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(短編集)

嗤う伊右衛門



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嗤う伊右衛門の評価: 4.48/5点 レビュー 89件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.48pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全79件 61~79 4/4ページ
No.19:
(5pt)

美しい話でした。

『四谷怪談』に関してあまり知識が無い状態で手に取ったのですが、前知識が無くても悩む事無く、どんどん惹き込まれていきました。岩の内面的な強さと美しさに好感を覚え、またそんな岩を愛しく思う性根の真っ直ぐな伊右衛門にも大変魅力を感じました。それ故、廻りに揺り動かされ、擦れ違う二人に切なさを覚え、久々に純愛とは是を言うのだろうと感じました。小説の中には死という形を持って強引に純愛を表現していた作品が多々あるように思いますが、この作品はすんなりと純愛という言葉が浮かんで来るようでした。怪談のおどろおどろしいイメージは払拭され、寧ろ清清しい程に美しいものに作り上げられています。是非多くの人に読んで貰いたい作品です。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.18:
(5pt)

糸の先には京極夏彦。

タイトルどうりベースは『四谷怪談』であることは疑い無い。しかし、これはただ『四谷怪談』を現代風に解釈したものではないのである。作者はさらに『四谷雑談集』という当時の実録小説をベースにしているのだ。その当時四谷であった(であろう)出来事と、我々がよく知っている怪談とが交わる点、それが『嗤う伊右衛門』なのである。当時の浪人や武士の生活、武士階級が腐敗していく様子。身分や誇りだけでは生きてはいけない時代。そういったものが活きた感覚としてヒシヒシと伝わってくる。それだけで価値はあろう。小説としては、項ごとに主となる人物の視点が変わるのが大きな特徴であろう。一つの事象に対する各々の心情が丁寧に書き描かれているのだが、それぞれが痛いぐらいに他人を想っている。しかしながら皆が皆、傷つきあうのだ。どんな些細なことでも、気持ちが通い合うというのは非常に難しいことなのだと、コレを読んでわたしは痛感した。所謂悪役がいないも特徴か。すべてに悲しみが付きまとう。人物の描写が非常に細かく、それを一人の人物(作者)が巧みに操ってると俄に信じがたいほどだ。本に描かれている岩が伊右衛門が、すべての人物が愛おしい。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.17:
(5pt)

静謐と激情の純愛そして号泣

 お岩様は綺éº-な、美ã-いおæ-¹ã§ã-たー、、、の帯に惹かれて買ってã-まった本でã-た。『四谷怪談』と言えば「たたり、ホラー」のイメージでã-たが、ã"の作å"ã¯å...¨ç„¶é•いまã-た! お岩はç-±ç˜¡ã‚'ç...©ã£ãŸã"とで、é¡"に膿ができ、皆が知っている「お岩さã‚"é¡"」になってã-まいます。でも、姿かたちではなく自分というものã‚'ã-っかりもち、凛とã-た姿ã‚'失わない。そã‚"な彼女に伊右衛é-€ã¯äººé-"とã-ての美ã-さã‚'感じています。 そã‚"な二人の不器ç"¨ãªæ‹æ„›ç‰©èªžã§ã™ã€‚ 京極作å"ã‚‰ã-い「é-‡ã‚'探る」ような表現がさらに作å"ã®é™ã‹ã•と狂æ°-と美ã-さã‚'かもã-出ã-ています。でも、恐くはありませã‚"。ã-ずかな淡ã€...とã-たæ-‡ç« ã§ç¶'られているのに読後に感じたã"とは、「激æƒ...」。強烈でã-た。人は人ã‚'愛ã-過すぎるã"とã!Œã‚ã‚‹ã‚"だな。と胸がã"ã'たようなæ°-持ちにさせられるè¶...逸å"ï¼ã€€ã§ã-た。是非大人に読ã‚"でほã-い。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.16:
(4pt)

女って生き物は

本当の愛を生きるということは並大抵ではないのだろうと思っていた。お岩さまはさらっとやってのけている。人を真剣に愛するとき、障害や壁なんて本当は存在しないのかもしれない。愛する人の幸せ意外はどうでもいいことなのかもしれない。そんな強さを表に出さずに心に秘め続けたお岩さまはとても幸せだったのかな・・・。しかしながら違う選択なんてきっとできなかったんだろうな。そんなことを考えながら読んでいたら涙が一筋流れていきました。人それぞれの価値観を考えさせられる作品でした。感謝!
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.15:
(5pt)

四谷怪談の京極バージョン

京極節で綴られる新しい四谷怪談。独特の一人称の文章によって描かれる登場人物たちの主観的世界は幻想にみちた不思議な印象を与える。「笑う」ではなく「嗤う」という字を何故使っているのか?主人公の伊右衛門の「嗤う」姿がイメージされることで納得させられました。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.14:
(5pt)

新しい京極夏彦

 「四谷怪談」が怪談としての怨念や恐怖を失わずに、全く違う空気をまとって書かれています。お岩の美しさ、伊右衛門の武士としての壮絶さに潜む愛情に胸が痛みました。京極ファンならずとも、読んでみて絶対損はしない1冊です。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.13:
(5pt)

とにかく読むべし

 文庫化されてから読みましたが、実際のところ、ハードカバーが出た時に読まなかった事を凄く悔やみました。 四谷怪談は子供の頃から、映画、TVで何回も見てきましたが、逆にそれが災いして手にするのが遅れていました。 しかしながら、読んでみると全く想像もしなかった感動を貰いました。 これまでの人達が書いておられるように泣きましたし、すぐに、最初から、読み返し、またまた、泣きました。 これは正に他に類を見ない見事な恋愛小説だと思います。是非、是非、多くの方々に読んで欲しい一冊です。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.12:
(5pt)

大人の恋愛小説

初めて書店でタイトルを見たとき、いわゆる「四谷怪談」のリバイズだと思って全然興味がありませんでした。実際読んでみると目からウロコ...というより涙が止まりませんでした。もちろん四谷怪談がベースになってはいるものの、これは上質な恋愛小説(陳腐な表現ですが)です。自分の気持ちだけに正直に「好き!」で良かった若者の恋とは違い、様々なしがらみや、社会的立場、自我や誇り。そんなものが入り混じり、すれ違い、最終的には悲劇を招いてしまう伊右衛門とお岩の不器用で切なく、美しくて哀しい、そんな二人の恋愛小説です。京極氏の作品の中で「人間が生きて行くことのせつなさ、やるせなさ」にぐっときてしまう方は是非是非是非一度読んでみて下さい。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.11:
(4pt)

現代版四谷怪談

四谷怪談のお岩の話に題材を取った物語。疱瘡で顔が崩れてなお、毅然として生きる民谷岩。民谷家の断絶を憂うその父、又左衛門。彼女の元に嫁ぐこととなった真面目な侍、伊右衛門。そして、街を取り仕切る悪意の塊のような伊東喜兵衛や、その他の登場人物が織りなす人間模様とは……。とても良く構成されて書かれた小説です。彩り鮮やかな登場人物とダイナミックなミステリがあいまって、不思議な雰囲気を醸しだしています。私が読み取ったメッセージは、他人と比べての相対評価ではなく、内的倫理による絶対評価で行動することのしんどさと、他人の不幸にしか喜びを見出せない人の底知れない恐さです。スティーヴン・キングやアン・ライスのような、その上に日本の湿った暗さが加味された上質のミステリーです。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.10:
(4pt)

確かめられないからこそ愛

~京極夏彦が語るæ-°ã-い『四谷怪談』である。歌舞伎の『東海é"四谷怪談』とは別の底本ã‚'大本においているという。ç"ŸçœŸé¢ç›®ãªä¼Šå³è¡›é-€ã€å‡›ã¨ã-たお岩。極めて現代人的な思考ã‚'もつ二人が、古å...¸ã®ä¸-界で不器ç"¨ã«ç"Ÿãã¦ã„く。ã"のお岩には、とくに心惹かれる。~~『å-¤ã†ä¼Šå³è¡›é-€ã€ã«ã¯å¤«å©¦ã®æ„›ã€è¦ªå­ã®æ„›ã€ã‚†ãŒã‚"だ愛、さまã-まな愛が描かれ、そのすべてが…残念ながら一æ-¹é€šè¡Œã§ã‚る。とã"ろが京極夏彦の手にかかると、そのどれもが愛のå½"たり前の姿であるかのように見えてくるから不思議だ。京極夏彦らã-い幻想的な描写が登å '人物の心のå†...奥ã‚'映ã-出ã-ていく。建前と本音のすれ違い、人と人との心のすれ違い、æš-やみの~~中ã‚'一歩ずつ手探りで進むかのように人はäº'いの心ã‚'探り合っているのかもã!-れない。そã-て、隠されたものã‚'知ってã-まったときにある一線ã‚'è¶...えてã-まうのだろう。『四谷怪談』は悲劇には違いない。『å-¤ã†ä¼Šå³è¡›é-€ã€ã‚‚å½"然悲劇であるはずだが、むã-ろã"れは恋愛の書なのだ。~
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.9:
(4pt)

四谷雑談集

京極夏彦風四谷怪談。四谷怪談の元になった「四谷雑談集」を下敷きにしているので、僕の知っている四谷怪談でななかったし、幽霊も出てこない。それでも「恨み」「憎悪」「嫉妬」「復讐」「狂気」など四谷怪談の大事な部分はしっかりと渦巻いていていて、「恨めしや、伊右衛門殿」の台詞やお岩が髪を櫛でとかす場面も効果的に組み込まれていた。現実を揺さぶる幻惑的な描写や、すれ違い「ずれ」を生む会話など、京極夏彦節はあいかわらず健在で、時代物らしく言葉の響きも考えぬき、文章の長さも計算して行末をそろえてあるところが視覚的にも効いている。最後には見せ場もあって、後日譚も妖しくてせつない。綺麗にまとまっているという点では京極堂シリーズより上だろう。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.8:
(5pt)

ぜひご観本を。

すごいよ、京極氏。よく書いた。四谷怪談の改版なんて全然しらなかったし、最初なんで伊右衛門がわらうのかタイトルが意味不明だったが最後すっごく感動した。自分の中では佐野洋子氏”100万回死んだ猫”以来の五つ星女性の人がラストのシーン理解できるか不明だが、愛の思いがこちらまで伝わって来ました。自分もこんな作品を書いてみたい。おすすめです。以上
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.7:
(5pt)

感動した!

 感動した! そういえば、『お岩さん』という名前とその容貌は知っていたが、『四谷怪談』が、どういう話なのか、私は知らなかった。 巻末の解説によると、『嗤う伊右衛門』は、『四谷怪談』とは違う話のようだ。 お岩、伊右衛門など、共通の登場人物が登場するが、彼らのキャラクターや、話の筋は、違うとのことだ。 京極夏彦によって性格付けられた数々の登場人物たちは、まるで京極夏彦が産み出したかのように、いきいきと個性的である。 『嗤う伊右衛門』は、怪談ではなかった。やはり、『この世には不思議なことなど何もない』のである。 では、ミステリーか。その要素は、多分にあると思う。 が、私はこれは、恋愛小説なのではないか、と思う。 そう、美しいお岩と、優しい伊右衛門との、悲しい純愛物語である。 もう一度言う。 感動した!
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.6:
(5pt)

新解釈!今の日本人的な人物設定

今までに見たり聞いたりした四谷階段とは、人物の描き方が全く異なります。元々、江戸時代に書かれたこの物語は、当時の価値観で描かれていました。だから今読むと、異世界の物語のように、登場人物は現実離れしていました。この本では、今の日本人が感情移入することができる人物設定で描かれています。そして、幽霊の登場も、荒唐無稽な話としては描かれていません。心の底では愛し合っていた、「凛とした小岩」と「不器用で善良な伊右衛門」は、悲劇的な結末にもかかわらず、ようやく救われたような読後感が新鮮です。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.5:
(5pt)

泣けますよ

妖怪話や怖い話の苦手な方でも大丈夫です。いままでの四谷怪談とは異なった人情&愛が描かれています。ラスト、本を読んで久々に私は泣きました、く~っ。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.4:
(5pt)

美しき残酷物語

日本人なら誰でも知っている「四谷怪談」を基にした、全く新しい物語。お岩が、醜い顔をものともせずに町を闊歩する鼻っ柱の強い女で、伊右衛門が、人を切ることが出来なくなった軟弱侍という設定で登場する。勿論話の核はお岩と伊右衛門の純愛なのだが、ミステリーとしても京極夏彦の独特な衒学的味付けで楽しめる。結論は賛否両論あるかもしれないが、私としては、あれでよいのではないかと思う。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.3:
(4pt)

いわば前菜?

一般に知られた四谷怪談よりも歴史的に忠実な設定を基にして、顔の醜さとは、美しさとは、といった疑問を繰り返し投げかけてくる語り。他の京極作品同様、愛情と嫌悪、美と醜、あの世とこの世、正気と狂気などの境界が揺らぐ不安感を存分に楽しめました。また、複数の登場人物の視点を使って、ミステリーを盛り上げていく手腕もさすが。一方、主となるお岩と伊右衛門の関係が後半あまり効果的に物語りに組み込まれず、最後に二人の愛情関係を無理に昇華させたメロドラマチックな終わり方になってしまったのが残念でした。京極夏彦の他の長編、例えば「姑獲鳥の夏」や「魍魎の匣」などがメインコースだとしたら、この作品はいわば前菜、それもサンプラーのような味わいです。。。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.2:
(5pt)

最高の純愛物語

四谷怪談といえば、夫に裏切られ殺されたお岩様のたたりが中心の物語だとばかりと思っていましたが、これは違った。怖さを求めて読むのであれば期待はずれ。こんな純愛物語だったとは・・・最後は涙が止まらなかった。お岩様が愛しかった。やっぱり京極夏彦氏はすごい!
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012
No.1:
(5pt)

これはひとつの愛情物語です。

夏の風物詩、怪談話の代名詞である「東海道四谷怪談」をベースにして、京極夏彦が作り出した、哀しい愛情物語。妻を裏切った悪人 伊右衛門が、実は非常な妻想いの人であり、か弱く恨みに凝り固まった岩も、実は聡明で愛情深い人であった。自分を殺した亭主を恨んだ妻が、復讐をするといった内容の怪談話から、別の世界へ大きく想像をふくらませ、夫婦間の愛情溢れる物語にした作者の力業には敬服させられます。「妖怪小説」でデビューした作者が、怪談を題材にした作品だけあって、そういった傾向の作品だと敬遠していた方々にも、是非ともお勧めです。
嗤う伊右衛門 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:嗤う伊右衛門 (角川文庫)より
4043620012

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