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武王の門
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武王の門の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.51pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 21~39 2/2ページ
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「北方太平記」作品群で「楠木正成」「悪党の裔」「破軍の星」「道誉なり」を読み 北方氏の南北朝史観に惹かれ、本書を購入しました。 本書は北方氏初の歴史長編で、上巻は1988年5月〜1989年4月に、週刊新潮に連載されたものです。 忽那島での河野軍との戦いで懐良親王が初めて人を斬るシーンから始まり、 後醍醐帝崩御後に忽那島から佐伯に渡り、薩摩へ下って島津と対峙。 島津を破った懐良親王は肥後に進出し、菊池武光とともに一色氏を破り、 少弐氏との激戦を描いて上巻は終わります。 読み難い読点の使い方と、懐良親王と牧宮を併用しまくるのが気になりましたが、 九州統一を目指す懐良親王を見事に描いている作品です。 また、戦国時代に26代で滅んだ菊池氏の15代目・武光をも懐良親王並みに描いていて 読み応えがあります。 | ||||
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万余の兵士が出てくる講談でもあり得ない。今一度検証が必要です | ||||
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やはり作家として、歴史小説に挑戦した最初の一作だからか、固さが少し感じられる。つまらないということはないが、特別面白いというわけでもなかった。やっと読み終わったというのが正直な感想だが、ページをめくる手がもどかしい、というようなぐいぐい引き込まれるような読みは体験できなかったのは残念だった。ともあれ、著者最初の歴史ものということで、籠められた力は感じられた。歴史考証がやや怪しい部分もあるが、その辺は、あまり突っ込むところではないのかもしれない。 | ||||
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著者の「楠正成」よりは読みにくいと思います。登場人物が多く、全てを把握するのは、かなり難しい感じがします。戦を民のためにやるのだ、というような牧宮の心情描写などは、よいと思いました。下巻も楽しみです。 | ||||
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北方さんの戦記物という意味では、期待通りです。 中国物と日本の違いはありますが いいですね。 | ||||
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北方さんの戦記物という意味では、期待通りです。 中国物と日本の違いはありますが いいですね。 | ||||
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南北朝時代を制した、かの名将、「菊池武光」の本 決して、器用な男ではないが、不器用ながらも生き そして決して自分が前に出ることもなく、親王をた て九州をそして日本を制する立派な男の話である 今の時代、自分を露骨にアピールすることが大事 だといったような流れになっているが、私はそれ は絶対違うと思う 控えめでありながら、実績を残すことこそが日本 人が持っていた「美」なのではないかそれを思い おこさせる何かがこの小説にはある 北方氏は菊池一族をテーマに小説を書いたことは 非常にセンスがいいと思う | ||||
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本書を読む前、南北朝時代の九州については ・足利一族である直義の養子、直冬でもまとめきれなかった。 ・菊池に助けられ「七代にわたって弓引かず」との起請文を書いた小弐頼尚が、 当主が代わりもしないうちに大保原で菊池と戦った。 といった事前知識があり、南朝方、北朝方というよりも自分たちの利害を優先する 無節操な九州の武士に嫌気がさしていました。 そんな私の偏見を、本書は「一方的な忠節を期待する方が甘いのである」との一文で、 見事に打破してくれました。 忽那島で耐え、薩摩で耐え、菊池で耐えながらも徐々に勢力を扶植してゆく 懐良と菊池武光を中心とする征西府のやり方に、いつしか引き込まれてゆきます。 「先頭に立つために、この地へ参ったのよ」この一言にはシビれました。 | ||||
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九州最大勢力の主・小弐頼尚との大保原での激闘を経た後、 征西府は台の道を進み、念願の大宰府を征圧します。 日本全体が北朝方優勢という情勢下、九州は南朝方の征西府が 全土を制圧してしまったのですから、これは大変な偉業です。 一方、懐良と武光の「夢」に向け、新たな闘いが始まります。 武士への金銭による賦役、交易の活性化、交易を保護するための 水軍の増強、大陸の騒乱への介入、山の民との関係強化、・・・。 形を変えた闘いに、懐良も武光も疲弊しながらも 「民が民らしく生きられる世」に向け、着実に歩を進めてゆきます。 ですが、この巻の見所は何と言っても、懐良と月王丸が 向き合う様子でしょう。父の偉業を我が事のように理解しながらも どこかで反発してしまう月王丸、血に縛られず思うさまに生きさせて やりたいと願う懐良、両者の願いはすれ違いつつも深いところで 通じ合い、引き合ってゆきます。 そんな関係があって、菊池武光を演じてみせる等、若干不良中年的な ところの出てきた懐良を、月王丸があやすように海に連れ出すラストは、 何とも言えない余韻を残します。 | ||||
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単身赴任で時間をもてあまし、熊本県内各地へ観光に行ってます そんな中、菊池温泉の物産展の後ろの広場の「菊池武光」の像を見て さっそく検索で出会ったのがこの作品です さすがハードボイルド歴史小説というだけの読み応えがありました 上巻のアップテンポの展開に比べ、わくわく感は少なくなりますが、その前半を受けて、懐良親王ほかの「血」や「家」の悩み・葛藤などがもうひとつのストーリとして展開しているようで読み終わった後に残る登場人物への共感や畏敬の念が沸き起こった作品でした | ||||
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単一民族国家の日本という国の歴史小説としては実に珍しい着想だと思う。どちらかと言えば、民族の入り乱れる大陸風の考え方といっても良いかと思われる。この着想が斬新で興味深い。この思想を取り巻く登場人物がまた魅力的で、読み進むに連れてどんどん作品に引き込まれていく。実はこの作品を購入するのは二度目なのだが、全く飽きさせない。そして、思想が大きいだけに最後に訪れることが予想される破滅の匂い!これがまたたまらなく魅力的だ!!悲劇といっては当たらないかもしれないが、この結末が悲惨でないところが良い。日本の歴史小説の枠を広げる逸品!当然、上下巻とも読んでいただきたい。 | ||||
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南北朝の騒乱の中、後醍醐帝の子として生まれ、征西大将軍の大役をを科せられた牧宮(懐良親王)と、肥後の猛将、菊池武光を中心とした、壮大な夢の軌跡である。。。。 南北朝時代と言う、これまで書かれた事の非常に少ない時代を選んだ着眼点、プロットの面白さ、ストーリーの巧みさもさることながら、牧宮や武光の主人公、そして彼らを取り巻く「脇役」とも言うべき、五条頼元、忽名水軍の面々、松浦水軍、敵役としての小弐尚頼、影の存在としての葦影などの人物描写は「さすが」、と唸らせるものがあり、読み進むうちに、牧宮と武光の九州制覇を応援する自分が居た。(完全に作者の術中に嵌っているが、それがまた心地良い。) ーーーーーーーーーーーー 北方健三の歴史小説? 友人に勧められてこの本を読む事になった当初、そのミスマッチに違和感を覚えた事を覚えている。しかし、その期待は全く良い方に裏切られた。。。 その後読んだ司馬遼太郎の作品が、なんだか味気ないものに感じられるほどに。 この本をきっかけとして、私は北方歴史小説にどっぷりと嵌って行く事になった。 騙されたと思って読んで見ると良い。 | ||||
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時は、大勢が北朝に決しようとしている14世紀後半。わずかのお供と九州・鹿児島に上陸した後醍醐帝の皇子・牧宮こと懐良親王は、わずかな南朝支持者の武将や領主の支持を受け、彼らを糾合し、強大な北朝に挑む。 安穏な生活に浸っていたイメージのある「皇子」という身分だが、かも勇ましく戦闘をする姿は、天皇による武力行使が行われたあの時代ならではの事だなあと思いました。 | ||||
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主人公・後醍醐天皇の皇子、征西将軍懐良親王(牧宮)の皇子としての苦悩も、感情的な部分だけではなく、九州の情勢、事情に絡めてどういう態度で臨んでいけばいいのか、色々な事に影響を受けながら丁寧に迫っているので、実際懐良親王という人の立場がいかに複雑で難しいものだったかも再認識できた。 そんな懐良の友として共に戦い、猛々しく生きて散った菊地武光。 武光も懐良同様、男として父として互いに影響しあいながら、まさに一心同体のごとく成長していくが、帝の子である懐良とは違う悩みや迷いもあり、それは己の力で乗り越えていこうとする。馴れ合わない絆が確かに繋がっている、そこが魅力。 彼の突然の死は、だからいっそう悲しい。作中離れていても、常に互いが互いへ語りかけていた二人なので、 武光の想いだけはまだこの世のどこかを彷徨っているような感じで、この物語の中で多大な存在だったことを、 ここでより強く感じた。 一方、瀬戸内海の海賊、忽那重範は、動乱の中で新しい生き方を飄々と見せてくれる、これまた美味しい役どころ。 同族の忽那重明が懐良の為に戦い、護り通して斃れた壮絶な生き方とは対照的で、動乱の世の象徴を人物で魅せてくれた。 それから懐良の影となってひたすら寄り添っていく五条頼治。 真実一路、懐良と一心同体のつもりで生きてきて、懐良自身も作中で「一体」と言っていたその彼に、懐良は「おまえの生を生きよ」と最期で言ってしまえるあたり、「友」の武光とは違うのがわかって切ない。それでも懐良ひと筋に仕えてきた頼治のけなげさ!痛い…。哭ける…っ! ラストはめちゃくちゃ爽やか。 ある意味、動乱の犠牲者であり、決してその呪縛から解き放たれたわけではなかった懐良の人生が、悲しいのではなく、それ以上のもので満たされすぎて胸が熱くてマジ泣いた。 親王でもなんでもない人間として、しっかり生きたのだと思ったら、我が事のように晴れ晴れしく、嬉しくなった。 | ||||
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後醍醐天皇の皇子であり、幼くして征西将軍の任を受け九州へ下向した懐良親王の苛烈な人生を描いた九州南北朝小説の稀少作。 南北朝の時代背景や懐良親王を全く知らない読者でも、きっと読み始めたらあまりに魅力的な男たちの姿に心は釘つけになるでしょう。その筆頭、宮さまというより腕白少年という感じで登場する懐良親王は、話が進むごとに男らしくなり、父親らしくなり、己の出自や立場に如何ともし難い感情を抱え様々な表情を見せながら、徐々に自分らしい生き方を追い求めていく姿が爽快。もちろん感情的な部分だけではなく、その過程で九州の情勢や事情が複雑に絡まって、その都度色々な事に影響を受けながら懐良が決断していく様を丁寧に迫っているので、実際懐良親王という人の立場がいか!に複雑で難しいものだったかもよくわかります。懐良周辺の個性溢れる人物には、懐良に友として遇され、互いに影響しあいながら共に成長していく武将・菊地武光、懐良の影となり一心同体となって寄り添う五条頼治がいます。 史実的に謎の多い人物・谷山隆信もそれを巧く生かした設定で味のある老人だし、忽那水軍の忽那重範は、動乱の中で新しい生き方を飄々と見せてくれる、これまた美味しい役どころ。 同族の忽那重明が懐良の為に戦い抜いた壮絶な生き方とは対照的で、これも動乱の世のひとつの象徴といえましょう。それから敵方の少弐頼尚がひときわ魅力的。老獪さと静かな執念、尽きせぬ情熱がひしひしと伝わってきて、ぞくっときます。やはり名将と名将のぶつかりあいこそ、歴史小説の醍醐味です。足利幕府成立後も激闘が展開されていた九州で、それぞれの思惑と夢が交錯する様が人を通して重く伝わってくる、読み応えたっぷりの上巻です。 | ||||
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ハードボイルド作家の時代小説。半信半疑で読んでみましたが、いやーこれがまた実に面白い。 同作者の同時代の作品として「破軍の星」「道誉なり」「楠木正成」「悪党の裔」などがありますが、どの作品も巧い具合にリンクしており、南北朝一大絵巻の様相を呈しています。この5巻を1セットとして北方南北朝と呼んでも良いかもしれません。星4つとしたのは、この作品の様に夢のある魂のこもった時代小説をもっともっと書いて欲しいという期待からです。 | ||||
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初めて読んだ北方さんの歴史小説。 とても良いとの評判を聞いていたので、期待大で読み始めましたが、まさに期待通り、否、期待以上の面白さでした。最初の冒頭では、歴史設定がよく分からなくて、突然歴史の舞台に放り出されたみたいな感じがして、ちょっと躊躇したけど、読み進むうちに、歴史背景もおのずと飲み込めてきて、知らず知らずのうちに登場人物にも感情移入してしまいました。下巻も圧巻! | ||||
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初めて読んだ北方さんの歴史小説。 中でも一番好きなのが、懐良親王・菊池武光の征政府軍と、少弐頼尚の軍が真正面から戦った大保原の戦い。その文体がまた躍動感をかきたて、まるでその戦の場に居合わせたようにハラハラしました。そして最後、九州探題として征政府の相手となった今川了俊との戦い。北方さんの描き方ですごいと思ったのは、片方ばかりの視点からではなく、両方の視点から、交互に描いていくところだと思う。敵であれ、感情移入できるし、戦い終わって、「両者ともよくやった・・」なんて思えるから、爽快感もある。さすが、ハードボイルド!本当の男は戦った相手をもたたえ合える人なのだ。 | ||||
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この作品は、上巻はやや緩慢だが、下巻のスピード感に圧倒される。男の夢と友情のドラマであるが、女である私も思わず胸が熱くなりました。あっ、未読の人は、もちろん上巻から読んでくださいね。 | ||||
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