■スポンサードリンク
(短編集)
嗤う伊右衛門
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
嗤う伊右衛門の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全79件 41~60 3/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私ならば岩のような姿になったら、気が狂うと思います・・普通ではありえないと思いますが。個人的に梅の気持ちの方が身近で解りやすかったので、梅の方が好感持ちました。伊右衛門のどこかはっきりしないような生態には、なんだよコイツみたいに思っていたのですが、まぁ最後はスッキリさせてくれてよかったです。面白かったけど、どこか何とも言えないような気分になりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最近やっと読むことができました。嗤う伊右衛門!!全く新しい四谷怪談話で、かなり面白かったです。自身四谷怪談に関してそこまで詳しく知らないので、原作と照らし合わせて評価することは出来ませんが、怖いお岩さんの概念が見事に打ち崩されました。伊右衛門、お岩さん、2人のすれ違う想い、行動。結末は涙なしでは見れませんでした(ノД`。)純粋な恋愛小説・・・って訳でもないですけど読んだあとは純な、清らかな気持ちになれます。感動しました。良い本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説は、全部読み終わった後に全ての謎が解けます。その謎は本の中ではなく読んだ人の心の中で溶ける。読み終わって全部の謎が解けた時に初めて、岩と伊右衛門がどれだけお互いを想っていたかが伝わってきて、ジーンときます。どんなに想っていても上手く伝わらないことは有る。自分の気持ちを相手に見せる事のできない不器用な岩と伊右衛門の感情が読んだ後に、一気に流れこんでくる。最後に余茂七が訳もなく泣いてしまうのも、読了後の私と同じ気持ちかもしれません。この本はとても良い本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
四谷怪談については、「伊右衛門は悪いヤツで、お岩さんは騙されて殺されて化けて出た」という小学生並みの知識しかありませんでした。それが、こんなに美しく哀しい話となって現れるとは・・・。背筋のまっすぐ延びた岩と自分なりの愛情を貫く伊右衛門、取り巻く人々。全員が揃いも揃って不幸です。よくこんな暗い話を考え付くねぇってくらい不幸です。当然ハッピーエンドは望めないと知りながら、それでも岩の幸せを願いながら夢中で読みました。しかしねぇお岩さん。いくら愛していてもそれじゃぁ愛情は伝わりませんよ。そんなお岩さんがもどかしかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
四谷怪談って大嫌いだったんですけど、話の中身も登場人物も。でもっ!この本はすごすぎる。伊右衛門が、お岩が、こんなに魅力的だなんてっ!!実家に置いてあった本を暇つぶしに手に取ったら、一気読みしてしまいました。特に最後の修羅場の伊右衛門、カッコ良すぎます。主人公たちが良すぎる分、伊東喜兵衛その他が悪役を一手に引き受けてるのもある意味かわいそうですが。誰かが、この本読んだら恋愛できなくなると書いていましたが、事実です。こんなにもお互いのことを想っているのにすれ違ってしまう哀しさ。顔が崩れてもなお凛としている岩のキャラクター、最高です。でも私にはラストがイマイチ分かりませんでした。いつ、どうやって岩は死んだの?とか。伊右衛門はなぜこの結末を選んだの?とか。誰か教えて下さい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者はただの妖怪オタクではなかった。鼻持ちならない蘊蓄屋では断じてなかった。『四谷怪談』を換骨奪胎という荒業に挑んで見事成功。この才能、並ではない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
怪談として広く知られている「四谷怪談」とはまったく異なる、京極流『お岩さん伝説』怪談というよりは岩と伊右衛門の悲しい恋の物語ととらえたほうが良いでしょう。既に出来上がっている作品を、切り口を変えてこれほどまでに完成度の高い作品に作り変える京極夏彦の技量はさすが。人間の情念がこれでもかというほど色濃く描かれていて、鳥肌モノです。岩という女性・・・。人間の美とは、外見の美しさなどではなく、心にあるということを痛いほど見せ付けられます。真実を知らされ、それを呪い、「なぜ伊右衛門様は幸せになれぬのじゃ!」と絶叫した岩。彼女の悲鳴が私の中にずっと激しく響いています。今まで味わったことのない愛の形をみたような気がします。最後の場面は、作品中もっとも怪談らしい場面だったかもしれません。けど、いちばん美しく思えました。きっと、二人がやっと結ばれた瞬間だったからでしょう・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
陰惨極まる小説。当て字と難読字が多く、湿度の高い特異な文体も雰囲気を助長する。寄せ木細工のような、複雑にからみあった話であるが、真相が明らかになるにつれ、その闇の深さに慄然たらざるを得ない。但し、この優れた怪談にも、わずかながら瑕瑾はあると思う。岩の乱心が唐突な印象を与える点、それから、最後の修羅場での伊右衛門の挙動に必然性が乏しい点である。なお、最後の2章は説明的な台詞が減り、不親切な印象があるけれど、これは作品に余韻を与える好ましい効果を生んでいる。また、読み飛ばしてしまうと物語の真相がわからなくなるから、心して読みたい。最後の場面は地獄絵に落ちた一枚の花弁のようである。凄惨な美。作品全体の色調を変えるほどの効果である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人の心を直接見る事はできない。だから見た目や表情・行動で、喜怒哀楽を読み取る。善悪や美醜を判断する。しかしそれは、どこまで本当なのだろうか。目に見えるものと心の奥底にあるものとは、同じなのだろうか。作品中に描かれる激しい情念に触れ、そんな事に思いを馳せた。読後にぞくっとした感覚が残る1冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
京極夏彦流、新『四谷怪談』。この『四谷怪談』は今まで語り継がれてきたおどろおどろしい怪談ではなく、相手を想うばかりにすれ違ってしまったせつない男女が描かれています。ストーリーや文章だけでなく、本そのものが本当に美しい作品です。文庫本も出版されていますが、この行間や装丁の雰囲気も味わってほしいので、私はあえてハードカバーでの購入をオススメします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
色々出ていますが自分的にはこの中公文庫の外装が一番好きです。京極夏彦作品の中でも一際美しいのはこの「嗤う伊右衛門」だと思います。従来のお岩さんのイメージを打ち崩す儚い美しさがこの本のお岩さんにはあります。日本語は美しいです。世界に誇れる言葉である、という事を、この本で実感しました。これからまた夏ですし、美しいような物悲しいような、古きよき雅な、日本の魂を揺さぶる大人の夏の怪談に浸って見てはいかがでしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どうして伊右衛門はお岩を選んだのか、お岩はなぜ爛れたのか、お岩の父の本音と建前と更にその下の深層意識。顔の美醜だけで大衆に恐ろしいものとしてとらえれたとしたのなら、身近にいた少数派の意見もあるはずだ、とこういう感じで書いたのではないか。生々しく輪郭をもった登場人物作りはさすが京極さん。”どんな形”であれ人間には愛がある。これはとてもとても精神的で切ない恋愛譚である。こんな恋愛の形を理想にしてしまえばたちまち恋愛ができなくなってしまう。そしてまさに私は普通の恋愛が出来なくなっているくらいだ。ちなみに巷説シリーズの又市(だろうと思う)が観察者の役割を担っていて、京極さんは自身の作品(キャラ)の活用の仕方が本当に上手いと感激。(もしかしたら設定は同じだが同一人物ではないかもしれない)静かに感情をかみしめたいとき、読んでみてはどうでしょうか… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
わかりやすい京極作品ということでお奨めします。これまでも京極夏彦氏の小説はデビュー以来何冊か読んできましたが、面白いには違いないのですが、帯に謳ってあるほど絶妙の伏線とかその系の賞賛について私にはイマイチピンときていなかったというか、けっこうそんな不満もあったのですが久しぶりにこの作品を読ませていただき、単純に面白いなあ、上手いなあと感じることができました。映画は見ていませんが、この本は読んでもいいのでは?お奨めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
題名を見た時「ん?伊右衛門が嗤ってんの?」というような感じから読み始めました。今までTVや映画で観る“四谷怪談”ではないなぁ、と。あの“おどろおどろ”しさは感じられませんでした。読むうちに興味が湧いたのは“又市”と“直助”ページが進むごとに2人に引き込まれて、感情移入していきました。こんな2人を登場させた京極さんは“スゴイ!!”映画の方はまだ観ていないけれど、映画を見ているように情景が浮かんできました。(映画も観てみようかなぁ…)他にも京極さんの本を読ませてもらおうかなぁ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品は、私が始めて読んだ京極作品です。今まで京極夏彦という小説家の名前だけは知っていたものの、「何だか分厚い本を書く人だな~」というくらいの気持ちしか持っていませんでした。また、四谷怪談のお岩さんというのも聞いたことがあれども、どういった話なのかはさっぱりわからないという具合でした。そんな私がこの本を手にとったのは、映画化されると聞き、ページ数もそんなになさそうだったので、普段時代小説を読まない私でも大丈夫だろうと考えたからでした。そんなに期待しないで読み始めたのですが、おもしろかった!今まで恐ろしいイメージだったお岩さんが、とても身近で魅力的に感じられました。この本のおもしろさは斬新な解釈と、人物の魅力という点に集約されるのではないでしょうか。今まで京極作品を読んだことがないという人は、ぜひ入門編として手にとって見てください。後悔はしない作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読書家にはよろしいかもしれませんが、すこし、古文体が混じるので難しいところがあります。最後まで読んでいないから、不明瞭なことしかいえませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とてもいい買い物をしたと思いました。ちょうど学校で読書週間があり、本を買いに行きこれを見つけました。はじめは文章にややとまどいましたが、話の展開が解ってくるうち、文章にも慣れてきました。とにかく大人の恋愛です。まだ子どもの私には理解しにくかったですが、伊右衛門と岩の会話などに恋愛の切なさと愛おしさがひしひしと伝わってくるものがあり、なんというか、こう・・・。とにかく物語にとけ込めます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
遅ればせながら読みました。まず驚いたのがお岩の考え方だ。お家大事の時代において、さばけたというか、前衛的というか。そして、伊右衛門の人柄。これまた、かの時代には珍しいマイホーム亭主というか、真面目を絵に描いたような、おもしろくないオトコ。この2人を軸に、周囲の人間が織り成していく愛憎劇…。後半から、あれよあれよという間に結末になだれ込んでいくために、一気に最後まで読んでしまった。傍観者には悲劇的な結末だが、伊右衛門にとっては愛を昇華させた、本当の意味でのお岩への愛のかたちなのかも知れない。こんな愛のかたちもあるのかと考えさせられてしまった。自分はこんなふうに人を愛することがあったのだろうか?余談だが、又市さんの素顔が垣間見れるエピソードもあり。巷説百物語とは一味違う又市に会える! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
うつくしい岩がよく描写されて伝わってきました。登場人物ひとりひとりの観点から、それぞれが主人公になって書かれている物語で先がきになって、あっという間に最後まで読んでしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テレビでアヴェマリアの曲とともに流れた映画の予告を見て、おもしろそうっと思って読みました。だから初めての京極本。四谷怪談も知らずに読みました。始めは辞書なしには読めませんでした…知らない熟語がいっぱい…。時代が昔なだけに用語も昔ならでは。それにしても…いいっ。もうだだをこねたいくらい、いいです。伊右衛門とお岩…なんなんでしょう、二人がすっごく愛し合ってるとかこんなに通じ合ってるとかいう描写は全然ないんです。むしろ取っ組み合いの喧嘩してたり、考え方はずれまくってたり。それでも二人は愛し合ってるんですね。そこが微笑ましくもあり、切なくもありました。二人とも好きなのになんで上手くいかないかなーー好きなら好きでラブラブしちゃえよー…っともどかしい反面そうならないところが大人の恋。私の頭の中では完全に小雪&唐沢だったんですけど、伊右衛門もお岩もいい味出してて好きになれます。登場人物の視点により物語が区切られていて、各人物の視点により明かされる真実とその人物の描写。先ほどお岩と伊右衛門がいいと言いましたが、良いんですが、みんなキーマンです。みんな主人公です。読み終わり、全てがわかった後ですぐさま読み直しました。うわっこんなところに布石が。えっこれってそういう意味?!…等々、はっきりしない、いや、私が確信が持てないだけで本当ははっきりしてるのかもしれませんが、読み直して得るものも多かったです。そういうことで二倍楽しめますねこの物語は。ーーそもそもその布石に気付いてれば三倍楽しめるのかもしれません。よーっくじっくり読んでみてください。…私にはじっくり読んでもどーっしても分からないところがあるんですが…自分自身がうらめしい…。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!