二流小説家

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評判

二流小説家の評価:

3.55/5点 レビュー 100件。 B ランク

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平均点3.55pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全117件 61〜80 4/6ページ
No.57
(4pt)

ハラハラして読んだけれど真相に難あり

読後からしばらく経っています。
それでもレビューは一応しておこうかと思い、書く事にしました。
評判の高さが気になったので、読もうかどうか迷っている方の参考になればと思って。

最後のほうまでドキドキハラハラして読みました。
読み終えるのが惜しいような気すらしました。

純粋に、おもしろい。

ミステリーとして読まなければ。

真相が明かされて感じたのは、残念な気持ち。
意外性はあった。
でも、その意外性の理由は、その犯人には一連の事件の実行は不可能だっただろうから。
その人物でも犯行が可能であった理由のようなものが述べられていますが、あの程度では、時間的余裕がたいして無い中であれだけの事をしてのけられる説明にはなっていないと思います。
率直な感想は、あの人には無理でしょ、です。

上記の理由で、ミステリーファンにはおすすめできない一冊です。
新書にしては、確かに分厚いですが、高いし。
でも、最後のほうまではおもしろく読んだので、個人的には損をしたとは思っていません。
だから、満点ではないけれど高評価させていただきます。

しかし、あくまでもエンターテインメント作品です。
文学的作品としては読めません。
そのくせミステリーとしても読めない。
この作者はどこに行きたいのか、と思ったりもします。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.56
(4pt)

ハラハラして読んだけれど真相に難あり

読後からしばらく経っています。
それでもレビューは一応しておこうかと思い、書く事にしました。
評判の高さが気になったので、読もうかどうか迷っている方の参考になればと思って。

最後のほうまでドキドキハラハラして読みました。
読み終えるのが惜しいような気すらしました。

純粋に、おもしろい。

ミステリーとして読まなければ。

真相が明かされて感じたのは、残念な気持ち。
意外性はあった。
でも、その意外性の理由は、その犯人には一連の事件の実行は不可能だっただろうから。
その人物でも犯行が可能であった理由のようなものが述べられていますが、あの程度では、時間的余裕がたいして無い中であれだけの事をしてのけられる説明にはなっていないと思います。
率直な感想は、あの人には無理でしょ、です。

上記の理由で、ミステリーファンにはおすすめできない一冊です。
新書にしては、確かに分厚いですが、高いし。
でも、最後のほうまではおもしろく読んだので、個人的には損をしたとは思っていません。
だから、満点ではないけれど高評価させていただきます。

しかし、あくまでもエンターテインメント作品です。
文学的作品としては読めません。
そのくせミステリーとしても読めない。
この作者はどこに行きたいのか、と思ったりもします。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.55
(4pt)

サービスが盛りだくさん

ポルノ・SF・ヴァンパイア・ハードボイルドと色々なペンネームでハリー・ブロックが死刑囚から告白本を依頼されたものの、殺人事件に巻き込まれていく。

文中に入れ子の様に差し込まれるハリーによる色々なジャンルの小説がおもしろく、これだけでもう数編小説が書けるのではと思わせるサービスぶり。

ハリーを取り巻く女性がとても魅力的。しっかりものの女子高校生、被害者の双子の姉であるストリッパー、ヴァンパイア小説ファンの弁護士助手。

事件解決語のちょっとくどいかなぁと思わせるエピソードが作者の更なるサービス精神なのだろう。

知的で凝った作風なので、2作目、3作目が更に楽しみな作家です。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.54
(4pt)

サービスが盛りだくさん

ポルノ・SF・ヴァンパイア・ハードボイルドと色々なペンネームでハリー・ブロックが死刑囚から告白本を依頼されたものの、殺人事件に巻き込まれていく。

文中に入れ子の様に差し込まれるハリーによる色々なジャンルの小説がおもしろく、これだけでもう数編小説が書けるのではと思わせるサービスぶり。

ハリーを取り巻く女性がとても魅力的。しっかりものの女子高校生、被害者の双子の姉であるストリッパー、ヴァンパイア小説ファンの弁護士助手。

事件解決語のちょっとくどいかなぁと思わせるエピソードが作者の更なるサービス精神なのだろう。

知的で凝った作風なので、2作目、3作目が更に楽しみな作家です。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.53
(4pt)

この饒舌さは心地よい

一人称語りの饒舌さと軽いノリの展開に戸惑いを覚えつつ、それでも9年も付き合ったジェインとの別れ方(捨てられ方)はそうだよなと同情し、頁を繰る速度が快調なのはひょっとして面白いかも知れないなという期待を持たせた。

ポケミスを読むのは久しぶりだったので、この快調さは良い意味でも悪い意味でも驚いた。これは章の短さと、青木千鶴さんの訳の上手さも大いに貢献していると思う。

饒舌さが揺りかごに乗っているような心地よさを感じた頃、不意に目を覚ませる事件が発生し、改めてミステリを読んでいたのだと納得する。

本書の登場人物は少ないが、女子高生やストリッパーや弁護士助手の女性が魅力的に描かれている反面、どうもいけ好かない奴等は本当に悪人だったりして、そういうところが判り易かった。

とはいえ、ラスト辺りの77章で意想外の展開になるのだが、この人物が「おもな登場人物」に記載されていなのはやや公平さを欠くのではないか。ペンネームを省き、被害者遺族の面々を入れた方が目眩ましの効果があったのではないかと思う。

ただ、最後まで饒舌さは健在で、結局また一人になるものの、一皮剥けたというか、逞しくなった印象が読後感を爽やかにしている。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.52
(4pt)

この饒舌さは心地よい

一人称語りの饒舌さと軽いノリの展開に戸惑いを覚えつつ、それでも9年も付き合ったジェインとの別れ方(捨てられ方)はそうだよなと同情し、頁を繰る速度が快調なのはひょっとして面白いかも知れないなという期待を持たせた。

ポケミスを読むのは久しぶりだったので、この快調さは良い意味でも悪い意味でも驚いた。これは章の短さと、青木千鶴さんの訳の上手さも大いに貢献していると思う。

饒舌さが揺りかごに乗っているような心地よさを感じた頃、不意に目を覚ませる事件が発生し、改めてミステリを読んでいたのだと納得する。

本書の登場人物は少ないが、女子高生やストリッパーや弁護士助手の女性が魅力的に描かれている反面、どうもいけ好かない奴等は本当に悪人だったりして、そういうところが判り易かった。

とはいえ、ラスト辺りの77章で意想外の展開になるのだが、この人物が「おもな登場人物」に記載されていなのはやや公平さを欠くのではないか。ペンネームを省き、被害者遺族の面々を入れた方が目眩ましの効果があったのではないかと思う。

ただ、最後まで饒舌さは健在で、結局また一人になるものの、一皮剥けたというか、逞しくなった印象が読後感を爽やかにしている。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.51
(4pt)

魅力的な登場人物たち。

登場人物も魅力的で、ハッとさせられるような文もあり
最後まで楽しく読めました。

冴えない二流小説家ハリーに共感できるか、
作中に散りばめられた作家論や芸術論に引き込まれるかどうか、が評価の分かれ目ではないでしょうか。
サスペンス部分にもうひと驚きがあったり、作中のSFやヴァンパイア小説が事件や登場人物の関係にリンクされていれば
最高だったんですが。(墓場で美女に裏切られる小説は事件のミスリードを匂わせて素敵でした)

ラストの主人公の言葉について疑問を持たれたレビューがありましたが、自分も一読した時はよく解らなかったのですが、
あれは現実の読者である私たちに向けた言葉ではなくハリーの小説を読んでいるであろう作中の読者に向けて
これはフィクションではなく、本当に起きた物語だと示唆する言葉だったのではないでしょうか。

つまり、この小説自体がハリーの書いた小説であって、冒頭からハリーは私たちにではなく作中の読者に語りかけていたのではないかと・・・、
思ったのですがどうでしょうか。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.50
(4pt)

魅力的な登場人物たち。

登場人物も魅力的で、ハッとさせられるような文もあり
最後まで楽しく読めました。

冴えない二流小説家ハリーに共感できるか、
作中に散りばめられた作家論や芸術論に引き込まれるかどうか、が評価の分かれ目ではないでしょうか。
サスペンス部分にもうひと驚きがあったり、作中のSFやヴァンパイア小説が事件や登場人物の関係にリンクされていれば
最高だったんですが。(墓場で美女に裏切られる小説は事件のミスリードを匂わせて素敵でした)

ラストの主人公の言葉について疑問を持たれたレビューがありましたが、自分も一読した時はよく解らなかったのですが、
あれは現実の読者である私たちに向けた言葉ではなくハリーの小説を読んでいるであろう作中の読者に向けて
これはフィクションではなく、本当に起きた物語だと示唆する言葉だったのではないでしょうか。

つまり、この小説自体がハリーの書いた小説であって、冒頭からハリーは私たちにではなく作中の読者に語りかけていたのではないかと・・・、
思ったのですがどうでしょうか。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.49
(5pt)

日本の翻訳ミステリーの各賞を総なめした傑作

海外ミステリーを総なめにした作品だが、噂にたがわぬ傑作だった。 売れない作家である主人公が連続殺人犯として服役中の囚人から告白本の出版を頼まれることからストーリーが始まる。 作中作として、主人公ハリーのSF小説、ポルノ小説などが組み合わされてストーリーが展開していくことになるが、全体としていろいろとてんこ盛りだがバラバラ感がなく、読者を離さない力はさすがなもの。 とはいえ、これほどこった構成にする必要があったかは疑問。 これが処女作とはすごい作家が現れたと思う。 2作目を期待して待ちたい。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.48
(5pt)

日本の翻訳ミステリーの各賞を総なめした傑作

海外ミステリーを総なめにした作品だが、噂にたがわぬ傑作だった。 売れない作家である主人公が連続殺人犯として服役中の囚人から告白本の出版を頼まれることからストーリーが始まる。 作中作として、主人公ハリーのSF小説、ポルノ小説などが組み合わされてストーリーが展開していくことになるが、全体としていろいろとてんこ盛りだがバラバラ感がなく、読者を離さない力はさすがなもの。 とはいえ、これほどこった構成にする必要があったかは疑問。 これが処女作とはすごい作家が現れたと思う。 2作目を期待して待ちたい。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.47
(5pt)

ミステリー賞を総なめした傑作

海外ミステリーを総なめにした作品だが、噂にたがわぬ傑作だった。 売れない作家である主人公が連続殺人犯として服役中の囚人から告白本の出版を頼まれることからストーリーが始まる。 作中作として、主人公ハリーのSF小説、ポルノ小説などが組み合わされてストーリーが展開していくことになるが、全体としていろいろとてんこ盛りだがバラバラ感がなく、読者を離さない力はさすがなもの。 とはいえ、これほどこった構成にする必要があったかは疑問。 これが処女作とはすごい作家が現れたと思う。 2作目を期待して待ちたい。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.46
(4pt)

クイーンズの狂気

映画を見ているように、ニューヨークや主人公ハリーをはじめとする登場人物が臨場感溢れて迫ってくる。大都会に暮らす現代人のストレスや孤独感と巧みに仕掛けられたトリック。死刑執行が迫っているダリアン・クレイの狂気。それぞれの生い立ちが丁寧に書かれていて犯罪小説でありながら現代社会の病巣を描きだし、知らず知らずに主人公に感情移入してしまう。二流小説家を自認?する主人公が執筆しているSF小説やバンパイア小説なども同時進行していて、一冊で多くの楽しみ方ができる。殺害シーンなどはあまりにリアルで、日本人作家のレベルとは明らかに違う。社会の底辺で喘ぐ人々が大都会ニューヨークで生きぬいていく厳しい現実を思うと、社会環境が犯罪の芽を生んでいる側面があると感じないではいられない。.
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.45
(4pt)

クイーンズの狂気

映画を見ているように、ニューヨークや主人公ハリーをはじめとする登場人物が臨場感溢れて迫ってくる。大都会に暮らす現代人のストレスや孤独感と巧みに仕掛けられたトリック。死刑執行が迫っているダリアン・クレイの狂気。それぞれの生い立ちが丁寧に書かれていて犯罪小説でありながら現代社会の病巣を描きだし、知らず知らずに主人公に感情移入してしまう。二流小説家を自認?する主人公が執筆しているSF小説やバンパイア小説なども同時進行していて、一冊で多くの楽しみ方ができる。殺害シーンなどはあまりにリアルで、日本人作家のレベルとは明らかに違う。社会の底辺で喘ぐ人々が大都会ニューヨークで生きぬいていく厳しい現実を思うと、社会環境が犯罪の芽を生んでいる側面があると感じないではいられない。.
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.44
(5pt)

一冊で3度くらいおいしいお得小説

Edgar award finalist. A real page-turner. Unable to put it down.
英語のエンタメ本は、読者および著者の数も半端じゃないからレベルが高い。
1ページ目から「絶対面白い」って宣言して最後までその通りだった。

腕はいいけど器用貧乏で書いても書いてもちっとも売れない、私生活もさえない
小説家、ハリー。ある日、彼が生活費稼ぎのために書いているポルノ小説のファ
ンだという死刑囚から、自伝代筆依頼が舞い込む。依頼人はいまだ解明されてい
ない連続猟奇殺人事件の犯人。世紀のベストストセラーネタにハリーは大興奮し
たのもつかの間。とんでもない事件に巻き込まれていく。

まるで「24」のような豪速展開、どんでん返しに続くどんでん返し……。ともす
ればハリウッド映画の絵コンテみたいな大雑把な作品になりかねないところだが、
構成も文章も隅々まで計算されつくされていて、読ませる。語り手であるハリー
の、物書きならではの過剰な自意識やシニカルな視点もスパイスのように効かせ
てある。しかも主人公が得意とするポルノ、安いハードボイルド、バンパイア系
ソフトSM、エロSFなどの「書き分け芸」なども随所で披露しつつ、飽きさせ
ない。さらに女性キャラはセレブ系ロリータ、ドM変態女、スナイパー/ストリッ
パー、図書館系メガネ女子、セクシーロボットと、超豪華バラエティ。

のわりに、男性キャラが地味なのが若干不満だけれども、主人公ハリーと、
宿敵だったFBI特別捜査官タウンズの男の友情にはぐっときた。彼らの出会い
はこんなかんじ。

”Ever think it's none of your business?”
”Catching killers is my business, feeding like a parasite on the
corpses of the victims is yours.”

すごくわざとらしいハードボイルドだけど、やっぱりかっこいい。
別れ際がコレ。

We had decided to like each other at last, but now that the case was
done, we had nothing left to say.

吐き捨てるような軽蔑の応酬と、無言の別れの間に、理解と共感の瞬間が何度か
訪れる。タウンズがハリーを見舞うところが不器用な男の友情マックス。萌えた。
もう一つの読みどころはダリアン・クレイ(=Darian Clay、ふざけた名前!)
の、頼んでもいない死ぬ前の自分語りのパート。カラマーゾフの大審問官ばりの
独善ぶりが全開でうんざりなんだけど引き込まれる。

エロくてグロくて実写では見たくないようなシーンも多々あるのだけれども、
どこかトボけていて救いがあるのは、やはり著者の筆力だと思う。
一冊で映画3本分以上楽しめる。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.43
(5pt)

一冊で3度くらいおいしいお得小説

Edgar award finalist. A real page-turner. Unable to put it down. みたい
な。英語のエンタメ本は、読者および著者の数も半端じゃないからレベルが高い。
1ページ目から「絶対面白い」って宣言して最後までその通りだった。

腕はいいけど器用貧乏で書いても書いてもちっとも売れない、私生活もさえない
小説家、ハリー。ある日、彼が生活費稼ぎのために書いているポルノ小説のファ
ンだという死刑囚から、自伝代筆依頼が舞い込む。依頼人はいまだ解明されてい
ない連続猟奇殺人事件の犯人。世紀のベストストセラーネタにハリーは大興奮し
たのもつかの間。とんでもない事件に巻き込まれていく。

まるで「24」のような豪速展開、どんでん返しに続くどんでん返し……。ともす
ればハリウッド映画の絵コンテみたいな大雑把な作品になりかねないところだが、
構成も文章も隅々まで計算されつくされていて、読ませる。語り手であるハリー
の、物書きならではの過剰な自意識やシニカルな視点もスパイスのように効かせ
てある。しかも主人公が得意とするポルノ、安いハードボイルド、バンパイア系
ソフトSM、エロSFなどの「書き分け芸」なども随所で披露しつつ、飽きさせ
ない。さらに女性キャラはセレブ系ロリータ、ドM変態女、スナイパー/ストリッ
パー、図書館系メガネ女子、セクシーロボットと、超豪華バラエティ。

のわりに、男性キャラが地味なのが若干不満だけれども、主人公ハリーと、
宿敵だったFBI特別捜査官タウンズの男の友情にはぐっときた。彼らの出会い
はこんなかんじ。

”Ever think it's none of your business?”
”Catching killers is my business, feeding like a parasite on the
corpses of the victims is yours.”

すごくわざとらしいハードボイルドだけど、やっぱりかっこいい。
別れ際がコレ。

We had decided to like each other at last, but now that the case was
done, we had nothing left to say.

吐き捨てるような軽蔑の応酬と、無言の別れの間に、理解と共感の瞬間が何度か
訪れる。タウンズがハリーを見舞うところが不器用な男の友情マックス。萌えた。
もう一つの読みどころはダリアン・クレイ(=Darian Clay、ふざけた名前!)
の、頼んでもいない死ぬ前の自分語りのパート。カラマーゾフの大審問官ばりの
独善ぶりが全開でうんざりなんだけど引き込まれる。

エロくてグロくて実写では見たくないようなシーンも多々あるのだけれども、
どこかトボけていて救いがあるのは、やはり著者の筆力だと思う。
一冊で映画3本分以上楽しめる。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.42
(5pt)

ミステリー以外の要素

ミステリーとしてみると、殺人事件が小説の半分近くまで起こらなかったり、主人公の二流小説家が書いた小説が途中にちりばめられたりと変な構成になっています。
主人公が書いた小説の部分が必要だったかといわれれば、ミステリーとしては必要なくてもこの小説としては必要だったのだと思います。
主人公は二流小説家というよりもダメな人で、恋人には逃げられるわ、家庭教師をして出会った女子高生には尻に敷かれるわといった調子です。
でも、そのダメさ加減や人間味あふれるところが好きです。
ミステリーとしてもよくできたお話ですけど、むしろミステリー以外の要素でこの小説を好きになった気がします。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.41
(5pt)

ミステリー以外の要素

ミステリーとしてみると、殺人事件が小説の半分近くまで起こらなかったり、主人公の二流小説家が書いた小説が途中にちりばめられたりと変な構成になっています。
主人公が書いた小説の部分が必要だったかといわれれば、ミステリーとしては必要なくてもこの小説としては必要だったのだと思います。
主人公は二流小説家というよりもダメな人で、恋人には逃げられるわ、家庭教師をして出会った女子高生には尻に敷かれるわといった調子です。
でも、そのダメさ加減や人間味あふれるところが好きです。
ミステリーとしてもよくできたお話ですけど、むしろミステリー以外の要素でこの小説を好きになった気がします。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.40
(4pt)

楽しく読めましたよ

毎度図書館のお世話になって読ませていただきました。
語り口は翻訳家さんの工夫もあると思いますが軽くて読みやすく,さらさらと読めます。
ストーリーはよくあるといっては何ですが,巻き込まれ型で死刑囚は無実では?,真犯人は別に?といったタイプですので,ある意味新鮮味はないのですが,ストーリーのテンポはよく,どんでんもいくつかあってそれなりに練られています。ただやむをえないかもしれませんが,登場人物が結構いるためにそれぞれのキャラクターはあまり深みがなく,もし今後シリーズを考えるのであればやや弱いかなというところがあります。

とは言うものの,それなりに楽しめましたので,星4つということで(かわずに読んだという点も考慮して)つけさせていただきました。

追記:複数のペンネームを使った二流小説家が主人公ということで,点景のように毛色の違った作品が挿入されていますが,特に本筋には絡んでこないので時間のない場合は飛ばしてもよいです(読めばそれなりに話は膨らみますが)。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014
No.39
(4pt)

楽しく読めましたよ

毎度図書館のお世話になって読ませていただきました。
語り口は翻訳家さんの工夫もあると思いますが軽くて読みやすく,さらさらと読めます。
ストーリーはよくあるといっては何ですが,巻き込まれ型で死刑囚は無実では?,真犯人は別に?といったタイプですので,ある意味新鮮味はないのですが,ストーリーのテンポはよく,どんでんもいくつかあってそれなりに練られています。ただやむをえないかもしれませんが,登場人物が結構いるためにそれぞれのキャラクターはあまり深みがなく,もし今後シリーズを考えるのであればやや弱いかなというところがあります。

とは言うものの,それなりに楽しめましたので,星4つということで(かわずに読んだという点も考慮して)つけさせていただきました。

追記:複数のペンネームを使った二流小説家が主人公ということで,点景のように毛色の違った作品が挿入されていますが,特に本筋には絡んでこないので時間のない場合は飛ばしてもよいです(読めばそれなりに話は膨らみますが)。
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018456
No.38
(4pt)

私としては、新しい試みの小説に思えるのですが

NHKBSプレミアムの「週刊ブックレビュー」を観て、
おもしろそうだったのでその場でアマゾンで購入。
便利な世の中になったものだ。

私が気になったのは一つの節の文章がとても短いこと。
だいたい、原稿用紙五枚から十枚の間かな。
ショートショートの分量。
だから、シャープ。
だらだらしないで、起承転結を付けた後、すぐに次の短いストーリー(アイデア・エピソード・ハプニング・その他)に進む。
読むことの苦手な人も、この分量なら読むことができる。
そして、もうちょっと読んでみようかなという気持ちにさせる。
そして、最後にはまってしまう。

デイヴィット・ゴードンは、だれか読んでもらいたい特定の人がいたのだろうか。
毎日、飽きさせないように工夫して、一節づつ書いてメールで送ったのだろうか。
そんな気のする文章である。

この小説は八十節あったから、四百五十ページの中に、八十の展開を楽しむことができる。
ちなみに本棚から適当に取り出したスティーヴン・キングの「痩せ行く男」は、二十七章だから、二十七の話で展開されている。

無駄のない削り取られた文章の中に、普通の小説の三倍もの話(アイデア・エピソード・ハプニング)を盛り込み、
退屈させないように工夫された小説。
この小説の面白さは、この試みにあるではと思うのです。

なぜなら、自分も一つのエピソードを原稿用紙五枚以内と制限を設けて小説を書いたことがあるから。(私は趣味で小説を書いています)
前半にエピソードが多いと、小説の後半を書くとき、いろんな展開を創作することができる。
この小説に、奇跡のような第四部が展開できたのは、この効果のおかげではないかしらと思うのです。
必見。
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 Amazon書評・レビュー: 二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕より
4151795014