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愛と幻想のファシズム
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【この小説が収録されている参考書籍】
愛と幻想のファシズムの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全107件 101~107 6/6ページ
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テレビで村上氏が「失われた10年」というタイトルでバブル崩壊後の日本の混沌とした状況を様々な人々とのメールのやり取りを通じて回想(今も混沌は続いているのだが)する番組を見た。私もこの作品を読んだのは、ちょうど10年前だったろうか、作品を読みながら20世紀終わりの日本は作品に描かれている社会になるという錯覚に陥ったのを覚えている。ファシズムが社会を支配するような状況にはなってはいないものの、結局日本社会、企業のシステムが崩壊し、社会全体が何だか落ち着かないものになっている所は当たっていて、村上氏の予見力のすごさに他のレヴューライターの方々同様にただただ感嘆するばかりである。またこのような作品を書いた村上氏であるからこそ、進んで一般の方々とのメール交換を通じ、現代社会を見つめる作業を行っておられることが納得できる。 現代社会そして近未来を鋭く見つめる村上龍の作品。これからもそんな作品が次々と出てくるのが楽しみだ。 | ||||
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下巻では先端技術や情報の重要さがよりクローズアップされています。つまり「肉体的な弱者」というより「情報に対する弱者」がハンティングの対象になっているわけです。このような「情報強者」と「情報弱者」の対立は21世紀の最大のテーマになるのではないでしょうか。80年代にこのような問題意識をもてる視点の鋭さに驚かされます。 | ||||
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村上龍さんの作品の中で最も好きな作品です。政治とは無縁のハンターが、狩猟社会の「強者生存」という原則を現代社会に復活させるために爆発的にパワーを得ていくというストーリーの展開はまさに圧巻です。小説の中とはいえ、ヒューマニズムを真っ向から否定することはかなりの勇気や強さが必要だと思いますが、薄っぺらなヒューマニズムがもてはやされる風潮こそが、結果的に人類全体の危機を招くのではないかとの警鐘に聞こえます。つまり「一人一人が強くなれ」というメッセージなのではないでしょうか。こんな小説が書ける龍さんは(いろんな意味で)やっぱりすごい。 | ||||
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未だにこれが村上龍のマスターピースであると、私は考えています。経済危機、ファシズム、テロル、いずれも現在の日本にありえなくない状況でもあるのに、誰もそれを考えない思考停止。 村上氏は、システムとの対抗を描こうとしたと述べていますが、(ある種の)村上作品に一貫した「力」が、一番色濃く出ているものと思います。文庫もいいですが、横尾さんの表紙の単行本も捨てがたい。 | ||||
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1.自分の心の深いところに潜るために本を読む。2.目の前の世界で生きていくために本を読む。本の読み方としてどっちも正解だと思うけど,2.のほうに興味があるなら,この本はぴったりだと思います。村上龍は,今の社会のあり方を最も深く洞察している人の1人ではないでしょうか。そしてその現状に苛立ちを持っています。だからこそ,政治,経済,教育,現代の様々な問題を積極的に著作に取り入れてるのだと思います。この本は,そんな村上龍が社会に対しての問いかけを始めた最初の本です。内容は完全なフィクションだけど例えばソ連の崩壊,世界経済の変化,などは本が書かれたあとで実際に起こっています。まるでフィクションが現実に追いついていくように。その先見の明には脱帽するしかありません。第一今までの話を抜きにして単純な読み物としても文句なしに面白いです。つまりこれは現在の村上龍のルーツとも言える本だと思います。おすすめです。 | ||||
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「愛と幻想のファシズム(下)」を読み終えた。上下で千頁を越える長編小説は私に不安と熱狂と安定と空虚な空間を与えてくれた。この小説は個人的なつながりで始まり、それはやがて大きな渦となってあらゆる人々を巻き込みながら転がりはじめるが最後はやはり個人的つながりに収束して行く。このことについてある人は安心し、またある人は騙されたと思うのかもしれない。革命による熱狂は革命でしかその熱狂を上回ることができない。しかも革命に継続性は必要とされず、それは新たな波動を受けた場所からしか生まれない。主人公のトウジは巨大な幻のエルクを見ることなく、現実の世界に包み込まれる。彼は自然の世界に憧れハンターになった。彼はこの世でもっとも優れたハンターかもしれない。しかし!、それは彼がハンターであることは証明しても、彼が生まれながらにハンターであるということは永久に証明できない。トウジは結局巨大な幻のエルクと同化することはできなかった。彼はアメリカの影を見ることはできたがその影を踏むことはできなかった。この先を語るためには想像ではなく、現実としての経験が必要だ。そんな現実を持つときははたして来るのだろうか。 | ||||
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