密室蒐集家
評判
密室蒐集家の評価:
3.67/5点 レビュー 30件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全59件 41〜59 3/3ページ
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密室蒐集家の評価:
3.67/5点 レビュー 30件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
例えば「孤島にある館で密室殺人やら何やらが起こり、名探偵が事件を解決したと思ったら叙述トリックでひっくり返される推理小説」というものが仮にあったのならば、多くの人が「本格ミステリスタンダード」ではなく「”新”本格ミステリスタンダード」と捉える筈です。
ゲーム性を強く押し出した推理小説として、新本格はブームではなくジャンルと化しているのです。
その新本格ミステリは多くの称賛と批判を浴びてきました。
+の評価としては、「ミステリとして純粋で面白い」「トリックが衝撃的で面白い」−の評価としては「人物がまるで記号」「リアリティがない」といった具合です。
どちらの立場の意見も一理ありますし、ここまでいくとただの好みという領域になってくるでしょう。
合わない人は合わないだろうし、合う人はとことん合うだろうというのが新本格です。
……そして、大山誠一郎という人はその新本格ミステリの+の要素と−の要素、どちらをも極限まで高めた作家だと私は思うのです。
まず、彼の推理小説は非常にロジカルです。
この「密室蒐集家」でもそれは顕著に表れていまして、美しい論理展開をたっぷりと味わうことができます。
特に私が白眉と思うのは「理由ありの密室」。
どうして犯人は密室を構成なんてしたのか? というホワイを中心にした論理のアクロバットは絶品です。
その他の作品でも、大胆なトリックと鮮やかなロジックによって本格ミステリの楽しみを十二分に味わわさせてくれます。
しかし、です。
彼の推理小説は非常に隙だらけです。
名探偵の推理を聞いている分には納得できます。
けれど、少しこちらで考えてみると幾らでもツッコミ所が浮かび上がってくるのです。
「いやいや、それはなくね? 穴があるじゃん」と読者は大量のツッコミを入れられることでしょう。
また、小説としての膨らみも薄いです。
事件の解決への材料が出揃ったところで唐突に現れる密室蒐集家というのは、それこそミス研の大学生が書く犯人当てミステリにそのまま出てきそうな都合の良い設定ですし、人物もとてつもないくらい記号的です。
そういう意味で、やはり私は彼の作品は新本格ミステリの長所と短所を極限まで浮かび上がらせている、と思うのです
正直言えば、この−の部分をもうちょっと何とかしてくれと感じます。
既に発表されている二作においても、これらの短所が共通しまくっているのです。
しかし、それを補う程論理展開は美しく、素晴らしい。
それはそうしたリアリティがないところだからこそ生み出されているのかも、と考えるとその短所を完全に消してしまうのもどうかと思われるわけで……
(しかし、同じ京大ミス研出身の法月綸太郎、麻耶雄嵩などはそこをもうちょっと都合つけているわけですが)
というわけで、この本、本格ミステリ大賞受賞ということで注目を集めているのかもしれませんが
そうした「記号的ミステリ」が嫌いな人には決しておすすめできません。
犯人当てが好きでも氷川透の様な隙のないロジックが好きな人も、読んでいてイラつくかもしれません。
それでも気になる、読んでみたい、という方にのみおすすめできるマニア向けの作品じゃないかな、と私は感じました。