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骨の記憶
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骨の記憶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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東北の山村に生まれ、貧しい暮らしを余儀なくされ育った主人公「一郎」。片や広大な土地と資産を持つ旧家に生まれ何不自由なく育った友人の「弘明」。幼なじみのこの二人が育って行く過程において全く別の道を歩まざるを得なかった理由とは。 幼少期においては意識する必要すらなかった二人の違った境遇に主人公「一郎」が気付いた頃に、ある事件が発生する。「一郎」は集団就職で東京に出てから苦労を重ねて行く中で、別のある事件をきっかけに偶然転がり込んだ千載一遇のチャンスをものにし成り上がって行くが、彼の潜在意識に巣喰う「弘明」へのコンプレックス・トラウマがその後の彼の人生の歯車を徐々に狂わせて行く。 “人間の業”とも呼べそうなテーマにスポットを当てた秀作。「一郎」の人生がものの見事に描かれており、それに絡んでくる様々な人物の人間模様が明確な輪郭を持って登場する。中盤から現われる、彼を利用しようとする者。それをわかっていながら敢えて利用されようとする「一郎」の思惑。虚飾に満ちた茶番を演じる彼らの姿こそ、我々の日常そのものではないのか。 ラストの、この物語の終焉が意外にあっけなかったような気がしないでもないが、この小説は構成がしっかりしているため無駄な部分が一切なく、一気に読みきれる力作だ。種類は違うが高村薫の名作『照柿』にも似たカラーの重厚な作品。読み終わった後には思わず「はぁ〜」とため息が漏れてしまった。 | ||||
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中卒集団就職が「金の卵」と持て囃された意味が良く分かりました。世の中、利用する者・される者の構図や、学の無さからくる貧困,判断間違いなど、昨今の派遣難民大量発生と年月が経っても何ら変わり無い様相であることにぞっとしました。 主人公「一郎」の無念さが手にとるように伝わりました。秀作です。 | ||||
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今までの楡周平作品はどれも自分の暮らす世界とはかけ離れててファンタジーのように感じてしまう所がありました しかしこの作品は時代も場所も自分の住む世界とは違うのですが読み終わった後自分の体験のように思えてしまうくらいでした 特に主人公が子供から大人になるまでの過程がすばらしい 純粋で素朴な田舎の少年が集団就職で東京に出てきたもののなかなかうまくいかず きれいごとでは生きていけないことを知り世の中に対しての考え方が変化していく様子、 田舎に帰りたい気持ちもあるが帰れない、帰りたくない事情もある 今の時代でも誰もが似たような経験があると思います 自分の忘れていた記憶もよみがえらせてくれる作品でした | ||||
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村や街の風景、食卓の情景、寂れた小都市の姿…細部の描写がキッチリしているため、まるでノンフィクションのよう。小説なれど真に迫って実に面白い。一気に読了してしまいました。唯一、最後に買う仏像の表現が甘いのは、わざとフェイクを強調したのかしら。 | ||||
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