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マンチュリアン・リポート
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マンチュリアン・リポートの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 41~60 3/5ページ
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「中原の虹」の続編で、張作霖爆死事件の背景を描いています。 他の方も書いておられるように、これは「蒼穹の昴」「中原の虹」の間に挟まった「珍妃の井戸」に似ており、そのそっくり感を払しょくするためなのか、日本の軍人と、なんと機関車(心があることになってます)に交代に語らせるという方法をとっています。 同じシリーズの長編に、清国の建国時代の英雄が時折登場して「おとぎ話みたいな感じ」を醸し出しているように、この先品では機関車が「おとぎ話みたいな感じ」を前面に押し出しています。 私自身は「中原の虹」においても張作霖の魅力がいまいちわからなかったのですが、「マンチュリアン・レポート」を読むと、いよいよわからなくなってしまいます。 これだけを独立して読むと、張作霖の良さが全然わからないのです。うーん。 そうすると、この小説で一番魅力があるのは誰・・・? ひょっとすると、主人公は、機関車君かもしれない。 それでもこれだけ最後まで読ませるのは、浅田さんの書き手としてのうまさと言えるかもしれません。 新聞記者の岡さんも、軍人の吉永さんも年をとってしまっているし、自作はいったいどうなるのでしょう。 それにしても、占い師の白太太、いったい何歳なのでしょう? | ||||
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物語の始まりは浅田次郎らしくあり得ないような場面が精緻な描写でつづられる。 いやが上にも期待を膨らませて読み進んでいくと、この重大事件を扱うにしては余りページが残されていないことに不安を感ずる。 そして結末の事件の説明にかんしては、、、あたかもウィキペディアの解説でも読んでいるかのような気分になる。 歴史上悪役で通っている張作霖を主役に据えた中原の虹の締めくくりとしてはあまりにも寂しい。 | ||||
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本作を張作霖爆殺事件の浅田異説として読むべきなのか。蒼穹の昴から始まる一連の作品のスピンオフとして読むべきなのか。はたまた。 私欲なき人間ほど怖ろしい。これはシリーズ全体の主人公である李春雲の本作での科白。 私欲でないもの、忠や義など本来尊ぶべきものを追い求めた結果としての悲劇。あるいは追い求める過程で知らずうちに逸れてしまったがための惨状。もしくは追い求めることに固執し後戻りできず陥った泥沼。 龍玉。天下を治める資格を持つべき者だけが手にできるもの。そうでない者が触れれば身が粉々になる。 張作霖はそれを手にした時には粉々にならなかったが、最後は爆殺で手足を失って死んだ。天命にあらず。そんなことを言っているわけではないだろう。 天下を治める資格など誰も持っていないはずなのに、それはわかっているはずなのに、国のために(私欲なく)戦を行ない、時の為政者だけでなく民草をも巻き込んで粉々にしてしまう。こんなことがどれだけ繰り返されたか。 矜持。この言葉が指し示している、そして忘れ去られつつある人間の美徳は浅田歴史物に通底しているものと思う。が、本作では矜持への思いが少し変化して、それが行きすぎてしまう、それがために隠されてしまう、そして結果として大勢の者を不幸にしてしまうこともある、という風になってきているように感じる。 のっけから昭和天皇を引っ張り出すという冒険までして、個人、軍・政党(=組織)、国家、国際社会それぞれのレベルでの忠義・信条や矜持をリスペクトして人間の素晴らしさを讃えつつ、それがあるべき方向からぶれた時に起きる事態―殺戮、戦争、テロ・・・―の悲惨さに言及する。これまでの浅田作品はここまで踏み込んでいなかったように思う。 シリーズ総集編的でつまらないなと思う部分もあったが、著者の視野が広がって(?、視座が変わって?)きているなという感じがして興味深く読んだ。 評価「4」にしたのは、技巧的な部分(2種の一人称形式、最終章の使い方など)があからさま過ぎるかなと思って。 | ||||
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蒼穹の昴は大好きで何度読んだかわかりません。ここから派生した小説は全て読んでますが、正直に言って物足りない気がします。今後に期待したいと思います。 | ||||
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浅田次郎先生の蒼穹の昴、珍妃の井戸、中原の虹に続く第4作張作霖爆殺事件を題材とした作品楽しみです。 | ||||
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満州事変は非常に背景が複雑できちんと理解できている日本人は少なく、時間ばかりが過ぎ去ってしまい、中国の人たちからすれば一方的に非難する歴史となっています。学校教育では戦後アンタッチャブルな歴史事件でしたが、私は浅田次郎の一連の作品「蒼穹の昴」「中原の虹」「マンチュリアンリポート」で自分なりに歴史認識を得ることができました。敗戦が決まり軍がすべての資料を廃棄したので本当にどこまで事実か誰にもわからないでしょうが、満州事変に興味をもつきっかけになる1冊です。 | ||||
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・張作霖事件に対し、曖昧な形で幕引きしようとする政府に不快を示す天皇の勅命で調査を命じられた志津邦陽中尉が密使となって北京から奉天の現場を歩き、真相を上奏する。そのレポートと、張作霖を乗せた西太后のお召し列車「龍鳳号」の独白を交互に組み合わせることによって小説は構成され、歴史の闇を文学的な手法によって明らかにしようとする。 ・この小説は実録物として読むならば、あっと驚くようなネタが足りない。その一方で、歴史小説的な叙情たっぷりの描写が多く、ちょっと興ざめの部分も。ストーリーテラーとしての著者の才能は大変よく出ており、読ませる魅力は十分。 ・にもかかわらず、この小説だけ読んだ読者は、張作霖という英雄になぜ著者がこれだけ思い入れるのかよくわからない。レポートは次々に謀略の謎を解いていく。そして列車が自らの物語をしゃべる。このアイデアはみごとで小説に重層的な深みを与えるが、小説が感動を醸し出そうとすると、やや通俗的な詠嘆で終わる中国を舞台にした歴史小説のステロタイプが顔をもたげてしまう。 | ||||
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中国近現代史シリーズの第4作ということで、期待して読み始め、面白く読み終えることができた。小説としてはさすがのうまさだと思う。しかし「昭和史最大のミステリーを追う」とうたった文庫裏表紙の宣伝コピーは、どこまで的を射ているだろうか。 主人公(帝国陸軍中尉)が昭和天皇に呼び出されるという出だしのインパクト、張作霖爆殺(満州某重大)事件の経過や当時の中国の情勢などを分かりやすく伝える筆致など、ぐいぐいと読ませる語り口。とはいうものの、ストーリーはよく知られた範囲を超えることなく、ナゾ解きの部分はあってなきがごとし。蒸気機関車のモノローグ、秘宝の話などもピタッとは嵌まっておらず、それやこれやで拍子抜けの一面もあった。 | ||||
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『蒼穹の昴』からシリーズを全て読み終えた直後に本作の単行本が刊行されました。 文庫化にずいぶん時間がかかったように思えますが、何か特別な大人の事情があったのでしょうか? まさに首を長くして待ち続けた結果、期待が大きくなり過ぎました。 結果、実際に手にしてみると少しがっかりしたというのが正直な感想です。 この作品がシリーズ完結作だと勝手に思い込んでいましたが、この程度では終われないと思います! 張作霖の時代の人間になると、多数の写真のみならず、映像も資料として残こされるようになってきます。 張作霖を神のごとく美化することにはあまりにも無理があるのではないか。 日本の明治初期までの群雄、あるいは西太后のように、写真が数枚残っているだけの<伝説>に対しては、作家の描写のちからにより、読者がどのようにも想像を膨らませることができると思うのですが。 昭和期からの歴史小説が少ないのは、このあたりの難しさも関係しているのかもしれません。 ※「鋼鉄の公爵」の独白、違和感を感じました。 徐々に慣れはしましたが。 ※ 龍玉ですが、「それを運ぶ役目の人間」というものを明確に定めてしまうのは如何なものか。 張作霖以降、中国の歴史がどう推移するのかは周知のことですので、次回作における張学良の<落とし所>を予告されてしまったようで、どうも残念でなりません。 ※昭和天皇によりマンチュリアン・レポートの作成が命ぜられるわけですが、あれほどまでに明確に政治に関与していたとするならば、確実に戦犯になったと思います。 (著者は昭和天皇を暗黒の時代に抗する聖者、少なくとも賢者として描きたかったのでしょうが。) 昭和天皇との会話にはとにかく当時の状況の説明=情報を入れ込もうとする著者の作為があまりに強く感じられ、読んでいて強く違和感を感じました。 繰り返しになりますが、この素晴らしいシリーズを終わらせるのには十分ではない作品だと思います。 次回作での張学良の描き方、毛沢東の描き方について、読者の想像を良い意味で大きく裏切って頂きたいと思います。 | ||||
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購入して良かったです。期待した通りの内容でとても満足でした。 | ||||
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蒼穹の昴、中原の虹、珍妃の井戸とシリーズで読むことをお勧め 浅田次郎さんは読者を裏切りません。 | ||||
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昭和初期の大命題を、浅田さんらしく、事件当時に生きていた人々(今回は語りに汽車も加わり)を軸に一歩踏み込んだシチュエーションを最初に持ってきています。この第一章だけでもすばらしい書き下ろしですが、最後辺りに(ほんのちらっと)息子の張学良に待機の指示を父でなく棟梁として与えたくだりは、満州人ですら関わり方が難しい中国問題の在り方を再認識させてくれました。ぜひ次回はプリンス張学良の後半生を語ってください! | ||||
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昭和初期の大命題を、浅田さんらしく、事件当時に生きていた人々(今回は語りに汽車も加わり)を軸に一歩踏み込んだシチュエーションを最初に持ってきています。この第一章だけでもすばらしい書き下ろしですが、最後辺りに(ほんのちらっと)息子の張学良に待機の指示を父でなく棟梁として与えたくだりは、満州人ですら関わり方が難しい中国問題の在り方を再認識させてくれました。ぜひ次回はプリンス張学良の後半生を語ってください! | ||||
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蒼穹の昴シリーズの中で、最も重圧感がある作品だと思いました。 申し上げたいことは大きく2点です。 1 歴史の知識 張作霖爆殺事件について、中学・高校の歴史で習った程度の知識しか持ち合わせていませんでした。 しかしこの本を読んで、「ああ、そういう感じの筋書きなのか」という、おおまかなストーリー観を得ることができました。 この本は小説なので、全てが正しいというyわけではないのでしょうが、これから日中関係を勉強するためには、知っておく方が良い内容だと思います。 2 天下を治めるとはどういうことなのか 小説の中には、天命の具体が登場します。 しかし、張作霖が何者で、何を目的にどうしたのかという、この小説の内容を考えるにつけ、天下を治めるということは、現在日本で行われているような全く危機感のない議論ではないのではないかという気がしてきました。 それだけではなく、この本を読む者は、「生きるとはどういうことなのか」という命題を突きつけられるのではないかと思います。 個々の人間が必至に生きる。その総体である天下を治めるということが、どいういうことなのか。 これからの読書の視点を与えてくれる良い本でした。 ただ、蒼穹の昴シリーズで思ったことは、毛沢東があんまり出てきませんできた。 浅田次郎さんには、今後、毛沢東について書いて欲しいと思います(もうあるのかもしれませんが。) | ||||
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蒼穹の昴シリーズの中で、最も重圧感がある作品だと思いました。 申し上げたいことは大きく2点です。 1 歴史の知識 張作霖爆殺事件について、中学・高校の歴史で習った程度の知識しか持ち合わせていませんでした。 しかしこの本を読んで、「ああ、そういう感じの筋書きなのか」という、おおまかなストーリー観を得ることができました。 この本は小説なので、全てが正しいというyわけではないのでしょうが、これから日中関係を勉強するためには、知っておく方が良い内容だと思います。 2 天下を治めるとはどういうことなのか 小説の中には、天命の具体が登場します。 しかし、張作霖が何者で、何を目的にどうしたのかという、この小説の内容を考えるにつけ、天下を治めるということは、現在日本で行われているような全く危機感のない議論ではないのではないかという気がしてきました。 それだけではなく、この本を読む者は、「生きるとはどういうことなのか」という命題を突きつけられるのではないかと思います。 個々の人間が必至に生きる。その総体である天下を治めるということが、どいういうことなのか。 これからの読書の視点を与えてくれる良い本でした。 ただ、蒼穹の昴シリーズで思ったことは、毛沢東があんまり出てきませんできた。 浅田次郎さんには、今後、毛沢東について書いて欲しいと思います(もうあるのかもしれませんが。) | ||||
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蒼穹の昴に続く、最新作です。 張作霖爆殺事件を題材に、戦時下の混沌がリアルに描かれております。 ”運命”を考えさせられる一冊です。 | ||||
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蒼穹の昴に続く、最新作です。 張作霖爆殺事件を題材に、戦時下の混沌がリアルに描かれております。 ”運命”を考えさせられる一冊です。 | ||||
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蒼穹の昴からのファンで本作品を楽しみにしてました。 このシリーズをずっと愛読してた私にはずいぶんと感慨深いものがありましたが、 果たして、初めて本シリーズに触れる読者には多分よくわからないことが たくさんあるだろうなと思いました。 機関車トーマスのように心をもつ機関車と、それに乗車する張作霖との交流や、 知ってるようで知らない爆殺に至る経緯や状況など、興味深いエッセンスが 盛り込まれていました。 全体を通してしんみりとした印象の本です。 | ||||
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蒼穹の昴からのファンで本作品を楽しみにしてました。 このシリーズをずっと愛読してた私にはずいぶんと感慨深いものがありましたが、 果たして、初めて本シリーズに触れる読者には多分よくわからないことが たくさんあるだろうなと思いました。 機関車トーマスのように心をもつ機関車と、それに乗車する張作霖との交流や、 知ってるようで知らない爆殺に至る経緯や状況など、興味深いエッセンスが 盛り込まれていました。 全体を通してしんみりとした印象の本です。 | ||||
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僕は「失われた日本近代史」というテーマで、本を読んでいる。同時に、日本から見た世界史だけではない「北東アジアから見た歴史」を、通史として「体感したい」と願っている。その時期から、素晴らしく読みやすいエンターテイメントとして清朝末期から中国の近代化までを描く『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』そして『マンチュリアンレポート』という作品群に出会えたことは、読書を愛する書痴として、本当に幸せだ。それにしても、浅田次郎さんは、他の作品はともすれば軽過ぎて僕にはあまり会わない文体なのだが(どうせ文学を読むのなら重く堅い文体が僕は好き)、テーマが膨大かつ深く重いだけに、その軽さが逆に素晴らしく味の雰囲気を醸し出して、本当に素晴らしい。特にこの時代を読む補助線になって、本当に分かりやすい。最初に昭和天皇に呼び出されて、ある一大尉が「なぜこうなったか?」ということの意見を述べるシーンがあるんだが、日本側の政治力学を非常に分かりやすく噛み砕いてあり、分かりやすさにぐっとうなった。だれもが、当たり前のように歴史知識を持っているわけではない。ましてやこのシリーズは、きっと中国や韓国や他のアジア諸国でも翻訳されると思う。面白いもの。また若い世代には、そもそも近現代史の共通認識がないのだから、若く読書する世代はかなり第二次世界大戦の認識は希薄だと思うのだ、好きな人以外は。そう考えると、僕はこういった小作品で、まず基本を説明しておくのは、大きなサーガの一部として、非常に価値があると思う。少なくとも僕は再整理の一助になったもの。繰り返しになるが、『珍妃の井戸』と同じくスピアウト的な小作品なので、これ自体では、他のレヴューにあるように、小粒なこともありそれほど最高とは言い難いかもしれないが。『蒼穹の昴』から続く、中国近代史の大河ロマンの一つとして位置付ければ、僕は非常に面白い小説だと思います。『蒼穹の昴』はウルトラ級の作品なので、毎回それを求めると、息切れしてしまうので、僕はこういうふうに挟むのは悪くとないと思うけどなぁ、この大サーガのファンとしては。 | ||||
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