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“文学少女”と慟哭の巡礼者(パルミエーレ)
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“文学少女”と慟哭の巡礼者(パルミエーレ)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 1~20 1/2ページ
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前半はリフレインがクドくて食傷するし、中盤は悲劇名シーン集の寄せ集めになる。著作年代からしても日本文学の暗黒期に難産だったことが伺われる。後半の解決編は上手い感じに収束しているが、ヒロインが名探偵では無くナレーターどまり。キャラのRPGは活きているが、それ故に群像小説化している。 | ||||
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今まで読んだあらゆる小説の中でいちばん汚い心を持っていて最凶な人は 「とある魔術…」の「一方通行」だと思っていました。 こんな人間を書ける鎌池先生はおそろしい、と。 違ってました。 上には上がいるんですね。 「美羽」ちゃん最凶最悪じゃないですか(T_T) 心葉くんを好きなふりをして、 普通の人間であるかのように偽って 考えていることは もう最悪 それでいてかわいくふるまうんだもの。 これは 俺でも惚れるわ! 野村先生すごすぎる… こんな人物を考えていて 頭ぶち壊れないのだろうか… 個人的には竹田千愛ちゃんのファンです。 ではお約束で 「千愛ちゃんは俺の嫁」 | ||||
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文学少女シリーズのなかで一番好きな作品です。 純文学に近いと言ってもやはりラノベだからか、文章が少し稚拙に感じるところもあったのですが、今作ではそれがありません。 ひとつひとつの文章が印象に残りました。 野村美月先生は、人の心を動かすのが本当にうまいです。 美羽の狂気、危うい関係、憎しみと混ざり合い、どこまでも鮮烈に胸を穿つ愛情。そしてほかのキャラクターの重い、それらすべてが混ざり合い、素晴らしい完成度となっていました。 ここから先はネタバレになるのかもしれませんが、もうひとつの物語が羽鳥の視点から美羽の視点に変わったときの文に、鳥肌が立つほど興奮しました。たった一文でここまで感動させるというのは、本当にすごいと思います。 本の世界に浸り、感動する一読目、改めてこの本の完璧さを味わう二読目、少し落ち着いて美羽のヤンデレ属性に萌える三読目。 毎回必ず、この物語は色褪せない魅力を見せてくれます。 | ||||
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5巻にしてついに朝倉美羽が登場します 今回は究極につらいです 入院中の美羽に再会する心葉でしたが彼女の心はボロボロになっていました 心葉のせいで… 美羽を愛するが故に美羽を傷つけていた心葉 美羽が傷ついていることに気づかない心葉 愛の形を問われる5巻でした 今回も野村美月先生の伏線の力は健在です 最後に綺麗に繋がっています 買って損はないと思いますが内容は想像以上に重く悲しく残酷です | ||||
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いよいよ心葉と美雨の過去が明らかになり、2人が再開、周りが巻き込まれていくシリーズ一番のヤマです。美雨に恋し、また相手も自分を思ってくれていると考えていた心葉に突きつけられた現実。でも、このへたれでおまぬけな主人公ならうざいとおもわれて犬扱いされててもしょうがないのではないかな。今回もへたれっぷり全開で、先輩に慰められています。硬派の芥川君も今回はいいとこなし。遊び人の流人が一番まともにみえます。ストーリは「銀河鉄道の夜」が引用されていますが、あくまで二人の思いでとして引用されています。個人的に宮沢賢治の作品は抽象的かつ偽善的で嫌いなので、本作のストーリにあまり関係ないので助かりました。最後のおとしどころがあまりにきれいすぎるかなと思いますが、相変わらず文章、プロット、ストーリ展開とも見事です。残りは天野遠子の卒業篇。終わるのが惜しいシリーズです。 | ||||
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電子書籍で4巻まで読んだのですが配信が待ちきれず書籍を購入。 最高! この一言に尽きます。 一巻から散りばめられていた物語の集大成!! ここまでドキドキしながら本を読んだのは久々でした。 だってこの話を綺麗にまとめるなんて出来ないんじゃない? って思っていたから。 しかし!凄いですな。 文句なく綺麗にまとまっております。 読み終わったあと、 このシリーズを読んでよかった! って心から思いましたよ。 気になったら一巻から読んでみてください。 | ||||
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美羽の自分に対する底の無い憎しみを受け止め、向き合った心葉くんの強さやプラネタリウムでの告白に涙が止まりませんでした。 竹岡美穂さんのイラストも素敵で、本当によく文章に合ったイラストをお描きになられる方だと思いました。次巻も楽しみです。 | ||||
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文学少女シリーズの主人公・井上心葉 彼が「井上ミウ」のペンネームで十四歳で文学賞を受賞してからあった事。 これまでシリーズで隠されていた事が明らかになります。 心葉がずっと思いを寄せていた美羽が、何故、心葉の前を去ったか その理由も明らかになりますが。 ただ、心葉の妙に繊細で、それでいて身勝手な態度には多少、苛立たされますね。 身勝手な想いに振り回されて、それでいて、何でそういう結論になるのだと思ったりもします。 しかし主人公はもともと繊細な少年ということですから 思春期の少年の葛藤という事で理解するべきかもしれません | ||||
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笑いながら人を操ったり騙したり傷つけたりするような恐ろしい狂気。しかしその根底には悲しみや恐怖、不安が、そして幸せを、愛を求める叫びがある。それがタイトルの「慟哭」なのでしょうか。 深いテーマを扱いながら一気に読める面白さの、作者のいつもながらの技量に脱帽するしかない作品でした。 と、ほめながら星を一つ減らしたのは、引っかかるものが残ったからです。 人間同士のことはともかく、無力な文鳥や金魚を殺したことはやはり自分的には許し難い思いがあります。法律的には人間に怪我をさせるよりはるかに軽い罪なのでしょうが……。耐え難い苦しみにさらされたといっても、自分よりはるかに弱く何の関係もないものを傷つけることの正当化になるとは思えません。 だからといって罪をただ糾弾しても事態が、そして登場人物たちの未来が良くなったとは思えないし、遠子の行動はやはり適切なのでしょうが、それでもやはりもやもやが残ります。 | ||||
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ほのぼのした日常の描写と愛すべきキャラクターが魅力の学園小説シリーズの五作目。 ヒロイン遠子の小説への胸焼けしそうな恋濃い愛情と、それに十全な説得力を与える文字通り「本を食べる」という奇抜な設定が面白く掴まれる。 四巻までを一気に読み進んだ。 そしてこの五巻は最高傑作だと思う。これまでどこか楽観的、性善説な世界観で物語が進み、事件を起こす闇キャラにイマイチ共感できなかったのだが(むろんそれでも十分いい出来なのだけど)、この巻の美羽には見事に惹き込まれた。 テキか味方かわからない千愛や流人も実にいい味を出している。ななせも一生懸命な所がいじらしく映り、一貫した行動原理が快い。不器用だがある意味最もぶれのない心の強いキャラだ。 克服すべき葛藤が明確だから、へたれな主人公も成長出来る。「文学少女」の見せ場も相変わらずかっこいい、まさしく正義のヒーロー(?)、彼女こそカムパネルラだ。 物語を動かす「悪」に説得力がないと主人公たち肝心の「表」のキャラの葛藤も薄くなるし、読者の共感も弱まってしまう。 逆にそこさえ明確なら主題の軸はぶれない。 魅力的なキャラは過不足なく動き、「銀河鉄道」の蘊蓄も見事にストーリーと調和して、核となる心葉と美羽の愛憎と救済のドラマが眩い光を放ち、深い闇の底から厳かに浮かび上がる。 伏線も鮮やかに回収される。憎悪の裏に隠れた少女の切ない憧憬、慟哭が胸に響く。 これまでの「文学少女」シリーズには軽妙な会話に笑い、巧みな構成に感心したが、この巻では迫力ある人間ドラマに感動させられた。 ちなみに私的に次巻で一番気になるのは、遠子先輩のお受験の結果だったりする(笑)。落ちるのかな? これからは「文学浪人」かな? こうして財布の紐は静かに緩むのである。 | ||||
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“謎の美少女作家”だった井上心葉(このは・♂)と、自称“本を食べちゃう程すべての物語を深く愛している「文学少女」”の天野遠子をメインに、文学作品を彷彿とさせる事件を描いた作品の第5巻です。 怪我で入院した琴吹さんを見舞いに行った心葉が、そこで美羽に再開する事で事件が始まります。 心葉と美羽とミウが中心となり、これまで謎に包まれていた心葉と美羽の過去が「銀河鉄道の夜」の様に綴られていきます。 中心は心葉と美羽の2人ですが、これまでの「〜死にたがりの道化」、「〜飢え渇く幽霊」、「〜繋がれた愚者」、「〜穢名の天使」で積み重ねられて来た物語と、心葉と登場した人達との関係があるからこその物語。 千愛、流人、ななせ、芥川、麻貴、そして心葉が、美羽が語る『雨にも負けず』、それを紡ぎ出した遠子。誰が欠けても完成しない、まさに第1巻から続くフルコースの料理の様です。 過去の終わりで未来が始まりとなる苦みばしった味。 また、独白文ではこれまで殆ど語られなかった遠子先輩について、たった一文。 次は、いよいよ遠子先輩自身の物語が綴られるのでしょうか。 最後までじっくりこの物語を味わいたいですね。 | ||||
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途中からのドロドロ展開は、はっきりと申し上げますと、映像になったら見たくないほど怖い。 心葉が芥川くんと殴り合い。 美羽と琴吹さんの罵り合い。 とても、想像したくなかった。 愛憎劇以上の恐怖は、この世に存在するのでしょうか? 美羽の家庭環境に心痛が耐え切れなくなった時、遠子先輩が登場するわけですけど、今回は彼女ではなく、「B」の「なりたい自分」を語るシーンに先に泣かされました。あぁ、分かる。その願い、凄く分かるわぁ〜〜〜(号泣)!! そして心葉は、本当に成長しています。最初の頃と比べたら、某戯言使いほどの格差があります(苦笑)。ここまでリアルな成長物語は、かなりの筆力がいるはずです。こんな素晴らしい物語を僕達にくれた、野村美月に乾杯!! ……なんてしていられません。美羽のラスト一言に「!?」。途中からでもそうなのに、無数の疑問が浮かぶ事、間違い無し。 そして、物語は卒業編へ…… | ||||
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井上心葉が逃げ続けていた過去の亡霊、朝倉美羽。二人の過去に何があったのか。そしてなぜ彼女は飛び降りなければならなかったのか。厳重に封印されていた謎が紐解かれます。 これまでそれぞれが主役だった人物達(一人は情報収集担当の扱いになっていますが…)が心葉と美羽を軸として動き回り、真実を少しずつ明らかにしていきます。心葉が再び暗闇に落ち込みそうになったとき、道しるべとなる灯りを示してくれるのは、いつも通りあの人です。 クライマックスでは、実はもう一つの軸があったことが判明するわけですが、これは少し欲張りすぎだったかも。心葉についてはともかく、もう一人については十分にフォローできていなかった気がする。 ななせは心葉と一緒に闘ってくれるとても良い女の子だけれど、道を見失いがちな心葉を立ち上がらせることはできないことがはっきりしてしまった。何か残念だけど。 | ||||
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たくさんのレビューがありますが、美羽編よかったです。ドキドキしながら一気に読みました。 なんだか最終回?も近いのか、そう思うと寂しくさえなりますね…。 大好きな作品なので終わって欲しくないなーと思います。でもグダグダと引っ張るよりいいけれど…。 美羽の痛ましい気持ちが伝わってくるとともに、心葉が見ないようにしていたもの、気づく事が出来なかったものも明らかになりました。 それから井上ミウとして出した本も、もっと深く明らかになった部分があってラストのほう良かったです。 美羽の、207ページの瞳(表情)が印象的でした。(挿し絵)そして美羽が「お化け」の話をするシーンは切ない…。 つよく私の胸を打ったのは竹田千愛の叫びです。泣きそうになりました。「いやぁぁあっ!しぃちゃあああん!」竹田千愛については、ずっと気になっていて彼女の話ももう一度もっと深く読みたいなぁと思っていたので、竹田さんについても書かれていて良かったです。 全体的に皆が絡んでくるストーリーなんですけど、竹田さんがずっと気になっていたので…彼女のことも少し変化が垣間見れてよかったなと思いました。 遠子先輩の謎が気になります!!今回「宮沢賢治」さんの作品が出てくるので、もう一度「銀河鉄道の夜」を読み返したりしたくなる人もいると思います。私は、ますむらひろしさんがキャラクター原案をした登場人物が全員猫のアニメ版「銀河鉄道の夜」が大好きなのですが、原作に忠実な内容となっているのでオススメします。カムパネルラの気持ちになって物語を考えた事など無かったので(ジョバンニにはラストで物悲しさを共感するけど)改めて考えたりもしました。次回は番外編で麻貴も出てくる話みたいです。 | ||||
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この第5巻を読むまで、私は野村美月という作家を、凄腕のカードギャンブラーだと思っていた。 まずかなり強い札をいきなり切って読者へと突きつけ、そのトリックを勝ち取ったばかりでなく、抜け目無く後々の切り札となるカードを場にそれとなく配置しておく。 次のトリックではそれらの札は温存し、3トリック目、最初に場に潜ませていたカードを見事に使ってみせた。しかしこのトリックはこれで終わらない。 彼女は一枚のカードを場に伏せた。今度は「それとなく」ではない。場の中央に。どんな読者にも確実にわかる位置に。 第4トリックではその伏せ札は使わない。第1トリックで潜ませたまま使っていなかった札を、またしても見事に切ってみせる。しかし、トリックが終わるときに、伏せ札をトントンと指で叩き、その存在を改めて強調した。 そして、第5トリック。 野村美月はギャンブラーから、マジシャンに変貌した。 伏せ札をオープンする。強力な札だ。しかし、これは今までの場の流れになじまない。 すると彼女は今までで既に切ったカードをその横に並べ、くるくると全てひっくり返した。 彼女が指を鳴らして、全ての札を表に返したとき、それらは違う色に変わっていた。 場の流れに沿った、しかもより強力な勝ち札が、読者の目の前に姿を現す。 ギャンブラーとして、マジシャンとして――妙技を披露する事で読者を翻弄する一人のエンターテイナーとして、野村美月の放った一撃だった。 そして、場に並ぶ札を下げた彼女は、ずっと場にあり、他の札に効果を及ぼしながらまだ切られていないワイルドカードを、場の中央に置いた。 それを裏返し、トントンと叩いて強調してみせる。 そうしてトリック終了の宣言をした彼女を、場から顔を上げて眺めてみる。 そこにあったのは、ギャンブラーのポーカーフェイスでも、マジシャンの不敵で得意気な顔でもなかった。 自分の好きな物語について楽しそうに語りはじめる、邪気も含みもない笑顔だった。 | ||||
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今回もビター多めな学園ミステリーに仕上がっていました。そして宮沢賢治作品、特に銀河鉄道の夜に対しての印象もかなりビターに。主人公が当事者として深く関わってくるお話だっただけに、関わりのあるキャラクタ達の言動にびくびくしながら、こじれていく関係にはらはらしながら、読ませていただきました。立場を変えて書く物語というのは、残酷ですね。 | ||||
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このシリーズの面白いところは沢山あるだろうけど、僕が一番気に入っているのは、本好きである遠子が得々と物語を熱く語る所。太宰をテーマにした一巻で、太宰好きな僕はこの作品に惹きこまれました。 で、この五巻。相変わらず遠子はいい所もっていきます。今回は宮沢賢治。ちょこっと谷崎潤一郎。 これまでちょいちょいと張り続けてきた伏線が、この巻でごそっと回収されます。 代わりにラストでまた伏線が。次巻以降に期待してしまうラストです。 物語の展開、伏線の切り貼り等、この作品を読んでると、最近のラノベはレベル上がってんだなーと思います。 星4つなのは、ここまで引っ張ってきた美羽を登場させるんだから、どうせならもうちょい美羽ネタで引っ張って欲しかったと感じたから。 それでも面白いです。ラノベ好きで未読の方は一巻から是非どうぞ。 貧乳、ツンデレ、ロリ、巨乳お嬢様に、今回ヤンデレも加わり、ヒロインも選り取りみどりそろってますよw | ||||
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きったぁぁぁぁぁぁぁぁ! ついに美羽ちゃんの登場です。思わせぶりな伏線にこれまで耐え忍び、心葉君の純愛っぷりにおいおいまじかよ...と少々切れ気味だった私的には、待ってましたの一冊でした。 三十半ばを過ぎた一般人のおばさんである私にとって、ここまでの純愛の対象となっている「美羽」は、化け物以外のなにものでもありません。正直ありえないでしょう。心葉君の眼前で飛び降りなんてやっているところから考えても、'@「心葉が勝手に美化しまくっている(だって、初恋みたいだしね)」、'A「美羽は超悪い女で、心葉をだましまくっている」、'B「美羽も妖怪(もしくは、心葉の幻想)」のいずれかが考えられるわけです。その答えは、この本を読めば明らかになるわけですが、ここまで待たされてきた美羽と心葉の物語がやっと明らかになります。そして、美羽の登場によって、ようやく努力が実を結び始めたななせちゃんの運命やいかに! | ||||
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好評の“文学少女”シリーズも五巻目。未だに心葉の胸に影を落とし続ける「彼女」がついに本編に登場します。 数々の事件や葛藤をくぐり抜けてお互いに関係を深めてきたレギュラーメンバーたちも、これまで少しずつ描かれてきた陰と陽、表と裏、外面と本性をむき出しに二人の物語に絡んできて、ドラマは一気に複雑な人間模様を見せることに。 普通の高校生にはありえないような現実離れしたシチュエーションも頻発するのですが、そこはメディアミックスなどの話題性に頼らずとも、純粋な作品性だけで評価を高めてきた当シリーズだけあって、心理描写やストーリー展開は圧巻です。それにしてもこの哀しくやるせない物語の中でも、遠子先輩には本当に癒されますねぇ。 そして最後のページ、いや最後の一行は本当にショッキングです。彼女は一体何を知った、知ってしまったのでしょうか。 次巻はちょっと時を戻して番外編。その後は来たるべき「先輩」の卒業に向け、ついにクライマックスを迎えるとのことで、これからの展開が本当に楽しみです。 | ||||
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〈文学少女〉シリーズ5作目。 今回、文学少女が対するのは、自らの願いを見失い、 すべてを破滅させようとする“慟哭の巡礼者”です。 モチーフは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。 「本当の願い」を持つ誰もが〈ジョバンニ〉であり、同時に 誰かの〈カムパネルラ〉でもあるということなのでしょう。 そして本巻において、いよいよ満を持して朝倉美羽が登場。 病みきった彼女の参入により、いつにも増して 扇情的でサイコなメロドラマが展開されます。 特に、美羽(ヤンデレ)VSななせ(ツンデレ)の リアルファイトは、本巻のハイライトでしょう。 相手を「泥棒猫っ!」「性悪猫っ!」と罵り、つかみあいの 喧嘩をする美少女2人、という図は昼メロも真っ青ですw こうした露骨で過剰な演出に興ざめしたり、 引いてしまう向きもあるかもしれません。 しかし、本シリーズは、様々な要因が複合的に組み合わされることで、 他に類をみない独自の魅力を生んでいることも事実です。 そうした要因を、以下にいくつか挙げてみます。 ◇男の妄想ではない、女性作家による二昔前ぐらいの “少女小説”風キャラのリアリティと魅力 ◇文学作品をもとに人の持つ世界観が読み解かれ、 同時に再構築されることによって生れるカタルシス ◇各巻それぞれがシリーズ全体の中で明確な役割を持って 位置づけられる、というシリーズ構成の周到さ さて、今回で美羽編が終了。 番外編を挟んで、いよいよ本シリーズ最大の謎である“文学少女”の 正体に迫っていくだろう卒業編に入っていくことになります。 おそらく、本巻においてその片鱗を窺わせた櫻井流人や、 顔見せ程度に初登場した彼の母親、そして、最近出番の 少なかった姫倉麻貴などが深く関わっていくのでしょうが……。 とりあえずは、番外編が楽しみです。 | ||||
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