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純愛の証明
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純愛の証明の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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森村誠一氏の作品には色々な境遇を抱えた人物が登場しますが、本作品も例外ではなく一人の人物を巡ってのある種共同体が生まれます。よくもこういう人物を想像できるなあといつも感心させられますが、これが物語の発展に旨く生かされているのです。そのグループ心理的な内容の深さが作品に旨みを添えています。 作品のタイトルは『純愛の証明』。なんとなく森村氏の作品だなと分かりますが、そこに書かれてあるストーリーは幾分タイトルとは掛け離れているようにも感じます。が、読み進めていく内に読者に「なるほど」と感じさせる魅力ある作品です。 中年の男たちと未成年の娼婦という、誠に純愛には相応しくない関係がもたらすロマンチシズム溢れる作品ですが、殺人事件を取り扱う推理小説では最後は儚いものになってしまうことに切なさを感じます。この作品のヒロインでもある中城さやが物語の後半には登場することもなく、最後の(事件の)解決場面は虚しさを感じざるを得ません。 | ||||
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経済学者・猪木武徳氏の『社会科学と文学のあいだ』は著名な文学作品を読み解きながら、社会科学としての経済学との相関を問う興味深い作品だ。経世済民を意味する「経済」は人間活動そのもの。ならば、文学作品が描き出す複雑多様な人間像から何らかのアイデアを汲み取ることは徒労どころか、むしろ有意義な試みではないか。私も本書を通じて文学作品の「活かし方」を考えてみたいと思うようになった。 著者の森村誠一氏は10年に及ぶホテル勤務から作家に転向したが、ホテル勤務中、「どうやったらこの世界から抜け出すことができるのか」を絶えず自問自答していたようである。ただホテルには多種多様な人間が訪れる比類なき場所でもあり、人間観を養うことに非常に役立ったらしい。小説は人間ドラマであり、作者の人間観察力や人間への鋭意な嗅覚が求められる。本書にもそれは反映されている。社会的地位のある男3人が偶然に巡りあった運命の女。それは「ただ一人の異性」である。その彼女が忽然と姿を消し、彼らだけの捜索が始まる。「純愛」とはどんな形をなし、色彩を帯びているのか。お馴染みの牛尾刑事、棟居刑事も登場し、事件は進展と膠着を繰り返してゆく。そのなかでまた人間の本性の変質が巧みに描写され、その奥深さを教えてくれる。ラストへのシナリオはある程度は予測可能だが、あらためて知ると切ない。その切なさを知ることで人はまた歩き出せる。そんな作風に森村の人間に対する飽くなきこだわりを実感した。ストーリー全体はさほど錯綜しておらず、緊迫感がやや少ないのが難点といえるかもしれない。 森村作品を読むといつも猪木氏が試みた「社会科学と文学のあいだ」という主題を思い起こす。近年の経済理論のフロンティアでは人間本性とそれにもとづく行動原理を革新させるものが多いともきく。小説はそんな問題意識を持ち続けるための1つの材料になるのかもしれない。大袈裟であろうか。 | ||||
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いつもの森村節だが、明確に描こうとしている事項がある。 男女の関係は、たとえ買う買われるの間柄であっても、純愛は成立する、と作品は主張している。 しかし、若い恋人同士の話ではなく、中年男と未成年の娼婦との間の関係であるところに、少し特殊性がある。 しかし男が、いくつになっても純愛を求める、少年の様な気持ちが、十分に描かれている。 その点で、男性には引き込まれる部分は多いが、女性にも十分に共感出来るとも思う。 また、人間とペットである動物の関係にも、話が及んでいる。 なるほど、と思わせる内容が提示されている。 本作品は、単なるミステリーではなく、一定のテーマを描き、それが成功している。 そういう意味で、プラスαの読み応えがあった。 一気に読み上げ、読了した時点では、既に夜が明け始めていた。 | ||||
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ミステリー仕立てになってはいるが、ラストはあっけない。夢見るおじさんにマッチしたストーリー展開になっている。消えたヒロインの結末はいただけないと思った。 | ||||
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