■スポンサードリンク
腐葉土
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
腐葉土の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.56pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
よく作り込まれている作品。 それ故にカッチリとした構成で、著者の几帳面な性格が現れているよう。 構成、会話、描写などの全てがしっかりとしていて、一つひとつの会話も論理的。計算尽くでミスが無く完璧な印象。 ただ、私には固すぎる過ぎて読んでいて疲れました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「木部美智子シリーズ」の中で初めて「犯人」が司法の場に立たされた。 それにしても「正義」や「倫理」は表裏一体で、所詮「人」が作り出したモノでしか無いって事を改めて感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
蟻の棲み家を読んで、おもしろさにびっくりし手に取った。全く知らなかった作家さん。こんな発見ができて嬉しい。リアリティのある重厚な文章。この著者の作品は、信じる道を進めと応援してくれる気がする。そんな熱を感じる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の作品を読むたびに、私は彼女の類稀なる筆力に舌を巻く。と言っても、彼女の作品を 読むのは「蟻の住み家」「神の手」に次いでまだ3作目。偉そうなことをいう資格はない。 だが、本作品「腐葉土」は、その2作品を、構成力、人物の深堀、そしてミステリー作品に望まれる 謎解きの面白さ、そういったものすべてにおいて凌駕していると言っていい。高級老人ホームで 資産家の老女笹本弥生が殺害される。彼女と折り合いの悪い唯一の孫健文は、弥生が 自分の財産を昔生き別れ、現在老人ホームで彼女の世話をしている会田良夫に残すという遺言を 書いていることを知り激怒する。物語の出足はある意味単純なものだが、これから話は何層にも 重なった展開を見せる。弥生という老女は、関東大震災や太平洋戦争で悲惨な体験をするが、 その逞しい生命力で資産を築いていく。そして、わかってくるのが、この会田良夫という男が 偽物ではないかということ。主役のジャーナリストの木部美智子は、東都新聞の記者亜川と協力して 真実に迫っていく。いや、最終章で書かれる謎解き(という言葉が軽すぎるとは思うも)は、絶品で ある。なかなかこれほど優れた構成力の作品にはお目にかかれない。実に面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
望月諒子の「蟻の棲家」を読んで面白かったのでアマゾンで「腐葉土」を買いました。期待に違わず熱中して読み終わりました、骨太の作家、好感を持ちました。最初の被害者の笹本弥生の一生が震災や戦争によって描かれるのですがその部分を読むだけでもこの本の価値があります。凄まじい人生、愛には恵まれず夫にも振り向かられず娘にも背かれる、でも弥生は自分の人生を突き進む、こんなに妥協のない女も珍しい。木部美智子シリーズの前作も図書館にリクエストしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
蟻の棲み家で望月諒子にハマり、壺の町に続いて3作目。 正直何でこの作者がこんなに知名度低いのか分かりません。 重厚な筆力は最近読んだ作家の中でNo.1。 前半の凄惨な戦時中の描写も圧倒されます。 ミステリとしても、伏線の貼り方も上手いので、後半読んでいて気持ちよく、ページを捲る手が止まりませんでした。 蟻の棲み家といい壺の町といい、犯罪に手を染めるに致った人間の悲哀を描くのが上手いですね。 残念ながらこの前三作の木部美智子シリーズは電子版でしか購入出来なかったのですが、 どこかの出版社か、新装改訂版で発刊してくれないかな。。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
関東大震災、東京大空襲を生き延び、冷血無慈悲な高利貸しとなって、莫大な財産をなした老女笹本弥生が高級老人ホームで殺害された。 けんかばかりをしていたというたった一人の相続人である彼女の孫が当然のように容疑者として浮かぶが、そこへもう一人戸籍外の孫と主張する男が、弥生の遺言のコピーを手に現れる。 震災、大空襲の恐ろしい描写には頭痛がしてきたほどでした。でも実際はこうだったのだろう、と若かりし弥生のくぐりぬけてきた地獄に思いをはせました。 プロットは非常に複雑、それが緻密な計画と正確な描写によって、読み進めるうちに解きほぐされていくのは読書のだいご味、快感でした。 作者が作品に登場させる人物は、善人も悪人も、いつも、いろいろな意味で非常に魅力的ですが、今回、いつもの木部美智子に加えて、なかば相棒的に活躍する新聞記者の亜川が素晴らしく魅力的で、また二人の関係がプロフェッショナル同志の深いものだったことに大満足でした。 ミステリーを求めて読了してみれば、感動的な大作でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
女流作家のミステリー小説を最近立て続けに読みましたが、最も硬派でよく練られた構成であり読み応えがありました。 最初は興味が湧かないだろうと思っていた戦時中の描写が心に迫り強い印象が残りました。 登場人物の心理描写が細かくリアリティがあり、特に1代で財産を築いた老婆とそのお気に入りのヘルパーの半生及び性格は興味深く、考えさせられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
謎と伏線の回収が気持ち良い後半は本当に怒涛の展開。 最初は違和感もあったけど、乾いた感じのヒロイン?主人公の目線も読みやすい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読了に数日を要する大作だったが、読み応えあり。 ひと口で言うと、殺人事件とそれを追う雑誌記者と新聞記者。 だだ、話は昔に戻り、関東大震災、東京大空襲の惨劇をまざまざと描写する。 かなり出来過ぎ感の否めないプロットだが、悲しくなる最後。 なぜか、アンデルセンの幸福の王子と、凍えて死んだ鳩を思い、泣きたくなる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーの視点でも、笹本弥生の一代記という視点でも、本当に良くできていてとても面白かったです。 時間を忘れてどんどん読み進めてしまいました。 、関東大震災・東京大空襲の中生き延び、女一人で戦後のヤミ市でのし上がり孤独の中で財を成し続けた笹本弥生の感性、あるいはその周りの人々の感性がリアルに描かれており読み終えた後、「生きることとは何なのか」と考えさせられました。 一読の価値ありです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
グランメール湘南 は、白亜の有料老人ホーム。入居時に、6千万必要。笹本弥生 85歳は、そこの入居者。煮ても焼いても食えぬ毒毒婆さん その婆さんが、自室で殺害されていた。犯人は すぐの近くにいそうなのに?彼女 当時4歳で、関東大震災 26歳で、東京大空襲 まさに 火の粉をかぶり、人を人とも思わず《ある時は、我が子 孫さえも》突き放し 蹴落とし 這い上がって今の 財を成した。昔の因縁が、ジワリ ジワリと〃 その因縁こそが‥ フリーライターの木部美智子がその謎を明かす。弁当箱に おかずを いっぱい詰め込んで ギューッと 蓋をしたような感じ。人 多すぎ!修学院とか 偽陶磁器とか やっぱり 必要人物?一気に読んだら ツ カ レ タ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても、良かったです.なんか、とても深い感じがしました。上手く言えなくてすみません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私が読んだ小説の中では、これが今年のナンバー1です。 戦後のどさくさでチャンスをつかみ、這い上がってきた女性の一代記。そして、娘や孫との確執、それに、自分の生年月日すらわからない捨て子の半生など、とにかく人生というものがわかっている人にしか書けない、読み応えのある骨太の小説でした。謎解きについても複雑で、最後の最後まで気が抜けず、一気に読んでしまいました。 文庫書き下ろしのためか、変換ミスらしき漢字間違いがいくつかあり、この著者らしい、やややり過ぎ感のある描写などもありましたが、これほどおもしろい小説にはめったに巡り会えないので、大満足です。『神の手』もそうでしたが、書くことの熱に圧倒されるまま、読み進めることができました。 惜しむらくは文庫での発売ということで、おそらくはどの賞にも引っかからず、あまり話題にもなっていないことです。著者は妥協せず、単行本での発売の道を探って欲しかった。こんな凄い作品がこのまま埋もれてしまうのかと思うと、非常に残念です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
好きな作家さんなので外れなかった、読めてよかった。 これからも楽しみです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
高級老人ホームで殺害された笹本弥生を巡るミステリーです。 容疑がかけられたのは2人。 孫の健文と高級老人ホームのヘルパーの会田良夫。 健文は、弥生とは日頃から折り合いが悪く、 良夫は、亡き娘が10代の時に身ごもり、生まれてすぐ使用人に引き取らせた子供です。 葬儀の場で発覚するもうひとつの遺言状の存在。 会田良夫はなぜ弥生のもとに現れたのか? 本当に偶然なのか。 弥生の死で得をするのは誰なのか。 そこにさらに、弁護士の謎の事故死と、 健文が入れこんでいた大学の考古学研究室で発生した詐欺事件が加わり、 糸は複雑にからみあってゆきます。 ひとつの謎が明かされると、別の謎が生まれてくる。 そんな繰り返しで、後半に入るにつれ、まったく本が離せなくなりました。 そして、この弥生という人物がめちゃくちゃ面白い。 4歳の時に関東大震災で父を、その後母も亡くし、 戦後26歳の時に闇市でひと財産をつくった。 金貸しと売春の元締め。 壁に「死ね」と書かれた紙を何十枚も貼付けられても、 糞尿をまき散らされても、 庭の木に親子四人が首をつっていた時も、心は少しも揺るがない。 震災や空襲で地獄を見た弥生にとっては、そんなこと屁でもない。 その描写も本当にリアルです。 これは、壮大なミステリーであるとともに、 戦後を生き抜いた笹本弥生という1人の女性の壮絶な一代記でもあると思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
重めの長編、軽めの長編、SFチックなもの、と、なんでも面白く書き、ただ、残念ながら一部の小説好きにしか評価されていない著者だが、これは掛け値なしに傑作だ。 関東大震災と太平洋戦争の空襲の描写がすごい。これだけでも読む価値十分。松本清張の「砂の器」を評価する人なら、これを読んでほしい。どう思うか? 文章は「神の手」などの初期作品よりだいぶ練れてきている。探偵役の木部美智子も、中年の色気を感じさせる。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!