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汚れた街のシンデレラ
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汚れた街のシンデレラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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今や“驚愕のどんでん返し”で世界のミステリー界をリードするジェフリー・ディーヴァーの’89年発表の<ルーン・トリロジー>シリーズの第1作。このあと『死の開幕』(’90年)、『Hard News』(’91年、未訳)で3部作となっている。ディーヴァーにはこの前後に『VooDoo』(’88年、伝説のデビュー作)『Always a Thief』(’89年)『Mistress of Justice』(’92年)の諸作があるらしいが、邦訳はおろか本国アメリカでも入手困難なコレクターズ・アイテムと化しているそうなので、本書が実質的なデビュー作といっていいだろう。本書も今やファンの間で希少本として古本市場では高額な値が付いている。 ルーン−本名ではない−はマンハッタンの<ワシントン・スクエア・ヴィデオ(WSV)>というレンタル・ヴィデオ店の20才の店員。黒と紫に染めたウッドペッカー・カットの髪、黒のストレッチ・パンツに黒シャツ、左腕には27本ものブレスレットをつけたかなりパンクな女の子。彼女は契約条項にはない延滞ヴィデオの回収に出かけた先で、初めて死体を目にする。70才の客がアパートで射殺体となっていたのだ。彼は1ヶ月くらい前にヴィデオ店の現金会員になり、1947年製作の、原書のタイトルと同じ『マンハッタン・イズ・マイ・ビート』という作品を18回も借りていた。現実の銀行強盗事件と盗まれた百万ドルを着服した警官の話をベースにしたその作品から、ルーンは、百万ドルは今もどこかで眠っていると判断。 かくして彼女の、友人・知人を巻き込んでの、ルーンにとってまるで“夢と魔法の王国”のようなマンハッタンの宝探しの冒険が始まる。 ディーヴァーの最初期の作品ながら、人気ベストセラー作家となった今を彷彿させるスピーディーな展開、お約束の二重三重の“どんでん返し”も見られ、なんといっても全編にわたっての初々しいポップな雰囲気と映画の薀蓄に、ディーヴァーの原点を見たような気がして楽しく読むことができた。 | ||||
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現代アメリカのミステリー界をリードし続けるサスペンスの巨匠ディーヴァーが1989年に著した初めてのミステリーで、ポップなヒロイン・ルーン3部作の第1弾です。本書のヒロイン、ルーン(愛称)はNYのレンタル・ヴィデオ店で働くお伽噺を愛する20歳の夢見がちな女の子です。彼女は全くずぶの素人なのですが、怖い物知らずの無鉄砲さを発揮し一攫千金を夢見て自ら進んで危険な冒険に身を投じて行きます。 ある日ルーンは店長から延滞ヴィデオの回収を命じられ、出掛けた先で顔なじみの老人が殺され警察が捜査する現場に出くわす。ルーンは現場に残されたB級映画のヴィデオに好奇心を抱き調べる内にマンハッタンに隠された大金を巡る事件に巻き込まれて行くのだった。 ルーンは最初殺人犯を探す事には気乗り薄でお宝を探す事に力を注ぎますが次第に行き詰まり、やっと手掛かりを掴んだと思ったら今度はあわや殺されそうなヤバイ目に遭遇します。著者はミステリー処女作から‘どんでん返し’の技を発揮しており、印象的な多数の登場人物達を鮮やかに描き分けて、ルーンを取り巻く人間関係の中に見事な罠を仕掛けています。私が後から振り返って感心した場面は、刑事マネリと謎の男との工事現場での対決シーン、ルーンとステファンが地下鉄で尾行者サルに追われながら振り切るシーンの2つで、前者は読者に先入観を持たせ思い込ませる技、後者では真相に迫る決定的な手掛かりが大胆に書かれていた事に気づきました。今回お人好しなルーンは何度も裏切りに遭いながら全く見破れませんが、苦い経験で人を見る確かな目が出来たに違いありません。彼女は未熟ですが最後まで決して諦めずに、なりふり構わず必死に頑張って幸運を引き寄せる姿が感動を呼び、多くの読者から共感と熱い支持を得られるでしょう。現在ルーン・シリーズは次作の「死の開幕」が読めますが、第3作が未訳で残っていますので紹介を熱望します。 | ||||
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ルーンはオハイオからニューヨークに出てきた、映画と童話が大好きな若い女の子。本名も年齢もはっきりさせずに、レンタルビデオ店で気ままに働いていますが、ある日延滞ビデオの回収に出かけたところ、顔なじみになっていた借り主の老人が殺されていました。老人が借りていたビデオに、殺された理由が隠されているのではないかと、ルーンは犯人探しを始めます。 ジェフリー・ディーヴァーの初期の作品で、リンカーン・ライムシリーズなどとは少し雰囲気が違い、そちらを先に読んでしまってる人からは物足りなさを感じるという声もあるようですが、お得意のどんでん返しはたっぷり盛り込まれていますし、なによりペーパーバックとしては短めで、単語的にも少し易しく書かれているのが初心者には有り難いところです。 主人公のルーンはいわゆるフリーター、取り壊し寸前の無人ビルに勝手に住み着き、仕事よりも自分の好奇心の方が優先、この小説のどこがハラハラするってヒロインの人生かも知れません。ルーンの行く末が心配になって2作目、3作目と読み終われば、The Blue Nowhereや、The Bone Collectorなどもずっと読みやすくなっていることでしょう。ジェフリー・ディーヴァー入門としてイチオシです。 なお邦題は『汚れた街のシンデレラ』となっていますが、マンハッタンを「汚れた街」は、ちょっと...ルーンはニューヨークを気に入っているのに。シンデレラ・ストーリー的な要素もありませんから先入観を持たないで。 | ||||
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リンカーン・ライムシリーズで知られるディーヴァーの15年位前の作品。やはり最近の作品に比べると洗練されてない気がするけど、主人公の女の子のキャラクターが良く、作者ならではのどんでん返しも小気味良く、ラストがとても爽快でした。風景描写や心理描写が多く、読んでで少したるいけど、だからこそ少々読み飛ばしても筋が追えるってこともあります。英語の勉強がてらに読むのにお勧めです。 | ||||
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The Blue Nowhereが素晴らしかったので、同じ作者のをもう一冊……と買ってみました。が! 何かが違う。こんなのDeaverぢゃない! 会話も描写もぎこちないし、作者の趣味と主義主張がテンコ盛りで、すんごい若手が書いたみたいな――奥付を確認すると、初出1988年でした。ひょっとして初期の作品? 作家にも上達や円熟ってあるんだなと、妙なところで感心したのでした。とはいうものの、そうした愚痴も読み進むうちにどこかに消えてしまいます。冒険を夢見る女の子Runeが、何十年も前に起こった銀行強盗事件の際の強奪金を探し出すという話ですが、この主人公Rune(本名不明)が、やっぱり魅力的なんですよね。最後の一ページまで続きに続くどんでん返しも、さすがDeaverというべきか。同じ主人公での続編もあるようですので、そちらも買おうと思っています。「『今何してるの?』って訊かれて『○○です』なんて答えるべき職業を自分が持つなんてゾッとしない?」なんて言える女の子の行く末は、やっぱり気になってしまうではありませんか。 | ||||
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「ボーン・コレクター」のジェフリー・ディーヴァーの描く異なる別の世界、殺人事件が起こって底に巻き込まれたヒロインが事件を捜査するというまるでテレビの単発もののサスペンスドラマをみているみたいでしたが、結構楽しむことが出来ました。レンタルビデオ店で働くルーンが巻き込まれた殺人事件。被害者が顔見知りだったために何故かサスペンスドラマのヒロインよろしく事件捜査にやたら首を突っ込みたがる。其の殺人事件の捜査の手がかりは本当に存在していたらみてみたいなと思ってしまう映画のビデオテープ。そして事件捜査を行っているヒロイン、ルーンにひたひたと忍び寄ってくる謎の人物。これには思わず「ボーン・コレクター」のようにおどおどろしい猟奇殺人鬼の描かれ方から言ってこれはもしかして、と思い込んだところに先入観が忍び寄って推理の邪魔を指定しまいます。殺人事件の犯人は実に意外な身近なところに潜んでおりました。あっさり犯人が捕まってこれで事件が解決するのかと思ったところにまだまだ其の殺人事件の共犯者の存在が臭われてきて事件捜査は意外な展開を見せる。其の共犯者はほんの身近に潜んでおりましたが、途中で仄めかされた共犯者の存在でもしかしたら怪しいなと思い始めていたのでそこはあまり驚きませんでした。ヒロイン、ルーンにヒタヒタと忍び寄っていた人物はその意外な正体を知ると、まるでオードリー・ヘップバーンの映画「シャレード」見たい。「ボーン・コレクター」の残像がちらついてどんよりと蠢く謎の人物はそのまま殺人事件の重要人物に違いないと思い込んで、そのままだまされてしまいました。おとぎ話と冒険が好きなファンタジックな探偵ヒロイン、ルーンはそのただの殺人事件をB級映画にならってそのままファンタジックに解釈してしまう愉快な人柄は結構いいです。あのジェフリー・ディーバーの描いてた探偵ヒロイン、ルーンの活躍をさらに読みたくなりました。 | ||||
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Bone CollectorでDeaverにはまり、いろいろ読み漁っています。これは主人公がおのぼりさんの女の子。ビデオ屋で働き、取り壊し直前のビルに住み着いているReneちゃんで、他のDeaverものとは雰囲気が違い、マンハッタンの若い子の生活ものぞけて、楽しいです。でもstoryの展開の意外さ、早さ、ひねりはDeaverファンのあなたを裏切らないはず!睡眠不足必至です。 | ||||
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小林信彦さんの著書で、本書のことを紹介してあったのを読んでから、ずーっと探しつづけてやっとのことで見つけたこの本。読んでみて期待以上の楽しさでした。映画好き・空想好きの主人公ルーンには、自分と似たところがあって、主人公にこんなに共感しながら読んだミステリー&サスペンスは初めてです。また、主人公の仕事柄、そこここに出てくる映画の題名、ちょっとした映画に関するエピソードにも嬉しくなります。(バリバリのサスペンスやミステリーを期待するとちょっとハズレかも。)でも私はこの女の子の冒険物語がとても大好きです。ぜひ一度どうぞ。 | ||||
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