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死ぬことと見つけたり
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【この小説が収録されている参考書籍】
死ぬことと見つけたりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.61pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全71件 61~71 4/4ページ
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この本に書かれているのが真の侍の姿なのかもしれないと思いました。 自分の弱さを感じ、大和魂についてすごく考えました。 | ||||
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隆慶一郎の代表作と言ったら文句なく「影武者徳川家康」だし、「花の慶次」として漫画化されて読まれた「一夢庵風流記」を推すひとも多いかもしれない。「家康」にせよ「一夢庵」にせよ、隆作品の魅力は、網野史学を下敷きに、権力に抗して自由を求める人々(「道々の者」)と時の権力者の争いを自由闊達に描くところにあるのだが、そういった作品群の中では、この「死ぬことと見つけたり」は少々異色である。なぜならば、主人公の斉藤杢之助も中野一馬も、「お主は恐ろしい男だ。王の命に反して王の命に帰ろうとする」(宮城谷昌光「楽毅」)という、隆作品には他にない特殊なキャラクターだからだ。そして、そのキャラクターに隠居=体制側である鍋島直茂が理解を示している、というのも、体制に抗する主人公、という隆作品のパターンとは異なっており、興味深い。 理屈をガタガタこねるよりも、あの「葉隠」から無類の面白さを引き出した作者の天才を素直に楽しむべきであろう。わたくしは隆作品の中ではこれを最も痛快な作品だと思っている。 作者が「見知らぬ海へ」「花と火の帝」などと同様、これを未完で残したのは本当に残念というほかはない。もっと長生きして欲しかった。 | ||||
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超!痛快時代活劇です。 「プライドなんかじゃご飯は食べられないのよ~~!!」 とお考えの女性は読まないで下さい。(笑) 無能な藩主に仕えるくらいなら、志高い浪人の道を選んだ男の話です。 人生そのものに無頓着。 誰に認めてもらいたいわけでもなく、ただひたすら己の価値基準にのみ 忠実にいようとする、典型的『自己完結型人間』です。 腹が据わっているからやることが大胆。 男と生まれてきたからには・・・・と夢ふくらむ物語です | ||||
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毎朝布団から出る前にあらゆる死を想定することで、生への執着がない「死人」。一見異常な行為にも映るが、それだけに考え方や行動に一点の迷いもなくシンプルで明快。武士道に則って筋の通った生き様には、爽快感を覚えるだけに留まらず、モラルのなくなってしまった現代からすると、うらやましさすら感じる。未完のため、☆一つ減点… | ||||
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ハリウッド映画『ラスト・サムライ』のヒットで、「武士道」という思想が再評価されている。「武士道」とは何かと考えると、私は「生き方」ではないかと考えている。もちろん、真の「武士道」とは何なのか、私自身もはっきりとわかっているわけではないが。 ある時から人生を後ろから考えるようになると言った人がいた。「後ろから」というのは、「死」から遡って、ということだ。それがいつなのか、何を契機とするかは人によって異なる。年齢かもしれないし、それまでできていたことができなくなった時かもしれないし、誰か大切な人を失った時かもしれない。そしてそれはもしかすると、誰にでもある瞬間ではないのかもしれない。 ただ、その瞬間を持った人は「自己の死」を起点に人生を考えるようになる。「死」から逆算して人生を考え、人生の中で何か大切で、何が必要なことなのか、そうした一つ一つを考え、選択しながら生きていく。私は「武士道」とはそういう考え方ではないかと考える。常に死を見つめ、死を覚悟して生きるとは、生の見つめ、自分の生をどう生きるかという覚悟と同じだ思うのだ。「いかに死ぬか」は「いかに生きるか」なのである。しかし、本書の本当の素晴らしさはそうした思想性にあるのではない。エンターテイメントとしての完成度の高さである。常に「死」から「生」をみつめる「死人」たちの生き方は、自然、苛烈なものにならざるを得ないだろう。そうした「死人」である斎藤杢之助が本書の主人公である。冒頭の虎の爪に引き裂き殺される「死の稽古」の場面から始まり(そういえば、『ラストサムライ』も虎と闘う場面から始まっている。偶然であろうが…)、筆者得意の「死人」「いくさ人」たちの活躍に物語世界にぐいぐいとひきこまれる。この杢之助を中心に、中野求馬、牛島萬右衛門の3人の「死人」たちの権力者に媚びず、自分達の信じるもの、守ろうと思うもののために、そして遊びに命を賭ける姿が描かれていく。彼等は「死人」「いくさ人」独特の冴えた目で、自分を、他人を見つめていく。次々に鍋島藩にふりかかる事件や幕閣との確執などの出来事と相まって、彼等のその破天荒で苛烈な生きざまは痛快かつ爽快である。残念ながら、題名だけを見て、「死を礼讃するような本」と決めつける人がいるようである。しかし、本書はそんなに狭い思想を説いたものではない。ぜひ本書に目を通してほしい。 | ||||
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映画「ラスト・サムライ」の大ヒットによって、改めて武士道というものが世界的に再評価されている。洋の東西を問わず「命よりも名を惜しむ」というサムライの誇り高き強い精神が人々の共感を呼ぶのだろう。この書の主人公である斎藤杢之助は典型的な葉隠武士である。常住坐臥、死人として生きている。毎朝、寝床で死ぬ訓練をし、死人として明日なき今日を生きている。死人であるが故に、自分が死ぬ事に全く恐れを感じず、他人を殺す事にも躊躇がない。恐ろしい男である。上巻ではこの斎藤を中心に、中野求馬、牛島萬右衛門の3人の葉隠武士達の若き日の活躍を描いている。現代の価値観から考えれば、斎藤のように常に死を覚悟して生きている人間はある種、異常であり、憧憬の念、畏怖の念を抱く架空の人物のように感じる。しかし、このような日本人は戦前までは確かに存在していた。命よりも名誉を重んじ、他人のために躊躇なく死ねる男!戦後、我々日本人がなくしてしまった崇高な精神がここにはある。利己的で功利主義が蔓延してしまった現代日本に生きる我々が学ぶべき美質が葉隠武士道の中にはたくさんある。我々の祖先はこんなにも崇高な精神をもっていたのだと誇りに思える。と同時に現代の日本を考えると恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。激しく自省するばかりだ。日本人なら一度は読んで欲しい。文句なしにおすすめ。 | ||||
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作者・隆慶一郎氏の急死により、この「死ぬことと見つけたり」は未完の作品となっている。下巻では、年をとってからの葉隠武士達の活躍、鍋島藩の相続問題、それに絡んでの幕府老中との確執を描いている。途中で終わっているため、クライマックスにあたる、藩主・勝茂の死、そして殉死追腹を切る覚悟の斎藤等の最期は残念ながら描かれていない。おおまかな結末の行方は残っていたのだが、やはり隆氏の手による完結を読みたかった。物語は未完ではあるが、作品としての面白さは文句なしに☆5個。我々現代に生きる日本人がなくしてしまった、崇高なる生き様(死に様)が描かれている。『武士道とは死ぬ事と見つけたり』この言葉の深い意味が自分の心に深く突き刺さってくる。自分は人に恥じない生き方をしているだろうか?男の死に方を考えさせられる。名著です。 | ||||
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佐賀鍋島藩の武士の修養書『葉隠』に材をとった時代小説、斎藤杢之助、中野求馬、牛島萬右衛門のタイプの違う三人の武士を主人公に、男としての生き方、葉隠武士の有り方を描き出しています。自分の信じる道を行き、自分の信じるもののために全てを懸ける、言葉で言うのは簡単ですが、なかなかできることではありません。が、この三人は、時には絶対的な権力を持つ藩主の意に背くことになろうとも、さらには幕府老中に楯突くことになろうとも、平気でできてしまうのです。意地と誇りと、そして何より覚悟を持って、命さえ投げ出して事に当たることで、人間として男としての輝きがさらに増していく。なんと羨ましい生き方であることか。自分にはできないこととわかっているので、なおさらこの男たちが眩しく魅力的に見えてきます。残念なのは、最後まで完結することがなかったこと。構想は練られていたので、その後どうなっていくのかは簡単に書いてはあるのですが、やっぱり物足りません。作者の筆で、無骨に愚直に爽快に生きた男たちの物語を閉じてほしかったと感じるのは私だけではないはず。作者の急逝が本当に悔やまれます。 | ||||
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隆慶作品は超人的ヒーローを主人公に据えたものが多く、リアルな時代小説を好む私としてはあまり本気になって読めませんが、何故か時間がたつとまた読まずにいられなくなる作家です。 当然隆慶ファンの方々も、あの魔法のようにワクワクさせられるストーリー展開に魅せられて、少ない作品を大事に読まれているのでしょう。中でも私にとって本作品はワクワク度NO.1。 とにかく難しい事は何も考えずこの作品を呼んで隆慶の世界を堪能してみてください。 普段小さな事に気を揉んでいる自分が恥ずかしくなり、モリモリとやる気が出てきます。 | ||||
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隆先生は人物を生み出すのが非常に上手い。 葉隠を下敷きに、苛烈な鍋島武士の生き様を描く。 あと少しのところで未完なのだが、プロットが残っており、大体の結末が想像できるのが救い。 この本で葉隠に興味を持った方は、三島由紀夫の『葉隠入門』辺りを読んでみると良いでしょう。 | ||||
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やはり主人公は、豪快に生きる武士。 浪人の斎藤杢之助は、いざ佐賀鍋島に危機の時には最高の働きができるよう「毎朝 死ぬ自分を想像して何事にも動じないように特訓している」人物。そんな彼は、誰にも出来ない放胆な行動で浪人衆に好かれている。 杢之助に心酔する浪人の牛島も、そんな感じの人。 一方、杢之助の親友の中野求馬は自身の父のように「自分の信念を通して藩主の怒りを買って切腹する」ことを目指して老中にまで登る人。 そんな3人が、つぎつぎに起こる佐賀鍋島の危機を救うために動く話。 杢之助ら浪人が、浪人という身の上なためかなり大胆な事をしでかし、それを見てひやひやしどおしの求馬と藩主。しかし、求馬らも結構な切れ者で、よく動く。 このキャラクターの違う3人のからみがけっこうおもしろかった。 ただ、「影武者徳川家康」に比べたら、登場人物が最初におおかた出そろってしまって、展開が大きくないので★4つ。 | ||||
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