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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年



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【この小説が収録されている参考書籍】
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価: 3.41/5点 レビュー 1022件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全177件 141~160 8/9ページ
No.37:
(3pt)

愛を求めてさすらう旅人の物語。しかし・・

村上氏は一貫して現代人の孤独とそれに対比する意味での人と人との繋がりをさまざまな形で描いてきていますが、この小説でも主人公の多崎つくるが心に傷を負いながらも前向きに生きようと苦闘する姿を描いています。

この小説のクライマックスともいうべき、つくるの学生時代の親友たちから過去の秘密が語られていく場面は次のページをめくるのがもどかしいほど一気に読ませます。

人が感じる孤独が深く痛切であればあるほど、友情や愛を手にした喜びは大きいはずで、そのような意味において村上氏の小説はどれも愛を求めてさすらう現代人の物語です。村上氏の小説がこのように広く読まれるのはそのような主人公に読者が共感を覚えるからではないでしょうか。

特につくるが過去の自分の失われた時間を取り戻すべく、フィンランドを訪れる場面の描写は静謐で美しく素晴らしいと思います。
しかし全体的にこの小説には疑問を感じる箇所もいくつかあります。

友人の灰田から父親の若いときの体験が語られる場面。この小説のおそらく最もすぐれた描写であると思いますがそれが小説のその後の伏線となるわけではなく、宙ぶらりんな印象を受けます。

そして主人公の多崎つくるが裕福な家庭に育ち、明晰な頭脳と端麗な容姿にも恵まれた一見何一つ不自由のない境遇にあることです。
村上氏の小説の主人公は大なり小なりすべて村上氏の分身であると思いますが、そのようなの人物を描くことにより、よりいっそう孤独感を際立たせようとしたのでしょうか。

しかし震災という未曾有の体験を経た今、このような小説を「金持ちのお坊ちゃんのたわごと」と批判することも可能であるということです。

常に変わらない村上氏のスタイルに共感と安堵感を覚える一方で、今眼前にある出来事への危機感のほうがリアルで痛切である、という事実に疑問を感じる小説でもあります。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年Amazon書評・レビュー:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年より
4163821104
No.36:
(3pt)

いやに軽い巡礼では?

至ってシンプルな物語になっている。その中のエピソードの密度も薄い。
救済の物語をとにかく素早く提示することが求められていたことだったのだろう。いつもならばもっと練り上げられているのではないか。謎はもっと重層的に書き込まれ、その密度を濃くしたはずだ。
しかし今回は骨格を言いきってしまう。だから冒頭に不穏な謎(ボディスナッチャー的な感触)が投げられるものの前半でその謎についてはカタがついてしまう。ならばそのうえで謎は解題においてもっともつれてしまうのかと思わせるのだが、それはむしろシンプルにほどけてゆき外的な障害も現れず、善き導師を得て再生に向けての巡礼が行なわれる。そこにもさしたる障害はなくただ時間によって見えにくくなっていた過去と現在の道筋が再び穏やかに現れるだけだ。そして感情の否定的要素の存在を受容しながらコミットメントの背中を押すように終わる。春樹氏をしてデタッチメントそれ自体の等価性に蓋がなされてしまうのであれば、あれという思いも残った。
春樹氏の所作を一応楽しんだ、と言っておいた上でだが、輻輳したシステムに対する小説家の闘いという志においておそらく今回はレベルを落としている。それが現実的なシステムの要請であったかもしれないと読者にうすうす感じさせるところが危うい。
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No.35:
(3pt)

誰にも書けない単なるクラシック音楽

村上春樹の小説はクラシック音楽だと思う。何となく上品に聞こえる(聞こえるとは皮肉らない)。

350円の価値しかないコーヒーを1200円でホテルのロビーで飲まされるようなものかも知れない。

登場人物に無駄な教養と上品な生活があるだけ。子汚い教養もない日雇いのおっさんを登場させてみなよ、と言いたくもなる。

実利はない。小説の存在意義そのもの。高貴な時間に身をひたすだけのもの。

吹奏楽でもかじっていない限り、大勢の人間はクラシック音楽よりミスチルや桑田といったJ-Popを好む。

ただし、こういった現代クラシック的描写はほとんどの作家にできない。よって極めて少数派の作家。

「味わい」が他の現実的な話題をテーマとする東野圭吾などの作家と比較できるものではない。

「何のことはない出来事をあえて難解な詩的なことがらにしてしまう」

「知的スノビズムと言えるような、あー言えばこう言う、くだらない会話」

作中、イライラする場面目白押しだが、他の作品も絶対にまた読みたくなる不思議な作家。

※ネタバレ推測申し訳なし

多崎つくるは何者でもない。こういう人間に自分はイラっとする。

灰田の知性と行方に心を奪われるが、彼もまた、ろくな人生はまっていないだろう。

シロはおそらく名古屋でグループ外の誰かと恋愛関係にあり(あるいは刹那的な恋に落ち)妊娠し、

「浜松に逃げ」、追ってきた元カレに殺されたのだと思う。
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No.34:
(3pt)

村上春樹が売れる訳

初期からのファンは当然、どうした?と思うような劣化や既視感を感じる事でしょう。 三人称と言う時点で違和感を感じる方も多いかと思います。 それでも村上春樹が売れる理由として 1.そもそも村上春樹の魅力の本質を理解出来ていないのに、ネームバリューで絶賛している 2.劣化したとは言え新鋭作家と比較すれば面白い 3.読後の喪失感中毒 大まかに上記3つに当てはまるのではないでしょうか?(1に関しては自覚は無いでしょうが) どの作品でおやおや?と思ったかは多少差はあるでしょうが、私は何作かファールで粘り1Q84で2ストライク、今作で三振と言った印象を受けました。
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No.33:
(3pt)

読み解くべき謎が一度では解けなかった

今作はまた少し文体が変わったように思います。
3人称文体がこれで完成したのでは?
読みやすい文体に変わりありません。

内容については
一度読んだだけでは、解釈できない部分が多く残りました。

灰田の存在は?
緑川のエピソードは?
6本目の指はどう解釈するべきか…。
つまり、6人目は誰を指すのか。
駅をつくることの意味は?

時間を置いて読み返したいと思います。
よって今の時点では星3つ。

村上作品の魅力は、こうして時間を置いて何度も読み返し、
その都度新たな発見があることだと思います。

また、いつになるか分かりませんが、
次作を読むと解明できる部分もあるのかもしれないと思います。
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No.32:
(3pt)

微妙。。。

つまらなくはないが面白くはない。。。そういった印象でしょうか。
私は主人公と年齢が割合近く、主人公の透明な存在は(同じ世代の人間ならば)同感を得る点は多々あると思います。

しかし、これがもし他の作家の作品であったならば今この本への心象が同じかというとそうではありません。
”村上春樹だから”ということで星3つです。
普段あまり文学に馴染みのない方ならばこの本に少なからずインパクトを感じることでしょうが近代文学が好きな方にとっては
和洋問わず決して新しい素材ではないですし文体・手法ともチープな印象を感じることでしょう。
洋書をよく読みますがその中で出てくる文と良く似た文が多々あり、それが直訳っぽくてかなりのマイナス点。
日本人独特の水彩画っぽさはあるけれどピントがずれている感は否めない。
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No.31:
(3pt)

四国お遍路やサンティアゴコンポステラ巡礼のような、(普通の意味での)巡礼の話ではなか

主人公の30代の男性「多崎つくる」が、過去のトラウマに向き合うべく、かつて主人公を
手酷く切り捨てた もと友人たちを訪ねてまわる話です。
それがタイトルにある「巡礼」の意味で、ふつうの意味での巡礼(「聖地」への訪問)
をするわけではありませんでした。

主人公に「巡礼」をすることを促す女性「沙羅」について。
なぜ、自信満々に、絶交した昔の友人たちに会いに行けと言えるのだろうと、不審に思いました。
パンドラの箱を開けることになるかもしれないのに。楽観的なだけ?
彼女の役回りがないと物語が前に進まないので、ここを突っ込むのは野暮なのかもしれませんが。

今回の小説の描写は、主人公からの視点に限定されているので、
多崎つくるの知らない水面下で何が進行していたのか、最後までよくわからないところがあります。
もと友人たちの語る言葉も、真相のすべてを話しているのかどうか、よくわかりません。
そこには、想像の余地があり、それこそが今回の話の面白いところなのかもしれませんが、
すっきりしないところでもあります。
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No.30:
(3pt)

否定的なレビューをする一部の人たちの感性に疑問

最近、朝日新聞に寄稿するなど政治的な発言が目立つ村上さん。

中国や韓国に強硬な態度を取る連中が拍手喝采を浴びて、自制を求める人たちは「非国民」だとして糾弾されるのが今の日本のトレンド。そういった日本の「右傾化」に対して、村上さんは日本のナショナリズムは暴走しているとして自制を促している。その態度を面白くないと思う人は多いだろうし、読む前から「左翼」村上として否定的な態度で読む人も多いと思う。

そもそも「面白くなかった」とレビューに書いて「すぐにゴミ箱に捨てました」と無感覚に公言するその鈍感さを持った人間や、「お金の無駄だった」と金銭的な価値観でしか物事を考えることができない人間たちの感性の方が問題があると思うんだが…。
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No.29:
(3pt)

色彩を持たない人などいません!

30代後半の男性が、過去を振り返る。
 痛みを伴う青春時代の光と影。失望、喪失感と再生。
 20年以上前、旅先で貪るように読んだ「ノルウェイの森」と酷似しているように思った。
 「色彩をもたない」。個性がないと思い込んでいる主人公、多崎つくるくん。
 自分の色を持っていない人間なんて、この世にはいないよ。
 それに、いくらナイーブな傷つきやすい少年であったとしても、14年もそれを引きずるなんて……。
 その時、深い傷を負ったことは理解できる。
 自分を否定したい気持ちも、消えてなくなってしまいたかった気持ちもわかる。
 でも、14年もの間、自分を苦しめる原因を突き詰めようともせず、ただ自分の殻に閉じこもってしまっていたのは、どうなんだろう。
 友達以上恋人未満(かなり古い表現?)の沙羅が「つくる」に言った「過去と正面から向き合わなくてはいけない。自分が見たいものを見るのではなく、見なくてはならないものを見るのよ。そうしないとあなたはその重い荷物を抱えたまま、これから先の人生を送ることになる。(略)……」という言葉のとおりだと思う。
 「海辺のカフカ」や「1Q84」のような難解さがない分、読みやすいけれども、ちょっと抒情的過ぎる感じで、面白いとも思わなかったし、感動もしなかった。
 ただ、著者の年齢でも、このような青春小説?を書けるのだと、妙なところに感心した。
 この本では、主人公はフィンランドに向かうのだが、村上春樹は、北欧が好きなのだろうか?
 

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No.28:
(3pt)

日本的閉鎖性を持たない村上春樹と、彼の肯定の歳

発売日に購入して読みました。自分には純文学がわからないということがわかりました。
 筋立ては平凡すぎるほどです。ドラマチックな展開もなく、爽快な謎解きもなく、感動するエピソードもありません。ぬるい展開で、謎は解かれないまま、読者に共感を与えない形で物語は終わります。終わったという実感すら与えません。この軽さをどう捉えるかは、読者に委ねられています。
 作者は何を言いたかったのでしょうか。書いてあることからそれを探ることは困難な気がします。ならば書かれていないことを探ってみようと思いました。
 この小説では、現代日本の独身中年における乾いた孤独が丁寧な文体で描かれており、確かにこんな中途半端な人が増えているという感じはします。反面、不況、失業、貧困、財政赤字、環境破壊、戦争の脅威といった大きな現実の問題は取り上げられていません。そのためファンタジーかと疑うほど、非現実感にあふれています。素直に読めば、主人公が精神的に子供であるために自閉的であり、実社会が見えていないのだという解釈が成り立ちますが、この見方は皮相的でしょう。
 思い切って深読みすれば、日本人が国内で目にしている問題は、(作者が高く評価されている)世界の水準で見れば、本当は大した問題ではないという辛口の批評が込められているのかもしれません。この解釈に立てば「日本の若者よ、現状に絶望してはいけない。今より少しだけよくなりたいという謙虚な理想をもって人間関係を大切にすれば、幸せがやってくる」という、作者の励ましのメッセージなのだとも受け取れます。
 村上氏は孤独をモチーフにすると言われますが、この小説では、孤独に生きている者は不幸になり、家族を持った者が幸せになっています。人間関係が希薄化した現代でも家族は大切だという作者のセンチメンタリズムでしょうか。これが作品の心地よいぬるさを引き立てています。
 気になるのは、主人公と友人たちが属する社会階級です。友人たちは中流と描写され、主人公だけ少し裕福と描写されています。こう書けば若い世代は感情移入できるのでしょうか。古い世代の感覚では、主人公は裕福すぎて共感できません。主人公たちが名古屋人なのに洗練された標準語を話しているのも違和感があります。名古屋は閉鎖性を象徴する記号で、現実ではないということなのでしょうか。
 この小説は、不透明な時代に生きる若者たちにささやかな夢と希望を与える意図があるのかもしれません。それが本当なら大ベストセラーになるでしょう。
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No.27:
(3pt)

さらっと読めて、いつもと同じ。

さらって読めます、リーダビリティ高いです。いつも通りの、主人公は悪くないけどいろいろなタイミングが重なって損なわれるけど、最終的にみんな許しますよ、という話し。主人公にとって都合の良い彼女が出てきて物語を前に進める原動力を与えてくれますが、何故彼女がそんなに主人公に惹かれてしまうのか謎。で、もちろん主人公がそれを受け入れるのも謎。

と、ネガティブな意見もありますが、もちろん面白く読みました。いつも通りの春樹さん節でぐいぐい読めますよ。

灰田くんはどうなったのかなぁ。続き出るのかなぁ。「ねじまき鳥」や「1Q84」商法みたいにしばらくしてしらっと続編出てもおかしくない結末。「羊」の頃から同じだけど、読みたくさせるチカラ強いです。
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No.26:
(3pt)

ピークを過ぎた感

作家は、晩年になって熟成し、ますます深みを増した傑作を生み出すタイプと、
やおら筆の勢いが落ちてしまい、急激に作品が色あせていくタイプとありますが…
忌憚のない意見を述べさせていただくと、この本書を手に取って感じたのは、
間違いなく後者でした。

村上春樹さんの本を、20代はじめより愛読し続けてきました。
近年は「昔のほうが面白かった」「登場人物から何から昔は勢いがあったのにな」
と、薄々感じてはいましたが、この本書でついに確信しました。

“村上春樹さんは終わった”と。

村上春樹さんの新作と聞けば、どうしても昔の栄光からつい読みたくなってしまいます。
そして買っては「あれ…なんか妙な方向に走ってるな」
と、違和感を覚えることの繰り返し。

しかし、それも今回で読み収めとなりそうです。

ダンスダンスダンス、ノルウェイの森、羊をめぐる冒険、ねじまき鳥などの小説、
そしてギリシャミコノス島での日々を書き連ねた、明るくユーモアの混じったエッセイ。
あの時代の村上春樹さんの作品は、もう今後は出てこないのでしょうね。

盛りを過ぎ、細々と消えゆく才能とは、なんと切ないものかと思います。
この作品から感じたのは、村上春樹さんの老いでした。

どんな作品であっても村上春樹さんそのものをリスペクトし、受け入れられるほどの器量。
または村上春樹さんと同じ目線、感性がなければ、
本書に対して拒絶反応の方が強いと思います。

全盛期の村上春樹さんの小説は、何度も読み返したくなります。
今でも何度も読み返します。

しかし、近年の村上春樹さんの作品は一度目を通したらもう充分。
読み返すことは全くありません。
そんな現実が切ないです。
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No.25:
(3pt)

ブックオフ逝き?

名古屋郊外の高校を卒業して一人東京の大学に進学して先日まで東京で暮らしていた40男でしたので
過剰な宣伝に踊らされてノルウェイ、ダンス3以来の読書をしてみました

因に先週まで藤沢周平、松本清張を読んでいました

いやぁー、相変わらずフワッとしてました
観念部分8割というかリアルと夢の能書きにゲンナリしました

このような者たちに身近感が無いのでセリフの物言いに始終違和感が
(リーガル・ハイSPを途中で挟んだせいもある?)

好きだっただの絞殺されただのレクサスは造語だの「ふぅ〜ん。で?」という印象で
自分が味わってきた過ぎし日の方がセレナーデになっています

文体というか展開が大正時代な感じで、大正時代の自己否定な鉄道設計士が主人公だと思わせます

しかし、大学後輩との微妙な関係とかありますが、100万部の方が読みますか
装丁の抽象性の通り万人受けは皆無と判断しますが

とりあえず今週の東野圭吾最新刊で口直ししたいと思います
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No.24:
(3pt)

読む必要はない

これだけ話題になると、
一応読んでおいた方がいいのかな?
ひょっとしてすごい小説なのかな?
と思う人がいるかもしれないが、
そういう人は読む必要性はまったくない。

世の中にはこんな本より、
おもしろい本や読むべき本はいっぱいあり、
人生が有限であることを考えると、
短い人生の中で、この本に数時間あてるのはもったいない、
というのが私が読んだ結論です。

悪くはないと思うけど、ぜんぜんよくはない。
読むのがバカらしくなって、
途中でやめてしまった「1Q84」なんかより、
最後まで読めるだけかなりいいかもしれない。

この本を読んでおもしろいと思うのは、
村上春樹作品を今まで一度も読んだことのない大学生ぐらいか。
村上春樹作品を読んだことがある人は、
中身が100万部とか売れるようなものではない。
暇つぶしにいいかっていうと、
それだったら池井戸潤でもいいし、東野圭吾でもいいし、
いくらでもこんな本よりおもしろい小説はいっぱいある。

今回、村上さんは最近駄作続きだったので、
私的には村上春樹作品の最高傑作だと思っている、
「ノルウェイの森」みたいなものをもう一度書けないかと思い、
挑戦してみたけど、「ノルウェイの森」の劣化版というか、
モノマネというか、でも底が浅い作品になってしまいましたといった感じか。
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No.23:
(3pt)

五感の刺激が、今回はあまり感じられなかった。

村上春樹の大ファンです。
彼の作品にはいつも、強烈な匂いと温度、強すぎる光や暗すぎる暗闇が立ち込めており、私はその感覚が大好きで彼の作品を読んでいました。
今回は、そういった描写が少ない気がしました。
彼の作品には強烈な個性を持ったキャラクターが登場するのですが、
いつもなら匂いや温度、声の質、その人物が立つ場所の描写までがリアルに描かれていたので、
どんなに現実離れした人物であってもすんなり受け入れることができたのですが、
今回はどういう訳か「人物設定」みたいなものばかりで、人物の立体感がないまま話を読み進めることになりました。
また、いつもなら「奇妙なエレベーター」とか「変なホテル」とか「ずっと昼寝していたい庭」とか、村上さん作品特有の「場所」が登場するのですが、今回はあんまり好きな「場所」が無かったです。

文庫本開くだけで、あったかい暖炉の火にあたったり、美味しいスパゲッティを食べれたり、埃臭い閉ざされた部屋に入れたり…
そういう読んでるだけで宝物になるようなキラキラした文章に、また出会いたいんだけどなぁ。
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No.22:
(3pt)

正直がっかり

こんな終わり方でいいわけ?てきな残念感。期待してしまった分だけ残念。
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No.21:
(3pt)

期待通りの感動

すでにamazonの書評上にいくつもの優れた書評があるため、敢えてこの書評が必要かというと疑問だが
自分の感じたことはここまでの書評内にも表れている。
僕はいま31歳で、多くの読者のように村上春樹の作品を読んできてるし、16歳のときにノルウェイの森に感動した経験をもつ。今度の作品では、ノルウェイの森とかの先にあるものが、そこにあるのではないかという期待のもとに作品を手に取るのだが、同時に、同じような感動を味わいたいという矛盾した期待もある。
昔の感動を思い浮かべると、それが薄まった感動を味わっているように感じてしまう。
よくいえば、いつもと同じでいいと感じるし、悪く言えば、いつもと同じなのだ。
この作品をいま10代で村上春樹の作品を初めて読むような読者は、僕が昔に味わったような感動を感じるかもしれない。
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No.20:
(3pt)

力作、ではなく。駄作、でもなく。

例えば『海辺のカフカ』とか、例えば『1Q84』とか。
渾身の一作、という印象を全く受けない。『1Q84』の休憩、みたいな。
それでも村上春樹は村上春樹なので、メディアも騒ぐし売れるには売れる。

じゃあ誰でも書けるのかというとそうではないし、
ストーリー性という意味ではさすが!と思った。やっぱり凄い。

灰田の下りは消化されないんですね。
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No.19:
(3pt)

夢の世界は万能ナリィ!!!

オレは夢のなかでの性交を重視している
そこでやったら現実でやったと同じだ!!!
ユング心理学=河合隼雄の次ですね。
どんな親しい仲の友達でも本人がほんとうのことを話さないかぎり理解できない
を童話をモチーフで物語るという
モダン小説ですな。
戦隊モノと白雪姫がでます。
オウムの小型化はアカの企業セミナーなんでしょう
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No.18:
(3pt)

果てに何かあるのではない、巡礼

とてもよかったことをいくつか。(ネタばれかも)
・ピアノへの憧憬
・世代的に共感できる点が多かった
・他にも、親しみ(半・憧れ)のある地名が出てきて良かった
・つくる君の立ち直り
・いくつか出てくる、心象を表現することの難しさ
(理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない、の流れか)
・つくる君のお父さんの名づけのエピソード
・フィンランドのくだり。缶ビールを思わず開けました
・フィンランドで思い出された情景
・新宿駅のくだり
・最後の1ページ

鼻についたり、引っかかった箇所もいくつかありますが、書いてもしょうがないので割愛させていただきます。
本人が、いつの間にか長くなっていた、というのも分かるような感じの荒々しさ(粗さ?)も
感じました。

彼の作品をもともと好きな人は、なるほど、今回はこういう感じなのか、ふむふむ、とか言って読めばいいと思います。もう読みません、という人も見かけましたが、今回はささっと書きました、っていう
感じだし、そういう意味でもおもしろかったのでは?ファンを裏切らないために書こう、ということを村上春樹さんご本人は思っていても、ある種の作家というのは、そういうものではない筈なので、こういうことは仕方ないのかもしれないな、とか思っちゃいました。
というか、ハルキストの方たちは、本当に村上春樹さんの作品がすきなんだなーと感心しました。

ファンじゃないんだけど、村上春樹って読んだほうがいい?っていう人も、誰とも話せない何かがあるなーっていう人は読んだらいいのかな、と思う。最近は特に自分自身も世間も、すべてがオープンであることが、良い状態、という強迫観念が、感染しすぎっている(この作品は、そうではない、ということを言いながら、沙羅という女性によって明らかにしようとする、という矛盾があるんだけども。ああいう矛盾した人が自分に関わってくる、というのも、この世界の真実だよね)。

そんでもって、おもしろい本を読みたい!っていう人は、予備知識無く読んだら、どきどきしながら
この作品は読める、作品だと思います。

読後、その人は言うでしょう、「よく、わかんなかった」もしくは、「オチが、なーんだ」って感じとか。
本をつくる、と、駅をつくる、が違うのはそこのところ。
駅はバリアフリーにも配慮して、使う人すべてに等しく安全でなければならない。
でも本は違います。誰にとっても安全な本なんてない。
もっと言えば、毎回おもしろく、自分にあう読書なんてない。
理解できない人間がいるのと同じで、理解できない本がある。
誰と誰が気が合うのかなんて、誰にも分からないことなので、
それぞれ自分のやり方で、その人に言葉や何かを投げてコミュニケーションとるわけですよね。
読書、というのは、そんなもので、
誰にとっても有用な読書、というのはないんですから。

村上春樹さんの本は、その世界にはいると、ハードボイルド・ワンダーランドに入っていける、
という装置が仕掛けられているのが特長だと私は思っているのですが、
その装置、という意味では、今回もカチッと作用しました。

だけれども、3点なのは、それでもやっぱり粗いところが感じられたからですが、
流れとしてはとても気持ちよく夢中になって読めました。
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