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キャパの十字架
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キャパの十字架の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全74件 61~74 4/4ページ
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まず、ロバート・キャパのドキュメントであり、 つぎに[崩れ落ちる兵士]をめぐるノンフィクションであり、 全体は、それを調査し推理する沢木耕太郎によるミステリーです。 短い節だてのもと、新たな事実がテンポ良くあきらかになっていく展開には釘付けになります。 事実が小説より奇なのか? いえ、著者の構成のうまさでしょう。 可能なら、ぜひGoogleストリートビューやGoogle Earthをお使いください。 あの山なみやその他、著者の発見や出会いのいくつかを、確認にして追体験できます。 | ||||
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「ラジオ版学問ノススメ」での沢木さんのインタビューを聴き、大変興味をそそられて翌日さっそく購入。 グイグイと引き込まれて数時間で読了。 インタビューで大体の本の方向性はわかっていたのに、そこに至るまでの推理と洞察、検証、そして行動力にため息がでました。 1枚の写真(実際はセットになっている写真も含め)から、これだけのことがわかる、ということに驚きを禁じえません。 そして、この写真によってキャパがその後ずっと背負うことになったものの重さに、ただ圧倒されます。 「ラジオ版・・・」での沢木さんは「答え」を明かしているのですが、沢木さんがなぜそこまでキャパにシンパシーを感じているのかは、本書にもさらっと触れられていますが、インタビューのほうがよく伝わります。 本と、インタビューと、両方お勧めします。 「ラジオ版学問ノススメ」サイト [...] | ||||
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中学生時代にテロルの決算を読んで以来、30年来の沢木作品ファンです。 ここしばらく、沢木さんの作品を読んでも、学生時代に食事代をケチってハードカバーで買ってむさぼり読んだ あの沢木作品の圧倒的な面白さを感じられずにいました。 少し薄味になってしまったというか。 この「キャパの十字架」は、「これこれ、これだよ!」という面白さでした。 何度もの取材から、事実を1ピース1ピース拾い集め、キャパの伝説の1枚の背景にある真実を推理し 炙り出していく過程は本当に面白かったです。 沢木さんご自身がロバート・キャパを敬愛しているという空気が全編に流れており 謎を解き明かしていくという行為に嫌らしい感じがありませんでした。 ノンフィクション好き、沢木さん好き、ロバート・キャパ好き、どの方も楽しめる作品ではないでしょうか? しばらくぶりにロバート・キャパの「ちょっとピンぼけ」が読みたくなり、アマゾンで買うことにしました。 | ||||
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この書籍のために3回もスペインを訪ね、フランスの古書店をまわり、アメリカにもとぶ。 本を読む人に、写真の見方を教える。 力作とも言えます。 文章は読み易く、内容は濃く、ノンフィクション作家の面目躍如です。 | ||||
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キャパの神話をはぐ試み。 とにかく、探偵小説のように、 新たな事柄がつぎつぎとわかっていく半面、 それと同じくらい新たな疑問が湧き起る。 このもつれた糸を、 沢木耕太郎が、ひとつ、ひとつ、 足をつかい、手をつかい、頭をつかいながら、 解いていく写真探偵ノンフィクション。 得られた事実もさることながら、 沢木耕太郎のねばりに、感服。 | ||||
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説得力のある推理で、ぐんぐん読む者を引き込みます。キャパの悲しみも感じ取る事が出来ます。 | ||||
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当時、若き無名のカメラマンに過ぎなかったロバート・キャパを一躍、有名写真家に押し上げたのは、スペイン内戦の戦場で撮った一枚の写真であった。「ライフ」の1937年7月12日号に掲載された「崩れ落ちる兵士」の写真に、これは本当に敵に撃たれた兵士なのか、この写真を撮ったのは本当にキャパなのか、という疑問を抱いた日本人がいる。 『キャパの十字架』(沢木耕太郎著、文藝春秋)は、著者がこの謎をとことん追いかけ、遂に真実に辿り着くまでのドキュメントである。この著作は推理小説的な一面も有しているので、これから読む読者の興を削がないよう、結論は伏せておく。 「崩れ落ちる兵士」の写真が撮られた直後であろう、避難してくる大勢の人々とは逆方向に向かって並んで歩いていくキャパとその恋人で写真家のゲルダ・タローの後ろ姿――仲間のカメラマンが撮った写真に二人が写っている。翌年、ゲルダが戦車の暴走に巻き込まれて落命してしまうことを知っているだけに、何とも言えない気持ちに襲われる。 この書の中で、キャパと世紀の大女優、イングリッド・バーグマンの恋について、著者が言及している。この件は、かなり正直に綴られたバーグマンの自伝『イングリッド・バーグマン マイ・ストーリー』(イングリッド・バーグマン、アラン・バージェス著、永井淳訳、新潮社。出版元品切れだが、amazonで入手可能)の中では、こう記されている。「イングリッドと会ったとき、彼女より1歳上の31歳になるロバート・キャパは、人目を惹きつける独創的な人間だった。精力的で、意欲的で、世間知にもたけた国際人でありながら、皮肉な冗談を好んで口にしたにもかかわらず、本質は傷つきやすい心の持主だった。濃い眉毛の下のきらきらした黒い目、魅力的なアクセント、生きいきしたユーモアのセンス、人間や権力を巧みに操って自分の気分にマッチさせる能力といったものが、彼を人気者に仕立てていた」、「わたしは彼(キャパ)のそばにいたかった。彼は冒険家で、自由を愛する人間だった。金は彼にとって重要ではなく、おそろしく気前がよかった」、「もしもキャパがイングリッドに向かって、『ぼくと一緒にきてくれ。一か八か世間に体当りして、人生の美酒をたっぷり飲もうじゃないか』といっていたら、彼女(イングリッド)はついて行ったかもしれないが、その可能性は少ない。『ぼくと結婚してくれ、そして二人であらゆる喜びを確かめよう』といわれていたら、おそらく彼女は承知していたにちがいない。だが彼はそうはいわなかった」。映画史上、最も美しく上品なバーグマンにこうまで思われたキャパは、本当に魅力的な男だったに違いない。 『キャパの十字架』は、沢木耕太郎の力量が十分に発揮された力作である。そして、著者のキャパに対する温かい眼差しにホッとするのは、私だけだろうか。 | ||||
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あの写真がどうやって取られていたのかと言うこと。 今なら望遠レンズでいくらでも取れるけれども、あの頃こんなに近くで取ることができるのか・・・・・・ 納得できない部分もあるけれども、科学的な説得力には納得してしまう。 | ||||
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深夜特急でお馴染みの著者は、実はキャパを追いかけるジャーナリストとしても 有名で、訳本も出されており当初から“崩れ落ちる兵士”に疑問を持っていました。 フォトグラフス―ロバート・キャパ写真集 これは、言ってみれば写真界のタブーに真っ向から挑んだ、 しかもその切り口は非常に鋭く、読むものを興味のあるなしに関係なく ぐいぐい引きこむ魅力にあふれた氏の渾身の一作と呼べるでしょう。 結果は、先のNHKスペシャルでも取り上げられたとおりの内容なのですが、 その答えを導き出すプロセスが当時を知る人のあやふやな記憶に頼るのでなく、 最新の科学、専門家による分析、当時の公文書、そして著者の鋭い着眼によって どこを切ってもこれ以上の答えは出てこないだろう ただ、まったく疑問が解消されたわけではなく これが旅の始まり的な考察に、ジャーナリストとはこういうことなんだと 納得しました。 あの写真だけでは答えが出て来なかったところに、現れた複数の同じ日に撮られた写真。 そしてゲルダ・タローの存在、そしてその死。。。。 さらにLIFEに掲載されたタイミング。。。。 (LIFE MAGAZINE-12-JULY 1937) 後戻りできなくなったキャパは、一体何を考えて戦場でカメラを武器に 己自身と戦っていたのか。。。 ここを考えさせられます。 カメラのアングル(LeicaとRolleiflex)の違いや、移動距離にかかる時間、 そして画角からフォーマットを割り出す手法は見事です。 今年はロバート・キャパ生誕100周年という記念年です。 戦場カメラマンの草分け的にして伝説のカメラマンの数奇な運命を学んでみる いい機会だと思います。 久々に、ホンモノに出会った気がしました。 お勧めです。 内容とは関係ありませんが、装幀紙質共に最高級です。 特に紙質は感動するほどいいものを使っています。 出版社の意気込みも作者以上に感じることが出来ます。 初版本で88頁の写真は上下逆となっています。 増刷分からは修正されるとのことです。 初版分お持ちの方はご注意ください。 (私の本は上下逆バージョンでした。) 『キャパの十字架』に関するお詫びと訂正 ↓ [...] | ||||
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とても面白かった。 内容は、ここで書くべきではないと思うので、ふっと思ったことを一つ。 読みながらクリント・イーストウッド監督のまぎれもない傑作『父親たちの星条旗』が想起された。あれは第二次世界大戦期における「写真」が内包するイメージを意図的に強調し、プロパガンダ的に利用することで、戦争とメディアの関係性を考えさせる稀有なイメージを巡る政治的な映画であったように思う。 本作で分析され調査される、キャパの「崩れ落ちる兵士」は、これまで何らかの「意図」をもってそのイメージが曲解されてきたわけではないが、しかし、ここでもやはり内線とメディアが結びついていることに間違いはない。 もはや語り尽くされたことではあるし、本題とはかけ離れてはいるだろうが、しかし、この本もやはり、ある写真がどのようなコンテクストでいかに語られるかによって、イメージを付与されるのかということに多くのページがさかれていることから、ある意味でイメージを巡る政治的な書物であるように思う。 | ||||
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文藝春秋でも読んだし、NHKでもみたけど、沢木耕太郎らしいノンフィクションだ。 沢木耕太郎は、若いころキャパに関する翻訳をしていたという伏線があり、これが、「崩れ落ちる兵士」の真贋を執拗なまでに追うことの伏線にもなっている。 残念ながら紙面では、「茎の位置」なんかは伝わってこないし、キャパとゲルダの間を兵が一人走ったという想定も、「突撃する兵士」を見る限り、少し強引な気がしないでもない。 しかしながら、日時、場所、位置関係、カメラの特性を丹念に調べてている過程は、良質なミステリーにも劣らないし、そこから得られた結論は、その後のキャパの人生を見事に説明している。 写真から読み取れるものは、被写体である戦争の現実だけではなく、シャッターを押した人の人生でもあったわけだ。 やっぱり、沢木耕太郎はこうでなくっちゃ。 | ||||
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最新の画像解析技術も駆使した現地での緻密な調査と、史料の分析に基づく、大胆な結論。 結論と言っても、もちろん筆者の推論に過ぎません。 でも、その結論が紛う方なき真実であると信じさせる説得力に満ちています。 戦争・報道という枠を超えて、写真の最大傑作のひとつである『崩れ落ちる兵士』。 果たして、兵士は、ほんとうに敵襲で崩れ落ちたのか? 筆者は歴史的論争に終止符を打つ、決定的な結論を導き出します。 しかし、『崩れ落ちる兵士』の結論は、筆者にとって新たな結論へのスタート点。 ここからが読ませます。 (ここまでも読まてせるのですけどネ) キャパの名を不動のものとした一枚は、別の意味でキャパにとって最も重要な一枚となった。 そのキーワードである、本書のタイトルもまた秀逸です。 あっという間に読了、上質な数時間でした。 | ||||
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本書は非常に面白かった。写真家キャパの有名なある1枚の写真。 それに疑問を持ち続けた沢木さんが、世界中を飛んで自分の足で調べて得た資料・証拠を積み重ね、推理の羽を広げ、ある仮説を立てる。 その過程が、実に丹念かつ詳細に描かれていて、優れたサスペンス小説を読んでいるような、素晴らしい推理小説の謎解きを読んでいるような、 帯に書かれている通り「スリリング」な読み応えが十分だった。 特に写真が撮られたと思われる場所(スペイン)での実地調査は、あたかも刑事の「現場百回」のような執念。 前の日に一日中調べた現場に、翌朝また行き、さらにその夕方、ある事に思いつくと、列車の予約もホテルの予約も放り出して、また行く。 (この思い立ったら止められないというのが、実に沢木さんらしくて楽しいのだが。) 本書は、ロバート・キャパという有名なカメラマンの、ある謎に迫ろうという歴史検証のドキュメントでありながらも、 こうした沢木さん自身の、いわば行動と思考のドキュメントという側面としても、読み応えがかなりあると思う。 そこが、最後はどこにたどり着くのか分からない、というある種スリリングな面白さを醸し出しているのではないだろうか。 作者本人も言う通り「状況証拠」が多い仮説なので、その解釈については、納得される方もされない方もいるであろう。 しかし、個人的にはかなりの説得力を感じたし、何より沢木さんの「真実が知りたい」という気持ちが、全編からひしひしと伝わってくるのが良い。 そして同時に、その「真実が知りたい」という思いこそ、沢木さんのキャパへの深い思い入れだということが、本書には十二分に横溢していると思う。 ところで、ひとつだけ。本書88ページの「写真18」だが、写真が上下入れ違ってしまっているのではないだろうか(私の本は初版)。 本書の写真キャプションは全て写真の下に記されており、だとするとキャプションを読む限り上が「ライフ」の写真で下が「ヴュ」の写真のはずだ。 せっかく入念で綿密な資料を積み重ねて検証していく本なのだから・・・。僅かな瑕も、実にもったいないと思う。 追記: この調査の様子を、先日NHKがドキュメンタリー番組として放送した。沢木さんの仮説を3DCGを使って補強していた。エスペホの丘も見られる。 もし見逃された方は、再放送があるかもしれないので、そちらもチェックされるとよいかと思う。 追記2: 写真の入れ違いの件、後で文藝春秋社のサイトにお詫びが出ていることを知りました。キャプションの方が入れ違ってしまったのですね。 | ||||
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週刊文春の記事で偶々この本の発売を知ったのと、その前の週に横浜美術館で開催中のキャパとゲルダの写真展へ出かけた時、この本が対象にしているコルドバの兵士の写真も展示されていた縁もあって、この本はぜひ購入して読んでみなきゃと思い、発売日に購入しました。 先ほど読了しましたが、表紙をめくってからあとがきのページまで、食事と睡眠時間以外は殆ど一気に読んでました。 こんなに引き込まれた本は久々です。 細かい内容は買ってから読んで下さいということで、今このページで買おうか悩んでいる方がいたら買うしかないでしょ、という素晴らしい作品です。 きっとスペインにも行きたくなるんじゃないかな。(私はもうその気になっちゃってます。。。) | ||||
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