■スポンサードリンク
裏閻魔
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
裏閻魔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.04pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 1~20 1/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
呪術的な魔力のある「入墨」を根底に据え、その不死という「呪い」を得た主人公 の、明治から敗戦直後の昭和までを描く作品。 文章はさらりとして読みやすく、しかし乾いた文体でもない。文章を読む時に その文章の持つリズムが心地よく響いてくる。残酷なあまりに残酷なシーンも余 さず描いているが、流ちょうとも言える文章を味わった時に、後に雑味を残すこ ともなく、読み続けることができる。 作者は文章をよほど推敲したのだろう。軽い文章でいて不必要な修飾はほとん どない。文の繋がりもしっかりと計算してあり、目で文字を追っていると、スピ ード感も削がれることがない。「達者」ではないが文章そのものに味がある。 入墨の持つ魔術性も、しっかりと描写していて、「絵空事」にならないリアリテ ィさを感じる。ややもするとくどすぎる説明文が入りがちなこの種の「伝奇的」小 説の悪弊がない。 説明が重なるが、文章そのものは軽快に進み、会話文が主体のなっているが、 スカスカの印象もない。 私の悪い癖で、会話文主体の小説は、本を逆さまにして見ることがある。内容 が薄い小説は例外なく、文字と文字、文と文がいやに広く見える。ページが随分 と白っぽい感じがするが、この作品で行間が広く感じるが、スカスカではない。 伝奇ものに特有の、異能力を頼りすぎた、何もかも異能力で解決してしまう、 ワンパターンなストーリー展開が目立つ作品が多いが、本作品ではとても上手に (おそらくはかなりの時間をかけて推敲し文章化したのだろう)物語の暴走を防い でいる。 漫然とAmazonを眺めている時に本作品が目にとまった。作者の名前も聞き覚 えがない人だったが、取り寄せて良かったと思う。奥付の作者の略歴には、現在60 代で、「専業主婦」であったと記されている。最近は時代小説に若手の方が多くな り、時代小説かなという気もしたが、小説の枠にとらわれない作風だ。このよう な方が増えてくるのはありがたい。 ただ外国での出版も謳われているが、ある程度日本文化に理解のある方でない と、この「入墨」や伝奇的作風は理解が難しいのではないだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中村ふみさんの「夜見師」を読み、ほかの作品にも興味がわき購入しました。そんなに期待してなかったのですがとても面白く続編2巻もすぐ購入しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し問題無し | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ラストに差し掛かる辺り、通勤中に読んでいて泣きそうになってしまいました。いやあ危ない危ない(笑)。 輪廻ものではなく、死ねない身体というのは呪われた運命感が出ていて良かったと思います。 序盤は確かに同じ章の中で視点が切り替わりまくって、これ誰の話?みたいになるところも散見されるなど、未熟なところもありました。 後半になると筆力もぐんぐん上がり、それが主人公の成長とマッチするという奇跡的な効果も生まれています。 素晴らしいストーリーテラーです。 小難しくニッチな社会しか描けない作家より、こっちの方が遥かに面白いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
望まずに不老不死となった主人公の葛藤を、幕末〜昭和にかけて描いています。 テーマは重いですが、 表紙デザイン、タイトルから、もっと重いものを想像していただけに、 割とライトで肩すかしを食らった感じは否めません。 とはいえ、お話自体は面白く、グイグイと読まされました。 同じく不老不死の体を持つ、兄弟子の存在。 何くれと無く、気にかけてくれる男。 仲間でありながら結果的に裏切ってしまった友人の忘れ形見の娘〜ナツ〜との日々。 流れる時間、変わらない自分、認めたくないもの、縋りたいもの、様々な思いを抱えて 主人公が生きて、出す答えは、、、。 個人的には、ナツが切ないです、、、(T_T) お話は一応、これで完結していますが、 続編が出ていて、それも読みたいと思ったので★は4つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
レビューされた方々の中で高評価ですので試しに読んでみました。 やはりおもしろい! 本当に意外な出会いが待っていました。 史実とフィクションを織り交ぜながらの展開はよくあるパターンですが, しっかりとした筋と相まって,どんどん読みたくなります。 内容を書くのは未読の方に申し訳ないので他の方に任せますが,いい意 味での裏切りがある本書ですので,お読み頂きたいと思います。 ただ,ハードカバーじゃないのが,自分としてはマイナスになります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読みやすいのに独特な世界観と緊張感がある展開によって約500ページを一気に読ませてくれました。 やや残酷な描写もありますが時代物やサスペンス好きには面白く読め、キャラクターの設定も◎。 自分は春に読みましたが秋の夜長のお供には特に良さそうです。 続編もあるとのことで非常に楽しみ。 この作品は幅広い層にオススメ出来ます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに引きこまれていくような感覚を持つ作品でした。 幕末〜昭和、日本の混乱期をうまく舞台として活用し、尋常ならざる「業を背負った男」を描きます。 物語の本筋が妖かし、呪いの類ですが、SFファンタジーですね。 同じ業を背負うもう一人の男、支える女が加わり物語に厚みをもたせています。 普通の人間なら、かならず訪れる「死」という結末を迎えることができない男の苦悩は上手に心理描写されていると思います。 また、小難しく書いていないところがいいですね。 「鬼」にもなりきれず「人」であるかに疑問を抱える男と移ろいゆく【歴史】をご堪能あれ。 ※続編の「裏閻魔2」も同様に面白いですよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み始めるまでは、若干時間がかかったものの、 読み始めたら、途中で辞めることが出来ずに、一気読み。 かなり厚みのある本だったんだけど、すっかり魅了されてしまった。 永遠に近い不老不死の運命に呪われた閻魔と夜叉。 閻魔には奈津が居てくれたけど、 夜叉には誰も居なかった。 だから身の内の鬼に寄り添うように生きてきたのじゃないだろうか。 閻魔と奈津の恋の行方も気になるけど、 夜叉の人生が救われるのかどうかも気にかかる。 続きが楽しみなシリーズになった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
江戸川乱歩賞受賞作の『再会』を読んだ直後に読んだせいか、ものすごい傑作に見えた。アイディアも文章力も、段違いに、こっちのほうが上。 これまで、この作者が脚光を浴びなかったのが、不思議に思える。 ただ、後半の切り裂きジャックとか、ちょっとアイディア的に安直に流れた印象が、ないでもない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アイデアとしては、面白く、よくできた内容だとは思う。 ただ好みの問題としては、イマイチ好きになれなかった。 主人公が不死というか、長生きする必要性があるのか? それよりも裏閻魔としての長所を生かした濃い内容が読んでみたかった。 その方がより面白く読めたように思う。 本書では主人公の長い人生に焦点が当ててあるが、それよりも特殊な力を存分に生かした内容が読みごたえあったのではないだろうか? 最後もなんだかすっきりしない終わり方だし・・・ 続編をまだ読んでいないが、正直読みたいとも思わない。 また肩すかしを喰らうと思うと気のりがしない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
子供の姿のまま不死なった者も妖しい尼僧も、 外見はそのままでも経た年数に見合う内面の成長をする物語が多いが、 百年を生きても内面がソノマンマの主人公も珍しいと思います。 主人公・一之瀬周の描く下絵、彫り物は”色っぽい”そうだが、 登場人物にはそれが、女性、男性共に、感じられない。 文章の区切り、テンポがイマイチで少々読みにくい。 校正時にぜひ音読して頂きたいものだ。 (最近は間の悪い書籍が多すぎる。音読すればすぐに判るものを。) これを外国でも出版するそうだが、 幕末の日本の歴史背景や、和装、色などをも翻訳できる訳者さんは凄いと思う。 その方達に敬意を表して星三つとさせて頂きます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白い!奈津と閻魔の内に秘めた恋、閻魔と信正の友情、閻魔と夜叉の因縁、どんどん話しに惹きこまれていった。夜叉との決着がこれで着いたのだとすれば、少し淡白な印象があるが、それでも最後まで楽しめた。続編が読みたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
思ったより分厚い本に、驚いた。 文体は読みやすく、誰にでも受け入れられるのではないかと思う。 不老不死になるという、ファンタジックさに、当初はどうかな、とも思ったのだが、話がしっかりしていたし、その部分以外は普通の小説と変わらなかったので、どんどん読み進められた。 特別などんでん返しなどがある訳でもないが、かといって途中で飽きる訳でもなかった。 もう一度読み返したいかといえば、そうでもないが、続きは気になる本だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
設定は目新しいものではありませんが、書き慣れてるな、と思いました。 19世紀から戦後まで、虚実交えて描かれるドラマは新人の方とは思えません。 描写も表題からくるおどろおどろしさとは異なり、内容の割には意外とマイルドです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
不老不死の身になりながらも 人間くささを持ち合わせる主人公。 この主人公とそれを取り巻く人々を 史実に絡めながら上手く描いている。 でも 他の方もお書きのように クライマックスの対決はいらないかな。 友人の忘れ形見の奈津。 時が進みにつれ 人として当たり前に成長していく奈津。 一向に年をとらない閻魔。 最初は妹として。 年を追うごとに姉、母、祖母・・・。 互いを想う気持ちはあふれるほどあれど 互いを大切に思うからこそ その想いを素直にあらわせないもどかしさ。 ものすごく好きな設定なのですが もう少し閻魔と奈津の心のふれあいや葛藤が書き込まれてもよかったかな。 最後、なんだか「えっ?これ、続いちゃうの?奈津は?」てな展開だったし。 もし続きがあるんなら どんなかたちでもいいから 想いを心に秘め続けた二人を幸せにしてあげてほしいな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
幕末、主人公・周(閻魔)が刺青による呪印によって不老不死となってしまってからの100年間を描いた作品です。 海外展開を意識したゴールデン・エレファント賞受賞作というのが非常に納得できる、海外受けしそうな作品と感じました。 不老不死等の理由で老化速度の異なる人間が、時が立つごとに周りの通常人から取り残されて・・・ というのは伝奇・怪異物だとわりと定番のネタと思います。 ですが、幕末〜昭和の日本を舞台にこのネタを使った小説というのは結構珍しい気がします。定番ネタでも新鮮な印象を受けました。 主人公が彫師というのもいいですね。この作品が醸し出す艶みたいなものに一役買ってると思います。 一方で、せっかく激動の時代を選んだのだから、終盤にあった原爆との絡みのようにもう少し史実に絡ませても面白かったかなと思ったりもしました。 また、長い年月を扱っているので仕方ないですが、かなり時代が飛び飛びなのも気になりました。 数巻に分ける形で各時代を掘り下げても良かったと思います。 殺陣シーンのようなアクションあり、特に終盤重要シーンとして描かれていますがそこは正直微妙で、 この小説の肝は奈津との切ない恋を中心とした人間模様であると思います。 各時代を掘り下げてというのにも繋がりますが、そういう部分をもっともっと見たいと思いました。 最後は尾を引く終わり方をしていますが、この後の展開があるなら期待したいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新聞などで広告文を読んで、面白そうだなぁと思っていました。 実際、とても面白く読みました。昨晩読み始め、睡眠不足を気にしなければ一気に夜のうちに読んでしまったかと思います。(一応睡眠時間を気にして、今日まで持ち越しましたが) 主人公「閻魔」の人物設定が、不老不死と異形の力を得てしまった存在でありながらもとても瑞々しいこと、彼を取り巻く人々も魅力的であること、それから、起こる事件がその実体の割にはグロテスクすぎなかったことが、この小説の特色だと思います。だからこそ読みやすくてグイグイ読めるし、だからこそ「エンターテイメント」小説なのだな、と思いました。重くなりすぎないというか。 エンターテイメントの先駆となるべき賞の、第一回大賞に選ばれたというのが大いに納得できる作品です。 新撰組、彫り物師、侍、不老不死(ヴァンパイア的)、鬼、兄弟弟子対決、秘められた恋、幕末から太平洋戦争という時代設定、各種美形揃い…と、エンターテイメント精神をくすぐる要素がこれでもかというほど詰め込まれています。 読者を楽しませる、萌えさせる、という魅力に満ちた作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ことぶきつかさ氏イラストの帯が、どことなくアニメ調というかラノベ風の雰囲気を醸しだしてますが、正直新書サイズの書籍を読むのは久しぶりで、ちょっと時間のある日に腰を据えて読まないとなぁ、と若干覚悟しつつ、読み始めたら時間も忘れて読破してしまいました。 他の方もレビューで書かれていますが、ところどころ「謎」なのか説明不足なのか…な部分が垣間見られるのが残念といえば残念。続編ありきの構成ということになるんでしょうかね… プロモ映像も出ているようですが、続編や映画化があるなら、興味はあるかな…という感じ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作風も題材も全く異なるけど、伝奇小説にお江戸の人情話とちょっと怖い話をくっつけた半村良の伝奇小説を何故か思い出させてくれた。 歳を取らず、死なない(死ねない)身体になってしまった主人公。 したがって周囲の人間がどんどん歳を重ねていく。娘のように育てていた子が女になり、老いていく、、、。 アクション場面もあるけど、これは淡々とした人間の関わり方、つながり方を語っていく話である。 時代背景が、幕末から原爆投下までの間であり、更にこの間を埋めるエピソードが別の機会に語られるのかもしれない。デビュー作ということだが、次作にも期待したい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!