死の開幕



※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。


【この小説が収録されている参考書籍】
死の開幕 (講談社文庫)
(違う表紙に投票したい場合もこちらから)

オスダメ平均点

7.00pt (10max) / 1件

7.00pt (10max) / 1件

Amazon平均点

3.38pt ( 5max) / 8件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
0pt
サイト内ランク []C総合:1931位
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

0.00pt

48.00pt

31.00pt

0.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2006年12月
分類

長編小説

閲覧回数3,132回
お気に入りにされた回数0
読書済みに登録された回数2

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

死の開幕 (講談社文庫)

2006年12月15日 死の開幕 (講談社文庫)

タイムズ・スクエアのポルノ映画館で爆破事件が起きた。近くで難を逃れた映像作家の卵、ルーンは、現場で上映されていた作品に出ている女優のドキュメンタリーを撮り始める。一方、イエスの剣と名乗るカルト集団から出された犯行声明は、次の爆破を示唆していた。逆転の名手が放つサスペンス・ミステリー。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

死の開幕の総合評価:6.78/10点レビュー 9件。Cランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

ディーヴァーがまだ普通のミステリ作家だった頃

現代気鋭のヒットメーカー、ジェフリー・ディーヴァーの最初期の作品でルーン三部作とされるシリーズ物の第2作。
第1作は『汚れた街のシンデレラ』という邦題で早川書房から訳出されていたが、現在絶版。3作目は未訳と数あるディーヴァー作品の中でも不遇な扱いを受けているのがこのシリーズ。特に早川書房は早く復刊して欲しい(全くの余談だが、最近の早川書房の絶版の速さは驚くものがある。出版不況の中、余剰在庫を抱えるのはリスクであるのは承知しているが、出版業が文化事業だという意識の欠落が感じられる。トールサイズという独自の規格で本屋さんを泣かせてもいるし、最近すごくエゴとサーヴィスの低下を感じるのだが)。

さてジェフリー・ディーヴァーと云えばどんでん返しと云われているが、最初期の本書も正にそう。なかなか予断を許さない展開を見せる。

ハリウッドに数多ある映像プロダクションに勤める駆け出し社員ルーンが遭遇するポルノ映画館の爆破事件。その時たまたま上映されていた映画の主演女優シェリー・ロウに興味を覚え、この爆破事件のドキュメンタリーを撮ることを決意する。しかし爆破現場には<イエスの剣>なるテロ組織の犯行声明文が残されていて、続く犯行を予見させる。

ポルノ業界のみならず映像業界、しかもハリウッドスターが彩る華やかな銀幕の世界ではなく、弱小のプロダクション会社の日々を綴り、さらにそこに爆発物処理班の生活を絡める。

これら描かれる映像業界の内幕と爆発物処理班の日常そして爆発物処理の過程は確かに読み物として読み甲斐はあるものの、読書の愉悦をそそるまでには届かなかった。説明的で食指が動くようなエピソードに欠けた。あくまでストーリーを修飾する添え物の領域を出ず、プロットには寄与していない。
この辺はまだ作家としてのスキル不足を感じた。

また登場人物たちがステレオタイプで、あまり印象に残る人物がいないのが気になった。主人公のルーンは好奇心旺盛のやんちゃ娘タイプだが、読書中、なかなか貌が見えなかった。ルーンという中性的な名前のせいか、読む前はてっきり男性の主人公だと思っていたので、女性と解った時はびっくりした。ハウスボートに住むなど個性的な設定もあるが、作り物の感じは否めなかった。

彼女の相手役となる爆発物処理班のサム・ヒーリーやルーンが一連の爆発事件の容疑者として一方的に疑っているマイケル・シュミット、ダニー・トラウヴ、アーサー・タッカーもどこか類型的だ。

一つだけ鮮烈な印象を残すのは爆発事件の犠牲者となったシェリー・ロウだ。
爆発事件を彼女にスポットを当ててドキュメンタリーを作ることにし、ようやく撮影が始まった矢先に死んでしまったシェリーに共感を覚え、彼女の死の謎を追うことにしたルーンが辿る彼女の関係者から聞かされるシェリーの人となりはポルノ女優という卑しき職業に就きながらも気高く聡明さを感じさせ、掘り下げられるうちにその存在感が鮮烈さを増してくる。彼女の才能が類稀であることが解っていくにつれ、映像業界がポルノ映画、すなわちブルームービーへの強い偏見と嫌悪を抱いている現状と才能あるポルノ女優の恵まれない環境が読者の頭に次第に刷り込まれていく過程は見事だ。
それゆえにラストの余韻が生きてくる。詳しくは書けないのでこれくらいにしておこう。
しかし一方で他の登場人物の色合いがくすんで見えてしまったのは計算違いだったのではないだろうか。

といったようにこの作家が売れるようになった『静寂の叫び』やリンカーン・ライムシリーズを未読なので比較はできないが、若書きの印象を強く抱いた。

ただこの作者のミスリードの上手さは本書でも味わえる。後の作品の物と比べれば、それはあまりに当たり前すぎる手法かもしれないけれど。
逆に私はこの作品からどのように今、常に絶賛を以って新作が迎えられるようになったか、つまり“化ける”ようになったかを発表順に追っていくことで見ていこうと思う。

Tetchy
WHOKS60S
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.8:
(3pt)

前作よりは読ませてくれました

この邦訳、本作にはぴったりのような気がする。この訳者さんの訳で、最近作を読んでみたい気もする。前作の〈汚れた街のシンデレラ〉の続編だが、さすがのディーヴァー。引っ張ってくれます。ただ最後のどんでん返しも、「なるほど! そうきたか!」という感じではなく、ふーんという読後感しかなかった。おそらく、どんでん返しの動機にそれほど感情移入できなかったからだろう。自分の死を偽装するために検死官を抱き込んでいたくだりも、あまりに容易過ぎる。
 p179〈『うわ、あれは何?』〉は、〈これは〉でしょう。実際、手に取っている防護スーツに対して質問しているわけだから。p382〈救急隊員がふたり~黒い機関銃を構え〉とあるが、救急隊員が機関銃を持っているものだろうか。p478〈爆発音を聞きつけてやってきた野次馬さえも〉は〈やってくる〉でしょう。まだ、この時点では野次馬はやってきていないわけだから。それにしても、この〈死の開幕〉という題名、なんとかならなかったのか。野球かフットボールに関係するスポーツもののミステリーかなと勘違いしてしまった。それでも、このシリーズの次作も邦訳してもらいたいものだ。
死の開幕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:死の開幕 (講談社文庫)より
4062755947
No.7:
(3pt)

最近のディーヴァー作品と比べると

最近の作品と比べてどんでん返しが少なく、あまりハラハラせずに読めました。
死の開幕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:死の開幕 (講談社文庫)より
4062755947
No.6:
(3pt)

読みやすさだけ

ジェフリー。ディーヴァーの最新刊。といってもリンカーン・ライムものではないし、10年以上前の作品の翻訳。

なんで、これが今ごろ翻訳されたのか分からないけど、彼の作品のファンならば読むだろう。

なかなかトリッキーな小説。筋は面白いんだけど、主人公の女性があまり魅力的ではない。というか、翻訳では若い女性のようには受け取れない。ラブ・ロマンスも唐突な気がする。かなりご都合主義かな。

でも好き。こういう分かりやすい小説もいい。
死の開幕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:死の開幕 (講談社文庫)より
4062755947
No.5:
(3pt)

ディーヴァーファンにはお勧め

私にとって期待値の最も高い作家、ディーヴァー。
本作はそのディーヴァーの最新作。
といっても「ボーンコレクター」以前のブレイク前のディーヴァーの作品である。

具体的なあらすじは、他のレビューを読んでいただくことにして、
読んでみての感想。
ディーヴァーは、女性や恋愛を主題にするストーリーは苦手!
プロット作りは冴え渡っている。

本作を読んでつくづく感じたのは、
ライムという主人公を創造したことで、
今日の成功があるのだということ。
プロットだけでは、
読者をひきつけられないことが、
よく分かりました。


今回10数年前の作品を読むことは、
ディーヴァーファンには決して悪くないと思います。
ファンにはお勧めの一冊。

死の開幕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:死の開幕 (講談社文庫)より
4062755947
No.4:
(3pt)

「冴え」が足りない・・・のは仕方がない!?

代表作「ボーン・コレクター」を読み、ファンになった。
ディーヴァーお得意のどんでん返しを期待した私が悪かった…

証拠をつかんでの推理ものではなく、
なんとなくそういう流れになってしまった〜感がある。

残り100ページから、話は一気に加速するが、
最後の最後の「騙された!!」ってことがない。

ドキュメンタリー映画を作ろうとするルーン。
たまたま近くを通りかかったということで、ポルノ女優を主題にする。
しかし、ポルノ女優は単なる被害者で、ポルノ女優である必要性はなかった。
さらに、宗教が絡んでくるが、そこまで根深いものではなく、
実態もふんわりした感じの団体で、それも残りの100ページからの登場。
しかも、ラストは情けない…

撮影することによって、何かしらの手がかりが偶然映って狙われるわけでもなく、
せっかく爆発処理のボーイフレンドがでてきても、
あまり科学捜査が事件解決のきっかけになるわけでもなく、
ルーンの「思い込み」で5人の容疑者に絞って、そのまま話が進んでいくし、
なんだか中途半端な感じ。

でも、まぁ、ディーヴァーにとっての初期の作品。
これで、仕方がないのかもしれない。
ゆっくり、まったりの推理小説が読みたいのであれば、いいのではないか??

ルーン・シリーズの「汚れた街のシンデレラ」は入手不可能。
気になるが、定価以上を払ってまで入手する気はない。
死の開幕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:死の開幕 (講談社文庫)より
4062755947



その他、Amazon書評・レビューが 8件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク