二流小説家

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二流小説家の評価:

3.55/5点 レビュー 100件。 B ランク

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平均点3.55pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全117件 81〜100 5/6ページ
No.37
(4pt)

私としては、新しい試みの小説に思えるのですが

NHKBSプレミアムの「週刊ブックレビュー」を観て、
おもしろそうだったのでその場でアマゾンで購入。
便利な世の中になったものだ。

私が気になったのは一つの節の文章がとても短いこと。
だいたい、原稿用紙五枚から十枚の間かな。
ショートショートの分量。
だから、シャープ。
だらだらしないで、起承転結を付けた後、すぐに次の短いストーリー(アイデア・エピソード・ハプニング・その他)に進む。
読むことの苦手な人も、この分量なら読むことができる。
そして、もうちょっと読んでみようかなという気持ちにさせる。
そして、最後にはまってしまう。

デイヴィット・ゴードンは、だれか読んでもらいたい特定の人がいたのだろうか。
毎日、飽きさせないように工夫して、一節づつ書いてメールで送ったのだろうか。
そんな気のする文章である。

この小説は八十節あったから、四百五十ページの中に、八十の展開を楽しむことができる。
ちなみに本棚から適当に取り出したスティーヴン・キングの「痩せ行く男」は、二十七章だから、二十七の話で展開されている。

無駄のない削り取られた文章の中に、普通の小説の三倍もの話(アイデア・エピソード・ハプニング)を盛り込み、
退屈させないように工夫された小説。
この小説の面白さは、この試みにあるではと思うのです。

なぜなら、自分も一つのエピソードを原稿用紙五枚以内と制限を設けて小説を書いたことがあるから。(私は趣味で小説を書いています)
前半にエピソードが多いと、小説の後半を書くとき、いろんな展開を創作することができる。
この小説に、奇跡のような第四部が展開できたのは、この効果のおかげではないかしらと思うのです。
必見。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.36
(4pt)

ミステリの可能性を徹底的に追求した逸品

ミステリ・マニアの友人に薦められて本作を手に取ったのだが、その言葉通り読み応えのある作品だった。一応、「二流小説家」である主人公が、死刑執行直前のサイコ・キラーの告白を聞いて実録物に纏めるという体裁で物語が進行するのだが、一筋縄では行かない。最初の頁を読んだ時には単なる叙述トリックかと思ったのだが、物語の進行に連れ、それでは説明の付かない点が随所に出て来る。物語が何段もの重層構造になっているのだ。スリルやサスペンスを感じると言うよりは、作者がどうやってこの物語を着地点に持って行くのかと言う"興味"で勝負している印象を受けた。

その意味で、本作は既存のミステリに飽き足らない作者がミステリの可能性を徹底的に追求した作品と言えるだろう。ニューヨーク(現代社会 ?)が魔界であるとの皮肉も効いている。ただし、純粋本格ミステリ愛好家の中には、本作の設定に憤慨する方もいらっしゃるのではないか。それほど、ギリギリの線で勝負しているのだ。

また、作中にはミステリ論から始まって、芸術論、果ては文明論に関する作者の思惟・薀蓄が散りばめられている。好みにも依るが、私には少し煩わしく思えた。もっとスッキリとした形で物語を構成する事も出来た筈だが、敢えてそうしなかった所に作者の狙いがあるのだろう。兎に角、作者の構想に唸らされる逸品であり、一読の価値があると思う。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.35
(4pt)

ミステリの可能性を徹底的に追求した逸品

ミステリ・マニアの友人に薦められて本作を手に取ったのだが、その言葉通り読み応えのある作品だった。一応、「二流小説家」である主人公が、死刑執行直前のサイコ・キラーの告白を聞いて実録物に纏めるという体裁で物語が進行するのだが、一筋縄では行かない。最初の頁を読んだ時には単なる叙述トリックかと思ったのだが、物語の進行に連れ、それでは説明の付かない点が随所に出て来る。物語が何段もの重層構造になっているのだ。スリルやサスペンスを感じると言うよりは、作者がどうやってこの物語を着地点に持って行くのかと言う"興味"で勝負している印象を受けた。

その意味で、本作は既存のミステリに飽き足らない作者がミステリの可能性を徹底的に追求した作品と言えるだろう。ニューヨーク(現代社会 ?)が魔界であるとの皮肉も効いている。ただし、純粋本格ミステリ愛好家の中には、本作の設定に憤慨する方もいらっしゃるのではないか。それほど、ギリギリの線で勝負しているのだ。

また、作中にはミステリ論から始まって、芸術論、果ては文明論に関する作者の思惟・薀蓄が散りばめられている。好みにも依るが、私には少し煩わしく思えた。もっとスッキリとした形で物語を構成する事も出来た筈だが、敢えてそうしなかった所に作者の狙いがあるのだろう。兎に角、作者の構想に唸らされる逸品であり、一読の価値があると思う。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.34
(5pt)

こなれた文体、優れた構成。文句なしの傑作

オリジナルは2010年リリース。邦訳は、2011年3月15日リリース。既に多くのミステリー好きの方々がご存知のように、『このミステリーがすごい!』(宝島社)、『週刊文春ミステリーベスト10』(文藝春秋)、『ミステリが読みたい!』(早川書房)で、ミステリーランキング初の三冠を達成した作品である。とても期待して手に取った。

読みだしてまず感じたのは、構成の旨さだ。小説家は多くのペンネームと多様なペンネームごとの『分野』を持っている。それを逆手に取ったように、時にヴァンパイヤ小説、時にSFと上手く散りばめながら物語を進行させていく。読み手を決して退屈させない『技』が随所に効いている。

そして文体が実に優れている。連想したのは若い頃のデヴィッド・ハンドラーの作品だ。読者の心理を捉えた筆はハンドラーも超えている気がする。例えば、『さて、このあといよいよ、毎度かならずぼくが匙を投げたくなってしまう場面が訪れようとしている。つまりは、ストーリーが一気に収束し、徐々に謎が解きあかされていく場面のことだ。(342ページ)』などと言ってしまう。と思えば、物語が収束してもまだ80ページくらいあるなぁ、と感じていると、『もしこれが型通りの探偵小説なり警察小説なりであるならば、物語はすでに終わっていたはずだ。(369ページ)』と来る。凄くミステリー好きの『心理』を『探偵』しているのだ。ここが最も魅力的だと思う。

何しろ文句なしの傑作である。これからも作品をフォローしていきたい気持ちになった。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.33
(5pt)

こなれた文体、優れた構成。文句なしの傑作

オリジナルは2010年リリース。邦訳は、2011年3月15日リリース。既に多くのミステリー好きの方々がご存知のように、『このミステリーがすごい!』(宝島社)、『週刊文春ミステリーベスト10』(文藝春秋)、『ミステリが読みたい!』(早川書房)で、ミステリーランキング初の三冠を達成した作品である。とても期待して手に取った。

読みだしてまず感じたのは、構成の旨さだ。小説家は多くのペンネームと多様なペンネームごとの『分野』を持っている。それを逆手に取ったように、時にヴァンパイヤ小説、時にSFと上手く散りばめながら物語を進行させていく。読み手を決して退屈させない『技』が随所に効いている。

そして文体が実に優れている。連想したのは若い頃のデヴィッド・ハンドラーの作品だ。読者の心理を捉えた筆はハンドラーも超えている気がする。例えば、『さて、このあといよいよ、毎度かならずぼくが匙を投げたくなってしまう場面が訪れようとしている。つまりは、ストーリーが一気に収束し、徐々に謎が解きあかされていく場面のことだ。(342ページ)』などと言ってしまう。と思えば、物語が収束してもまだ80ページくらいあるなぁ、と感じていると、『もしこれが型通りの探偵小説なり警察小説なりであるならば、物語はすでに終わっていたはずだ。(369ページ)』と来る。凄くミステリー好きの『心理』を『探偵』しているのだ。ここが最も魅力的だと思う。

何しろ文句なしの傑作である。これからも作品をフォローしていきたい気持ちになった。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.32
(5pt)

The Serialistとは「二流小説家」か?

原題のThe Serialistは、「続き物作家」の意味で、それを意訳して「二流小説家」との邦題となったのだと思っていました。確かに、Harry BlochはSF,サスペンス、吸血鬼ものと様々なジャンルで別々のペンネームで小説を書いており、「二流」のイメージが漂うのですが、原書中で彼を"serialist"とは呼んでいません。むしろ、"serial killer"という表現がある(冒頭にも文末にも)事から、原題はDarian Clayを念頭に置いた「連続殺人鬼」くらいの意味ではないのでしょうか?・・・それがどうしたと云われそうですが、もしClayに照準を当てて本書を読めば、作者が彼の生い立ちから最後まで深い同情を込めていることに気付くのではないでしょうか。残忍な描写もありますが、意外とスッキリとした読後感は、作者が連続殺人鬼を徹底的には突き放していない点から生じているように思われます。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.31
(5pt)

The Serialistとは「二流小説家」か?

原題のThe Serialistは、「続き物作家」の意味で、それを意訳して「二流小説家」との邦題となったのだと思っていました。確かに、Harry BlochはSF,サスペンス、吸血鬼ものと様々なジャンルで別々のペンネームで小説を書いており、「二流」のイメージが漂うのですが、原書中で彼を"serialist"とは呼んでいません。むしろ、"serial killer"という表現がある(冒頭にも文末にも)事から、原題はDarian Clayを念頭に置いた「連続殺人鬼」くらいの意味ではないのでしょうか?・・・それがどうしたと云われそうですが、もしClayに照準を当てて本書を読めば、作者が彼の生い立ちから最後まで深い同情を込めていることに気付くのではないでしょうか。残忍な描写もありますが、意外とスッキリとした読後感は、作者が連続殺人鬼を徹底的には突き放していない点から生じているように思われます。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.30
(5pt)

プロットの意外性に酔いしれる

圧倒的に面白い。本作の魅力は、3つ指摘できる。

(1)プロットの意外性
ストーリーの本筋に、細かなひねりも加えて展開するサブストーリーが絡む。しかし、サブの方が決してメインの印象を散漫にしない。やはり、ミステリはプロットが最重要だということを再認識させる。

(2)作者の小説観の披露
ミステリにこんなの要らない、という意見もあるかと思う(実際、本書を読んだ家人は、このパートが繰り返し挿入されるのがうざい、と言っていた)。
しかし、本好き・小説好きには、この部分もたまらなく楽しいのだ。

(3)濡れ場を含む、女性描写の痛快さ
これは男性読者だけの楽しみかもしれないが、女性登場人物の描写が魅力的である。これは、性的に魅力があるキャラとの濡れ場だけでなく、じゃじゃ馬風、現実派風などのキャラがそれぞれ異彩を放っている。

やはり、売れる小説は、いろいろなエンタメ的要素を含んでいるんだなあと感じられた。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.29
(5pt)

プロットの意外性に酔いしれる

圧倒的に面白い。本作の魅力は、3つ指摘できる。

(1)プロットの意外性
ストーリーの本筋に、細かなひねりも加えて展開するサブストーリーが絡む。しかし、サブの方が決してメインの印象を散漫にしない。やはり、ミステリはプロットが最重要だということを再認識させる。

(2)作者の小説観の披露
ミステリにこんなの要らない、という意見もあるかと思う(実際、本書を読んだ家人は、このパートが繰り返し挿入されるのがうざい、と言っていた)。
しかし、本好き・小説好きには、この部分もたまらなく楽しいのだ。

(3)濡れ場を含む、女性描写の痛快さ
これは男性読者だけの楽しみかもしれないが、女性登場人物の描写が魅力的である。これは、性的に魅力があるキャラとの濡れ場だけでなく、じゃじゃ馬風、現実派風などのキャラがそれぞれ異彩を放っている。

やはり、売れる小説は、いろいろなエンタメ的要素を含んでいるんだなあと感じられた。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.28
(5pt)

著者が用意した結末はちょっとばかり手の混んだありがちなものではなかった

「ぼく」こと小説家のハリー・ブロックは、ニューヨークの北50キロのシンシン刑務所に向かった。12年前に4人の女性を殺し服役中のダリアン・グレイから、ハリーのもとに告白本の執筆を依頼する手紙が届いたからだ。ダリアンは一切の供述を拒否しつづけ、3カ月後に死刑が執行されることになっている。
ハリーは、さえない中年作家。ドラキュラ物、SF、ポルノ、ミステリなどをいくつかのペンネームを使って書いているものの、これといったヒット作はなく、家庭教師でなんとか食いつないでいる。恋人に逃げられ、教え子の女子高校生のクレアには、足元を見られているというていたらくぶり。告白本をものにすることは、ハリーにとって有名作家になる千載一遇のチャンスだと、クレアにけしかけられた。
ダリアンは真実を告白するかわりに、彼の熱烈な女性ファンと彼を主人公にした、彼のためだけのポルノを書けという条件を提示した。ダリアンの女性弁護士キャロル・フロスキーの条件は、死刑が執行されるまでダリアンに関して知りえた秘密は一切公開してはならないというものだった。刑の執行が遅れたり減刑されたりすれば、告白本を書いたとしても金を手にできない。
ハリーは、依頼どおりダリアンの女性ファンたちを取材し、ポルノを書き始めた。ところが、ダリアンの手口そっくりの猟奇的な女性連続殺人が起きてしまう。ひょっとして、ダリアンは12年前のシリアルキラーではないのか、真犯人は野放しのままなのか。ここから話は急展開し、脱力気味のユーモアに満ちた書きっぷりは影を潜める。
ハリーのいくつかの作品が所々にレトリックとして差し込まれ、文学論や作家論、犯罪心理論が繰り広ろげらる。ミステリ通の著者が用意した結末は、ちょっとばかり手の混んだくらいのありがちなものではない。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.27
(4pt)

主人公は二流でも物語は一流

題名通りなかなか花開く機会のない「二流」の主人公が、
猟奇殺人で社会を騒然とさせ脚光を浴びた「一流」の死刑囚の独白本を
手がけるチャンスを得た所から物語が動き始めます。
独白本を手がける条件として死刑囚の依頼を請け負う主人公。
そんなある日、死刑囚が刑務所にいるにも関わらず再び猟奇殺人が、、、
そして第一容疑者は主人公!?

他の登場人物も親友がゲイだったり、パートナーがしっかり者の女子高生だったり
主人公とロマンスに堕ちるのがストリッパーだったり、ニューヨークならではの
人間模様もちりばめられています。特に女子高生の場面ごとの出で立ちなど細かく描写されており、
作者の几帳面さというか女性に対する分析意欲が端々に見て取れます。

話の合間には主人公の連載作品の一部を挿入したりしながら物語の相互連携を深めて一気に
結末まで読み進めさせる勢いを持たせてくれました。

翻訳本ということでやや期待は薄かったのですがあっという間に読了。
ミステリーとして様々な所で評価されていると帯にありましたが、
オチはそこまでではないです。しかし物語を勢いよく読ませてくれる全体感は良い印象でした。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.26
(5pt)

著者が用意した結末はちょっとばかり手の混んだありがちなものではなかった

「ぼく」こと小説家のハリー・ブロックは、ニューヨークの北50キロのシンシン刑務所に向かった。12年前に4人の女性を殺し服役中のダリアン・グレイから、ハリーのもとに告白本の執筆を依頼する手紙が届いたからだ。ダリアンは一切の供述を拒否しつづけ、3カ月後に死刑が執行されることになっている。
ハリーは、さえない中年作家。ドラキュラ物、SF、ポルノ、ミステリなどをいくつかのペンネームを使って書いているものの、これといったヒット作はなく、家庭教師でなんとか食いつないでいる。恋人に逃げられ、教え子の女子高校生のクレアには、足元を見られているというていたらくぶり。告白本をものにすることは、ハリーにとって有名作家になる千載一遇のチャンスだと、クレアにけしかけられた。
ダリアンは真実を告白するかわりに、彼の熱烈な女性ファンと彼を主人公にした、彼のためだけのポルノを書けという条件を提示した。ダリアンの女性弁護士キャロル・フロスキーの条件は、死刑が執行されるまでダリアンに関して知りえた秘密は一切公開してはならないというものだった。刑の執行が遅れたり減刑されたりすれば、告白本を書いたとしても金を手にできない。
ハリーは、依頼どおりダリアンの女性ファンたちを取材し、ポルノを書き始めた。ところが、ダリアンの手口そっくりの猟奇的な女性連続殺人が起きてしまう。ひょっとして、ダリアンは12年前のシリアルキラーではないのか、真犯人は野放しのままなのか。ここから話は急展開し、脱力気味のユーモアに満ちた書きっぷりは影を潜める。
ハリーのいくつかの作品が所々にレトリックとして差し込まれ、文学論や作家論、犯罪心理論が繰り広ろげらる。ミステリ通の著者が用意した結末は、ちょっとばかり手の混んだくらいのありがちなものではない。



二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.25
(4pt)

主人公は二流でも物語は一流

題名通りなかなか花開く機会のない「二流」の主人公が、
猟奇殺人で社会を騒然とさせ脚光を浴びた「一流」の死刑囚の独白本を
手がけるチャンスを得た所から物語が動き始めます。
独白本を手がける条件として死刑囚の依頼を請け負う主人公。
そんなある日、死刑囚が刑務所にいるにも関わらず再び猟奇殺人が、、、
そして第一容疑者は主人公!?

他の登場人物も親友がゲイだったり、パートナーがしっかり者の女子高生だったり
主人公とロマンスに堕ちるのがストリッパーだったり、ニューヨークならではの
人間模様もちりばめられています。特に女子高生の場面ごとの出で立ちなど細かく描写されており、
作者の几帳面さというか女性に対する分析意欲が端々に見て取れます。

話の合間には主人公の連載作品の一部を挿入したりしながら物語の相互連携を深めて一気に
結末まで読み進めさせる勢いを持たせてくれました。

翻訳本ということでやや期待は薄かったのですがあっという間に読了。
ミステリーとして様々な所で評価されていると帯にありましたが、
オチはそこまでではないです。しかし物語を勢いよく読ませてくれる全体感は良い印象でした。


二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.24
(5pt)

読者自身ののど元にも切っ先を突き付けるシャープな作品

主人公は自らを「凡庸だ」みたいなことをこの本のあちこちで言っておりますが、なかなかどうして、この本はかなりシャープに問題意識を読者に突き付けます。
ミステリーの領域(たとえば「虚無への供物」)でも、それ以外(たとえば平野啓一郎「決壊」) でも、こうして読者自身に揺さぶりをかけるだけの力をもった作品は稀有だと思います。エンタテインメントから一歩踏み出し得た傑作です。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.23
(5pt)

読者自身ののど元にも切っ先を突き付けるシャープな作品

主人公は自らを「凡庸だ」みたいなことをこの本のあちこちで言っておりますが、なかなかどうして、この本はかなりシャープに問題意識を読者に突き付けます。
ミステリーの領域(たとえば「虚無への供物」)でも、それ以外(たとえば平野啓一郎「決壊」) でも、こうして読者自身に揺さぶりをかけるだけの力をもった作品は稀有だと思います。エンタテインメントから一歩踏み出し得た傑作です。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.22
(4pt)

期待の新人でしょうか

気づいたら2011年このミス等総なめしてましたね。
そこまでか?といわれると少し首もかしげますが、
面白いのは確かです。

売れない連載小説家として、様々なジャンルの小説を書く主人公、
その劇中作の二流っぷり(もちろんいい意味で)がすばらしい。
その続きが見たくて、頁をめくってしまいます。

純粋なミステリとして、そのプロットや謎解きは
正直星3つかな?と思いますが、魅力的な登場人物や
主人公の生き様?が星4つです。

これから作風がこなれてくることを期待して!
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.21
(4pt)

期待の新人でしょうか

気づいたら2011年このミス等総なめしてましたね。
そこまでか?といわれると少し首もかしげますが、
面白いのは確かです。

売れない連載小説家として、様々なジャンルの小説を書く主人公、
その劇中作の二流っぷり(もちろんいい意味で)がすばらしい。
その続きが見たくて、頁をめくってしまいます。

純粋なミステリとして、そのプロットや謎解きは
正直星3つかな?と思いますが、魅力的な登場人物や
主人公の生き様?が星4つです。

これから作風がこなれてくることを期待して!
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.20
(4pt)

連載物「作家魂」

原題「serialist」(連載物作家)には、冠詞(a、the)が付いていないので、連載物作家「魂」と訳してもあながち訳し過ぎではないと思う。複数のペンネームを使い分けして小説をかき分けるほど主人公が発奮しているのだから。
 むしろ、なぜ「連載物」を「二流小説」と訳したのか、主人公が自身の小説観を吐露しているこの小説の内容からして理解に苦しむ。売れない連載物=二流、とは自虐的過ぎないか。

 それはともかく、ドラマCSI科学捜査班を見ているので、殺害現場からもっと容疑者の手がかり、痕跡が発見されてもいいのでは、と突っ込みたくなるが、この小説の眼目ではないのでまあいいか。
 謎解きには若干不満の残る内容とはいえ、主人公を取り巻く人物の造形の見事さに加え、著者の小説観を主人公に語らせるその内容にも飽きさせるところがない。劇中小説も通俗的趣に満ち、それがかえって最後まで頁をめくらせる魅力となっている。


二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.19
(4pt)

連載物「作家魂」

原題「serialist」(連載物作家)には、冠詞(a、the)が付いていないので、連載物作家「魂」と訳してもあながち訳し過ぎではないと思う。複数のペンネームを使い分けして小説をかき分けるほど主人公が発奮しているのだから。
 むしろ、なぜ「連載物」を「二流小説」と訳したのか、主人公が自身の小説観を吐露しているこの小説の内容からして理解に苦しむ。売れない連載物=二流、とは自虐的過ぎないか。

 それはともかく、ドラマCSI科学捜査班を見ているので、殺害現場からもっと容疑者の手がかり、痕跡が発見されてもいいのでは、と突っ込みたくなるが、この小説の眼目ではないのでまあいいか。
 謎解きには若干不満の残る内容とはいえ、主人公を取り巻く人物の造形の見事さに加え、著者の小説観を主人公に語らせるその内容にも飽きさせるところがない。劇中小説も通俗的趣に満ち、それがかえって最後まで頁をめくらせる魅力となっている。


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4150018456
No.18
(4pt)

ミステリーというより哀れな中年作家の恋物語

冴えないはずの主人公が何故か重大発見を繰り返し、しかも美女が何人も絡んでくれるなんて、ご都合主義もいいとこだ。
だが、主人公の駄目さ加減が実によく書けていて、最後の切ない終わり方もホロリとさせる。話の展開に冗長さがないので
テンポよく進み読みやすい。なお、104頁あたりに出てくる地名の「スカーズデール」は、「スカースデール」が正しい発音です。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014