■スポンサードリンク
(短編集)
探偵ダゴベルトの功績と冒険探偵ダゴベルトの功績と冒険探偵ダゴベルトの功績と冒険探偵ダゴベルトの功績と冒険探偵ダゴベルトの功績と冒険探偵ダゴベルトの功績と冒険探偵ダゴベルトの功績と冒険探偵ダゴベルトの功績と冒険探偵ダゴベルトの功績と冒険
探偵ダゴベルトの功績と冒険
探偵ダゴベルトの功績と冒険
探偵ダゴベルトの功績と冒険
探偵ダゴベルトの功績と冒険
探偵ダゴベルトの功績と冒険
探偵ダゴベルトの功績と冒険
探偵ダゴベルトの功績と冒険
探偵ダゴベルトの功績と冒険
探偵ダゴベルトの功績と冒険
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
探偵ダゴベルトの功績と冒険の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
Detektiv Dagoberts Taten Und Abenteuer(1910ー1912) 「探偵ダゴベルト」と聞いて、大昔 創元推理文庫の「ウインター殺人事件」巻末で目にした名前をすぐ思い出した私の記憶力はすばらしい。ヴァン・ダインの推理小説論に取り上げられた夥しい未訳作家の作品が、この何年かで少しずつ訳出されるようになっていますが、文庫という形でその中の一人がお目見えするとは思いもよりませんでした。 ほぼすべての短編が友人のグルムバッハ夫妻(特に夫人)にせがまれてダゴベルトが開陳する自慢話の体裁をとっており、その訳題も、「上等の葉巻」だ、「大粒のルビー」だ、「公使夫人の首飾り」だ、と有閑階級のぜいたく品にまつわる懐かしさあふれるもの。(原題が併記されないのは不親切) 100年前の東欧の社交界の異世界めいた雰囲気を味わえます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ホームズのライバル」のひとりであるダゴベルトものの短編集。 グロラーはハンガリー出身で、ウィーンで活躍した小説家。ダゴベルトは、1910-14年に6冊18篇で活躍した名探偵で、今回はそこから「上等の葉巻」「大粒のルビー」「恐ろしい手紙」「特別な事件」「ダゴベルト休暇中の仕事」「ある逮捕」「公使夫人の首飾り」「首相邸のレセプション」「ダゴベルトの不本意な旅」の9篇を日本独自に編んでいる。すべて初訳。 だいたいにおいて、ウィーンの上流階級が舞台になっており、そこで起こるちょっとした醜聞、窃盗、詐欺などが、有閑紳士たるダゴベルトによって鮮やかに解き明かされていく。 いかにも名探偵といった姿が魅力的だ。 しかし、けっして表沙汰にせず、真相も闇から闇へと、というあたりは、いかにもウィーンっぽい……。 文章は非常になめらか。ユーモアも効いている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
帝国末期のオーストリアの都ウイーンを舞台にした短編ミステリー集。 素人探偵のダゴベルトは上流階級に属し、友人夫婦に探偵譚を語るという形式。本格ではないです。 ダゴベルトは、しばしば経験に裏打ちされた直観によって、警察との関係で手に入る情報を使って、真実にせまります。何より、この作品の魅力はダゴベルトの上品さ。「初歩だよ」などと友人を小馬鹿にする某名探偵とは異なり、優雅なせりふまわしで、謙遜して語ります。大人のテイストという感じです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
整然とした論理。好事家探偵ダゴベルト・トロストラーが紹介されています。 観察と既存のデータと社交性に長けた振舞いとが、一種独特な味わいを生み出しています。 普段の事件解決の内容は、友人夫妻との晩餐の場で公表されます。 上流階級の家庭の中での秘密の守られる場での謎解きです。 ホームズらのスタイルとはまた異なったドイツ、オーストリア、スイス、ハンガリーといった文化圏の登場です。 実に面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
20世紀初頭のウィーンを舞台にした探偵小説。名探偵ダゴベルトの活躍が、主にダゴベルト自身によって語られるという形式だ。グロラーは初読、と思いきや、巻末解説にて、江戸川乱歩の世界短編傑作集2に収録されていることが判明。(後ほど再読。) さて主人公たるダゴベルトだが、あまり若い描写ではないが、頭脳明晰、行動力抜群、自らの地位や知己の力を借りての情報収集でもって事件を穏便に解決するという、かなりのスーパーマン探偵だ。様々な事件が勃発するも、たいがいはウィーンの上流社交界に関連しており、事件をスキャンダルにしないよう最大限の努力が払われ、結果ダゴベルトは成功する、という話が主体だ。その活躍ぶりはあくまで「優雅」で、探偵というよりも、ややヒーロー小説に近いかもしれない。 レギュラー登場人物たちにより作品中で交わされる会話の数々がいちいちユーモア満載であったり、話の最後に犯罪者の処分をどうするかといったあたりがアルセーヌルパン調であったり、ストーリ自体に非常にウィットにとんだ描写が多いのが特徴であるといえる。翻訳もなかなかよいのだろう、かなりさくさく楽しく読めること請け合いだ。ちょっとした掘り出し物という感じである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
舞台は20世紀初頭のウイーンです。 貴族がサロンで交わす「奇譚」が推理ドラマとして読み手に提供されます。 謎を解き明かすのは「素人探偵」のダゴベルト。 素人探偵とキャラクタ設定されていますが、犯罪心理の豊富な知識やデータの解析力、そして財力でもって、次々と真実を明らかにしていきます。 現代の推理小説では、いくら頭脳明晰でも、いち個人が警察を出し抜くというのが現実味がありませんが、このストーリーは古典ミステリならではの趣きで探偵ダゴベルトの存在感を見事に描いています。 一話ずつが30ページぐらいというのも良いと思います。 古典ミステリだからか、やや、訳文が読み取りにくいようにも思います。 ただ、ここは好みのレベルかとも思います。 古典ミステリならではの楽しみのひとつ、と感じることもできるでしょう。 この探偵ダゴベルト、スタンドプレイヤーではなく、思考・行動が非常に論理的です。単なる思い付きのみで、理論を展開するのではなく、この時代でとりうる、最大限の科学捜査の結果でもって、持論を展開するところは非常に読み応えにあるところです。 本作は9編。 探偵ダゴベルトの活躍は全18編が発表されているということで、残りの作品が待ち遠しいところです。 また、本作品のような独特な雰囲気をもつ作品が今後も発掘され、できれば、文庫本で読めることを期待したいです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
20世紀初頭、「海に沈んだアトランティスのように」失われ、「子らは虚しく地図の上にその名を探すしかない」帝国の、当の本国ですら完膚なきまで忘れ去られた作品の、まさかの邦訳版という、新刊本コーナーに平積みされてる姿からは想像もつかない、実は「シュガーマン」級の奇蹟の逸品。 お話自体は「若様はインドに虎狩りに出かけました」と真顔で言われることはあっても、 バックドロップを河津落としで返す類の奇妙奇天烈な妙手が炸裂しまくるような代物ではございません。が、 禿げる前のブルース・ウィルスがやってた往年の「ブルームーン探偵社」といいますか、現在も陸続とリリース中の海外製シット・コムの原型ともいうべき典型的な一幕物の、すかした台詞にこじゃれた言い回し、それら口あたりのいい言葉に包まれたシュニッツラーばりの空ろな人間関係に、裏取引と手打ちが基本の、解決というより揉消しに特化したその手法。いわば、ドブ川にぶちまけられた安香水ともいうべきモアベターな香気臭いたつ中に「不敬を承知で笑うしかない」才知が煌くあたりは大いに魅力的で、 池内紀や佐藤亜紀の一連のウィーン物(ギゼラとの出会いの夜会のあたりなんかモロな感じ)が好きな方。 同じ「双頭の鷲」の片割れ、ネヴァ川に浮かぶ人工都市で滅んだ帝国の名残を集めて作られた、ロシア版「ホームズ」シリーズの全巻刊行を待ち望んでいる方。 「有り得ざる国の存在しない探偵」という意味では本書の姉妹編とも言うべき、アヴラム・デイヴィッドスン の「エステルハージ博士の事件簿」に痺れた方。 そして何より アメリカ人であるポーのデュパンが何故、フランスの「五等勲爵士」であるかを最も端的に示しているという、この一点において全てのミステリファンにお薦めできます。 我らが主人公が読者的には限りなくどうでもいい薀蓄を披露しようとする度に、「それは今はいいから」と止められるあたりは後進のしゃべくり探偵達にも倣って欲しかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
収録作品 「上等の葉巻」 「大粒のルビー」 「恐ろしい手紙」 「特別な事件」 「ダゴベルト休暇中の仕事」 「ある逮捕」 「公使夫人の首飾り」 「首相邸のレセプション」 「ダゴベルトの不本意な旅」 『クイーンの定員』にもその歴史的重要性と希覯性の高さの二点から選出、「ウィーンのホームズあるいはファイロ・ヴァンスの欧州大陸版原型」とクイーンに評され、日本では江戸川乱歩編の『世界短編傑作集(2)』(創元推理文庫)に「奇妙な跡」が収録されていることで知られるバルドゥイン・グロラーのダゴベルト探偵譚を日本独自に編集した短編集。(「奇妙な跡」はいかにも乱歩好みの不可能犯罪興味とグロテスクな犯人像で記憶に値する短編だが、本書を読む限りむしろ例外的な傾向の作品であるようだ) 20世紀初頭のウィーン。犯罪学の権威である高等遊民探偵ダゴベルトが友人グルムバッハ夫妻との晩餐後に語る奇妙な犯罪や醜聞の顛末。ハプスブルグ朝末期の社交界の風俗が活き活きと描写されているのが最大の魅力であり、この良い意味での古風さ、典雅さは大いに珍重されてよい。ヴィクトリア朝を背景としたホームズ譚と比べてもロマンス性が勝っており、ロンドンとウィーンの都会としての個性の違いが作品世界にも大きく影響を及ぼしている。 現代の視点から見るとミステリ的な興趣にはやや乏しいが、意外な犯行方法を描いた「特別な事件」がハウダニットの興味で読ませる。 巻末の訳者による詳細な解説は馴染薄い時代背景を理解し示唆されることが大の力作。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!