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(短編集)
バイバイ、ブラックバード
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バイバイ、ブラックバードの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 81~92 5/5ページ
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ファンでもなんでもなくて、伊坂さんはこれで3冊目です。 この作家さんが人気あるのもわかるな、とあらためて思わせてくれる一冊でした。 文章は読点が多すぎてあまり上手とは言えず、連作短編になっていますが、どの話もそれほど驚きはなく、まあ、凡人でも思いつける範囲内なのですが、読み進めるうちに、だんだんとこの世界観が気に入ってきている自分がいます。 どこかいいかげんで、軟弱で、でも、徹底して人に優しい主人公と、マツコ・デラックスさんがさらに凶暴になったような大女、二人の会話も、それほど大きな笑いに繋がらないのですが、最初のうちは、ふーんという程度なのに、最後のほうでは、なんかいいなって気になってしまいます。要するに、二人のことがいつのまにか気に入ってしまっているんですね。そういうふうにさせてくれる作家こそが、次にまた読みたくなる作家さんなんだと思います、はい。 | ||||
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主人公星野は2週間後に「あのバス」に乗せられる予定で、 監視役の繭美同行のもと、5股交際していた女性たちに別れ話をしに行くお話。 女性たちのタイプや反応はそれぞれで、星野なりのけじめをつけていく。 だから、別れの話なんだけど、終わりの話ではない。始まるための話なんだ、と思った。 内容について、出てくるアレコレの部分を想像してしまう。読了後も、物語の続きを想像してしまう。 「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむためにによると、 “あれこれ思いめぐらせるのが面白い読書だと思う(By伊坂)”ということらしい。 登場人物のキャラクターに魅せられ、時に面白く、時に涙腺を刺激された、とても面白い小説でした。 自分はこれ、結構好きな本です。僕の大切な本になるかな。 | ||||
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伊坂幸太郎の最新作品であり、ゆうびん小説という面白い試みから生まれた小説である。 ゆうびん小説とは、短編を一作書くたびに企画参加者のうち50人に小説をゆうびんで届ける、というものである。 そんな短編が五つと書き下ろし短編がひとつ収録されているのが、このバイバイブラックバードである。 いずれの短編も主人公は共通で、素直で憎めないが借金まみれの星野一彦。 そしてもう一人の主人公ともいえるのが、星野一彦が逃亡しないよう常に見張っている繭美。 なんと五股をかけている星野が、それぞれの彼女に別れを告げに行く、というストーリーだ。 とにかく「星野+繭美+星野の彼女のうちの一人」という三人のやり取りが面白い。 まさに「伊坂ワールド」が全開のバイバイ、ブラックバードは、幅広い層の読者におすすめできる。 | ||||
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全編別れの話だが、憎めない性格の星野君は未練を持ちつつも粘着しない。 随行する怪女繭美の存在が次々と女性に別れを告げなくてはならない納得感・必然性をかもしだすのだが、最初は繭美のキャラクターがあまりに強烈なこともあり、違和感を感じた。 しかし、この連作集は冒頭の各出会いのエピソードのおとぼけ、繭美の辞書ネタなど、読み進むほどにお約束のくすぐりパターンがあって、自然と馴染んでくる。 個人的には3話、4話、5話と後半が特に好きだ。人情喜劇なんだけど設定が設定だから余り湿っぽくない。そのあたりが伊坂氏の真骨頂だと思う。 読者の想像に委ねるラストは賛否あるかもしれないが、余韻は残すものだ。 | ||||
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郵便小説、このキャッチフレーズを全面に押し出しているので、正直な話、購入をためらいました。 また、伊坂幸太郎が実験するのかと''' しかし、読んでみて驚きました。非常に美しいお話です。 他の方も言われていましたが、この浮遊感は伊坂にしか出せない。 しかも、重力ピエロ等で描かれていた、どこか陰のある浮遊感ではなく、美しい浮遊感。 115の番号票やおいしいパンのくだりでは思わず目が潤みました。 全編において素晴らしいお話でした。 なぜ、郵便小説と連呼する必要があるのだろう? やはり、最終章にマツコデラックスがキック、キック、キックになるまでが若干性急だからだろうか? 最近、あとがきにてエクスキューズを提示する伊坂幸太郎ですが、そのエクスキューズがなければ星五つでしたね。 あとがきと郵便小説のキャッチフレーズで星一個減点です。 | ||||
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最初に断っておくが、伊坂幸太郎のファンではない。今まで3冊読んだが、面白かったのは、「ゴールデンスランバー」、あればかなり楽しんだけれど、「チルドレン」と「死者の精度」は勘弁、であった。なのに絶大な人気、その理由が分からずに、次の本を手に取る、という具合だ。 「バイバイ、ブラックバード」は最初の章を読んだときは、途中で投げ出そうと思った。ラーメンの早食いをするあたり、それを細かに描写するあたり、くだらなすぎると思った。この作家は趣味じゃないな、と思い切ろうと思った。だけど、我慢して読み続けたら、どんどん面白くなった。繭実というハチャメチャな迷惑女の口から流れてくる暴言が意外とドキッとする言葉だったりして、だんだん、繭実の発言に注目する自分がいた。作者は繭実という遠慮の無いキャラを通して、メッセージを伝えているのだと思った。 ラストシーンで、二人がなんとなく通じ合ったような部分も良かったし、うん・・読み終えてみたら、なかなか面白く心に響くところあり、且つエンターテイメント性も高い作品だった。 | ||||
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伊坂ってこんなだったっけ...とおもわず思いました。 彼の従来の作品は巧妙な伏線とそれをひたすら回収してゆくために 前半はどちらかといえばわかりにくいスロースタート。 なのに今回は出足からバンバンに面白い。 人を喰った(でも全くなさそうでもないと思わせる)設定と 繭美なる怪女?との強烈しかし軽妙なやりとり。 二股ならぬ五股をかけてなお自覚のない男。 最初っからこんなに面白くしていいの〜 と 思わず心配しましたが... 謎は謎のままぽんっと空中に置かれなんら解決されない ままに 物語は進みます。 そして そのままにラスト。 なのに読み手には確実な手ごたえ、充実した読後感が残ります。 それは時間を置くにつれて膨らんで 自分のなかでのイメージ、様々なメッセージは確かなものになります。 ベースに太宰治の未完の小説があったそうですが 太宰の生き様に伊坂の世界観が絶妙に融合して この不思議な小説が生まれたのだと思います。 | ||||
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本書は、もともと’09年5月から’10年2月にかけて1話につき50名の抽選で当たった読者だけのもとに郵便で届けられた「ゆうびん小説」5つの短編に書き下ろしの1編を最終話として加えられた連作短編集である。 5股をかけていた星野一彦は、どうやら借金苦に陥り、2週間後に<あのバス>と呼ばれる送迎者に乗り、地獄に近いどこかへ連れて行かれる事が決まっており、そこでお目付け役の身長180センチ、体重180キロの巨漢女性繭美を偽りの婚約者ということにして、5人の女性たちに別れの挨拶に行くというお話である。 前作『オー!ファーザー』が4人もの父親がいる青年のお話だったが、今回は、5股をかけた男が登場し、傍若無人な巨漢女との言動に5人の女性たちはさまざまな反応を示す。 独特の浮遊感のある人を喰ったような、ありえない摩訶不思議な設定、そして軽妙洒脱な会話、いつもの伊坂ワールドに思わず引き込まれ、思わずサクサク読み進んでしまう。 本書は、極上の会話劇であり、伏線の利いたミステリーとも言えるし、恋愛小説の要素もある「いいお話」である。それは、5人の女性たちが別れの悲しみだけでなく、別の悲しみも持っているのだが、星野と繭美が別れの挨拶に行ってそれぞれの出来事があり、何となく笑える感じで、悲しみを前向きでプラスなものに変えてゆく過程があるからだろう。 5人への別れの儀式が終わった後、星野は約束どおり<あのバス>に乗り込むのだが、最後の最後に繭美がオンボロのオートバイで彼を追いかけようとして、かからないエンジンをキック、キック、キックする場面で終わっているが、その終わり方が本を閉じたあとまでも読者の心を熱く焦がす。 | ||||
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最近出版された「あるキング」、「SOSの猿」と違って、伊坂さんらしいサクサク読めるお話です。 バスの存在や最後の繭美のキックスタートのシーンなど、あえて内容や結果を語らず、読者の想像に任せているところも伊坂さんの小説らしくて好きです。 主人公は借金で普通の生活に戻れなくなる運命なのに、なぜか読んでいて気分が暗くなることはなく、主人公の行動から彼の今後の人生に希望を抱いてしまいました。 でも、五股は良くない!しかし憎めない!! | ||||
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この小説「ゆうびん小説」として書かれたものなので、短編5と最終話(書き下ろし)からなっています。 だから、短編としてサクサク楽しめますし、最終話は、全編で登場する2人のお話です。 話としては、それぞれに問題や悩みを抱えながら、解決されないですけど、前に進む感じ。 他の伊坂作品でいえば、「終末のフール」って感じで、「死神の精度」ほどカッコよくはないですね。 ※そういえば、気がついた他作品とのリンクはなかったですね〜。 伊坂ファンのボクは期待通りに楽しめましたよ。 ※※以下、作品の情報をまったく知りたくない人は読まないでください*********** (「伊坂作品は、全部読む!」、そんな方は情報ないほうが楽しいですよね) 男には2週間だけ時間が残されており、その時間で5人の女性(5股)に別れを告げにいくお話です。 男は、2週間後に、謎のバスに乗らないといけないのですが・・・。 各話は、各女性達との話で、全編としては、、「バスに乗せられる男」「バスに乗せる女」の2週間です。 いや、女?なのかな??? (よくある中性的で魅力的ってことじゃなくて、人間離れ、規格外ってことで「女?」って感じw) 5股なんで最低の男なんでしょうが、読んでいくと悪い人には思えないのです。 ラストを読んでも、こういう人ってズルイwって思ってしまいます。 もっといいやり方があるのに、自分の素直な気持ちを優先して、周りを巻き込むっていうんですかね。 まぁ、巻き込まれる人も悪い気がしていないので始末が悪いw 各話に登場する女性もそれぞれに魅力的でなんですが、 男と一緒に行動する女?が、ある意味魅力的で、この女性の行動が気になって仕方ないですw この方、ツン(冷たい)なんですが、それって「かわいい外見」が伴うから成立するんでしょうけど、外見も残念な規格外なんですけど、それがイイ味。 まずは、1話だけでも読んでみてくださいよ。 | ||||
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どうなってしまうか分からないバスや5股などあまり爽やかでない題材ですが、何故かサラリと楽しめるのはさすが伊坂幸太郎さんという感じです。終わり方も良いですね。 ところで繭美は完全にマツコデラックスさんで再生されました。 | ||||
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身長180cmで体重180kgという 『死神の精度』の死神を嫌みにした様な(?) 超現実的な女性キャラが 読み進める内に段々魅力的に見えてくる不思議な連作短編! 主人公である“五股をかける男”の運命やいかに!? “あのバス”の謎は!? 10回目のKICK!その先にあるものは…!? さぁ、小粋な会話にわくわくしながら摩訶不思議な余韻を残す 新たな伊坂ワールドに…皆さん浸りませんか? | ||||
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