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青い虚空
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青い虚空の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 41~42 3/3ページ
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ディーバーの新作は前作 Empty Chair までの作品とちょっと違っている。コンピュータの世界,なかでもサブカルチャーとしてのコンピュータの世界に起こる犯罪を捜査するというものである。前作までもリンカーン・ライムの捜査にはコンピュータが出てくるが,単にコンピュータの働きが描かれているというだけだ。 今回の作品では,コンピュータと人間が作る世界が舞台である。非常に危険な道を選んだ。前作までの,科学捜査の世界はおそらく読者のほとんどには未知の世界であり,多少の誇張やまちがいや省略があったとしても,読者はそれに気づかない。今度はちがう。コンピュータの世界に通暁した,または描かれていることをよく理解できる読者が多いからである。細部のまちがいなどどうでもよいではないか,という考えもあるかもしれないが,しかし,小説という表現形式は「要するにこうだ」ではなく,具体的に言葉で細部を表現し,その積み重ねにより作者の世界を組み立てて行くものである。読者が細部に不信をいだけば小説そのものの世界も崩れていく。 例をあげると,Simon & Shuster版ハードカバーの69頁に,被害者のIBMクローンのパソコンを主人公が調べる場面がある。パソコン本体のハードディスクに影響を与えないようにフロッピーディスクからMS-DOSを起動するが,起動すると「白いC:プロンプトが黒い画面に現れた」と記す。フロッピーディスクから起動すれば普通はA:プロンプトが現れる。もちろん設定でC:プロンプトにもできるが,ハードディスクに影響を与えないように起動するためには避けるべき設定である。 そのほか,おかしい箇所がかなり見られる。重要なのは,上にあげたような疑問が,わたしのようなプログラムを書いたこともないような素人パソコンユーザにも指摘できるということである。ひょっとしたら玄人が読むと噴飯ものの描写ばかりなのかもしれない。 | ||||
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前作Empty Chairまで快調に飛ばしていたディーヴァーであるが、本作は読んでいる間、いくども「?」と感じさせる。天才ハッカーであり連続殺人犯を服役中の元ハッカーが警察の要請で追うというストリー。まず違和感を覚えるのが、なぜ作者はインターネットをその舞台に設定したのかということ。作者は仔細にインターネット、そしてハッキングについて解説しているが、多くの読者には馴染みが薄い世界だろうし、読者を選ぶ結果になっているのではないか。また、作者のコンフィンダンサーから続く、連続殺人犯がいてそれを追う主人公グループ、そしてその中にいる意外な裏切り者という「お約束」の展開が本作品にもあてはまり、途中から興味が主人公グループの誰が裏切り者なのかという方向に向いてしまうこと。後半、犯人がシステムにハッキングし逃走する場面でこれは作者が映画化を見据えて書いたのではないかと推測してしまう。つまり文章ではあまり迫ってこないコンピュータ犯罪も映像化には向いているかもしれないからだ。ネットを使って犯罪を犯す犯人を同じくネットを使って追うというアイデアは面白いのだが。 | ||||
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