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冬の薔薇
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冬の薔薇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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タムリンの伝説というのは、妖精の女王に囚われたタムリンを助けるにはその手を決して離してはいけない、と言われた女性が次々恐ろしい姿に変わるタムリンの手を離さずに彼を救う話。 これを下敷きにマキリップが見事な物語を紡いだ。主人公はコルベット・リンとロイスなのに、コルベットとロイスの姉(ローレル)が恋仲になったようにみえるので、ロイスはコルベットを助けるために、無償の愛を要求されることになる。 冬の薔薇にはいろいろな仕掛けが用意されていて、それをあれこれ考えるのも楽しい。例えばロイス(ROIS)はバラに象徴され、コルベットは蔦に象徴される。 あちらの世界とつなぐ泉のところで、ロイスはバラの蔓にぐるぐる巻きにされてしまうのだが、これは彼女が向こうの世界に攫われてしまわないように助けたということなのだろうか、同時にあちらの世界に関わろうとするとひどい目に遭うと言う警告だったのだろうか。 こちらの世界に戻って来た物語の最後で、「蔦に覆われたバラが冬を越えて生きているか見て欲しい」と言うコルベット。冬の女王の試練の時はロイスがコルベットを離さないことで助けた訳だが、こちらの世界でバラを助けたのは蔦だったということなのか。いずれにしても、バラが生きている、つまり彼女の彼を想う気持ちが生きているかという問いなのだろうか。 象徴ということでは、金の指輪の象徴するものは? 銀の杯からワインを飲んだ時ローレルだけ老いずに輝いていたのは、愛の力? そのローレルも冬の女王が現れるとどんどん年老いて行ったのは、冬の女王の持つ力の暗示? 作者が隠した謎を探しだし解きたくて何度も読んでしまう。 | ||||
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主人公の少女は異能者ですが、心情的にはまだ少女にも満たないこどもです。 こどもとしてふるまうので周囲を困惑させていきます。 少女の出生の秘密や美しい姉の苦悩。 ファンタジー界の話ではありますが現実にもそういう設定はあるでしょう。 そして少女はみずからを内面から変えていきます。 それは少女の外面も変化させます。 とどまっていた成長が健やかにのびゆくごとく。 冬の薔薇。 みずみずしくひそやかなつぼみはやがて大輪の花を咲かせるでしょう。 | ||||
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50年以上も前に息子が父親を殺して、その後失踪したため荒れ果てていた屋敷に殺された男の孫だと名乗る青年がやって来て、 屋敷を修復しようとする。 その屋敷の近くの農場の次女ロイズは森が大好きな野生児。 彼女は青年コルベットとリン家の呪いの秘密に とりつかれたようになった。 夏から秋、そして厳しい冬へとマキリップは美しい幻想の世界を紡ぎあげる。 スコットランドのタム リン伝説を題材にしているということで同じ伝説を題材にしているダイアナ ウィン ジョーンズの 九年目の魔法が解説で挙げられているが、たまたま私はそれを最近読んだのだが、かなり違った取り上げ方だと思うので、あまり気にしない 方がいいと思う。 マキリップは伝説の主人公の役割をいくつもに割っているみたいで、ロイズとコルベットだけでなく、ロイズの姉のローレルや亡くなった母親、 コルベットの父、タール、祖父、ニールも重要な役割と担っている。 ロイズの父やローレルの婚約者ぺリン、村の人々の優しさも捨てがたい。 話はどう展開してどう結論が出るのかなかなか見通せなくて、緊張感があっておもしろかった。 | ||||
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