悪人も心に傷を負った繊細な若者も、端から見るとなかなか区別がつかないということです。
猟奇的な犯罪が増え、疑心暗鬼が増える現代社会で、信じることの難しさを考えさせられました。
個人的に、直人の愛想のない中にも優しさがにじみ出るキャラクターが好きで、ゲイカップルの結末には電車の中で涙してしまいました。
また、愛子を思う父親の繊細な気持ちにも共感しました。
メインの殺人事件は救いのない終わりでしたが、3つの話はそれぞれ社会的マイノリティに対する周囲の優しさが感じられ、救いの全くない話ではなく、心の温まるエピソードもあり好きな小説でした。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.237
(5pt)

繊細な人物描写

登場人物が多い話なので感情移入ができるのか疑問でしたが、読み始めるとぐいぐい引き込まれ、読み終わった後は全ての人の続きが気になり、乗り越えて頑張って!!とエールを送りたくなるほど全員に感情移入していました。
この小説の意外なところは、結局メインの八王子事件の背景や「怒り」の理由が分からず、犯人に同情ができない点でした。
こうした不気味な絶対悪を背景に、3人の身元不明者が登場しますが、はっきりと犯人が分かるまでは3人ともかなり怪しく見えてしまいます。
結局、罪を犯す悪人も心に傷を負った繊細な若者も、端から見るとなかなか区別がつかないということです。
猟奇的な犯罪が増え、疑心暗鬼が増える現代社会で、信じることの難しさを考えさせられました。
個人的に、直人の愛想のない中にも優しさがにじみ出るキャラクターが好きで、ゲイカップルの結末には電車の中で涙してしまいました。
また、愛子を思う父親の繊細な気持ちにも共感しました。
メインの殺人事件は救いのない終わりでしたが、3つの話はそれぞれ社会的マイノリティに対する周囲の優しさが感じられ、救いの全くない話ではなく、心の温まるエピソードもあり好きな小説でした。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.236
(3pt)

なぜ怒りなのか?

作家のテクニックは高いと感じますが、上巻は人物設定の説明に終始しておりいささか退屈。
登場人物の優馬に関しては作家の強い共感が感じられましたが、その他の人物たちはあまり生きておらず魅力的ではなかった。優馬の話だけでも良かったと思うけど、それだと映画にならないか。
下巻になると物語がどんどん進行するので面白いです。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.235
(3pt)

なぜ怒りなのか?

作家のテクニックは高いと感じますが、上巻は人物設定の説明に終始しておりいささか退屈。
登場人物の優馬に関しては作家の強い共感が感じられましたが、その他の人物たちはあまり生きておらず魅力的ではなかった。優馬の話だけでも良かったと思うけど、それだと映画にならないか。
下巻になると物語がどんどん進行するので面白いです。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.234
(4pt)

敢えての判らなさ・・なのかも。

ゲイの話でよもや泣くとは思わなんだ。。
まあ、ゲイだけではないんだけど。
結局、血文字の理由は判らない。 小説なんだからそこは判るように書いてよーとも思いつつ、いや、全ての怒り、作者自身の怒り、なんじゃないかと思い直した。 こういう理由で・・と、一つに絞るんではなく、敢えて不透明にすることでの怒りは、読後に読者の心に、それぞれの理由で、ずん、とくるのではないか、と。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.233
(4pt)

敢えての判らなさ・・なのかも。

ゲイの話でよもや泣くとは思わなんだ。。
まあ、ゲイだけではないんだけど。
結局、血文字の理由は判らない。 小説なんだからそこは判るように書いてよーとも思いつつ、いや、全ての怒り、作者自身の怒り、なんじゃないかと思い直した。 こういう理由で・・と、一つに絞るんではなく、敢えて不透明にすることでの怒りは、読後に読者の心に、それぞれの理由で、ずん、とくるのではないか、と。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.232
(2pt)

この構成では十分な人物描写ができない

「悪人」で描かれた犯人像は、私達の隣にいるような、ごく普通の人間であった。
本作では、一見ありふれていて健全にさえ思える人間に秘められた狂気がテーマである。
殺人を犯す人間の内面を、もう一歩踏み込んで描いた意欲作である。
「悪人」では、私達と殺人犯を隔てる境界は曖昧だ。ふとしたボタンの掛け違いで、私達は向こう側へ滑りゆく。
「怒り」では、狂気という明瞭な境界線が引かれている。殺人は、ある種の異常があって成立するものだ。
どちらも真理であろう。人間の性質を選ばない。
犯人は誰?
3つの場面に疑わしい人物を配置させ、同時に展開させながら、
読者を物語に引き込む手法はテクニカルでエンターテインメントとしてはおもしろいが、
構成上、犯人の人間像の陰影が浅く、狂気の内実が十分に描き切れていない。
この手法の最大の欠陥を、残念ながらリカバーできていない。
3つの場面が同時展開されていくため、それぞれの登場人物の描写に深みが欠けていて、
小説全体として薄っぺらな印象を与えている。
書き残された「怒り」の二文字に吉田氏は意味を与えていない。
その点は大いに評価したい。
狂気の象徴である「怒り」に意味なんてもともと無いのだ。
書き遺された「怒り」に意味は無い。
それが狂気そのものなのだ。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.231
(2pt)

この構成では十分な人物描写ができない

「悪人」で描かれた犯人像は、私達の隣にいるような、ごく普通の人間であった。
本作では、一見ありふれていて健全にさえ思える人間に秘められた狂気がテーマである。
殺人を犯す人間の内面を、もう一歩踏み込んで描いた意欲作である。
「悪人」では、私達と殺人犯を隔てる境界は曖昧だ。ふとしたボタンの掛け違いで、私達は向こう側へ滑りゆく。
「怒り」では、狂気という明瞭な境界線が引かれている。殺人は、ある種の異常があって成立するものだ。
どちらも真理であろう。人間の性質を選ばない。
犯人は誰?
3つの場面に疑わしい人物を配置させ、同時に展開させながら、
読者を物語に引き込む手法はテクニカルでエンターテインメントとしてはおもしろいが、
構成上、犯人の人間像の陰影が浅く、狂気の内実が十分に描き切れていない。
この手法の最大の欠陥を、残念ながらリカバーできていない。
3つの場面が同時展開されていくため、それぞれの登場人物の描写に深みが欠けていて、
小説全体として薄っぺらな印象を与えている。
書き残された「怒り」の二文字に吉田氏は意味を与えていない。
その点は大いに評価したい。
狂気の象徴である「怒り」に意味なんてもともと無いのだ。
書き遺された「怒り」に意味は無い。
それが狂気そのものなのだ。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.230
(2pt)

この構成では十分な人物描写ができない

「悪人」で描かれた犯人像は、私達の隣にいるような、ごく普通の人間であった。
本作では、一見ありふれていて健全にさえ思える人間に秘められた狂気がテーマである。
殺人を犯す人間の内面を、もう一歩踏み込んで描いた意欲作である。
「悪人」では、私達と殺人犯を隔てる境界は曖昧だ。ふとしたボタンの掛け違いで、私達は向こう側へ滑りゆく。
「怒り」では、狂気という明瞭な境界線が引かれている。殺人は、ある種の異常があって成立するものだ。
どちらも真理であろう。人間の性質を選ばない。
犯人は誰?
3つの場面に疑わしい人物を配置させ、同時に展開させながら、
読者を物語に引き込む手法はテクニカルでエンターテインメントとしてはおもしろいが、
構成上、犯人の人間像の陰影が浅く、狂気の内実が十分に描き切れていない。
この手法の最大の欠陥を、残念ながらリカバーできていない。
3つの場面が同時展開されていくため、それぞれの登場人物の描写に深みが欠けていて、
小説全体として薄っぺらな印象を与えている。
書き残された「怒り」の二文字に吉田氏は意味を与えていない。
その点は大いに評価したい。
狂気の象徴である「怒り」に意味なんてもともと無いのだ。
書き遺された「怒り」に意味は無い。
それが狂気そのものなのだ。
怒り(上) Amazon書評・レビュー: 怒り(上)より
4120045862
No.229
(2pt)

この構成では十分な人物描写ができない

「悪人」で描かれた犯人像は、私達の隣にいるような、ごく普通の人間であった。
本作では、一見ありふれていて健全にさえ思える人間に秘められた狂気がテーマである。
殺人を犯す人間の内面を、もう一歩踏み込んで描いた意欲作である。
「悪人」では、私達と殺人犯を隔てる境界は曖昧だ。ふとしたボタンの掛け違いで、私達は向こう側へ滑りゆく。
「怒り」では、狂気という明瞭な境界線が引かれている。殺人は、ある種の異常があって成立するものだ。
どちらも真理であろう。人間の性質を選ばない。
犯人は誰?
3つの場面に疑わしい人物を配置させ、同時に展開させながら、
読者を物語に引き込む手法はテクニカルでエンターテインメントとしてはおもしろいが、
構成上、犯人の人間像の陰影が浅く、狂気の内実が十分に描き切れていない。
この手法の最大の欠陥を、残念ながらリカバーできていない。
3つの場面が同時展開されていくため、それぞれの登場人物の描写に深みが欠けていて、
小説全体として薄っぺらな印象を与えている。
書き残された「怒り」の二文字に吉田氏は意味を与えていない。
その点は大いに評価したい。
狂気の象徴である「怒り」に意味なんてもともと無いのだ。
書き遺された「怒り」に意味は無い。
それが狂気そのものなのだ。
怒り(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(上) (中公文庫)より
4122062136
No.228
(3pt)

面白いけれど後味があまりよくない

一気に読め、読書の楽しさを味わうことができました。
信じることの難しさと怖さが描かれている作品です。
ただ、読後感はあまりよろしくありません。
人間の暗い部分に目を向けたいときは、おすすめの作品です。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.227
(4pt)

『信じる』とは何か?ということを考えさせられました

信じる・信じれない・裏切り・疑う
愛する人に対してのこのような言葉・感情に翻弄される人々を見て
何なんだろうと辛くなりました
信じることと人の強さは一緒だろうか?と自分に問いかけた1冊です
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.226
(3pt)

面白いけれど後味があまりよくない

一気に読め、読書の楽しさを味わうことができました。
信じることの難しさと怖さが描かれている作品です。
ただ、読後感はあまりよろしくありません。
人間の暗い部分に目を向けたいときは、おすすめの作品です。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870