(短編集)

罪悪

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評判

罪悪の評価:

4.11/5点 レビュー 37件。 A ランク

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平均点4.11pt

Amazonレビュー一覧

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全48件 41〜48 3/3ページ
No.8
(3pt)

「犯罪」ほどのインパクトはない

かなり売れて評判になった「犯罪」に続く短編集です。

「犯罪」はとてもショッキングな内容で,短編でありながら展開が読めないストーリーと,何とも言えない読後感が残る結末が印象的な作品でした。
残念ながら「罪悪」は「犯罪」には及んでいないと思います。物語のラストの意外性,インパクトが正直弱い。ネタはいいんですけどね。
罪悪 Amazon書評・レビュー: 罪悪より
4488013449
No.7
(3pt)

納得出来るレベルも、期待し過ぎた感もあります

私が好きな短編は、作者にとっての出発点となりし事件を扱いしかも『空気』の支配を見せる「ふるさと祭り」、科学の発達で起こった悲劇とは簡単に言えない「遺伝子」、偶然というか伝承というか事故というべきかいろいろなモノが入り混じった「イルミナティ」、悲劇としか言いようが無い本作品群の中で最も恐ろしい「子どもたち」、最も短くも鮮烈な印象を残したうえ奇妙な因果を考えさせられる「解剖学」、類い稀なることが起こり正義が負けることを描く「アタッシュケース」、トラブルが徐々にエスカレートする様「鍵」、短編映画になりそうな「清算」、個人的に最も好きな話しで読後感が深い「家族」、そしてオチである「秘密」です。

かなりのレベルの本だと思いますし、文体といい、リアリティといい、出来栄えは良いと思いますが、読者とは勝手なモノで、あの「犯罪」のシーラッハの新作、と言う期待からすると、失望を感じてしまうという部分あると思います。もちろん素晴らしい作品だと思いますが。もっと驚かせてくれ、と言ったのはディアギレフでしたが、そんな都合の良いことを考えてしまうくらい「犯罪」が凄かったです。

シーラッハの「犯罪」が面白かった方にオススメ致します。
罪悪 Amazon書評・レビュー: 罪悪より
4488013449
No.6
(5pt)

「大人になること」の痛ましさを感じた作者に心が添った

ドイツの作家フェルディナント・フォン・シーラッハの『犯罪』に次ぐ第2短編集。現役弁護士である作者自身が取り扱った犯罪事件に材を得た、15の短編が収められています。

 抜群の面白さを持つ『犯罪』の姉妹編と聞けば手にしないわけにはいきません。『犯罪』の短編群がどちらかというと、やむにやまれぬ事情で犯罪に手を染めざるをえない主人公たちの痛ましさを描いていたのに比べれば、今回の『罪悪』に登場する人々はむしろ何の罪もないにもかかわらず凶悪な犯罪に巻き込まれてしまった無垢の人々のむごさを語っているものが多いように感じられます。

 物語を恬淡と描写しているようにみえる乾いた文章が、犯罪の無慈悲ぶりを鋭く浮き上がらせていて、日本語訳の素晴らしさにほれぼれします。口の中が不快に乾き、暗澹たる思いにかられるにもかかわらず、頁を繰る手を休めることができません。

 そして巻頭の「ふるさと祭り」は作者自身が残忍な犯罪者を弁護することで味わわざるをえない現実の苦さについて語った秀作です。その苦さを味わうことを作者は「私たちは大人になったのだ」と記しています。
 子どもだったころ、大人になるということは、立派で明るくて、生き生きとして可能性に満ちた世界に自身が近づくことだと思っていたはず。しかしそうした思いは子どもが抱く幻想でしかないと気づくことこそが、大人になることの意味なのだ。
 現実がもつ冷たい肌触りに、読み手の私も心震えたのです。
 この掌編を読んで味わった感触は、以前読んだ『あなたに不利な証拠として』(ローリー・リン ドラモンド/早川書房)を読んだときに得たものと大変良く似ています。

 作者のプロフィール紹介によれば、昨2011年に初の長編作品『Der Fall Collini』を上梓したとのことです。これまで二つの短編で生かされた著者の手腕が、長編ではどのように冴えわたっているのか。今から訳書が出るのが大変楽しみです。
罪悪 Amazon書評・レビュー: 罪悪より
4488013449
No.5
(5pt)

やや淡白に

前作のインパクトが余りにも大きかった為か、続編になる今作には全体的に平坦な印象で、ちょっと物足りなさを感じた。
しかし、相変わらずの感情を排した淡々とした語り口には読み手の魂を燻られる。そこには著者の物言わぬ訴えや思いが潜んで
いるのではとすら思えてくる。今回は、前作の"エチオピアの男"に代表されるような感動を誘う話は少なめで、不可解であったり、後味の悪い編が多かった。
極めつけはラストの「秘密」。きっと、一様に首を傾げるに違いない。なかでも、「鍵」は異色を放っている。全編中最も長く、読み応えも十分。
あまりの意外な展開の連続に、「これ本当に実話なの?」と思ってしまうほど。ミステリと言うよりは、コメディタッチで新しかった。読後感については、
前作「犯罪」よりも若干淡白になったが、著者の独特の文体と、作品の虚無的な雰囲気がどこか気に入っているので、決して読んで損をしたとは思わない。
短篇集なので、手軽に読めるところもいい。
罪悪 Amazon書評・レビュー: 罪悪より
4488013449
No.4
(5pt)

またもや絶品の短篇集に仕上がっている

著者が弁護士として弁護を引受けた事件について描いた連作短篇のかたちをとっているところは、前作の『犯罪』と同様である。
15の短篇には、罪を犯した人間が必ずしも相応の罰を受けるわけではない不条理な事件がある一方、証拠を斟酌しない大岡裁きのような判決や、ほっと胸を撫で下ろす事件の結末もある。
比較的長いものも数ページのものもあり、バリエーションに富んでいて読み易い。
たとえば、最後の『秘密』はまるで落語のようなオチのある短い話。
無駄が省かれたストレートな文体で、登場人物の心理や事件の核心が淡々と語られ、ぐいぐいと引き込まれていく。
二匹目のどじょうを狙った本書は、またもや絶品の短篇集に仕上がっている。
罪悪 Amazon書評・レビュー: 罪悪より
4488013449
No.3
(3pt)

小粒になった

前作を100点とすれば個人的には65点くらいの印象。

エピソードは多いが、5〜6ページしかない話も複数あり、前作ほど濃密な話が少ない。

最高のネタは一作目で出尽くしてしまったのか。

確かに、色々な話は面白いし、組織犯罪から個人の小さな犯罪まで幅広く取り上げられているので飽きることはない。

しかし、前作の様に読むのが止められないほどの中毒感はなかった。
罪悪 Amazon書評・レビュー: 罪悪より
4488013449
No.2
(3pt)

前作のほうがインパクトが強かった

前作よりストーリーのバラエティーやインパクトの強さが弱くなっていると感じた。 短いストーリーの中に人生が凝縮されているような強烈なインパクトを与える作品が前作では多かったが、本作ではどちからというと淡々とストーリーが展開されている話が多い。 とはいえ、上質なエンターテインメントとしてのクオリティーはあるので、安心して楽しめます。
罪悪 Amazon書評・レビュー: 罪悪より
4488013449
No.1
(4pt)

前作より凄惨を極める犯罪の数々

前作「犯罪」よりも、性的暴行やいじめなど、目を覆いたくなる凄惨な犯罪の多かったこの作品。
一話目から理不尽な犯罪の意外な結末で始まる。
読んでいると重く鬱々とした気分になり、本の暗部に沈み込んでいく感覚だが、
相変わらずの淡々とした独特のリズムを持つ、静かな語り口が雰囲気をやわらげている。

私たちは「どんな理由があろうと、罪を犯した者は裁かれるべき」という当然の理念を信じているが、
「本当にそれが正義だろうか」と作者が投げ掛けてくる。
作者はこの理念をあっさりと否定し、誰もが「こうなって欲しい」と願う結末を用意している。
やはり感情なくして人は裁けないものなのだ。

最終話「秘密」は、暗澹たるムードから一転、「イカレた男」と作者なやり取りが笑える、ユニークな作品。

「犯罪」が面白かった方なら、この作品もぜひ一読を。
罪悪 Amazon書評・レビュー: 罪悪より
4488013449