二流小説家

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

二流小説家の評価:

3.55/5点 レビュー 100件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.55pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全117件 101〜117 6/6ページ
No.17
(4pt)

ミステリーというより哀れな中年作家の恋物語

冴えないはずの主人公が何故か重大発見を繰り返し、しかも美女が何人も絡んでくれるなんて、ご都合主義もいいとこだ。
だが、主人公の駄目さ加減が実によく書けていて、最後の切ない終わり方もホロリとさせる。話の展開に冗長さがないので
テンポよく進み読みやすい。なお、104頁あたりに出てくる地名の「スカーズデール」は、「スカースデール」が正しい発音です。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.16
(5pt)

ほろ苦く甘い

最近の通勤のおとも。

主人公は、中年の小説家。
素晴らしい経歴なんだろうけれど、売れず。
生きていくためには、いろいろな筆名で、ポルノ、ヴァンパイア小説、推理小説、、
まで書いて、しまいには、家庭教師まで。彼女はさるし、家庭教師相手の女子高生からは小馬鹿にされる。
そんななかに、間もなく死刑となるはずの、猟期的連続殺人事件の、死刑囚から、条件付きの執筆の依頼。
うまくいけば、大ヒットになるはず。

ミステリーとしても、どんでん返しも十分にあるし、面白い。
決して、新しい技ではないのだけど、
読み返すと、いくつかのヒントはちりばめられていたのだけど、
最初は、犯人には、気がつかなかった、、。
上手に隠されてしまっていて。

普通の小説としても、事件解決後のほろ苦さとか、
人生感とかに非常に共鳴でき、
なんとも言えない余韻が残った、、。

よくできた小説だ。
でもねえ、、
小説の執筆の依頼があって、コアなファンサイトもあって、
それなりに、食えているのだから、、。
これで生きていく、、人の、意気込みというか、気力、運を感じる。
こういうのを、単純に二流っていうのかなあ。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.15
(5pt)

中年男の切ない青春ドラマ

主人公のクイーンズへの偏愛とか、日本でいえば純文学みたいなものへの嫌悪と劣等感とか、愉快で切なくて愛おしい。私はこの前半の雰囲気が好きだった。
 そんな気分に浸っていたら急展開して、話はいきなりスプラッター風になっちゃって加速する。読み逃したのか、私の理解が足りないのか、細部の未解決部分が多いまま終わるけど、全体に流れる空気はよく伝わってきた。クイーンズというところに行きたくなってくる。主人公は中年だけどちょっと泣けてくる青春ドラマでもある。読み終わるのがもったいなかったです。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.14
(5pt)

ほろ苦く甘い

最近の通勤のおとも。

主人公は、中年の小説家。
素晴らしい経歴なんだろうけれど、売れず。
生きていくためには、いろいろな筆名で、ポルノ、ヴァンパイア小説、推理小説、、
まで書いて、しまいには、家庭教師まで。彼女はさるし、家庭教師相手の女子高生からは小馬鹿にされる。
そんななかに、間もなく死刑となるはずの、猟期的連続殺人事件の、死刑囚から、条件付きの執筆の依頼。
うまくいけば、大ヒットになるはず。

ミステリーとしても、どんでん返しも十分にあるし、面白い。
決して、新しい技ではないのだけど、
読み返すと、いくつかのヒントはちりばめられていたのだけど、
最初は、犯人には、気がつかなかった、、。
上手に隠されてしまっていて。

普通の小説としても、事件解決後のほろ苦さとか、
人生感とかに非常に共鳴でき、
なんとも言えない余韻が残った、、。

よくできた小説だ。
でもねえ、、
小説の執筆の依頼があって、コアなファンサイトもあって、
それなりに、食えているのだから、、。
これで生きていく、、人の、意気込みというか、気力、運を感じる。
こういうのを、単純に二流っていうのかなあ。


二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.13
(5pt)

中年男の切ない青春ドラマ

主人公のクイーンズへの偏愛とか、日本でいえば純文学みたいなものへの嫌悪と劣等感とか、愉快で切なくて愛おしい。私はこの前半の雰囲気が好きだった。
 そんな気分に浸っていたら急展開して、話はいきなりスプラッター風になっちゃって加速する。読み逃したのか、私の理解が足りないのか、細部の未解決部分が多いまま終わるけど、全体に流れる空気はよく伝わってきた。クイーンズというところに行きたくなってくる。主人公は中年だけどちょっと泣けてくる青春ドラマでもある。読み終わるのがもったいなかったです。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.12
(4pt)

R-15指定が必要かも、な内容

意外にそういう場面がたくさん出てきます。また、人がたくさん死にます。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.11
(4pt)

R-15指定が必要かも、な内容

意外にそういう場面がたくさん出てきます。また、人がたくさん死にます。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.10
(4pt)

絶妙な構成

主人公ハリーの書いたミステリやSFなどの作品が断片的に挿入されていたり、ハリーの文学観や小説作法なども書かれていたりするなど、なかなか凝った構成。ミステリ・ファンで、しかも小説家を夢見ていた私には非常に面白かった。
 新聞や雑誌の書評でもかなり好意的に取り上げられており、いまさらの感もあるが、ミステリ・ファンなら絶対に面白いと思うはず。作者のデイヴィッド・ゴードンは本作がデビュー作だというが、マスコミ関係のキャリアを積んでいるだけあって構成力はさすが。長編ミステリの場合、前半に主要なエピソードが集中し、後半になるとスピーディになるのと引き替えに急激に濃度が下がることが多々ある。ところが、本作の場合は、新たな連続殺人が起こるのが序盤ではなく、中盤に入ってからで、最後の最後まで濃度が下がらない。ハリーを取り巻く人々も個性的で、ハリーのビジネス・パートナーでもあり、家庭教師としてしての教え子でもある女子高校生クレア、双子の姉をダリアンに殺されたストリッパーのダニエラ、ゲイの友人のモーリスなど、それぞれがそれぞれの立場から「二流小説家」のハリーを支える。
 誤読してしまったのは事件の鍵を握るダリアンの弁護人、キャロル・フロスキーを途中まで男性だと思い込んでいたこと。名前は明らかに女性なのだが、最初に登場するのが口汚く電話の相手を罵る場面であり、「彼女」という表記が一切ないので勘違いしたのだ。事件の謎が解き明かされていく段階で気づいたのだが、この失態は大きい。もう一点気になったのはダリアンが殺したのは3人なのか、4人なのかという点。これが最後まで明確になっていなかったというのは無理があるような気がする。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.9
(4pt)

絶妙な構成

主人公ハリーの書いたミステリやSFなどの作品が断片的に挿入されていたり、ハリーの文学観や小説作法なども書かれていたりするなど、なかなか凝った構成。ミステリ・ファンで、しかも小説家を夢見ていた私には非常に面白かった。
 新聞や雑誌の書評でもかなり好意的に取り上げられており、いまさらの感もあるが、ミステリ・ファンなら絶対に面白いと思うはず。作者のデイヴィッド・ゴードンは本作がデビュー作だというが、マスコミ関係のキャリアを積んでいるだけあって構成力はさすが。長編ミステリの場合、前半に主要なエピソードが集中し、後半になるとスピーディになるのと引き替えに急激に濃度が下がることが多々ある。ところが、本作の場合は、新たな連続殺人が起こるのが序盤ではなく、中盤に入ってからで、最後の最後まで濃度が下がらない。ハリーを取り巻く人々も個性的で、ハリーのビジネス・パートナーでもあり、家庭教師としてしての教え子でもある女子高校生クレア、双子の姉をダリアンに殺されたストリッパーのダニエラ、ゲイの友人のモーリスなど、それぞれがそれぞれの立場から「二流小説家」のハリーを支える。
 誤読してしまったのは事件の鍵を握るダリアンの弁護人、キャロル・フロスキーを途中まで男性だと思い込んでいたこと。名前は明らかに女性なのだが、最初に登場するのが口汚く電話の相手を罵る場面であり、「彼女」という表記が一切ないので勘違いしたのだ。事件の謎が解き明かされていく段階で気づいたのだが、この失態は大きい。もう一点気になったのはダリアンが殺したのは3人なのか、4人なのかという点。これが最後まで明確になっていなかったというのは無理があるような気がする。

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.8
(5pt)

傑作

犯人が誰かということを主眼に置いたミステリを探している人には薦められませんが、良く出来た物語を探している人には勧めることが出来るでしょう。
一見すると良くあるサイコスリラーに近いストーリーに見えますが、魅力的な登場人物が織り成す物語は、微笑ましいやり取りとおぞましい殺人を描く微妙なバランスを保ちつつ。普通小説に近い感触を読む人に与えるでしょう。
もちろん、コアにある殺人を巡るなぞが読者を引っ張り、その謎はラストまでに解決されますが、語り手自身に関する謎は最後まで残ります。
再読、再々読に耐える作品だと思います。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.7
(5pt)

傑作

犯人が誰かということを主眼に置いたミステリを探している人には薦められませんが、良く出来た物語を探している人には勧めることが出来るでしょう。
一見すると良くあるサイコスリラーに近いストーリーに見えますが、魅力的な登場人物が織り成す物語は、微笑ましいやり取りとおぞましい殺人を描く微妙なバランスを保ちつつ。普通小説に近い感触を読む人に与えるでしょう。
もちろん、コアにある殺人を巡るなぞが読者を引っ張り、その謎はラストまでに解決されますが、語り手自身に関する謎は最後まで残ります。
再読、再々読に耐える作品だと思います。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.6
(4pt)

何故、こんな形なんだ!?

根幹となる連続殺人鬼に纏わる話は、強力で魅力的。
中盤すぎと、最終盤にはデカイどんでん返しを配して面白い。
クレア、ダニエラ等脇を固める登場人物も、これまた魅力的。
読み終わって、こんな形=技巧に溺れた変化球小説にせずに、直球勝負してくれたら、
とんでもない<おもしろい>犯罪小説を読めたんじゃなかろうか、
読み逃したんじゃないのかと、地団駄踏んで悔しがりたい気分で憂鬱。
兎に角、私的には200Pぐらいまで、全く面白くなく、何度も読了放棄を考えたほど。
これはカール・ハイアセンの「迷惑なんだけど」以来の事。
エピローグもグタグタ何言ってるのか良くわからんし、読後感がスッキリしない。
やっぱり”溺れてる”?。
「惑星ゾークゾク?」の話が定期的に挿話されるのは、”溺れ”の一環か?
(ただし、「惑星ゾーク」の物語自体は結構面白かったが...)
これだけのプロットを構築出来るのだから、次回作は是非...
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.5
(4pt)

何故、こんな形なんだ!?

根幹となる連続殺人鬼に纏わる話は、強力で魅力的。
中盤すぎと、最終盤にはデカイどんでん返しを配して面白い。
クレア、ダニエラ等脇を固める登場人物も、これまた魅力的。
読み終わって、こんな形=技巧に溺れた変化球小説にせずに、直球勝負してくれたら、
とんでもない<おもしろい>犯罪小説を読めたんじゃなかろうか、
読み逃したんじゃないのかと、地団駄踏んで悔しがりたい気分で憂鬱。
兎に角、私的には200Pぐらいまで、全く面白くなく、何度も読了放棄を考えたほど。
これはカール・ハイアセンの「迷惑なんだけど」以来の事。
エピローグもグタグタ何言ってるのか良くわからんし、読後感がスッキリしない。
やっぱり”溺れてる”?。
「惑星ゾークゾク?」の話が定期的に挿話されるのは、”溺れ”の一環か?
(ただし、「惑星ゾーク」の物語自体は結構面白かったが...)
これだけのプロットを構築出来るのだから、次回作は是非...

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.4
(4pt)

冴えない二流小説家のままで少しも変わらない主人公に共感を覚える新鋭の会心作です。

ポルノ雑誌編集部に勤めていた頃の実体験をヒントにして書き上げたデビュー作の本書がアメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞にノミネートされ今全米ミステリー・ファンの熱い注目を浴びる新鋭ゴードンの期待の初紹介です。〈ポケミス新世代作家〉と銘打たれた企画の第1弾である本書を読んで私は新進気鋭の著者がいっぺんに好きになりました。それは本筋のミステリー以外の部分でも興味深いエピソードを積み重ねて読者を全く飽きさせずにテンポ良く頁を繰らせる著者の天性の才能を感じたからです。作中に挿入される「ヴァンパイア小説」「ハードボイルド小説」「SF小説」の3本はどれも面白く著者のサービス精神を感じましたし、売れない無名の作家で食べるだけで精一杯の生活の中、愛する恋人には去られ副業の家庭教師で教える女高生からも馬鹿にされる体たらくの惨めな主人公ですが、それでも自棄を起こさず生来の優しさを失わずに日々がんばっている姿にはある意味で尊敬の念と深い共感を覚えました。
ある日二流小説家ハリーに連続殺人鬼の死刑囚ダリアンからの手紙が届く。刑務所で面会したハリーはダリアンから自伝的告白本の執筆と引き換えにファンの女性を取材してポルノ小説を書く事を依頼され一度は屈辱を感じ断ろうとするが、その後名声を得る絶好のチャンスだからと気持ちを切り変えて新たな決意で前に踏み出して行く。
序盤のスローで穏やかな展開から中盤に至って雰囲気がガラリと一変し突如発生する残酷な殺人シーンに度肝を抜かれ俄然興奮が高まって盛り上がります。その後の展開についてはミステリー通の方ならば作家と死刑囚の対決という構図から大筋の仕掛けを予想し、早過ぎる段階での種明かしに「まだ他に何かあるな」と感づくでしょう。でも昔の本格推理の様な飛び切りのサプライズを狙わずに手堅くリアリティーを重視する著者の姿勢は現代作家に共通する傾向ですのでそれはそれで良いと思います。唯、頭部の隠し場所やもう一つの驚きはプロの警察やFBIであれば素人より先に突き止められるのではと思いますが。推理の方は小粒でも本書の一番の素晴らしさは、二流小説家ハリーが関係者の女性との衝動的な恋や有名なベストセラー作家になる夢の成就に近づきながら惜しくも叶わず、結局はやはり元の冴えない二流小説家のままで少しも変わらないという事実を残念に思う反面、逆に彼らしさを失くさずにいられた事を祝福してあげたい気持ちになるという彼の人間的な魅力の最良の部分を深く実感させてくれる人生の哀感漂う真摯な人間ドラマにあると思います。
最後にまだまだ先の話ではありますが日本では最初の一作が紹介されただけで後が続かない作家も多い中で著者にはコンスタントに話題作が翻訳され続ける常連作家に成長して欲しいと願っています。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.3
(4pt)

冴えない二流小説家のままで少しも変わらない主人公に共感を覚える新鋭の会心作です。

ポルノ雑誌編集部に勤めていた頃の実体験をヒントにして書き上げたデビュー作の本書がアメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞にノミネートされ今全米ミステリー・ファンの熱い注目を浴びる新鋭ゴードンの期待の初紹介です。〈ポケミス新世代作家〉と銘打たれた企画の第1弾である本書を読んで私は新進気鋭の著者がいっぺんに好きになりました。それは本筋のミステリー以外の部分でも興味深いエピソードを積み重ねて読者を全く飽きさせずにテンポ良く頁を繰らせる著者の天性の才能を感じたからです。作中に挿入される「ヴァンパイア小説」「ハードボイルド小説」「SF小説」の3本はどれも面白く著者のサービス精神を感じましたし、売れない無名の作家で食べるだけで精一杯の生活の中、愛する恋人には去られ副業の家庭教師で教える女高生からも馬鹿にされる体たらくの惨めな主人公ですが、それでも自棄を起こさず生来の優しさを失わずに日々がんばっている姿にはある意味で尊敬の念と深い共感を覚えました。
ある日二流小説家ハリーに連続殺人鬼の死刑囚ダリアンからの手紙が届く。刑務所で面会したハリーはダリアンから自伝的告白本の執筆と引き換えにファンの女性を取材してポルノ小説を書く事を依頼され一度は屈辱を感じ断ろうとするが、その後名声を得る絶好のチャンスだからと気持ちを切り変えて新たな決意で前に踏み出して行く。
序盤のスローで穏やかな展開から中盤に至って雰囲気がガラリと一変し突如発生する残酷な殺人シーンに度肝を抜かれ俄然興奮が高まって盛り上がります。その後の展開についてはミステリー通の方ならば作家と死刑囚の対決という構図から大筋の仕掛けを予想し、早過ぎる段階での種明かしに「まだ他に何かあるな」と感づくでしょう。でも昔の本格推理の様な飛び切りのサプライズを狙わずに手堅くリアリティーを重視する著者の姿勢は現代作家に共通する傾向ですのでそれはそれで良いと思います。唯、頭部の隠し場所やもう一つの驚きはプロの警察やFBIであれば素人より先に突き止められるのではと思いますが。推理の方は小粒でも本書の一番の素晴らしさは、二流小説家ハリーが関係者の女性との衝動的な恋や有名なベストセラー作家になる夢の成就に近づきながら惜しくも叶わず、結局はやはり元の冴えない二流小説家のままで少しも変わらないという事実を残念に思う反面、逆に彼らしさを失くさずにいられた事を祝福してあげたい気持ちになるという彼の人間的な魅力の最良の部分を深く実感させてくれる人生の哀感漂う真摯な人間ドラマにあると思います。
最後にまだまだ先の話ではありますが日本では最初の一作が紹介されただけで後が続かない作家も多い中で著者にはコンスタントに話題作が翻訳され続ける常連作家に成長して欲しいと願っています。

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.2
(4pt)

冴えない二流小説家VS獄中の連続殺人鬼

ニューヨーク生まれで、映画、出版、ファッション、ポルノ産業でキャリアを積んだデイヴィッド・ゴードンが’10年に発表した小説デビュー作。アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’11年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)ノミネート作である。

‘ぼく’ことハリー・ブロックはニューヨーク在住の売れない中年作家。ポルノ、SF、ミステリー、ヴァンパイアものと、それぞれ偽りの顔とも言うべきペンネームと著者近影では他人の顔を借りて糊口をしのいできた。そんな‘ぼく’が’09年の4・5月に出くわした事件を初めて実名で綴った手記という体裁が本書である。

きっかけは、12年前に4人の女性を惨殺した殺人鬼で、死刑執行を3ヵ月後にひかえたダリアン・グレイからの告白本の執筆依頼だった。ダリアンは‘ぼく’に真実を明かすことの条件として、なんと彼を熱烈に信奉するファンの女性たちをからめたポルノ小説を書けといってきた。いやいや女性たちを取材する‘ぼく’だったが、彼女たちが12年前のダリアンの手口そっくりに猟奇的に惨殺されるに及んで、事態はとんでもない展開を見せる。

過去と現在の残虐な連続殺人事件の謎解きがメインのプロットだが、読みどころは他にも満載だ。文中作として挿入される‘ぼく’の諸作品の抜粋。‘ぼく’が論じる文学論や作家論はゴードン自身の経歴のなせる技か。鮮やかに描き出されるニューヨークの街並みと生活。そして‘ぼく’の切ない恋愛模様。

本書は、全編にわたって‘ぼく’の破れかぶれのユーモアが横溢したキャラクター小説であり、いままで味わったことのないような独特の雰囲気を持つミステリーの快作である。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.1
(4pt)

冴えない二流小説家VS獄中の連続殺人鬼

ニューヨーク生まれで、映画、出版、ファッション、ポルノ産業でキャリアを積んだデイビッド・ゴードンが’10年に発表した小説デビュー作。アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’11年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)ノミネート作である。

‘ぼく’ことハリー・ブロックはニューヨーク在住の売れない中年作家。ポルノ、SF、ミステリー、ヴァンパイアものと、それぞれ偽りの顔とも言うべきペンネームと著者近影では他人の顔を借りて糊口をしのいできた。そんな‘ぼく’が’09年の4・5月に出くわした事件を初めて実名で綴った手記という体裁が本書である。

きっかけは、12年前に4人の女性を惨殺した殺人鬼で、死刑執行を3ヵ月後にひかえたダリアン・グレイからの告白本の執筆依頼だった。ダリアンは‘ぼく’に真実を明かすことの条件として、なんと彼を熱烈に信奉するファンの女性たちをからめたポルノ小説を書けといってきた。いやいや女性たちを取材する‘ぼく’だったが、彼女たちが12年前のダリアンの手口そっくりに猟奇的に惨殺されるに及んで、事態はとんでもない展開を見せる。

過去と現在の残虐な連続殺人事件の謎解きがメインのプロットだが、読みどころは他にも満載だ。文中作として挿入される‘ぼく’の諸作品の抜粋。‘ぼく’が論じる文学論や作家論はゴードン自身の経歴のなせる技か。鮮やかに描き出されるニューヨークの街並みと生活。そして‘ぼく’の切ない恋愛模様。

本書は、全編にわたって‘ぼく’の破れかぶれのユーモアが横溢したキャラクター小説であり、いままで味わったことのないような独特の雰囲気を持つミステリーの快作である。

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456