■スポンサードリンク
春を背負って
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
春を背負っての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「還るべき場所」が良かったので、同じ著者の山岳小説でさらに新しい本作を購入してみた。 今回は、海外の高峰ではなく、そして日本アルプスですらなく、「奥秩父」という実に渋い、しかし根強いファンのいる日本の良心のような山域が舞台。 山をこよなく愛する父の不慮の死により、「梓小屋」という(架空の)山小屋を引き継ぐこととなった亨。 人生に敗れつつも山とお世話になった人たちを愛する気持ちでは誰にも負けない初老の山男ゴロさん。 精神的葛藤に苦しみ死をも覚悟した過去を乗り越えた美由紀。 必ずしも順調に来たわけではなかった3人が、力を合わせ、山の厳しい自然に抱かれ、時に立ち向かい、訪れる登山者のために苦心して誠を尽くしてゆく。 春先、まだまだ残雪の中、重い歩荷を背負った小屋開け。 6月、咲き乱れるシャクナゲの群落。 夏、心すくような2500mの稜線。 秋、錦秋に染まる奥秩父最良のとき。 そして心から登山者をもてなす3人の熱い思い。 そんな梓小屋と奥秩父の四季おりおりのお話6話がおさめられているけど、いずれも読みごたえのある人間ドラマになっていると感じた。 そして、この暖かい作品世界は、(映画版がそうだったという)北アルプスではなく、奥秩父にこそ似合っていると思った。 なぜなら、奥秩父は、主人公3人が奇しくもそうであるように、またそこに来る登山者の多くがそうであるように、辛いことも楽しいこともいろいろ人生経験して、結果心優しくなれた人間のような山域だから。 「還るべき場所」を読んでヒマラヤに行きたくなったけど、本作を読んで何年かぶりに奥秩父に行きたくなってしまった。 今週末にでも行けるんですよね、その気になれば。 そういうわけで、著者は得意領域だけに力を抜いて書いており、それだけに自然に、ほのぼのとした雰囲気に癒される秀作になってると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
笹本さんの本は、プロの登山家が海外遠征あるいは冬山登山の物語を中心に読んできた。笹本さんの本は、山の魅力の表現は卓越したものがあり、登場人物の思想、信条や感情の表現は非常にわかりやすく、ひかれるものがある。私には到底出来ないこうした登山に挑戦するプロの登山家の体験やその考え方には、ひかれるものがある。 この本はどこにもいそうな一般の人が中心の物語である。脱サラして、父親の山小屋を運営することになった主人公と、ある意味では人生に落伍してホームレスの生活をしていたゴロさんとが行う会話には、人間としての温かさに満ちている。作者の温かい人生観を垣間見る気がするし、生きるという意味を再認識させられ、希望が湧く。こうした会話だけでなく、随所に見られる山の情景描写の素晴らしさは、山の素晴らしさを堪能させてくれる。昔見た同名の映画でも風景に感動したが(異なる山岳でのロケみたいであるが)、それ以上に、この小説には感動させられた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
しばらく山の本から遠ざかっていたが、以前山行で訪れた奥武蔵の情景がよみがえり、また山を舞台とした人間関係に 関しても共感を覚えた。映画は舞台が立山(北アルプス)で違うがエッセンスは感じとれた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山屋のはしくれとして映画は観ました。撮影場所は立山・大汝休憩所でしたね。すぐ分かりました。他の方のレビューを拝見すると、原作の舞台は奥秩父だそうです。奥秩父も好きな山域ですが、北アルプスとは環境が全く違います。映画自体は、北アルプスの風景に随分助けられなんとか最後まで観ることができましたが、ストーリー自体は予定調和的でやや場所がら現実味を欠いた、率直に言うと凡庸なものでした。原作を読んでいないので何とも言えませんが、原作が奥秩父なら奥秩父で撮影した方がリアリティが出たのではないかと思います。映画鑑賞後、原作も読んでみようと思っていましたが、映画のせいで読む気が失せてしまいました。すまん、笹本さん、笹本さんファンのみなさん。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あっという間に読み終わってしまった。各章で区切られていて読みやすかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登山を扱った小説を読み漁っていて、この本に出会いました。 登山をされる方にとっては、「実在しない場所」という設定が気に食わない方もいるようですが、だからこそ神秘的で、僕は素晴らしい設定だと思いました。 また、登場人物一人ひとりが生き生きとしていて、それぞれに個性があり、読んでいて次の展開で誰がどう動くのか、ワクワクしました。 たしかに、ストーリーとしては実際には起こりえないであろう内容が多いのですが、だからこそ小説であり得て、ドラマがあるように思います。 実話をベースとして書かれた小説のもっとも残念なのは、「連載」ができない事だと思います。 フィクションだからこそ、実際にない場所、実際にいない人、実際にあり得ないシチュエーションが許されると思います。 そして、だからこそできるのは、連載だと思います。 私は、平岩弓枝さんの小説「御宿かわせみ」が大好きですべて読みましたが、登場人物が徐々に年齢を重ねながら新たな展開があり、作品全体にホンワカとした心温まるものがあり、設定は全く異なりますが、この作品に近いものを感じました。 「ゴロさんのテラス」のような、単発的なものではなく、是非とも連載にして、登場人物一人ひとりの物語を少しずつ作り上げ、是非とも壮大な連載小説に仕上げていただきたいと存じます。 小説のあとがきにもありましたが、確かにゴロさんは何かと書きやすい側面があると思います。しかし、例えば亨のお父さんの物語、お母さんとの出会いから結婚までの物語があってもよいと思います。 また、亨と美由紀が恋愛に目覚め、付き合い始め、結婚し、子供を作り・・・、といったストーリーが連載であってもよいと思います。 いつか、ゴロさんがやっぱり体調を崩して山を下り、新しいスタッフが加わる話などもあってよいと思います。 いずれにしても、強く続編-連載を望みます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画を見てから原作を読んだ。 内容としては映画と似ている部分もあるが、違う設定もあり楽しめた。 映画を見たのでやや先入観はあったが、山の情景も浮かんできた。 山小屋を舞台にした小説は始めて読んだが、爽やかな気持ちになり山に登りたくなった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画は立山、原作は違います。 山を愛する描写があふれているように感じました。 最後の二人は同になるのかな・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
秩父の山小屋を舞台にした連作短篇集。亡父の山小屋を継いだ主人公と支える二人、いずれも都会暮らしで挫折してここに辿り着いた人々の再生と、山小屋に関わる様々な人たちの交流が温かく描かれている。ゴロさんの生き方も魅力的。賛否両論あると思いますが、読み終えた後、やさしい気持ちになれる作品です。また、人は自分のために生きているから苦しい、しかし誰かのために何かをすることで生き方も楽になるのだと気付かされれる作品でもありました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画は期待外れでした。映画のレビューにも原作の良さが描かれてないような投稿があったので購入しました。 若いころに歩き回った奥秩父の山小屋が(しかも宿泊したことのある梓小屋)舞台。厳冬期の甲武信岳や雁坂峠など懐かしい場面が出てきます。ドラマは淡々と描かれていますが四季折々の情景が目に浮かぶようでした。映画は木村大作さんのドラマで別物。立山の景色は美しいですが、「春を背負って」とは別のものだと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画化されていますがその前に原作本を読んでみたかったのでお願いしました。 中古本とのことでお安く手に入りましたけれどもとても綺麗な本でした。 その後映画も見ました。 山の厳しさを映画人として撮って来られた監督兼撮影者に感謝の気持ちです。 自身が経験しているような 錯覚さえ覚えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでみての感想。 「イッキ読み」しちゃうほど読みやすく面白い。 <あらすじ> 主人公は、都会でエリートサラリーマンとして 生きていく中で、精神的に疲れ切ってしまった亨(とおる)。 山小屋のオーナーであった父の事故死をきっかけに 山小屋を継ぐことを決意する亨。 そこからはじまる。 山に訪れる人々が織りなす人間模様と四季の移り変わり。 その中で亨が一人の人間として成長していく。 人は偉大な自然と対峙するとき、 何を考え何を思うのか。 自然に人間らしく生きるってどういうことか。 そういうモノを考えさせてくれる小説です。 では、本文より抜粋。 「そうだよね。周りからいくら幸福に見えても、 その人が本当に幸福かどうかは本人にしかわからない。 でも心の中に自分の宝物を持っている人は、 周りからどう見られおうと幸福なんだよ」 「幸福を測る万人共通のモノサシなんてないからね。 いくら容れ物が立派でも、中身がすかすかじゃどうしようもない。 ところが世の中には、人から幸せそうに見られることが 幸せだと勘違いしてるひとが大勢いるんだよ」 「人間て、誰かのために生きようと思ったとき、 本当に幸せになれるものなのかもしれないね。 そう考えると、幸福の種は、 そこにもここにも、いくらでもあるような気がしくるね」 以上、抜粋。 「幸福の種」を見つけたら、 お水をあげようっと♪ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山の景色が、眼に浮かぶようです。 人との関わり、人生を考える作品かな | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山の情景が伝わってきました。 もう20年も登ってないが、また登りたくなりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
笹本さんの本は、2冊目です。今回は、日本の山小屋を舞台に広げられる物語でした。家族や人との不思議な繋がりが、繰り広げられます。山イコール世捨て人みたいにおもいますが、その通り見栄や体裁などの余計なモノを捨てているので人としての根本がわかりやすく表現されているように思いました。夫婦愛の話がジンとします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
舞台は奥秩父。 作者はなぜここを選んだのだろうか。 一般の登山者に人気があるのは北アルプス、八ヶ岳、丹沢、谷川岳といったところだ。 なぜこれらが人気があるかというと、アクセスがいいこと、景色がいいこと、登山道や山小屋の設備が整っていることなどが理由だろう。 しかしこれらの山は人気がありすぎて、山に登っているのか銀座を歩いているのかわからないことがある。 静かに山を楽しみたいという人が訪れるのが奥秩父だろう。 しかし、奥秩父はアクセスは悪い、山頂以外の展望は悪いなど、決して楽をして楽しめる山ではない。 この小説では梓小山では東京からわずか数時間でも来れるような書き方がしてある。常連客は年に何度でも訪れたくなるような場所に設定されている。 梓小屋のある場所は架空の場所だ。現実の甲武信ヶ岳と国師ケ岳の間にはこんな場所はない。 そして長野県側からこの稜線に上がる道もない。 まあそれはフィクションだからいいとしよう。 しかしどうしてこういう架空の場所に山小屋を設定したのだろうか。 書かれている景色も含めてすべて虚構のものだ。 多くの読者がこの小説を読んで、ここに行ってみようとするかもしれない。そういうことは考えないのか。 最も危険なのは、この山小屋付近で携帯電話が使えるというくだりである。登山客と山小屋の間で何度も携帯電話で交信がされる。遭難しかかったときはGPS機能で遭難位置を連絡している。 しかし現実には奥秩父では金峰山付近を除いては携帯電話は通じない。 GPSはどこでも使える。しかし、奥秩父のように樹林が深いところでは稜線であってもGPSが使えない場所がある。特に沢に入ってしまうとほとんど使えない。私は登山ではいつもGPSをつかって自分の位置をトレースしているのだが、沢に迷い込んだとき、GPSが使えなくなって、あやうく遭難しかかった経験がある。もちろん、携帯電話が通じないのだから、GPSで位置が分かってもそれを連絡する方法はないのだが。 携帯が使える山は限られている。それを安易に携帯を持っているから大丈夫のような書き方をされるのはとても危険だ。 奥秩父はハイキングで行けるような簡単な山ではない。 この小説はたぶん、想像だけで書いたのだろう。 第2話までは面白かったが、第3話以降はどんどんつまらなくなる。ほかの方も書いているように、ご都合主義というか、とにかくこの舞台を使って小説を仕立てましたという内容なのだ。 別に舞台は山でなくてもいいし、奥秩父である必要は全くない。 内容もオカルト的だったり、あり得ない話が満載だ。 どうして、もっとせっかくの奥秩父という、山深く、それほどポピュラーではない場所を生かさなかったのか。 今度映画化されるようである。舞台は北アルプスの立山。銀座が舞台に代わってしまった。小説とはまるで違ったものになるだろう。 とても残念だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
所謂山岳小説の範疇の小説だと思いますが、山岳小説にありがちな暗いイメージは無く、希望が持てるような明るい内容でしたので、知人にも紹介しました。映画作品の6月の封切が待たれます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『還るべき場所』に感動して購入しました。 『還るべき場所』とは、全く違ったほのぼのとした気持ちなりました。 ただ、登場人物の構成が『未踏峰』を類似していました。 その分だけ☆を引かせていただきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奥秩父の山小屋を舞台にしたハートウォーミングな連作山岳短編小説。 脱サラし、亡き父の遺した山小屋を継いだ長嶺亨、訳ありのホームレスのゴロさんこと多田悟郎、自殺願望を抱き、山に訪れた高沢美由紀の三人を中心に山で起きる様々な事件が連作形式で描かれる。 笹本稜平の傑作山岳冒険小説『還るべき場所』のような圧倒的な面白さは無いが、じんわりと心に沁みる6編の連作短編。 文庫化と映画化を記念し、笹本稜平と映画監督・木村大作の特別対談を収録。映画では、松山ケンイチが長嶺亨、蒼井優が高沢美由紀、豊川悦司が多田悟郎という配役のようだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東宝で映画化される、木村大作監督がメガホンを撮られる、しかも山がテーマと聞き、 早速原作が気になって、購入に至りました。 山の四季毎の移り変わり、厳しさ、やさしさ、そのままでの美しさ。 いろんな場面をそれぞれの登場人物の心の機微や変化に沿って感じられる、 そんな作品でした。 この本を読み、登山がしたくなりました! 2014年6月、どういう形で映像化されるのか非常に気になります。 期待の作品であることは間違いありません。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!