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県庁おもてなし課
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県庁おもてなし課の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 21~29 2/2ページ
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有川さんの女性観というか、女性キャラの特徴である、 キレやすいことと意志の強さが同じものだとされていて、 モノローグの口汚さが現代女性の特徴とされているところは 従来の有川作品と同じなんですが、 今さら地方の行政の遅れっぷりや 役人のどうしようもなさを書いてもなあ… 取材はされたんでしょうし、それがある種のウリにもなってるんでしょうが、 題材は古いし、キャラもキャラの絡みも有川ルーティンですね。 ストーリーテラーとしてページをめくらせる力では 日本有数だと思っているのですが、 有川さんの小説を読んで、面白くないと思ったのはこれが初めてです。 作家としての枠を広げるためとか、目的もあるかと思うんですが、 編集の企画に乗るような仕事より、作家的なモチベーションで 小説を書いたほうがもっと面白いものを書いてくれるんじゃないかと 思いました。 なんだかんだ辛口になってしまいましたが、 まだお若い人だと思いますし、もっともっと面白い小説を書いてくれると うれしいです。 | ||||
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民間感覚とかえらそーなこといってるけど、この本自体、読者を置き去りにして、「たんに自分がそう思った」というだけの根拠でのアイディアを押しつけてるんじゃないだろうか。たしかに作家先生のおっしゃることだから、県庁の人はご意見を拝聴してくださるだろうけれど、その意見が受け入れられるのはあくまで自分がそういう権威を持つようになってきているからだ、ということを自覚した方が良いと思う。一民間人の意見として、あるいはプロの観光カウンセラーとしてのアイディアとして素晴らしいからだなんて決して思い込んではいけない。 さらに言うなら、お役所が拙速をさけ、きちんとルールを重んじることには、ちゃんと必要性があるからだということを彼女は知るべきだ。公務員がルールを外れて勝手な自己判断で動き始めてしまうとき、それをたとえば独裁者のような人が利用したらどんなことになってしまうのか、歴史を学んでほしい。そこまでいかずとも、そこに権力がある限り、たとえば贈収賄の問題など、いつでも起こりうるのだということ。 素人のいい加減な意見で県庁を振り回すことが、害悪でしかないことを自戒し、もっときちんと勉強してほしい。 | ||||
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知り合いの公務員達が本書を扱き下ろしているので読んでみた。 公務員が怒るのも無理はない。 小説(作り話)と事実の線引を曖昧にしておいて、公務員の愚かさを罵るような表現が目立つ。 公務員が愚かな事実は確かにあるが、著書の表現は軽蔑に満ちていて、公務員と読者をも不快にさせる。 巻末の鼎談で、著者が「私は読者目線で書いた」と自慢してるが、すごい勘違い! ストーリーの構成力は非常に高い。さすが売れっ子作家! だから、水が流れる如く自然に読める。その結果、多くの読者は 「公務員の愚かさ」を疑いもせず自然に納得してしまう。 卑怯な方法だ! | ||||
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有川さんの文章力や構成力にはいつも感心しており、今回の作品も読みやすく、よくまとまっていたと思います。今回は「県庁」という、あまり題材にはなりづらい所や、有川さんの故郷をテーマとしている点に惹かれて購入しました。 全体的には、いつもの有川節で軽快に読めるものの、人間描写や公務員の問題点への掘り下げ方が浅く、観光問題にも正面から取り組んだか疑問に思えます。まるで、学生のレポートに有川さんの恋愛小説を合体させたかのような中途半端な印象を受けました。後の対談で「高知の観光大使として一番貢献できることが小説を書くこと」と語られていますが、やや「企画モノ」感は否めませんでした。しかし、この小説を読んで高知の宣伝になったかは疑問に思います。私もよく高知を訪れますが、日曜市や馬路村などの光景が小説からはほとんど伝わってこないのです。他の方もコメントされておられますが、有川さんの公務員に対する悪いイメージばかりが強く反映されすぎた結果、掘り下げるべき公務員や観光問題点、人間描写があまり語られていないのが残念でした。 ただ、リズムやスピード感はよく、特に父親の世迷い言?である「パンダ誘致論」が上手く取り込んでいるところは流石だと思いました。「story seller3」の短編のように、おちゃらけた作品にしても面白かったのではと思います。 「恋愛小説」のみを期待する人にはオススメ出来ますが、公務員問題や観光問題などにも期待する方にはオススメ出来ない作品です。 | ||||
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公務員批判の時代だからこそ売れるのだなと思いました。 掛水の成長や、吉門らとの信頼関係の構築、掛水や多紀の恋愛は、人間的な心の交流・成長・歩み寄りが含まれていて面白かったです。 ただ、なんか心に引っかかる。なんか、後味が悪い。ああ楽しかったというような前向きな気分になって読み終わることができない。 それは巻末の対談を読んだとき、「ああ、もしかしてこのせいかな」と思いあたりました。 一見ハッピーエンドに見せつつも、これは有川浩さんからの著書を使った公務員批判だったのだと気付きました。 有川さん自身は、歩み寄る姿勢を見せているふりをしながら、実は高知県をアピールできればよくて、内心からは県庁に歩み寄っていない。 そのことが作品に滲み出ていたから、読み終わった後、嫌ーな感じがしたのだと思いました。 作中の登場人物のようには、県庁を心からは認めてあげられなかった。実際の人間とはそういう小さい生き物ですよね。 本の帯に15万部突破と書いてあったので、話題を読んだ作品なのだと思います。 でも、後味が悪いです。 例えば、ブッシュがイラク戦争をブラックジョークにしたときに笑った人のような、後味の悪さだったと思います。 公務員批判・お役所批判の立場に立つことに疑問を持たない人にであれば、おすすめします。 | ||||
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公務員の仕事を知らない人が書くとこうなるのだな。と思った。 結局、公務員を批判しておけば売れる。そう思ってるのだなと感じた。 “悲しいまでに「公務員」なのだ”というような、公務員をなめているとしか思えない表現を見て、やっぱりな、と思った。 公務員として働いたことのない人が(アルバイトは含まない。アルバイトで任される仕事は公務員の仕事のすべてではないから)、公務員の仕事の本当の姿を知りもしないで、勝手なイメージできめつけて無責任に描くことがどれほど罪なことか、もっと筆者には自覚を持ってほしい。この作家の作品は、文章は洗練されていないけれどけっこう熱意があふれてて好きだった。でも、なんだかこのごろ、「熱意」と言うよりヒステリックにわめいてるように思えてしまうのは気のせいか? だから読んでいて疲れるし、何様?といいたくなるような表現も目につくし、文章の「幼さ」がよけいに鼻につく。 気に入らなければ、読まなければいいだけの話だから、もう読むまいと思うが、好きな作家さんだったので、残念でならない。 | ||||
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面白いところもためになるなと思ったところもぐっときたところもあったけど、佐和さんの行動を割と周囲がスルーしているのが引っ掛かりました。 あの年齢で客商売もしているのに、過去の因縁があるとはいえ、直接それにかかわったわけでもない相手に水かけるわひっぱたくわとやりたい放題。 訪ねてきたのが怖そうな顔の年配の相手でも同じように対応するのかな、と思ったら親の威を借りて若い男の子相手に八つ当たりしているだけにしか思えませんでした。 県庁に怒鳴り込むくだりもヒステリックで、それでどうにかなると思っているのなら精神的に未熟だとしか思えないし、ただ言いたいだけだとしたらそれもどうかと。 苦労知らずなわけでもないはずなのに、この短気さというか感情的な行動はちょっと納得しかねました。 後半やたら作中キャラが『かわいい』連呼しているのもなんだか読んでいて食傷気味になりました。 最近発行された有川さんの本はどれもわたしには理解できない漫才の世界のようで、自分に酔っている気がします(キケンとかシアター!とかストーリー・セラーとか特に)。 以前の本の方がもっと作者の意図を露骨には感じさせていなくて、小説らしかった。 『笑うところ』『感動するところ』信号がところどころでともっているようで、それがあからさますぎてそれを感じるたびにどこかさめてしまいます。 いいレビューが多いので少数派の意見かとは思いますが。 | ||||
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『小説に見せかけた啓蒙書』があふれかえる昨今、これは『啓蒙書に見せかけた小説』という実に珍しいものである。 大ベストセラーとなった「もしドラ」のように、この本もまた順調な売り上げを得ている。 その理由は本の中に書いてあった。「女を釣ればうまくいく」まさにそのとおりの効果が出ているのだろう。 登場人物たちは決して女性を不快にするようなことを言わないしやらない。 そしてそれこそが男の価値の全てであるかのようなファンタジー世界を描いたのが、この本である。 江戸時代に醜い男だけが死ぬウィルスが蔓延した、などという突拍子も無い世界観を持ち出すまでもなく、現代日本に近い世界で違和感なくそれをやってのけるのだからすごい。有川浩という作家の腕が遺憾なく発揮されている。 また、対象読者を広く見ているため、平易な思考と言葉、そして分かりやすい文を心がけてあるのも売りの一つだ。 たとえば、登場人物が何歳であろうとも「男の子」「女の子」と呼ばわるよう地の文も台詞も統一されているため、対象年齢の下限を広めにとっていることもうかがえる。 まさにこれこそが「女性を釣る」という行為なのだろう。作者の有言実行さには舌を巻くばかりだ。 それは上に挙げたものに留まらない。 男同士の友情もまた、この小説の大きな要素だ。 敏腕かつ口の悪い小説家が、県庁勤務のエリートに世の中の道理を教えてやると、それに感動したエリートが「この方に全てを教えてもらうべきだ」と言い出し、恋に仕事に大張り切りする場面など、見ていて微笑ましい。 しかしその微笑ましい彼がラスト付近では小説家のことを「可愛い」と考えるところなど、その成長振りと、ある方面での男同士の熱い友情がクライマックス。 これが女性に受けないはずがない。 最後に、これからビジネス書も読んでみよう、と思った方はウォーレン・バフェットの本などはどうであろうか。 参考までにその内容の一部を引用しておく。 「ある人が「靴のボタン」というごく狭い市場を席巻した。すると、その人はあらゆる物事について一家言持つようになり、よく知らない物事についても専門家を気取るようになってしまった」 新聞やラジオなどで聞き覚えのある人もいるだろう。 ビジネス書には人生で使える言葉もたくさんある。この本を機会に他の分野についても興味を持ってみてはいかがだろうか。 | ||||
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まず、最初に有川さん大好きです。 ただ、どれもそんなに深い話ではないので単行本になるまで買わない派でした。 だから、ハードカバーだけの作品は今まで未読です。 にも関わらず、色々な作品を読む内に気付いたら今作「県庁おもてなし課」はハードカバーで買ってしまってました・・・ さて、有川さんの作風ですが奇をてらったプロットと独特の暖かい文章勝負で、キャラクターの描写は非常に弱いと思っています。 かき分けが全作品で5人くらいしか出来ていなくて、どの作品読んでもその5人を転用している感じです。丁度キムタクが何役やってもキムタクにしか見えない様に。 じゃあ何故、こんなにはまるのか? それはやはり、ご本人も言われている通り、浅いからこそ「こういう展開になってほしい」「こういう人であってほしい」と言うのを外さないからだと思います。(逆に、だから人物描写が浅いのは必然かもしれません) 奇をてらったプロット、今回は実在のおもてなし課がモデルではありますが、実話を元にここまでのレベルの小説に仕立て上げる企画力と「パンダ誘致論」とそれにまつわる清遠一家の物語をそこに挿入するセンスがまさに有川節です。 まさに毎度「A君かっこいい」「B君なんでそんなんなの?」「Cちゃん可愛すぎる」の繰り返し、 ストーリーも意外性は有る物のわざと起伏を消そうとしている感じ。 なんかその書き方も、文章で起伏を作るのが力技だったら、有川さんの場合は技とは分からない小技でいつの間にかハラハラドキドキさせられている様で憎い。 心に大きな物は残さないかもしれないけど(人によっては残るでしょうが普通の大人は残らないと思います。)ああ、読んでよかったな、読んだ時間が幸せだったな、とまるで酒やタバコの様な嗜好品の様に癖になる魅力です。 そんな幸せな読書がしたい人におすすめです。 ちなみに本作の出来には何の文句もございません。 他の作品と比べてどうか、というのも彼女の作品は甲乙つけがたく、順位が付けにくい性質の作品が多いです。 でも初期の作品より今の作品の方が「泣ける度」は高く(文章力が付いたというよりも、比重をそちらに置いた?感じがします。)、今作も非常に泣けます、また泣ける場面が「そんなのずるいじゃないか」と有川キャラになりきって心の中で突っ込みたい気持ち満載になれる作品です。 彼女は「大人も読めるライトノベル作家」を自称されてますが、本当のライトノベルを読んだ事が無いのでそれに対する評価は私には出来ません。 ただ、一般の作家さんとしては非常に杞憂な存在である事は間違いないと思います。 目指す空気感が同じ作家さんは多数いるでしょうが、ここまでの完成度とセンスを持って、 高レベルの作品を量産出来る人は他に私は知りません。 しかし、いわゆる小説として読むと表面上の浅さのせいでしっくりこない人も多いかと思います。 ただ、大人の男性でも「ミステリー」や「ハードボイルド」「ヒューマン」「青春」などの先入観が無く読んだ場合にはかなりの確率ではまると思います。周りに言えない隠れファンになる事必至です。 既存のファンの方、またこれから読む方は有川さんがわかっていて読む方が多いと思います。 だからこそ、新しい層の(具体的には20代以上の男性)方に読んでほしくてこれを書きました。 だから皆さんの目に止まる様に最低ランクをあえて付けてしまいます(反則ごめんなさい、でも有川さんの本はこれから何百と高ポイントのレビューと評価が付くでしょうから許して下さい)目に留まった有川浩未読の20代以上男性の方、是非読んでみて下さい。 | ||||
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