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裏閻魔
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裏閻魔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.04pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 1~20 1/2ページ
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呪術的な魔力のある「入墨」を根底に据え、その不死という「呪い」を得た主人公 の、明治から敗戦直後の昭和までを描く作品。 文章はさらりとして読みやすく、しかし乾いた文体でもない。文章を読む時に その文章の持つリズムが心地よく響いてくる。残酷なあまりに残酷なシーンも余 さず描いているが、流ちょうとも言える文章を味わった時に、後に雑味を残すこ ともなく、読み続けることができる。 作者は文章をよほど推敲したのだろう。軽い文章でいて不必要な修飾はほとん どない。文の繋がりもしっかりと計算してあり、目で文字を追っていると、スピ ード感も削がれることがない。「達者」ではないが文章そのものに味がある。 入墨の持つ魔術性も、しっかりと描写していて、「絵空事」にならないリアリテ ィさを感じる。ややもするとくどすぎる説明文が入りがちなこの種の「伝奇的」小 説の悪弊がない。 説明が重なるが、文章そのものは軽快に進み、会話文が主体のなっているが、 スカスカの印象もない。 私の悪い癖で、会話文主体の小説は、本を逆さまにして見ることがある。内容 が薄い小説は例外なく、文字と文字、文と文がいやに広く見える。ページが随分 と白っぽい感じがするが、この作品で行間が広く感じるが、スカスカではない。 伝奇ものに特有の、異能力を頼りすぎた、何もかも異能力で解決してしまう、 ワンパターンなストーリー展開が目立つ作品が多いが、本作品ではとても上手に (おそらくはかなりの時間をかけて推敲し文章化したのだろう)物語の暴走を防い でいる。 漫然とAmazonを眺めている時に本作品が目にとまった。作者の名前も聞き覚 えがない人だったが、取り寄せて良かったと思う。奥付の作者の略歴には、現在60 代で、「専業主婦」であったと記されている。最近は時代小説に若手の方が多くな り、時代小説かなという気もしたが、小説の枠にとらわれない作風だ。このよう な方が増えてくるのはありがたい。 ただ外国での出版も謳われているが、ある程度日本文化に理解のある方でない と、この「入墨」や伝奇的作風は理解が難しいのではないだろうか。 | ||||
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中村ふみさんの「夜見師」を読み、ほかの作品にも興味がわき購入しました。そんなに期待してなかったのですがとても面白く続編2巻もすぐ購入しました。 | ||||
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問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し | ||||
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ラストに差し掛かる辺り、通勤中に読んでいて泣きそうになってしまいました。いやあ危ない危ない(笑)。 輪廻ものではなく、死ねない身体というのは呪われた運命感が出ていて良かったと思います。 序盤は確かに同じ章の中で視点が切り替わりまくって、これ誰の話?みたいになるところも散見されるなど、未熟なところもありました。 後半になると筆力もぐんぐん上がり、それが主人公の成長とマッチするという奇跡的な効果も生まれています。 素晴らしいストーリーテラーです。 小難しくニッチな社会しか描けない作家より、こっちの方が遥かに面白いです。 | ||||
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望まずに不老不死となった主人公の葛藤を、幕末〜昭和にかけて描いています。 テーマは重いですが、 表紙デザイン、タイトルから、もっと重いものを想像していただけに、 割とライトで肩すかしを食らった感じは否めません。 とはいえ、お話自体は面白く、グイグイと読まされました。 同じく不老不死の体を持つ、兄弟子の存在。 何くれと無く、気にかけてくれる男。 仲間でありながら結果的に裏切ってしまった友人の忘れ形見の娘〜ナツ〜との日々。 流れる時間、変わらない自分、認めたくないもの、縋りたいもの、様々な思いを抱えて 主人公が生きて、出す答えは、、、。 個人的には、ナツが切ないです、、、(T_T) お話は一応、これで完結していますが、 続編が出ていて、それも読みたいと思ったので★は4つ。 | ||||
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レビューされた方々の中で高評価ですので試しに読んでみました。 やはりおもしろい! 本当に意外な出会いが待っていました。 史実とフィクションを織り交ぜながらの展開はよくあるパターンですが, しっかりとした筋と相まって,どんどん読みたくなります。 内容を書くのは未読の方に申し訳ないので他の方に任せますが,いい意 味での裏切りがある本書ですので,お読み頂きたいと思います。 ただ,ハードカバーじゃないのが,自分としてはマイナスになります。 | ||||
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読みやすいのに独特な世界観と緊張感がある展開によって約500ページを一気に読ませてくれました。 やや残酷な描写もありますが時代物やサスペンス好きには面白く読め、キャラクターの設定も◎。 自分は春に読みましたが秋の夜長のお供には特に良さそうです。 続編もあるとのことで非常に楽しみ。 この作品は幅広い層にオススメ出来ます。 | ||||
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久しぶりに引きこまれていくような感覚を持つ作品でした。 幕末〜昭和、日本の混乱期をうまく舞台として活用し、尋常ならざる「業を背負った男」を描きます。 物語の本筋が妖かし、呪いの類ですが、SFファンタジーですね。 同じ業を背負うもう一人の男、支える女が加わり物語に厚みをもたせています。 普通の人間なら、かならず訪れる「死」という結末を迎えることができない男の苦悩は上手に心理描写されていると思います。 また、小難しく書いていないところがいいですね。 「鬼」にもなりきれず「人」であるかに疑問を抱える男と移ろいゆく【歴史】をご堪能あれ。 ※続編の「裏閻魔2」も同様に面白いですよ。 | ||||
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読み始めるまでは、若干時間がかかったものの、 読み始めたら、途中で辞めることが出来ずに、一気読み。 かなり厚みのある本だったんだけど、すっかり魅了されてしまった。 永遠に近い不老不死の運命に呪われた閻魔と夜叉。 閻魔には奈津が居てくれたけど、 夜叉には誰も居なかった。 だから身の内の鬼に寄り添うように生きてきたのじゃないだろうか。 閻魔と奈津の恋の行方も気になるけど、 夜叉の人生が救われるのかどうかも気にかかる。 続きが楽しみなシリーズになった。 | ||||
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江戸川乱歩賞受賞作の『再会』を読んだ直後に読んだせいか、ものすごい傑作に見えた。アイディアも文章力も、段違いに、こっちのほうが上。 これまで、この作者が脚光を浴びなかったのが、不思議に思える。 ただ、後半の切り裂きジャックとか、ちょっとアイディア的に安直に流れた印象が、ないでもない。 | ||||
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面白い!奈津と閻魔の内に秘めた恋、閻魔と信正の友情、閻魔と夜叉の因縁、どんどん話しに惹きこまれていった。夜叉との決着がこれで着いたのだとすれば、少し淡白な印象があるが、それでも最後まで楽しめた。続編が読みたい。 | ||||
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幕末、主人公・周(閻魔)が刺青による呪印によって不老不死となってしまってからの100年間を描いた作品です。 海外展開を意識したゴールデン・エレファント賞受賞作というのが非常に納得できる、海外受けしそうな作品と感じました。 不老不死等の理由で老化速度の異なる人間が、時が立つごとに周りの通常人から取り残されて・・・ というのは伝奇・怪異物だとわりと定番のネタと思います。 ですが、幕末〜昭和の日本を舞台にこのネタを使った小説というのは結構珍しい気がします。定番ネタでも新鮮な印象を受けました。 主人公が彫師というのもいいですね。この作品が醸し出す艶みたいなものに一役買ってると思います。 一方で、せっかく激動の時代を選んだのだから、終盤にあった原爆との絡みのようにもう少し史実に絡ませても面白かったかなと思ったりもしました。 また、長い年月を扱っているので仕方ないですが、かなり時代が飛び飛びなのも気になりました。 数巻に分ける形で各時代を掘り下げても良かったと思います。 殺陣シーンのようなアクションあり、特に終盤重要シーンとして描かれていますがそこは正直微妙で、 この小説の肝は奈津との切ない恋を中心とした人間模様であると思います。 各時代を掘り下げてというのにも繋がりますが、そういう部分をもっともっと見たいと思いました。 最後は尾を引く終わり方をしていますが、この後の展開があるなら期待したいと思います。 | ||||
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新聞などで広告文を読んで、面白そうだなぁと思っていました。 実際、とても面白く読みました。昨晩読み始め、睡眠不足を気にしなければ一気に夜のうちに読んでしまったかと思います。(一応睡眠時間を気にして、今日まで持ち越しましたが) 主人公「閻魔」の人物設定が、不老不死と異形の力を得てしまった存在でありながらもとても瑞々しいこと、彼を取り巻く人々も魅力的であること、それから、起こる事件がその実体の割にはグロテスクすぎなかったことが、この小説の特色だと思います。だからこそ読みやすくてグイグイ読めるし、だからこそ「エンターテイメント」小説なのだな、と思いました。重くなりすぎないというか。 エンターテイメントの先駆となるべき賞の、第一回大賞に選ばれたというのが大いに納得できる作品です。 新撰組、彫り物師、侍、不老不死(ヴァンパイア的)、鬼、兄弟弟子対決、秘められた恋、幕末から太平洋戦争という時代設定、各種美形揃い…と、エンターテイメント精神をくすぐる要素がこれでもかというほど詰め込まれています。 読者を楽しませる、萌えさせる、という魅力に満ちた作品です。 | ||||
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ことぶきつかさ氏イラストの帯が、どことなくアニメ調というかラノベ風の雰囲気を醸しだしてますが、正直新書サイズの書籍を読むのは久しぶりで、ちょっと時間のある日に腰を据えて読まないとなぁ、と若干覚悟しつつ、読み始めたら時間も忘れて読破してしまいました。 他の方もレビューで書かれていますが、ところどころ「謎」なのか説明不足なのか…な部分が垣間見られるのが残念といえば残念。続編ありきの構成ということになるんでしょうかね… プロモ映像も出ているようですが、続編や映画化があるなら、興味はあるかな…という感じ。 | ||||
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作風も題材も全く異なるけど、伝奇小説にお江戸の人情話とちょっと怖い話をくっつけた半村良の伝奇小説を何故か思い出させてくれた。 歳を取らず、死なない(死ねない)身体になってしまった主人公。 したがって周囲の人間がどんどん歳を重ねていく。娘のように育てていた子が女になり、老いていく、、、。 アクション場面もあるけど、これは淡々とした人間の関わり方、つながり方を語っていく話である。 時代背景が、幕末から原爆投下までの間であり、更にこの間を埋めるエピソードが別の機会に語られるのかもしれない。デビュー作ということだが、次作にも期待したい。 | ||||
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江戸時代の終盤から、明治時代、そして第二次世界大戦という激動の時代において、彫し師の「鬼込め」という呪いで不老不死となった男の生涯を描いた物語。 文章も読みやすくて、ストーリーもよく考えられていたと思うので、この作品が新人賞と聞いて驚いた。不老不死の男が何を考え・どのように生きるのかも興味があったが、本書の読みどころは、なんといっても20歳で年齢がとまった不老不死の男宝生閻魔と、閻魔の友人に託された娘奈津との微妙な関係性だと思う。 最初は妹と名乗っていた奈津が、年を重ねるに従って姉、母、祖母と変わっていく切なさが、閻魔と奈津、それぞれの視点から描かれていたのがよかった。お互いの関係性が変わっても想いを貫き通した二人の生き様は立派だった。 もう一人の不老不死の男夜叉との確執は中途半端だったが、それでも全体的には十分に楽しめた。 | ||||
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著者名も良く知らなかったのだが、予想以上に面白く読んだ。 | ||||
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抑えて平易な筆致で書かれていたので、惹句にあるような「超弩級エンタテインメント・ストーリー」とまでは思わなかったのですが、休日の午後を丸々使い、高ぶる気持ちで読み通しました。 改行だけでふいに語っている人物が変わっていることあるので、数行戻って読み直すこともままあったのですが、残念な程度にマンガアニメ好きの自分としては、素直に脳内画像化してしまいました。 「日本を中心に優れたエンタテインメントストーリーを、世界に向けて発信するための国際的エンタテインメントアワードを目指す」ゴールデン・エレファント賞、第一回W大賞作品ですが、公式HPやイメージソング、イラストまであることを知ってしまうと、サブカルへのメディアミックス商法の、原作探しなんだろうなぁとも思ってしまい、作中の鬼込め時の、闇から湧き出る魍魎図を想像。 奈津との再会(死んでませんよ)、次代の千里眼の牟田惠子とのかかわり、閻魔に射す一条の光のようなこの後の、戦後昭和平成編も読みたいです。 | ||||
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物語冒頭の「鬼込め」から始まり奈津との出会いあたりまではなかなかよかったんですが、最後のあたりが少し弱いように思いました。特に、同じ不死(であるはず)の猫のクロの最期を記すあたりで、どうも永遠の不死ではないということがわかりますが、その違いがなんなのか、どうもしっくり来ません。また同じ長崎の地で被爆した高見と夜叉の運命を分けたものがなんであったのか、一方は瀕死の状態でも死ねずにいるのに対し、一方は顔面のやけどといった違いは、二人のいた場所なのか、それとも鬼込めが何か影響しているのか、よくわかりませんでした。どちらも事実だけを受けとめればいいんでしょうが、そこを明確に語ってくれないと「鬼込め」の実態が非常に不安定になるように感じました。 最後まで読むとわかると思いますが、明確に次作が存在するであろう展開になっています。上記の疑問が次作を読んで理解できるというのであればいいんですが、現時点ではやはり消化不良です。2作読みきって、なるほどと思わせて欲しいと切に願っています。 文章自体は平易で、読みやすいですが、あまり特徴がないのが特徴なんでしょうか。ストーリーテラーとして、もっとこなれてほしいなあと思いました。 | ||||
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丁寧でありながら、個々人による想像の余地がある文章。 続編を意識して書いていると思われる。が、個人的にはこの本の中で何らかの完結を見られると思っていたので残念。 しかし続編が出たら間違いなく読む。 女性層に好まれるキャラ作りだと思うが、それに留まらず幅広い層に読んで楽しんで欲しい作品。 取っ付きやすい文章なので、特に、あまり本を読まない若い層にオススメしたい。 作者が地方の専業主婦さんであることもまた、良い作家の発掘は、都会の若い人材のみではないという可能性を示してくれたようで嬉しい。 | ||||
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